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韓国が極超音速ミサイル対応の迎撃システムの開発を決断

韓国空軍
この記事は約5分で読めます。

たいした記事ではないのだけれど、記録のために残しておきたい。

韓国軍 極超音速ミサイル対応の迎撃システム開発へ

Write: 2023-04-26 11:48:04/Update: 2023-04-26 16:02:04

韓国軍は、北韓の新型ミサイルに対応するため、「韓国型サード」と呼ばれる長距離地対空ミサイル「L-SAM」を改良した「L-SAM2」の開発に乗り出すことになりました。

KBS WORLDより

えーと、迎撃システムか。この記事は4月の記事で、前から紹介する積もりではあったのだが、ちょっと整理し切れていなくて紹介していなかった。なので、あくまで記録のためにというスタンスで読んで頂ければありがたい。

韓国の迎撃態勢

韓国製の迎撃システム

韓国の防空防衛システムに関しては、過去にも軽く触れている。まとまりのない内容で申し訳ないが。

主軸となるのが3軸体系と呼ばれる3つの柱から成り立っている。報道によると呼び方は「核・大量破壊兵器対応体系」という風に変えたようだが。

  1. 北朝鮮が核・ミサイルを発射しようとすれば先制的に打撃するキルチェーン(Kill Chain) →「戦略標的打撃」
  2. 北朝鮮のミサイルを空中で迎撃する韓国型ミサイル防衛(KAMD) →「韓国型ミサイル防衛
  3. 北朝鮮が核・ミサイルで攻撃すれば韓国が報復する大量反撃報復(KMPR)→「圧倒的対応

ネーミングセンスはアレなんだけど、やりたいことはなんとなく分かる。

で、今回の話は2番目の「韓国型ミサイル防衛」の話。

保有している迎撃手段としては、アメリカ製のPAC2システムに加えてPAC3。そして、韓国製のM-SAMや、開発中のL-SAM、そして今回開発することを決めたL-SAM2で防空防衛を考えていると言うことになる。

ここで、「いや、ソウル上空を襲う可能性のある火砲をなんとかしろ」というのは無粋である。

M-SAMは「天弓」

既に配備されているのがKM-SAMとも呼ばれる天弓(M-SAM)だとされている。

このブログでは軽く触れているが、技術ベースはロシア製のS-350E(またはS-400)だとされている。

これがM-SAMの写真らしい。

アクティブレーダー誘導で、推力偏向エンジンを備え、射程距離は40km(資料によっては20kmとされている)。破砕飛散型弾頭を採用しているようだ。

これ以前はSAM「天馬」と呼ばれる迎撃ミサイルを使っていて、最大探知距離は20km、射程は9kmだったとされているのだが、既に退役が終了している。

L-SAMは「天弓2」?いいえM-SAM2です

こちらも2020年頃から運用されているとされている迎撃ミサイルである。

韓国軍には現在、迎撃ミサイルとして米国の「パトリオット(PAC2とPAC3)」や韓国製の「天弓2」などが配備されている。最大迎撃高度は天弓2が15キロ、PAC2とPAC3は20-30キロだ。PAC2は最初から対空ミサイルを迎撃する能力も持つ改良型だ。PAC3と天弓2が相次いで配備されたことで韓国軍の迎撃網でPAC2が占める比重は小さくなっている。天弓2は昨年4兆ウォン(約4200億円)でアラブ首長国連邦(UAE)に輸出されることになった韓国初の迎撃ミサイルで、標的(敵ミサイル)に直接衝突し破壊する「ヒット・トゥ・キル」(Hit-to-Kill)方式となっている。

朝鮮日報より

M-SAMが改良されて作られたといわれているだけに、天弓2も天弓1にそっくり。

実際に、射程400kmの 40N6 弾を使用する S-400 Triumf (SA-21)がベースになった兵器であるとされているのだが、コレも報道によって様々なことが書かれていて、ハッキリした性能は不明だ。

射程距離は当初は30km程度だとされていたが、40km遠方の標的機に命中したという報道もあったので、おそらくは30km以上の射程を持っている可能性は高い。困ったことに、天弓2をL-SAMと表現する記事と、KM-SAM2と表現する記事があるのだが、おそらくはM-SAM2という理解で良いのだろう。

韓国製L-SAM

で、名前がよく分からないのだが、韓国型THAADと自称するL-SAMの開発も行われたようだ。

韓国軍 長距離地対空ミサイルでの迎撃試験を実施

Write: 2023-03-30 12:46:21/Update: 2023-03-30 15:25:42

北韓の核やミサイルの挑発が続くなか、「韓国型サード(THAAD)」と呼ばれる長距離地対空ミサイル(L-SAM)の迎撃試験が30日、行われます。

韓国軍と国防科学研究所によりますと、30日午後、国防科学研究所の忠清南道泰安郡の安興試験場で、長距離地対空ミサイルを使った迎撃試験を行うということです。

KBS WORLDより

開発が終わるのは2024年末頃、2026年に量産開始、実戦配備は2027年~2028年だとされている。

迎撃ミサイルシステム「L-SAM」 初テストに成功
韓国軍は、長距離地対空ミサイル「L-SAM」の初の迎撃テストに成功しました。  軍当局が21日に発表したところによりますと、国防科学研究所(ADD)は最近、L-SAMで標的ミサイルに対する迎撃テストを...

韓国製の兵器は外国で評判が良くなっているらしく、開発には力が入っているようだね。

L-SAM2の開発を開始

で、冒頭のニュースである。

北韓は、おととしと去年、極超音速ミサイルを試験発射しています。

通常の弾道ミサイルが放物線を描きながら落下するのとは異なり、極超音速ミサイルはマッハ5以上の速度で、胴体にある翼を利用して滑空し、低い高度で目標に向かって進むため、従来の弾道ミサイルより迎撃が困難とされています。

「L-SAM2」の開発計画には、極超音速ミサイルが滑空飛行している状態で迎撃する誘導弾を、世界で初めて確保することも盛り込まれています。

防衛事業庁は、およそ2兆7000億ウォンを投入し、2035年までに「L-SAM2」の実戦配備を目指すとしています。

KBS WORLDより

ふーん、としか言いようがない。L-SAMの開発の目処が立ったからこそ、という風に見ることも出来るのだけれど、2024年までは開発に時間を要するらしいので、今、次の長距離迎撃システムを!とか言われても、ちょっと理解が追いつかない。

もちろん、次期迎撃システムの開発だって必要なんだろうけれども、ねぇ。

まあ、頑張ってくれ。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「極超音速ミサイルの迎撃」
    この言葉、非常に誤解を生みやすいですよね。
    うっかり「こっちも極超音速出さなきゃ!」って思いやすい。

    実は、理論的には、迎撃側は速度に依存しない。
    何なら、静止していたって良い。
    「確実に相手が通る軌道」に対して、タイミングよく「コリジョンコース」に乗れれば、速度は問題にされない(威力とかの話はさておきます)。
    そのために必要なのは、可能な限り早く、正確に、相手の弾道を見切ること。
    レーダ開発の肝はこれで、なんなら、GSOMIAもこの為にあると言っても良い。
    もちろん、迎撃弾の足が早けりゃ、リアクションタイムに余裕が出るから速いに越したことはないのですが。
    ※前述、迎撃側、静止しててもぶち当たれればOKですが、実際にはそれじゃ命中はおぼつかないでしょうから。

    この辺の説明吹っ飛ばして、あるいは理解出来てなくて、騒ぎたいだけの半可通の有象無象がいっぱい居る気がしてなりません……

    • 木霊 木霊 より:

      鉄道の線路に小石を置いただけで、大事故に繋がりますからね。
      如何に適切な進路予測が出来るのか?がポイントである点はご指摘の通りです。

      相対的なスピードがあればそりゃ破壊力は上がるんでしょうが、相手が超音速で飛んできますから、小石程度でも的確に進路に置いてあれば破壊力については問題ない。そんな話になるのでしょう。簡単な理屈なんですけどね。
      ただ、弾道予測が難しいので、そう簡単には迎撃できない。その辺りをどうするかですよね。そして、面白いことに、現状で韓国軍は超音速ミサイルを持っていない。どうやってテストする積もりでしょうかね。

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