オーストラリアに売って上げるニダ!レッドバック発進!

陸軍

案外、まともな商品になる可能性も残されてはいるものの、いつも通りの流れならダメな臭いしかしない。

ハンファ「レッドバック」装甲車、オーストラリア進出への最終関門…5兆ウォン規模事業

登録 : 2020-07-27 16:31| 修正 : 2020-07-27 16:31

ハンファディフェンスの国産装甲車である「レッドバック」'(Redback)が5兆ウォン規模のオーストラリア軍の主力装甲車の選定事業に参入し、最終関門を控えている。

今回の事業を受注すると、先進国の主力装甲車として納入する初の事例と記録される。

「亜洲経済」より

レットバック:セアカゴケグモということなのだが、その中身はK21歩兵戦闘車である。

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K21歩兵戦闘車

渡河性能を発揮!

K21歩兵戦闘車の残念っぷりは、コチラで説明させて頂いているので説明不要だ!

……あ、ちょっと説明しておこう。

車長、砲手、操縦士+兵員9名を搬送できて、そのうえエアバッグ浮揚装置によって水上で7km/h出せる渡河機能付き!やったね!

ただ、このエアバッグが原因のトラブルで死者まで出してしまった曰く付きの装備でもある。

こ、こいつをベースにして作るのか、レッドバックは。

最大戦闘重量は約42t

お、重い……。

どうやらこのレッドバック、追加装甲をくっつけることが出来る仕様になっているようで、それ自体は良いと思うのだけれど。

車体重量が42tに達するレッドバック装甲車は機動性が優秀で、地雷や銃弾攻撃に備えた特殊防護設計で、防護力が大幅に向上したのが特徴だ。 オーストラリアで棲息して世の中で最も強い毒を持った蜘蛛として知られた「redback spider」から名前を取った。

「亜洲経済”ハンファ「レッドバック」装甲車、オーストラリア進出への最終関門…5兆ウォン規模事業”」より

ただ、追加装甲をつけた状態で「機動性が優秀」って、それはどうなんだろう。「地雷や算段攻撃に備えた特殊防護設計」というのは、必要だと思うんだけどさ。

しかし、これももちろん先方の要請という話なので仕方が無い。

レッドバックの対抗馬は独ラインメタル社製の歩兵戦闘車「リンクスKF41」らしく、コチラは最大重量が約44tで、最大6tまでの装備や装甲を追加できる余地があるという。

……コイツが対抗馬か。

リンクスKF41は1155馬力

参考までにリンクスKF41の性能を調べて見ると、1140hp(1155馬力)を発生するディーゼルエンジンを搭載し、実績のあるRenkトランスミッションを備えていて、最大速度は70km/hという機動性を発揮するようだ。

基本装備時の重量は約44tか。

軽量のランス2.0砲塔、35mm後継の外部駆動オートキャノンが搭載され、発射速度は毎分200発。更に上部にはラインメタルマシンガン 7.62mmを備えて最大毎分800発をばらまけるのだそうな。

更にオプションで対戦車誘導ミサイルランチャーの搭載も可能とか何とか。

あれ、この話は何か何処かで書いたような……。

あ、一年ほど前に似たような記事を書いていた。れ、レッドバックさんは本当に大丈夫なんですかねぇ……。

K-9自走砲のパワーパックを採用

さて、レッドバックさんに話を戻していこう。

redback

どうやら、重くなった分はエンジンの出力もアップする模様。

これと共にレッドバックは、韓国軍のK-9自走砲とK-10弾薬運搬装甲車1600台で検証されたパワーパック(エンジン+トランスミッション)ソリューションを採用した。1000馬力級で最大65㎞で走行することができる。過去戦車は短距離攻撃のための武器として主に使用されて長距離移動時の故障が頻繁だったが、ハンファディフェンスのパワーパックソリューションは、緊迫した状況で故障が発生しても、エンジンとトランスミッションを取り出し、新しいパワーパックと交換することができる。

「edaily」より

実績のあるK9自走砲のパワーパックを組み込んだらしいのである。確かに、K9自走砲はMTU社のMT881Ka-500ディーゼルエンジンを採用して、1000馬力を発生する。K9自走砲の重量は47tなので、44tのレッドバックさんに使うという選択肢はアリだとは思う。K9自走砲のエンジンを実際に作っているのは、ライセンス生産をする双竜重工業なので、韓国で調達可能だしね。ただ、コイツを積んだら「機動性が優秀」になったというのは意味がよく分からないのだけれど、それなりに実績があるのは事実。

そうだとすると、エアバッグをオミットしてしまえば優秀な装甲戦闘車になったという事かも知れない。未知数なのは韓国製の装甲が果たして要求性能を満たすのか?という点なのだけれど、その辺りはそのうち分かるのだろう。IEDによる攻撃やRPG-7による攻撃に耐えられるというのが現在のトレンドらしいけど。

オーストラリアがどんな選択をするのかが注目だ。アメリカがM2ブラッドレー歩兵戦闘車の更新にこれをチョイスしていたら殆ど勝ち目は無かったと思うのだけれど、キャンセルしちゃったらしいから。

まあ、何にせよ、韓国にとってもこの輸出はかなり行ける!とホルホルしている話だし、チャンスはそれなりにありそうである。ただ、選定からからが勝負になるのが韓国の兵器なので、オーストラリアは逃げてー!え?違う?

追記

リンクスKF41に関するコメントを頂いたので、ソースにした情報を開示しておきたい。

米軍はBradleysを置き換えるために競争をキャンセルします-Meta-Defense.fr

サイトが英文を機械翻訳した形で、更にコピーを禁止する形になっているので、引用が難しくリンクだけを張っておく。正直、この文章では中身の理解が覚束ない。

As of May 2020 Rheinmetall have proposed the Lynx in Australia, Czech Republic, the United States and, according to Spring 2020 investor call transcripts, they are reportedly in the final phase of negotiations with Hungary regarding an order over €2B ($2.3B in May 2020) worth of infantry fighting vehicles, rumored to be about 210-220 Lynx units.

「Wikipedhia”Lynx (Rheinmetall armoured fighting vehicle)”」より

こちらは、Wikipedhiaの英語版の「Lynx」の項。更にコチラの記事も引用しておこう。

レイセオンとラインメタル、米陸軍次世代歩兵戦闘車に「リンクスKF41」を提案

2019年8月19日

レイセオンとラインメタルは8月13日、アメリカのデトロイトに本拠地を置くプラット・アンド・ディフェンスと協力して、アメリカ陸軍の近代化業務を担当する陸軍将来コマンドの要求する、M2ブラッドレー歩兵戦闘車を後継する任意人員配置戦闘車(OMFV)に、ラインメタルが開発を進めている「リンクスKF41」を提案すると発表した。

「Tokyo D&A REVIEW」より

これらの話を要約していくと、M2ブラッドレーは1981年に採用されて以降、2度ほど更新計画が持ち上がっているようだ。1度目は1999年に開始されて2009年にキャンセルされたフューチャーコンバットシステム有人地上車両(MGV)計画。2度目が2010年に開始され2014年にキャンセルされた歩兵戦闘車(GCV)計画。

現在は非公式に将来の戦闘車両(FFV)計画が進められているのだけれど、正式には行われていない。レイセオンとラインメタルはここにリンクスKF41を提案したということのようだ。

で、上に紹介した記事で「キャンセルされた」「要求仕様を満たさなかった」というような事が書かれている。

In October 2018, Rheinmetall announced a teaming with Raytheon to propose the Lynx KF41 to the U.S. Army in answer to its developing Next-Generation Combat Vehicle program, this slated to replace the Bradley Fighting Vehicles and other current platforms. This program, now known as the Optionally Manned Fighting Vehicle program, was halted on 16 January 2020. The U.S. stated it was cancelling the OMFV prototyping competition in order to revisit the requirements and acquisition timeline.

「Wikipedhia”Lynx (Rheinmetall armoured fighting vehicle)”」より

……良く読んだら、Wikipedhiaの英語版の後の方にもちゃんと書かれていたよ。2018年に提案して、2020年にキャンセルしたとされている。

追記2

参考までにKF41とK21、レッドバックの分かっている範囲での比較をしてみたいと思う。

KF41 LynxRedBackK21歩兵戦闘車
重量44t42t25t
エンジンLIEBHERR社ディーゼル
1140hp(850kW)
MTU社MT881KA-50
ディーゼル
1000hp
D2848LXEディーゼル
750hp
最高時速70km/h65km/h70km/h
武装ラインメタルランス砲塔30mm口径
ラインメタル機関銃 7.62mm
対戦車誘導ミサイル(オプション)
30mm自動大砲
12.7mm機関銃
韓国製対戦車ミサイル
K40 70口径40mm機関砲
M60 7.62mm機関銃
韓国製対戦車ミサイル
乗員数3+8名3+9名3+9名

うーん、もうちょっと分かる情報を載せたいところだけれども、結構怪しい話が多くてよく分からないと言うのが正直なところ。レッドバックはK9自走砲のパワーパックを流用するようなことが書かれていたので、足回りの設計なんかもそれに準じている可能性は高かろうと思う。足回りの設計のやり直しとか、これからなのかな?パワーも重量も上がっちゃうと色々と調整する必要はあるだろうが、その辺りはどうしたのやら。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    >レットバック:セアカゴケグモということなのだが、その中身はK21歩兵戦闘車である。

    最新式&輸出型(自称でしょうけど)歩兵戦車が唐突に画像ニュースになったのにはビックリ!!(苦笑)
    しかし、中味はかなりヤバイ性能のK21歩兵戦車なんですかァ~、見た目は新規開発に見えるんですがリンクスKF41の丸ごとコピーみたいな外観なのが笑かしてくれる。

    KF41は次期ブラッドレーの候補にも上がる歩兵戦車で、走行性能・防御性能&攻撃力(モジュール選択)を備え、既に数カ国が採用しているらしい評価の高い歩兵戦車のようです。

    >IEDによる攻撃やRPG-7による攻撃に耐えられるというのが現在のトレンドらしいけど。

    大規模空爆後の初期制圧作戦では海兵隊偵察部隊が先鋒となり(ハンヴィーで)、主要道路と都市を一歩ずつ制圧していく戦法をとっていますね。
    最も警戒するのがPRGによる奇襲とIEDによるテロ打撃攻撃でしょうし、現在は対ドローンへの防御も求められているんじゃないかな。
    ただ、敵の重火砲攻撃に対しては所詮ハンビーでは対処できないので、M2歩兵戦車(ブラッドレー)が救援し援護するのに必須なんでしょう、その様はHBO制作のイラク戦争を描いた「ジェネレーション・キル」で描かれています。

    >アメリカがM2ブラッドレー歩兵戦闘車の更新にこれをチョイスしていたら殆ど勝ち目は無かったと思うのだけれど、キャンセルしちゃったらしいから。

    M2/M3の更新って話ありましたっけ?
    失礼ながら僕にはちょっと理解しにくい文脈だったんで、もう一度詳しく更新計画~キャンセルまでの経緯をご説明頂けたらありがたいです。

    >ただ、選定からからが勝負になるのが韓国の兵器なので、オーストラリアは逃げてー!え?違う?

    普通に考えるならそれが賢明で当然な選択というか判断でしょう。(だって所詮はKF41の後追いですから)
    まあ、T7-A練習機みたいに競合させる当て馬的な気がしないでもないですけど...、一応試作まで買ったみたいなんで今後の推移に注目ですね。

    • 兵器関連のニュースに良くありがちではありますが、スペックに関して詳しい情報というのはナカナカ出てきません。
      外観からしてお笑いを狙っている感じはしますが、レッドバックがリンクスと勝負になるかどうかは。
      価格勝負にしても分が悪い様に思いますよ。

      ただ、現実問題、K9自走砲はそれなりに海外輸出を成功させています。
      海外でK9を実践に使って、という話を聞かないために、果たしてどこまでの実力があるのかさっぱり分かりませんが、スペック的には優秀ですからね。
      そういう意味で、レッドバックにも商機はあるのかなと思います。

      しかし、レッドバック、オーストラリアに売れなかったとすると、何処に売る積もりなのかという事を考えるとナカナカ厳しいものがあります。
      記事中にも書きましたが、韓国国内で採用というのは渡河性能を持たせることが難しいこともあって、採用は難しいでしょうから、どこにも売る事ができないなんて話になりかねませんから。

      そうそう、ブラッドレーに関しての話は追記させて頂きました。
      この話も、報道されていますから噂以上の情報源があってのことだとは思いますが、ちょっと怪しげな部分はあると思います。
      あくまで参考情報としてご理解ください。

      • 木霊さん、追記での解説と紹介記事ありがとうございました。

        兵器関連は支那・ロシア・北朝鮮そしてお笑い南朝鮮軍をメインにウォッチしてますんで、どうしても西側情報収集が手薄になっちゃってしまいます。

        >で、上に紹介した記事で「キャンセルされた」「要求仕様を満たさなかった」というような事が書かれている。

        いかにアメリカでも新規国内開発を念頭にないのか知りませんが、KF41ではM2/3の後継としては重量を含め仕様過剰とかいう理由もあるんでしょうかねェ~。
        何しろM2/3と置き換える台数は7000車両近くになりますから、陸軍&海兵隊の再編成に見合う仕様じゃないといけません。
        アメリカが立て続けに海兵隊沿岸部隊新設(MLR)、陸軍ではMDTFを打ち出していますから、そんな思惑の中での話とかがあるのでしょうか?

        陸自も68両しか装備していない89式装甲戦闘車が30年を超えていますから、後継車の開発をしなければなりません。
        対ロシア用ということで主に北海道への配備なんですが、今後は南西島嶼部にも展開させねばなりませんから数は増やす必要があるでしょうね。
        戦車砲搭載・C4I・装甲強化まで必要なら40tクラスになるでしょうから10式戦車をベース、従来通り歩兵展開をメインに機関砲で良しとするなら16式機動戦闘車をベースに軌道式となるのかな。
        装甲偵察車とかのファミリー化も視野に入れないといけませんから、中々具体的計画が見えてきませんけどね。

      • 木霊さん、おはようございます。

        >ただ、現実問題、K9自走砲はそれなりに海外輸出を成功させています。

        なるほど、K21歩兵戦闘車のコンセプトから大失敗の渡河機能を省き、車体はK9自走榴弾砲をベースにするから重量42t・速度65kmなんですね。
        K9はトルコ・インド・フィンランド・ノルウェーへの輸出実績と商談締結もある車両なんで、ちゃんと評価は高いのでしょうね。
        ただ、肝のエンジンはドイツ製・トランスミッションはアメリカ製・サスペンションはイギリス製のライセンス生産ですから、信頼性は高いでしょうが支払うライセンス料は相当額でしょう。

        >海外でK9を実践に使って、という話を聞かないために、果たしてどこまでの実力があるのかさっぱり分かりませんが、スペック的には優秀ですからね。

        要するにドンガラだけ南朝鮮国産ってシロモノ...、そして国産の榴弾砲の性能はスペックの半分以下らしいし、装甲も未知数ですよね。
        延坪島砲撃事件でのアタフタぶりもありましたしねェ~。

        >そういう意味で、レッドバックにも商機はあるのかなと思います。

        オーストラリアが過去にK9を高く評価し導入を検討したのも、肝であるパワーと制御(エンジン&トランスミッション)・足回り(サスペンション)が南朝鮮製じゃないからと理由の様な気がします。
        既に、多様な攻撃システムを実現しているリンクスKF41に勝つには、やっぱり超ディスカウントと袖の下戦略がポイントの様に思いますけどね。

        >しかし、レッドバック、オーストラリアに売れなかったとすると、何処に売る積もりなのかという事を考えるとナカナカ厳しいものがあります。

        ご指摘通りに悩ましい宿題も同時に抱えるリスクはありますんで、試作受注レベルでホルホルしてる場合じゃないと思う。

  2. これだけの重量車両だと、エンジン出力だけじゃなく、足回りも重要だと思うんですけどねえ
    K9よりも機動性が求められるでしょうし。
    あの国の場合、そういうことを考える頭がないからなあ
    1000hpで65km/h!KF41と同等!って言ってるだけだったなら、まあ。

    • そうですね、ご指摘の通り、トータルで考えていかないとエンジン交換だけすると破綻しかねないのですが、その辺りはどうなっているのでしょうかね。
      その辺りも少し追記しておきましょうかね。