韓国、UAEに戦術弾道ミサイル輸出を画策する

陸軍

……え?そんなもの持ってたっけ?

[単独] UAEに「長射程砲キラー」戦術地対地ミサイル販売する

記事入力 2020.02.21 午前4:34 の最終修正 2020.02.21 13:48

韓国政府がアラブ首長国連邦(UAE)の「長射程砲キラー」と呼ばれる戦術地対地ミサイル(KTSSM)などの先端兵器の輸出を推進していることが確認された。契約が締結されれば、韓UAE間の軍事協力関係がより密接になり、韓国産武器輸出拡大の契機になるものと思われる。

「NAVER」より

調べて見ると、確かにKTSSMと呼ばれるミサイルを保有している。

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韓国が開発する地対地ミサイル

KTSSMは戦術的な地対地ミサイル

えーっと?

KTSSM

韓国が開発していたミサイルがこちら。……外観的には思いっきりアレだよね。

South Korea tests new missile capable of striking Scuds

OCT. 25, 2017 / 1:57 PM

Oct. 25 (UPI) — South Korea’s self-developed tactical surface-to-surface missile, or KTSSM, test-launched successfully on Tuesday, Seoul’s military said.

But the system’s completion will be delayed by four years because of missing components that are being sought for purchase and have yet to be approved by the United States, local newspaper Hankyoreh reported Wednesday.

「UPI」より

韓国がソウルを守る為にキルチェーンという名前の迎撃システム、或いは先制攻撃を行うシステムを開発していたという情報はチラホラと聞いていた。

その一翼を担うとされているのが、この戦術地対地ミサイルKTSSMである。

その開発費は418万ドルだとされているが、何と2014年から2017年までの3年で開発を終了しているとされている。え?完成していないらしいのに開発は終了?意味がよく分からないな。まあいいけど。

MGM-140 ATACMSをコピー?

ところでこのシステムミサイル、アメリカ軍が開発したMGM-140 ATACMSそっくりである。コピーして作ったと揶揄されているようだしね。

そもそも、韓国陸軍はアメリカからATACMSを輸入し、運用している。1999年~2000年頃までに購入したのは、111基のATACMS Block Iと110基の ATACMS Block IAだ。

ATACMS

こんな感じの弾体とコンテナからなるのが、MGM-140 ATACMSである。これを運用するには例えばM270 MLRSなどの多連装ロケットシステムなどを用いるらしい。

M270

まあこんなのを使って、打ち出すということが出来る訳なんだ。

外見的にもKTSSMとM270ATACMSとは良く似通っている。KTSSMは4発で、 ATACMSは6発らしいんだけどさ。

韓国陸軍は、M270自体も58両持っているのでATACMSも運用しているので、コピーする為の見本はあったというわけだね。性能がコピーできるとは限らないが。

衛星を使って目標を打撃??

さて、動画も開示されているので紹介しておこう。

국방부, '북 장사정포 킬러' 신형 4연장 벙커버스터 탄도미사일 사격, 명중 영상 첫 공개!

それなりに順調にテストが出来ているようにも見えるが……、どうなんだろう。

開発に成功した。軍当局は、北朝鮮の相次ぐ武力示威に対抗を置くためにKTSSMを公開した。2017年に北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験など武力デモを続けていこう国防総省はKTSSMの発射及び飛行及び目標打撃映像を提示した。当時、国防部は同じ発射台から数秒以内に4発を発射することができると伝えた。「短時間に大量に目標を破壊することを意味する」とし「特に目標地点精度が向上され、1足も標的に致命的なダメージを与えることができる」とも述べた。

軍当局は、正確な仕様を公開していないがKTSSMは、衛星航法装置(GPS)誘導技術を介して150㎞以上の飛行して標的を打撃することができるものと伝えられた。固定と移動型が開発されたことが分かった。米国産戦術地対地ミサイル(ATACMS)をモデルにして小型化したものと見られる。

「NAVER」より

随分とホルホルしているが、果たしてGPSを韓国軍が使えると言う話はなかなか聞かない。韓国軍に軍事用GPSの利用が許可されたという話を聞かないので、これも絵に描いた餅となる可能性は否定できない。

そもそも、韓国が軍事衛星を持っているなんていう話も聞かない。多目的衛星「アリラン」とかあったような気がするけれども、これも何に使える衛星なのか……。

アリラン3A号は韓国航空宇宙研究院が2006年から8年間、2373億ウォン(約260億円)を投じて開発した多目的実用衛星で、解像度55センチ級の電子光学カメラのほか、韓国の衛星としては初めて解像度5.5メートル級の赤外線観測センサーが搭載された。

「聯合ニュース」より

多目的実用衛星のアリラン5号は電波を送受できる縦70センチ、横4.5メートルの映像レーダー(SAR=Synthetic Aperture Radar)が搭載されている。電波を利用して天気に関係なく撮影する衛星だ。

「中央日報」より

取り敢えず偵察には使える様な感じだけれども、「常時監視」出来る数はないし、そもそも解像度がかなり残念である。

同論文がとくに注目されるのは、韓国には人工衛星で北朝鮮内部の軍事動向を探知する偵察能力がまったくないという指摘だった。一方、日本にはその偵察能力があるから、GSOMIAの破棄はむしろ韓国にとって不利な状況を招くという。

その点について同氏の論文は以下のように述べていた。

「韓国と日本は2016年11月に、北朝鮮の弾道ミサイル発射と通常戦力作戦に関する秘密情報を含めた軍事情報を交換する協定『GSOMIA』に調印した。だが韓国側の人工衛星による情報取得の能力は、南北軍事境界線の南側の領域対象だけに限られている。一方、日本の自衛隊は、軍事境界線の北側の北朝鮮軍の動向を偵察できる偵察衛星数機を保持している。GSOMIAはこうした両国間の情報収集ギャップを埋める協定だった」

マックスウェル氏はこれ以上は韓国の偵察衛星の能力には触れていなかったが、韓国が現在にいたるまで北朝鮮領内を偵察できる独自の人工衛星を保有していないことは韓国側からの情報でも明らかとなっていた。

「Livedoorニュース」より

軍事目的では実用に耐えないレベルの衛星であり、GPSに使える人工衛星は打ち上げていない。つまり、KTSSMは一体何で誘導するんですか?という話になる。

え?アメリカのGPS?だって、韓国は未だに軍事用GPSの利用ができないという噂だぜ?仮に使えるとしても、アメリカが閉め出したら使えなくなる。まあ、幸いにもアメリカとUAEとの関係は比較的良好のようだが。

開発は難航中

さて、で、肝心のモノはどうなのかというと、こんな感じだ。

Seoul describes new surface-to-surface missile

Aug 13,2019

South Korea plans to deploy a new type of tactical surface-to-surface ballistic missile known as “the artillery killer” by 2021 with the aim of deterring conventional weapon threats from the North.

The Korea Tactical Surface-to-Surface Missile, or KTSSM, was developed in 2017 by the Agency for Defense Development, a government-run defense research institute, and Hanwha and bears a similar capacity to the U.S. MGM-140 Army Tactical Missile System, or Atacms.

「Korea JoongAng Daily」より

あれ?配備は2021年とか書かれているけど大丈夫ですか?今のところそれなりの成果が出ていると報じられてはいるのだけれど、完成したという噂は聞かない。相変わらず、完成する前に商品を売っちゃうスタイルなんだねぇ。

熱貫通弾頭を使用するブロックIバージョン(固定発射基地からの発射)と、単一の高爆薬を使用するブロックIIバージョン(移動式)があるようだけれど、今のところブロックIしか目処が立っていないという風にも言われている。

そしてこれ、クラスター爆弾を爆発させるタイプの兵器なんだけれども、これでどうやって長射程砲キラーにするのかはいまいちよく分からない。加えてこのKTSSMは射程が180kmなんだとか。

大量破壊兵器の輸出規制に引っかかるからこその射程距離設定かも知れないんだけれど、UAEが果たして欲しがるかどうか。だって、アメリカから直接買った方がよくね?M270とかさ本家のATACMSの方が遙かに信頼性は高そうだぜ

コメント

  1. >外見的にもKTSSMとM270とは良く似通っている。KTSSMは4発で、
    > ATACMSは6発らしいんだけどさ。

    ATACMS(MGM-140)とMLRS(M270)・M26/M30/M31がゴチャゴチャになってますが。

    ATACMS(MGM-140)と、M26/M30/M31は、MLRS(M270)から発射できる弾種です。
    一つのコンテナにATACMS(MGM-140)は1発、M26/M30/M31は6発入ってます。
    なお、MLRS(M270)は二つのコンテナを装填できます。

    • ご指摘感謝します。
      記事を書いていて若干混乱してきてしまったようで、改めてと見返してみるとおかしいですね。

      訂正する方向で勉強します。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    このヨタ話の結論はこれに尽きるんじゃないかな。(爆笑)
      ↓
    >大量破壊兵器の輸出規制に引っかかるからこその射程距離設定かも知れないんだけれど、UAEが果たして欲しがるかどうか。だって、アメリカから直接買った方がよくね?M270とかさ。

    ATACMSブロックⅡAはBAT誘導子爆弾×6発で射程は300kmですから、UAEから対イランなら沿岸からのTELは破壊できる可能性がありますが、南朝鮮のKTSSM(劣化版ブロックⅡ)は海をまたいでやっと届くかどうかの射程ですから果たして使い物になるのか...、そもそも根本的な疑問ですね。

    >熱貫通弾頭を使用するブロックIバージョン(固定発射基地からの発射)と、単一の高爆薬を使用するブロックIIバージョン(移動式)があるようだけれど、今のところブロックIしか目処が立っていないという風にも言われている。

    南朝鮮が購入したATACMSはブロックⅠ・ⅠAの子爆弾型だと思いますが、引用記事にある様にKTSSM自体はATACMSを小型化したGPS誘導タイプ、つまりATACMSブロックⅡの劣化版と理解した方がいいんじゃないでしょうか。

    >そしてこれ、クラスター爆弾を爆発させるタイプの兵器なんだけれども、これでどうやって長射程砲キラーにするのかはいまいちよく分からない。加えてこのKTSSMは射程が180kmなんだとか。

    南朝鮮の言う「長距離砲キラー」のうたい文句自体が適当過ぎるんで断定できませんが、北朝鮮のロケット砲や昨年発射実験を繰り返した新型短距離誘導弾が目標なら、動画にもある通りTEL配備施設破壊には有効と思いますね。(もっとも、ご指摘通りGPSが使えればの話ですけど-冷笑-)
    でもこれだと「長距離砲キラー」ではなくなりますねェ~。

    M270(MLRS)とM26爆弾(クラスター)及びM30・M31(誘導単弾&クラスター共用)については、ATACMSの発射ランチャーは6発ロケット弾に偽装したもので1発収納のみ、あるけむさんのご指摘通りと思います。
    ちなみに人道的に忌避すべきクラスター弾ですが、親ミサイルの誘導精度が高いなら局地の部隊&設備&TELを含む戦闘車両への打撃は、過去の実戦で証明されている様に効果はあると考えます。

    いずれにせよ、いつものパクリ&超ディスカウント&袖の下ビジネスをやる魂胆じゃないかなァ~(軽蔑)

    • >ちなみに人道的に忌避すべきクラスター弾ですが、

      なぜ「人道的に忌避すべき」という理由は、
      ・不発弾が多く
      ・不発弾による(子供を含む)民間人の被害が多い
      ということです。

      「クラスター弾に関する条約」(Conventions on Cluster Munitions)では、「禁止対象とならないクラスター弾」の要件も定義されています。

      1.フレア、煙、料薬火工品若しくはチャフを放出するように設計された弾薬若しくは子弾
      2.防空の役割のためにのみ設計された弾薬
      3.電気的又は電子的な効果を引き起こすように設計された弾薬又は子弾
      4.無差別かつ地域的に効果を及ぼすこと及び不発の子弾がもたらす危険を避けるため、次のすべての特性を有している弾薬
      ・10個未満の爆発性子弾しか含まない。
      ・それぞれの爆発性子弾の重量が4キログラム以上である。
      ・単一の目標を察知して攻撃できるよう設計されている。
      ・電気式の自己破壊装置を備えている。
      ・電気式の自己不活性機能を備えている。

      ※「料薬火工品」の「料薬」の意味は分からず。「火薬」のことでいいのかな?

      一番最初の条件がないと「打ち上げ花火」も制限対象になってしまいますね。

      (参考)「火工品」の定義
      ・火薬または爆薬を利用して爆発反応の生起、伝達、その他の目的に適合するように加工した製品
      ・火薬類取締法第二条の「火工品」の定義
      イ 工業雷管、電気雷管、銃用雷管及び信号雷管
      ロ 実包及び空包
      ハ 信管及び火管
      ニ 導爆線、導火線及び電気導火線
      ホ 信号焔管及び信号火せん
      ヘ 煙火その他前二号に掲げる火薬又は爆薬を使用した火工品
      (経済産業省令で定めるものを除く。)

      • あるけむさん、おはようございます。

        クラスター弾に関する詳細な捕捉ありがとうございました。

        >なぜ「人道的に忌避すべき」という理由は、

        子供が無防備に拾ってしまうようトイみたいな子爆弾なんか卑劣過ぎで許せませんし、中には地雷をばら撒くタイプなんかもあるようですね。
        つまり、無差別タイプの条件付き時限爆弾と言えますから、イスラム過激派の爆弾テロと何ら変わりないと思っています。

        日本を含めてクラスター爆弾禁止条約には多数の国が署名していますが、最大の軍事大国であるアメリカ・支那・ロシア・インド等が署名していない事が問題です。
        ちなみに南朝鮮・北朝鮮も同じなんで、日本はクラスター弾保有国に囲まれているという事です。

        P.S.
        自衛隊が開発研究中の超高速滑空弾も鋼鉄製の子球をばら撒きますが、これは爆弾ではなく広範囲の敵陣に打撃を与えるのが目的です。
        戦車の強靭な装甲まで破れるかは判りませんが、装甲車両や小型火砲を掃討するには有効な武器となるでしょうから、早期の開発&配備で島嶼防衛(=奪還戦)に活かして欲しいもんです。

  3. 100キロ先の標的にホールインワン…これが韓国型戦術地対地ミサイル
    http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/05/2020090580007.html
    「北朝鮮の長射程砲の脅威に対抗して韓国軍当局が開発した韓国型戦術地対地ミサイル(KTSSM)が100キロ以上離れた標的の真ん中へ正確に当たる様子が、4日に公開された。」

    こんな記事が上がっていますが、実際どうなんでしょうね?