韓国軍、電気戦闘艦の開発に着手し、次期駆逐艦に採用へ！

ほうほう。

韓国初の「電気戦闘艦」開発へ　次期駆逐艦に採用

2023.05.14 09:48

韓国防衛事業庁などは１４日、次期駆逐艦ＫＤＤＸに関し、国内最初の「統合電気式推進システム」を採用すると明らかにした。同艦は排水量６５００トンで「韓国型ミニイージス艦」と呼ばれる。

聯合ニュースより

ん？「韓国型ミニイージス艦」だと？何種類、それ、作るつもりなんだ？

今度は駆逐艦だ

既にミニイージス艦は進水している！

えーと、過去にも「ミニイージス」の話は書いた気がする。

韓国海軍のミニイージスがついに進水！

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2023.04.21

この時はフリゲート艦を作る話で、3,600t級忠南級フリゲート（FFG）が出来上がるとか言う話だったはず。

この忠南級フリゲートにも、大邱級フリゲートで失敗したCODLOG方式を採用するとかいう話があってザワザワしていた。

推進システムに異常あり

大邱級フリゲートが採用したCODLOG方式とは、主機に、ディーゼルエンジンと発電機からなる「ディーゼル・エレクトリック」に、ガスタービンエンジンを組み合わせたハイブリッド推進方式で、低速の時にはモーターで、高速の時にはガスタービンエンジンでスクリューを回すやり方だったと思う。

こんな感じのシステム構成だ。

ところが、ギアボックスの設計に失敗したらしく、大邱級フリゲートが低速から高速に切り替えるときに20分くらい時間がかかるという話があった。

今年初めに故障したフリゲート艦「大邱」、修理完了から1カ月でまた故障

記事入力 : 2019/12/20 12:01

推進システム異常で9カ月にわたり修理中だった新型フリゲート艦「大邱」（2800トン、写真）が、修理完了からわずか1カ月で再び欠陥が見つかり、動きを止めた。

～～略～～

韓国軍は、最初に故障が見つかった当時、推進システムの欠陥の原因を「ユーザー運用の不適合」としていた。大邱が鎮海港に停泊する過程で、水深の浅さを考慮しなかったため、スクリューが海底に接触して推進システムに異常が生じたというのだ。当時の艦長は、大邱が試験運用を始めた2017年以降、電気モーターとガスタービンがそれぞれ10回も故障したと報告したが、こうした意見は反映されなかった。

朝鮮日報より

この問題が分かっていながら、同様の方式を後継機である南級フリゲート艦に採用したのも意味が分からないが、この問題が解消したという報道も見かけない。

流石に、対応していると思うが。

今度は統合電気推進システムを採用

で、今回の駆逐艦は？というと、記事によれば統合電気推進（Integrated electric propulsion ：IEP）という推進方式を採用するらしい。

これは、イギリスが採用する45型駆逐艦のIEPシステム概念図（実際にはIFEPという方式のようだ）なのだが、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンを搭載して発電用に使いつつ、駆動にはモーターのみで対応する方式のようだ。基本的に電気推進で、2種類のエンジンは発電用に使うのだとか。

なお、45型駆逐艦では使用する電力が大きすぎて2セットのディーゼルエンジンとガスタービンエンジンでは対応出来ず、ディーゼルエンジンを3基に置き換える改修を行っている。

ただ、そのお陰かどうかは知らないが、静音性は犠牲になったらしい。

自動車の内燃機関車から電気自動車（ＥＶ）へのシフトと同様という。騒音が低減され対潜水艦戦でも有利になるほか、レーザー兵器などの次世代兵器にも対応可能となる。

聯合ニュースより

韓国の新型駆逐艦はどうなるんだろうね。

尤も、IPEにすることで複雑なギアボックス設計から解放されることになるだろうから、メリットの方が大きいのかも知れない。ただ、装置はデカくなるらしいので、駆逐艦には載せられてもフリゲート艦には載せられないかも。

特に電力消費量の大きな現代の駆逐艦にとっては、そのため推進用と艦内の機器用の電力を共有化することができることのメリットは大きいだろう。

2036年までに6隻

というわけで、方針とスケジュールが発表されたわけだが。

防衛事業庁は年内に基本設計を終える計画だ。開発に成功すれば海軍が建造費約６兆ウォン（約６１００億円）をかけ、２０３６年までに６隻を確保する。

聯合ニュースより

2036年ってことは、13年後か。長期計画になりそうだねぇ。

なお、韓国は何故か「ミニイージス」という言葉にこだわりを見せるのだが、イージスシステムを搭載したらそれはイージス艦である。

レーダーの機能を落としたり、艦対空ミサイルを安価なものに切り替えたりすると、ミニイージス艦と呼ぶような風習はあるようだが。