ハンファディフェンスが次期型装甲車の試作モデルを発表

陸軍

装甲車ねぇ……。

ハンファディフェンス、装甲車試作モデル3台をオーストラリア政府に納品契約

2019.10.23 16:29

ハンファディフェンスはオーストラリア防衛事業庁(CASG)と405億ウォン(約37億円)規模のレッドバック(REDBACK)装甲車の試作モデル3台の納品契約を締結したと23日に発表した。

「中央日報」より

先日行われたADEX2019で公表されていたとあって、ブログで触れようかどうか迷ってはいたんだけれど、オーストラリが買うという情報を得てビックリした。

……本当に?

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韓国が誇る装甲車

韓国軍採用の装甲車

韓国軍は北朝鮮と戦うことを前提としているため、当然、装甲車で兵士を輸送することも考える必要があろう。

色々問題がある兵員輸送を目的とした装甲車ではあるが、韓国軍にとってはこの手の装備を数を揃えて使える様にするというのは必要のある事だ。……多分。じゃあ、アメリカ軍が使っていたM113装甲兵員輸送車とかM2ブラッドレー歩兵戦闘車を買えば良いんじゃね?とか思うのだが、なかなかそういうわけにもいかなかったようだ。

韓国軍の場合、38度線を越える為にはどうしても渡河性能を必要とする、って事になっているからだ。

K21装甲戦闘車

こちらは現在韓国軍が採用しているK21歩兵戦闘車。大韓民国国防科学研究所(ADD)が開発し、斗山DST社が生産しているらしい車両である。

K200装甲兵員輸送車

ところで、K21装甲戦闘車のベースになっている車両があって、それがK200装甲兵員輸送車である。

K200兵員輸送車

このK200兵員輸送車という車両、やっぱりADDが開発して、生産は大宇重工業が行っている様だ。で、K200兵員輸送車の開発にあたって、先出のM113の技術を元に開発されたAIFVシャーシを基礎としているらしい。

M113装甲兵員輸送車は、アメリカ軍で最初の「戦場のタクシー」という概念の元に機械化された装甲車である。アメリカ軍は、最近では地雷やIEDなどの被害が多いことからMRAPと呼ばれる車両を導入しつつあるが、未だにその有用性は失われていないようだ。

このM113装甲兵員輸送車が大ヒットしたため、米FMCコーポレーション社は、これを更に発展させてAIFVと呼ばれる装甲戦闘車を作ったのだが、アメリカ軍はそちらは採用しなかった。その結果、このAIFVは海外で多数採用されることになる。

もちろん韓国が採用したのはソレで、KNIFVと名付けたとか。そう、K21歩兵戦闘車のことだよ!

ただまあ、AIFVよりコストを下げるために、機能を維持しつつもコストダウンされたらしい。ソレが本当かどうかはちょっと怪しいけれど。韓国のやるコストダウンというのは、常に手抜きが付きまとうからね。

さておき、K200兵員輸送車にしても、K21装甲戦闘車にしても、「盗んだ技術で走り出す~♪」を地で行っている。

共通として使われているAIFVのシャーシに関するライセンス料をを支払っているという情報は無いし、斗山DST社が当時、別の仕事でライセンス生産を行っていたMAN製のD2848Tエンジン、これはK200兵員輸送車に載せていたのだが、リバースエンジニアリングすることによってK21装甲戦闘車に採用している。

次期装甲車

で、ハンファディフェンス社は次期装甲車として提案したのが、冒頭の記事にも出てきたレッドバックであるとのこと。

LIGネクスワンが公開した未来の歩兵システムの核心技術である「筋力増強ロボット」、ハンファディフェンス社の装甲車「レッドバック(REDBACK)」も注目を浴びた。

「MK NEWS」より

ふーん。

REDBACKS

こんなヤツらしい。

仕 様
重量42トン
マックス・スピード65km / h以上
範囲520km
アクティブ保護O
クルー3 + 8人
兵装主砲30mmキャノン
補助兵器7.62 MG
RWS 12.7mm
ATGM

重量は42tか、ちょっとした戦車と同じくらいの重量があるのだが、随分重くしたな。これだと渡河性能は付けられないだろうから、韓国軍に採用して貰うのは難しそうだ。

その点、オーストラリアならば問題無いのか?買っちゃうですかね?

先月16日、オーストラリア政府が未来型軌道装甲車獲得事業(Land400 Phase3)でハンファディフェンスのレッドバックとドイツのラインメタルディフェンスのリンクス(Lynx)を最終候補(shortlist)装備に選定した後で行われた後続契約だ。オーストラリア軍は現在、次世代歩兵戦闘装甲車と系列車両(8種)400台を購入するLand400 Phase3事業を進めている。約1年の試験評価を経て、2021年に最終的な事業者が選定される。

「中央日報」より

と思ったら、対抗馬は独ラインメタル社のリンクスKF41装軌式装甲車らしい。

KF41 リンクス

スペックから外観まで割と似ている気がするんだが、こちらも重量は44tもある重量型だな。軽量な装輪装甲車が流行だとは思っていたけど、オーストラリアのような国土であれば、装輪装甲車よりは装軌装甲車の方が都合が良いのかも知れない。

ただねぇ、韓国製品は格好はともかくとして、性能はちょっと微妙だと思うんだ。案外、AIFVのシャシーを流用していてそれなりの性能と、交換パーツの豊富さなどのメリットが産まれるかも知れないので、バカに出来ない性能を有している可能性はある。

そして、今のところは、試作モデルを3台納入するだけの話になっているので、評価はこれからなんだろうな。ただ、試作モデルだけならばK2戦車もそこそこ性能は出せていたんだよね……。

コメント

  1. 電気屋 より:

    40トン超か・・・重量だけなら10式と同クラスですな。
    最近の韓国製兵器は輸出ありきで国内の事情にそくしていませんね、まあ北朝鮮は脅威では無いらしいので良いのかも知れませんが。
    普通に考えればドイツのリンクスの当て馬にされているのでしょうが、オーストラリアも中々の曲者なので何かとんでもない裏取引の末に採用してしまうかも?
    それはそれでウォッチャー達の美味しいネタの素ですがね。

    • 木霊 より:

      何がそんなに重くなったかは気になるところであります。
      だって、これ、アクティブ防御システム積んでいるんですよ?スペックに書かれている程度の話ですが。
      だとすると、ある程度割り切って軽量化する方向に舵を切った方が良いような……。

      ネタ的には面白いのですが、取り扱うのを躊躇う程度のネタに感じますよ。オーストラリアが買うと言うから取り上げてみましたが。

  2. 暇人 より:

    韓国軍でも浮航性があるのはK21等の装甲車のみで、戦車には無いのでどこまで求めているのでしょうね。そもそも朝鮮戦争の時は、北朝鮮軍は浮航性のないT-34を先頭にして攻め込んでいますし。日本では護岸工事が進んだのと、架橋機材も充実したので不要、ということでしたが。

     オーストラリアは韓国製兵器に抵抗がないようで、K9自走砲も採用の一歩手前までいきましたね。政権交代で白紙になってしまいましたが。この時はドイツのPz2000に比べてK9の安さに目がくらんだ感じでしたが、さて、今回はどうでしょうね。
     

  3. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    >スペックから外観まで割と似ている気がするんだが、こちらも重量は44tもある重量型だな。軽量な装輪装甲車が流行だとは思っていたけど、オーストラリアのような国土であれば、装輪装甲車よりは装軌装甲車の方が都合が良いのかも知れない。

    毎度お得意のディスカウント価格で勝負するつもりなんでしょうけど、その貪欲さは日本も少し見習わないといけないのかも?(苦笑)

    >韓国軍の場合、38度線を越える為にはどうしても渡河性能を必要とする、って事になっているからだ。

    日本陸自の兵員輸送を目的とした装甲車は、89式装甲戦闘車(ライトタイガー)は96式装輪装甲車(クーガ)に置き換えられつつあるようです。
    浮橋装備と道路整備により10式戦車でもトレーラーによる移動が可能なんで、96式装輪装甲車(クーガ)の機動性の高さが活かされるんでしょう、南朝鮮との国土・地形の違いが装軌車2500両以上を必要とする配備数の違いに表れていますね。

    前提が全く異なる陸軍主体であるこの種の兵器輸出で、南朝鮮と競合し張り合う必要は全くないのですが、日本お得意の優れた海自艦関係は東南アジア諸国で需要が大きいと思っています。

    例えば、FFM(3900t型護衛艦)に次いで計画中のコルベット(1000t級哨戒艇)なんか、量産効果を基本に設計すれば大量輸出は可能じゃないでしょうか。
    対艦装備を主に最低限の自己防衛用対空装備と対潜用デコイ・チャフだけ装備すれば、東南アジア諸国の東シナ海・南シナ海の哨戒策は随分強化されるはず。
    極論、哨戒機能&対艦装備以外はオプションとしてもいい。

    支那に味方する勢力があるASEANという厄介な枠組みはともかく、軍事的脅威を警戒する東南アジア諸国が団結した対支那包囲網の為にも、有効な武器輸出を意識した設計となればという願望なんですが...。
    それでも南朝鮮と競合するにはコストがネックとなるでしょうけどねェ~。