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韓国の軽空母建造はメンツの為?

韓国海軍
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なかなか辛辣な記事だな。

韓国の「軽空母」建造に明確な意図が見えないのは「面子工程だから」=中国

2021-06-20 05:12

2033年ごろに軽空母の就役を目指している韓国だが、空母建造計画には韓国国内でも賛否両論があったという。中国メディアの網易はこのほど、反対意見もあるなかで韓国が空母を建造する理由について分析する記事を掲載した。

レコードチャイナより

レコードチャイナは、このブログ同様に韓国軍ネタを結構取り扱っている。支那のメディアを引用するケースと韓国のメディアを引用するケースと2パターンあるが、どちらの場合もそれほど情報の信頼性は高くない。

それを踏まえて、レコードチャイナが韓国が採用すると言う軽空母を批判している。

2案を軸に空母の検討

現代重工案

先ずは、以前も取り上げた事があるが現代重工の話。

現代重工業、「軽空母」次世代大型輸送艦の概念設計を受注

2019.10.16 15:51

現代重工業が「軽空母」と呼ばれる次世代大型輸送艦の概念設計をする。現代重工業は海軍本部と「大型輸送艦II概念設計技術支援研究事業」契約を締結したと16日、明らかにした。来年下半期に完了して海軍に納品する計画だ。概念設計とは「艦艇の運用概念と作戦運用性能」を確立するために艦艇の概略的な特性を決定する事業をいう。

中央日報より

2019年に現代重工は軽空母の概念設計をする仕事を受注している。

この時は、3万トンクラスの軽空母を作ると報じられていた。

業界は大型輸送艦II事業が順調に進行する場合、2030年ごろ軽空母が建造されると予想している。規模は約3万トン級で、価格は3兆ウォン(約3000億円)台と推定される。

中央日報より

この話は、現代重工がイギリスの企業バブコック社と契約することで若干変遷していくようだ。

で、どうなったかというとこちら。

まあまあ大きな船なのだが、レコードチャイナによれば甲板に16機の戦闘機が置けるとある。

英国企業の協力を得た現代重工業の軽空母は、スキージャンプ台を採用していて、戦闘機とヘリコプターの同時運用が可能だという。甲板上に16機の戦闘機を置けるほか、格納庫に8機を格納でき、無人機の発着スペースも確保しているのが特徴だと伝えた。

中央日報より

ほえー、大きいね。

注目すべきは、英クイーンエリザベス級空母に採用された分離型の艦橋(ブリッジ)である。艦橋を収めた構造物をアイランドと呼ぶので、2アイランド方式等とも言われる模様。航海・作戦用と航空管制用の2つに分割して設置されているようだ。

バブコック社が設計の大半を受け持ったという事情もあって、満載排水量は4,500t・全長270mとなり、飛行甲板はスキージャンプ勾配を備えている。

スタートの時は3万t級だったはずなのに、1.5倍ほどになっているあたりがちょっとお茶目である。

大宇造船海洋案

一方の大宇造船海洋なのだが、これまた面白いことになっている。

これも前の記事で触れているのだが、イタリア企業のフィンカンティエリ社と手を組んだのである。

伊フィンカンティエリ、防衛産業で積極攻勢。アジア・北米で受注進む

2021年06月14日

伊造船大手フィンカンティエリの艦艇事業がアジア・北米地域で存在感を高めている。同社は10日、韓国造船大手の大宇造船海洋と韓国初の空母「CVX」の概念設計を支援する契約を締結。インドネシア国防省からは同国海軍向けFREMM(多用途フリゲート)6隻を受注した。米海軍からの新造契約も積み重ねており、揚陸艦や潜水艦など多様な艦艇の建造実績を武器に、欧州域外にも積極的な売り込みを図っている。

日本海事新聞より

フィンカンティエリ社の方は大宇造船海洋社の案にどの程度関与しているかはハッキリしないのだが、絵を見る限りは随分と手が入っている印象だ。

何というか、四角いな!

スキージャンプ台は採用していないので、F-35Bの購入が前提の案だということが明らかである。少々小型だと記事には書かれているが……。

一方、イタリア企業の協力を得た大宇の軽空母は、現代よりも小さめだが甲板上には16機の戦闘機を置くことができ、格納庫に12機格納できるという。甲板は戦闘機の発着艦を重視した設計で、小さいながらも実務重視型だとしている。

レコードチャイナより

やっぱり16機の戦闘機を置く事が出来るんだとか。小さいと書かれているが、排水量45,000トン・全長263メートルなんだとか。……7m短いだけで「小さめ」とは如何に?

調べて見ると、フィンカンティエリ社設計のイタリア海軍が採用したトリエステと形が似ている。

トリエステは満載排水量3万3千t・全長245mという。トリエステは甲板にF-35Bを8機程度搭載可能という事らしいので、大宇造船海洋案はこれを単純に拡大したと言うことなんだろうね。

韓国の国産空母は想像を超える大きさ?―米メディア

2021/6/14 23:52 (JST)

中国メディアの環球網は11日、「韓国の複数の国産空母計画が同時に明らかに」と題し、米サイトが10日、「韓国はわれわれの想像より大きな空母建造を検討している」との報道を行ったと紹介した。

~~略~~

短距離離陸垂直着陸(STOVL)機の運用に向けたスキージャンプも採用され、空母の模型にはF-35B、AH-1Zヴァイパーなどを配置。全長約259メートル、幅約61メートル、満載排水量約4万5000トンで、F-35Bは20機の搭載が可能という。

レコードチャイナより

そういえばレコードチャイナでも4万5千tクラスだという話が出ていたな。全長の情報がイマイチバラバラなのだけれど、この辺りは仕様が固まっていないということなのかも知れない。

メンツの為だ!

とまあ、そんな訳でこの2案を軸に検討を進めていく話になるのだろうけれど、どちらの案も2アイランド方式を採用するらしく、結果的に空母が大きくなることは避けられない。

もはや、「軽空母」と呼ぶには少々大きすぎる感じもするのだが、まあ、命名ルールは特に無いので、韓国が「軽空母」と主張すれば軽空母なんだろうさ。

続けて記事は、韓国の軽空母建造計画には「明確な意図や構想がないように見える」と分析した。韓国海軍が空母を保有するうえで何を重視しているのか見えてこないと指摘し、韓国海軍自身もきっとよく分かっていないのだろうとしている。そもそも、韓国は外洋海軍を保有する必要がなく、それゆえ空母保有の必要性もほとんどないと指摘した。

レコードチャイナより

、レコードチャイナは空母取得に関して鋭く刺している。

「メンツの為だけに取得する空母は、その計画に明確な意図や構想がない」と言うことのようだ。こうした議論は韓国国内でも為されているらしい。

しかし、僕に言わせれば「明確な意図」はあると思う。それは見栄である。……あ、この議論は本末転倒だね。

国会や専門家たちの間からは、CVXに多額の国防費を投入するならば、原子力潜水艦を開発した方がコストパフォーマンスは高いという声も上がっている。韓国海軍が攻撃原潜を運用すれば、戦略ミサイル潜水艦を開発している北朝鮮への強力な抑止力を手にすることが可能になるからだ。

それだけではなく、いくら韓国海軍がCVXを運用しても強大な中国海軍に対抗することは不可能に近いが、攻撃原潜を数隻運用すれば中国海軍に対してある程度の対抗力を手にすることができる。また、CVXと違い攻撃原潜ならば日本列島の太平洋側にも進出することが可能である。そのため日本へ睨みを効かすことも可能になるのである。

JBpressより

「本末転倒」とはいえ、これはJBpressの記事なのだが、本来であれば空母を御持つよりも攻撃型原潜を持つ方が韓国にとってはメリットが大きい。もちろん、攻撃型原潜などを持つとなると様々な制約を課された韓国にとっては苦しいハードルを幾つも超えねばならないが、それを乗り越えるメリットはある。

しかし、攻撃型原潜では「目立たない」のだよね。だからこそ「見栄」だと、僕は考えている。

ともあれ、結構なスピードで事態が進んでいて、済し崩し的に空母の発注までは行きそうな気がする。是非とも導入してくれ!

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