フランスの技術で原子力潜水艦や空母を作っちゃう?韓国軍を揺さぶる誘惑

海軍

この記事はちょっと面白いと思ったのだけれど、具体的な話にならないかなと思ってスルーしていた。ただ、AUKUAの話を考えると結構面白い。

「原子力潜水艦・空母はアメリカの技術は必要ない」…フランス、韓国と国防協力意向を示唆

入力:2021-09-18 15:25

米国・英国・オーストラリア、インド・太平洋地域の新たな軍事・安保・外交協力的な「オーカス(AUKUS)」を発足し、オーストラリアの核推進潜水艦技術を移転することで合意し、先にオーストラリアと関連取引を推進してきたフランスの側の反発が強まっている。このうち、フランス側が韓国と核廃棄物再処理技術をはじめとする国防技術協力意向がいることを示唆して世間の注目を集めた。

「韓国メディア」より

日本のメディアも何処かが取り上げるかなと思ったんだけど、スルーだったんだよねぇ。

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フランスのトップセールス

フランスの保有する原子力技術

攻撃型原子力潜水艦

先ずは、フランス海軍の保有するリュビ級原子力潜水艦と、シュフラン級原子力潜水艦の話を少ししておきたい。

フランス海軍が最初に手にしたのが攻撃型原子力潜水艦のリュビ級潜水艦である。

ただ、この原子力潜水艦、排水量2,000tという大きさで、他国の原子力潜水艦と比べてかなり小さい。実用の攻撃型原子力潜水艦としては世界最小だといわれている。

原子力潜水艦で4,000tを切るようなサイズが余り一般的で無い理由は、連続航海日数が短くなり、兵装搭載量も少なくなってしまうからである。

原子力ターボ・エレクトリック方式というこれまた原子力潜水艦としては珍しい方式を採用して、原子炉から得た蒸気によってタービンを回して発電し、発電した電気を使ってモーターを回してプロペラ駆動する方式である。

通常方式(ギアード・タービン方式)は原子炉を燃やして水蒸気を得て、水蒸気によって蒸気タービンを作動させてスクリューを回転させるという方式なので、減速機でスクリューの回転速度を調整することになる。で、これが結構ウルサイ。

原子力ターボ・エレクトリック方式は、減速機を必要としないので静音性は高いのだが、システムが複雑化するわ、重量が増えるわ、信頼性が低下するわで、余り良い事がない。でも、フランスはこの方式に拘って、次級のシュフラン級原子力潜水艦(排水量5,300t)も同じ方式を採用して居る。

なお、リュビ級の兵装は魚雷発射管4基と魚雷、SM39エクゾセ対艦ミサイルなどを有している。6隻も保有しているんだけどね。

シュフラン級の兵装もに似たような状況らしい。なお、完成が遅れているので、配備も伸び伸びになっている。

戦略型原子力潜水艦

ちなみに、フランスは戦略型原子力潜水艦も4隻保有している。

ル・トリオンファン級弾道ミサイル原子力潜水艦で、排水量は14,000tである。16基のVLSを搭載しており、M45潜水艦発射弾道ミサイルや、M51潜水艦発射弾道ミサイルを発射できるとしている。射程は6,000km~10,000kmとされている。

やっぱり原子力ターボ・エレクトリック方式を採用していて、フランスの拘りを感じるな。

原子力潜水艦の他に、原子力空母も保有している。「シャルル・ド・ゴール」がその空母の名前なのだが、就役は2001年で、そろそろ更新したいところかも知れないが、原子力エンジンはル・トリオンファン級原子力潜水艦と同型のものを採用しているんだとか。

というわけで、独自ではあるのだけれども、運用している実績はありという感じなんだな。

韓国へのセールス開始

で、こうした実績のある原子力動力を利用した兵器のセールスなのだけれど、オーストラリアで転けたので、韓国に粉かけ始めた。

去る17日、フィリップルポル韓国駐在フランスの大使は、ソウル西大門区在フランスの大使館から約1時間ほどの記者懇談会を開き、オーストラリアの原子力潜水艦受注契約破棄の問題と関連したフランス政府の立場を表明した。この懇談会は、シリルドィポン在フランスの大使館国防関係も同席した。

「韓国メディア」より

確かにフランスの技術力はそれなりの魅力があると思う。

思うんだけど、韓国の空母は既にイギリスとイタリアに声をかけてコンペを始めてしまっている。

原子力潜水艦の方は、どうなんだろう。独自開発をして、韓国製のSMRを搭載するという話をしていたはずだ。

フランスのシュフラン級潜水艦が順調だったら良かったのだが、どうにもその辺りはまだ不安を抱えているっぽい。だが、韓国としても自分で作るとは言いつつもSMRも完成しているわけではないので、魅力はあるだろう。

ただし、彼は「この(核廃棄物再処理技術)は、民需用だから(議論)の範囲が違ったりだ」と余地を残しながらも、「フランスは関連技術分野で唯一無二の国」と改めて表明した。

ルポル大使は続いて「原子力潜水艦に関するすべての技術を持っている国はフランスとアメリカだけだ」と説明し、「原子力潜水艦から空母まで米国の技術は、いずれも必要ない」と言って自国の国防技術力の誇りを表わした。

「韓国メディア」より

フランスの原子力技術はねぇ。日本も核燃料サイクルで失敗気味なので、僕は余り信用していないのだが……。韓国も廃炉や放射性廃棄物処理の問題は抱えているから、魅力的に感じる可能性はある。

既にスタートしている空母の方は可能性が薄いけど、原子力潜水艦の方はもしかしたら手を組む可能性はあるか。

AUKUSで押し出されたフランス

でも、フランスはそれで良いのだろうか?フランスも大概怪しいが、韓国は完全に東側だぞ。

何となく、アメリカ、イギリス、オーストラリアが連携するAUKUSがスタートして、フランスはオーストラリアからの大型受注を失ってしまった。

で、フランスは開発を進めている感じだけど、余り順調そうではない韓国に声をかけたと。韓国駐在フランス大使が韓国政府に売り込みをかけたというニュースなので、「感触を確かめた」程度の話だとは思うのだけれど。

アメリカと韓国との関係も悪化しつつあるので、フランスがここに割り込むとなるとちょっと面白い構図になってくる。フランスが支那方面にフラフラと寄っていく切っ掛けになるかも知れないしね。

え?既に支那とフランスは仲が良い?そうなんだよねぇ。これが案外。

コメント

  1. 木霊様、皆さま、今晩は

    こんどはフランスがひどい目にあう番ですか。おいたわしや。

    • フランス人と韓国イキモノの騙し合いなら、良い勝負かも。
      弱みの多い方が、酷い目にあうのは、間違いないです。

      仕事で付き合った、フランス人プロマネは、善良な個人で邪悪な組織人でした。契約負けするような間抜けではないでしょう。

    • いやー、ワクワクしますね。

  2. 木霊さん こんばんは
    フランスはギリシャのコルベット契約を取ったことである程度埋め合わせたと聞きました。怪しげなかの国の原潜にはお付き合い程度になるのではないでしょうか(なって欲しい)。普通は自国で完成していないものは売らないと思いますが。かの国では常套手段でしたね。
    フランスの原潜はウラン濃縮率が20%で動かせるのが特徴だったような気がします。性能的には微妙で原潜のメリットが出せてないようにも聞いた覚えが。寡聞にしてフランスの原潜がどこで活動しているかあまり聞きませんが、大西洋辺りまでかなと思っています。インド洋、太平洋まで随伴できているのでしょうか。かの国の水域はもっと狭いので十分でしょうが。何にしても日本海に妙なものを沈めて欲しくないものです。

    • そうですか。
      ウランの濃縮率の問題も確かに韓国にはありましたから、そう言う意味でもフランス方式は魅力的かもしれません。
      原子力潜水艦のメリットより、韓国としては原子力潜水艦を手に入れた事実の方が大切であります。安く手に入れば、手を結ぶのは必至でしょう。