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国産迎撃ミサイル部隊を3倍に増やす韓国軍

韓国空軍
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韓国軍、国産ミサイル迎撃部隊を……え?違う?国産迎撃ミサイル?

……何が迎撃ミサイル持っていたっけ?

とまあ、そんなよく分からない感想を持ったこの記事について、本日は言及していきたい。ただ、時間がとれなかったので、随分記事は短いのだけれど。

【独自】韓国軍、国産迎撃ミサイル部隊を3倍増へ

記事入力 : 2021/04/03 18:10

韓国軍当局が、北朝鮮のミサイルの脅威に対応して、韓国産迎撃ミサイル「天弓2」部隊を従来の7隊からおよそ20隊へと3倍以上増やすことを決定したことが分かった。天弓2は韓国産地対空ミサイル(SAM)「天弓」をミサイル迎撃用に改良したもので、昨年から実戦配備が始まった。

朝鮮日報より

記事を読んでみると、「国産迎撃ミサイル」とは「天弓」のことらしい。確かに、地対空ミサイルというカテゴリーだと報じられているな。

3倍ニダ!

地対空ミサイル「天弓」

このブログでは「天弓」についても言及している。

パトリオットの半額のお値段で性能は同じ。何と、今なら更に2本オマケに……、いや、オマケはなかったかもしれないし、そんなセールストークをしたかも知らないが、「天弓」ブロック2は1発50億ウォンなのだとか。

いや、別の記事を見ると15億ウォンという事になっている。安いな!

価格はパトリオットより安い。業界関係者によると、PAC3は1発あたり100億ウォン(約10億円)程度だが、ブロック2の場合は50億ウォン程度という。

中央日報”韓国産の地対空ミサイル、海外からも関心“より

韓国軍ミサイル誤発射は整備の手順ミス…15億ウォンが空中分解

3/21(木) 21:36配信

 江原道春川にある韓国空軍の基地で18日、韓国製の新型中距離地対空ミサイル「天弓」が暴発(不時作動)して空中爆発した事故に関連し、韓国空軍は21日、事故原因は整備手続きを無視した整備員らの過失だったとの調査結果を発表した。事故は18日午前10時38分ごろ、年間計画整備日程に従って天弓の発射台機能を点検している途中で発生したという。

「朝鮮日報」よりyahooニュース:リンク切れ

何れにしてもコストは安いようだが、何故そんなに安いのか。

天弓2は最大射程20キロ、最大迎撃高度1万5000メートルで、パトリオットPAC3ミサイルに比べると性能はやや落ちるが1発あたりの価格は17億ウォン(約1億6600万円)とはるかに安い。パトリオットPAC3-CRI型は最大射程30キロ、最大迎撃高度およそ2万メートル、1発あたりの価格は48億ウォン(約4億7000万円)に達する。

朝鮮日報”【独自】韓国軍、国産迎撃ミサイル部隊を3倍増へ”より

あ、冒頭で引用した記事にもその手のことが書いてあるね。この記事によれば、1発あたり17億ウォンか。

S-400

ベースになった技術はロシア製のS-400だとかS-350だとか言われている。

ロシアの長距離地対空ミサイルS-400の技術は確かに優れており、PAC-3よりも安価で高性能だとなっているようだ、実際にところは不明だが。

コレをベースにして作られたので、韓国製の「天弓」も当然ながら優れた性能を有しているというのが、韓国軍の主張である。

まあ、韓国軍はいつも通り「韓国製」の兵器だと宣伝しているが、中身はほぼS-400系のシステムだというのが現実のような気がする。

ともあれ、コレを増やすよと言うのが冒頭のニュースである。

7部隊から20部隊に

……7部隊から20部隊にって、3倍じゃないよな?

まあいいや、ともあれ「天弓」を持つ部隊を増やしたいということらしい。

1部隊でランチャーが4基、ミサイルが1基あたり8発なので、1部隊あたり32発のミサイルが必要という計算になる。で?これが20部隊だと、32発×20部隊で640発という計算になるのだが、記事ではこれが「700発」となっているので、引き算して予備は60発という計算になるのだろうか。

そうなると、予備が1部隊分はある計算になるので、3倍というのも強ち間違いではないとは思う。ただ、そもそも迎撃用ミサイルを増やす価値があるのか?という点と、「天弓」の性能的にどうなの?ということは疑問である。

ただし一部からは、天弓2ミサイルは旧型のスカッド迎撃用に開発されたものだけに、KN23など変則機動ができる北朝鮮の新型ミサイルに対してきちんとした迎撃能力を備えるためには、改良型を開発すべきだという指摘も出ている。

朝鮮日報”【独自】韓国軍、国産迎撃ミサイル部隊を3倍増へ”より

朝鮮日報もその点については心配しているようで、「改良品を開発すべきだ」としている。

……あれ?「天弓」は、PAC3相当の性能を持っているんじゃ無かったのか?

まあ、PAC3も変則機動にある程度は対応していると噂されているが、これはPAC-3がサイドスラスターを備えて、対象となるミサイルに追従する機能を持っている為のようだ。PAC-3がヒット・トゥ・キルの機能を備えているといわれているのは、このサイドスラスターの装備に寄るところが大きい。

そして、このサイドスラスターを迎撃ミサイルに組み込むことは相当困難を伴う。

そういう意味では、たいして役に立たない可能性の高い「天弓」を増やす決断をした理由もよく分からないが、そもそも迎撃を重視するのではなくて、敵基地側を攻撃する手段を充実させる事の方が重要なんじゃないかなぁと思った次第。

だって、動かない地上目標を攻撃する方が簡単なんだぜ。

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