韓国製地対空ミサイル「天弓2」をUAEに輸出へ

陸軍

パトリオットじゃねーよ。

韓国型パトリオットをUAEに輸出へ 4千億円規模 

2021.11.17 17:09

「韓国型パトリオット」と呼ばれる弾道ミサイル迎撃システム「天弓2」が、アラブ首長国連邦(UAE)に輸出されることが分かった。UAE国防省が16日、公式ツイッターで発表した。契約規模は35億ドル(約4020億円)相当。

「聯合ニュース」より

正直、あまり笑えるところがないので記事にしようか迷ったのだが、ツッコミは入れておこうかな。パトリオットじゃねーよ!

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韓国のミサイル防衛を担う地対空ミサイル

韓国版S-400地対空ミサイル

これの関連記事はいくつかこのブログでも書かせて頂いている。

何れの記事にも言及してあるが、韓国のこのミサイル技術はロシア製S-350EとS-400より得ている。韓国防衛庁(ADD)がロシア企業 Almaz-Antey から技術供与を受けて開発したもので、事実上、天弓2はロシアの技術で作られたと言っていいだろう。

ロシア製S-400はアメリカ製PAC-3より上?

ロシア製S-400とアメリカ製PAC-3にどういった違いがあり、どれほどの差があるか?という点なのだが、この辺りはあまり明らかにされていない。

S-400は射程距離が400kmを超える第4世代防空対ミサイル武器という評価がある一方で、実際に第4世代の実力を持つのは後継機のS-500であるという評価がある。

PAC-3は第4世代防空対ミサイル武器と定義されているので、S-400の方が若干劣るという評価があるとのこと。

S-400「トリウームフ」について知っておくべきこと
 米国から経済制裁を受ける恐れがあるにもかかわらず、インド、中国、トルコが購入した最高級の防空システムとは、一体どのようなものなのか。

こちらの記事は逆にS-400の方が優れており世界最高の兵器であると誇っているのだが、どこまで正確なのかは不明だ。

とはいえ、射程距離はPAC-3の2倍の400kmで、全方位の目標を見つけ出し撃ち落とす能力があり、短時間で展開できるシステム構成になっているという謳い文句は魅力的ではある。ロシア製兵器はカタログスペックは優秀だけれども、耐久性は二の次という運用が多い為に、実戦でどこまでその能力を発揮出来るのかという点について不安な面があるが。

ただ、いずれにせよ韓国が買ったのはアメリカの技術ではなくロシアの技術である。

だから、天弓2もPAC-3相当というよりはS-400相当と判断したほうが良いだろう。レーダーや複数目的に照準を合わせる技術、ミサイル本体なども完全にロシアの技術に依存しているからね。

天弓2の製造は韓国で可能なのか?

となると気になるのは、天弓2の製造が韓国国内で可能としている点だ。

韓国型パトリオット「天弓-2」の性能が立証…本格的な「量産に突入」

2021/08/19 07:40配信

韓国型パトリオットである「天弓-2」が、本格的な量産に入る。

韓国 国防技術品質院はきのう(18日)、軍に納品予定である「天弓-2」の量産品を対象とした品質認証射撃試験に成功したことを明らかにした。

「WowKorea」より

以前も引用した記事だが、韓国で天弓2が量産されるということになっているが、しかし、一方で韓国のロケット技術はまだ未熟である。

先日、韓国製のロケット「ヌリ号」が打ち上げられ、模擬衛星の軌道投入に失敗した。3段目の7t級液体ロケットエンジンに不具合があったとそのように報じられている。

それより遡ること9年前に、韓国はKLSV-1計画に基づいてロシアの技術協力の下で羅老号の打ち上げに成功している。2基失敗して3基目で漸く成功したのである。このときの2段めに使ったのがKSR-1という韓国製の固体燃料ロケットであった。

仮に韓国がS-400と同等の固体燃料ロケット技術を有しているのであれば、ヌリ号の3段目だって液体燃料ロケットエンジンを使わずに固体燃料ロケットを採用すれば良かったのである。が、現実は違った。

そう考えると、天弓2のミサイルの製造をしているとしているが、ロシア製技術をそのまま使っていて中身をしっかり理解できていないか、ミサイル部品を作って貰ってロシアから調達しているかどちらかだろう。

天弓2のミサイルは格安で提供

したがって、製品を輸出するにあたってロシアにそれなりのロイヤリティーを支払う必要があるはずなのだが、どういう訳か天弓2ミサイルシステムは格安で提供される。

天弓2に用いられるミサイルは1発17億ウォン程度に設定されているのだとか。

天弓2は最大射程20キロ、最大迎撃高度1万5000メートルで、パトリオットPAC3ミサイルに比べると性能はやや落ちるが1発あたりの価格は17億ウォン(約1億6600万円)とはるかに安い。パトリオットPAC3-CRI型は最大射程30キロ、最大迎撃高度およそ2万メートル、1発あたりの価格は48億ウォン(約4億7000万円)に達する。

「朝鮮日報”【独自】韓国軍、国産迎撃ミサイル部隊を3倍増へ”」より

PAC-3に用いられるPAC-3弾は1発8億~10億円とされ、その改良版のPAC-3弾MSEの価格はハッキリしないが40億円程度ではないかと思う。流石にPAC-3弾が高いので廉価版の開発が始まっているが、価格はよく分からない。

性能が高くて価格がお安ければ売れるよね。

天弓2が実戦配備されれば、韓国の防空網は▼パトリオット(20キロメートル前後の低高度)▼天弓2(30キロメートル前後)▼THAAD(50~150キロメートルの範囲)で3重防空網を備えることになる。

「中央日報”パトリオット→天弓2→THAAD…韓国、北朝鮮弾道ミサイルへの「3重防御網」完成”」より

高度30km前後の性能であるとされているので、PAC-3の20km程度よりも高性能ということになる。

2012年から韓国国防科学研究所が開発を主管し、韓国の防衛産業企業LIGネクスワンが製造した。天弓迎撃ミサイルの長さは4メートルを若干上回り、重さは400キログラム、ミサイル1発の価格は約15億ウォン(約1億4200万円)の水準だ。2017年の試験発射で100%の命中率を記録した。

「中央日報”パトリオット→天弓2→THAAD…韓国、北朝鮮弾道ミサイルへの「3重防御網」完成”」より

別の報道では15億ウォンとある。つまり、1.4億円ということに?!これでヒット・トゥ・キル性能を持っているというのだから、恐るべし韓国の技術力!

そしてお安い!価格競争力はもしかしたら本家のS-400システムよりあるんじゃないのかな。

天弓2システムを一体UAEが何セット買ったのかは知らないが、 35億ドル(約4020億円)相当のお金を支払うのだとか。支払ったコストに見合った性能を得られると良いね!

コメント

  1. これ、実態はUAEの原発に駐留する韓国軍に配備するのを輸出と言い張っている可能性もあるのでは?

    • UAE原発の防衛を請け負っている韓国軍としては、防空防衛も当然ながら担当しなければならないはずです。
      そういう観点から云うと、ご指摘の様な駐留韓国軍向けの配備という形になっていて、一部は韓国の持ち出しという可能性もありそうですね。
      特に韓国としては「売れた」という実績が欲しいので、赤字でも構わないという話なのかも知れませんね。あくまで邪推ですが。

  2. こんにちは。
    どこかの記事(韓国新聞のネット日本語記事)で、
    「派兵と原発でUAEの信頼を勝ち得たのでミサイル輸出に繋がった」
    などと書いてあったのを見ました。

    笑かすのもたいがいにしてほしいものです。
    #ひび割れ原発と、契約セットオプションの赤字派兵ですから……

    ……にしても、UAEもいい加減、懲りないですね。
    安いもの買いの銭失いとはこの事か、にならないと良いのですが。

    • UAEは結構えげつない商売しているようですよ。
      そもそも韓国製品に手を出してしまうところがダメではあるんですが、かなりスゴいオプションを付けているようなので。

      しかし、「派兵と原発でUAEの信頼を勝ち得たのでミサイル輸出に繋がった」という下り、これも原発オプションに入っている可能性が。
      いやいや妄想ですよ。