次期韓国国防部長官、正論を言ってしまう

海軍

え?それを今言う?

韓国国防部長官候補者、韓国軽空母の導入に慎重…「優先順位を考えなければ」

2022.04.26 12:09

韓国国防部長官の候補者に指名されたイ・ジョンソプ氏が25日、文在寅(ムン・ジェイン)政府で推進された軽航空母艦(CVX)事業に対して「様々な意見があると承知している」とし、「戦略的・作戦的運用の概念、軍所要の充足性、国家利益の寄与度、費用対効果などを考えて優先順位を綿密に調べる必要がある」と話した。

「中央日報」より

いやー、残念だわー、個人的にはとても残念だわー。

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漂流する軽空母事業

軽空母事業から撤退?まさか?!

韓国が軽空母の建造をするという話はこのブログでも随分ネタにさせて頂いて貰っている。ああ、リンクも貼っておかないとね。

顛末も含めて触れているので、多分面白いとは思う。

と、自画自賛はさておき、どんな計画かは軽く触れておこう。

文在寅政府国防部は2020年8月発表した2021~2025国防中期計画で2033年までに2兆6000億ウォン(約2666億円)を投じて3万トン級軽空母を国内研究開発で設計・建造すると明らかにした。

「中央日報」より

記事にはこんな風に紹介されているが、既に設計はスタートしている。

img

現代重工はイギリスの企業バブコック社と契約して、こんな感じの軽空母を計画しているようだ。

img

こちらは大宇造船 (DSME) で、イタリア企業フィンカンティエリ社と契約して設計している軽空母である。

  • 大宇造船 (DSME) +イタリア企業フィンカンティエリ社
  • 現代重工業+イギリス企業バブコック社

この2チームで入札をして軽空母を作るという話になっていて、予算は削減されてしまったものの将来的には確実に作る流れになっている。

ちゃぶ台返しをすると韓国産業がヤバい

そんな訳で、ムン君が頑張って軽空母計画を推進していたわけだが、韓国国会でいきなり予算削減。これを覆して何とか72億ウォンの予算を獲得したことがこの記事でも触れられている。

昨年、国会予算審議の過程でこの事業が論議を呼んだ。予算削減をめぐる論議の末に昨年12月3日国会本会議で軽空母基本設計予算72億ウォンが全額成立した。

「中央日報」より

72億ウォン……。設計するにしても、概念設計で終わる程度の予算だな。

しかし、実際に軽空母事業はスタートしてしまっていて、企業はかなりの予算を投じて検討・設計を行っているハズなので、今更「止めました」と言うことは難しい。したがって、一時的に72億ウォンの予算が付いていたのに、5億ウォンに予算縮小した結果、大反発が起きて、何とかムン君のごり押しで72億ウォンに戻した経緯がある。

そりゃ、予算を復活しないといけないような事情もあるのである。

韓国造船業界、受注好調も一斉に赤字

2022.02.08 08:57

現代(ヒョンデ)重工業グループが主力である造船事業で昨年期待以下の実績を収めた。来月の業績発表を控えた大宇(デウ)造船海洋もやはり1兆ウォン台の赤字が予想される。ただ高付加価値船舶の受注が続き、遅くても来年からは業績反転が可能だろうと期待される。現代重工業グループの造船部門中間持ち株会社である韓国造船海洋は7日、昨年売り上げ15兆4934億ウォン、営業赤字1兆3848億ウォンを記録したと公示した。売り上げは前年より4%増えたが、営業損失から抜け出すことはできなかった。現代重工業が8006億ウォン、現代三湖(サムホ)重工業が3072億ウォン、現代尾浦(ミポ)造船が2266億ウォンと子会社が一斉に営業赤字を出した。

「中央日報」より

お金を使わせたのに「やっぱり止めた」ということは難しそうな理由は、韓国海軍の装備は韓国造船業の失業対策になっていると言う噂もあって、兵器としては微妙でも作らないわけにはいかない船を結構作っている。

軽空母ともなれば、かなりの雇用維持の為の資金確保ができることから、雇用の面でも韓国政府としては「止めた」と言うことが難しい実情にある。

正論が通用するなら世話はない

「戦略的・作戦的運用の概念、軍所要の充足性、国家利益の寄与度、費用対効果などを考えて優先順位を綿密に調べる必要がある」と、次期国防部長官候補の方が言及してしまった。

正論だけどさぁ、それはちょっとどうなの?

確かに費用対効果などを考えると、軽空母+F-35Bの購入というのはコスパが悪い。F-35B戦闘機をアメリカから売って貰えるかはよく分からないし、軽空母で戦闘機を運用した実績は、韓国には無い。だから1から訓練をする必要がある。

だから仮に軽空母が完成したとしても、運用まで含めて訓練をすることは、韓国にとって極めてハードルが高いのである。何しろ、今や米軍との共同演習すらやっていないのである。そうなると、2兆6000億ウォン(約2666億円)程度の予算ではとても足らない。

少なくともこの軽空母を3セットに空母打撃群整備を要するので、予算は1~2桁は足らない。

そうした諸々のことを考えると、次期国防部長官候補の方の考えは正しいのだが、しかしそれを今の立場で口にしちゃうのはどうなのよ。ただでさえ韓国経済はヤバいのに、ここで変な話をすると、株価に大きな影響が出かねないぞ。それでも、撤退するのであればそれは英断だとは思うけどね。

コメント

  1. 皆さん、こんにちは

    うろ覚えで恐縮ですが、文政権では”空母は独島防衛のため”に必要という話であったと記憶しています (あるいは、”東京を空襲するため”、だったかもしれませんが)。

    それなら、韓国に予定通り空母を開発させるために、護衛艦隊を竹島に指し向けて煽ってやったらいいでしょう。昨日のニュースでは、韓国が竹島周辺海域を調べているそうで、官房長官が噛みついていましたから、今なら韓国を脅すのにいいタイミングでしょう。

    • 竹島(独島)防衛ねぇ……、。
      割と便利なフレーズなので、戦闘機を買う時にも空中給油機を買う時にも、潜水艦を買う時にも使っていたように思います。

      色々と不安な面はありますが、是非ともこのまま製造にこぎつけて欲しいものです。
      ああ、そういえば夏前にはKF-21の飛行訓練が始まるスケジュールですね。楽しみです。

  2. どっかで「耐熱甲板の技術がないから、VTOL機を運用できない」という話を見た気がしましたが、解決したんでしょうかね?

    • 解決したかどうかは怪しいですが、少なくとも組んでいる外国メーカーはその技術があります。
      作るだけなら可能だと思いますよ。