韓国次期型潜水艦のバッチ3は原子力潜水艦に決定?!

海軍

やるなぁ。

韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った

2021.08.29 10:58

韓国型原子力潜水艦が徐々に姿を現している。今年初めに原潜の作戦要求性能(ROC)が確定した。事業の最大の山場である燃料問題でも進展を見せている。今年が過ぎる前に韓国型原潜関連の公式発表が出てきそうだ。

「中央日報」より

8月29日の記事なので、少し情報が古くて申し訳ない。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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やっぱり原子力潜水艦が欲しいニダ

RPCの決定

さて、原子力潜水艦を作るぞー!といいだしたのは実はムン君だったのだが、大統領が主導しているとはいえ、軍部からの決定が出てくるのが通例だ。

韓国型原子力潜水艦が徐々に姿を現している。今年初めに原潜の作戦要求性能(ROC)が確定した。事業の最大の山場である燃料問題でも進展を見せている。今年が過ぎる前に韓国型原潜関連の公式発表が出てきそうだ。

防衛事業庁は1-3月期に張保皐(チャン・ボゴ)IIIバッチIIIのROCを決めた。ROCは兵器の性能範囲を決める段階だ。バッチは同じ種類で建造される艦艇のグループで、ローマ数字は性能改良順序だ。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

そんなわけで、すでに今年上旬に決定していた話をいまさら蒸し返してきている中央日報なのだけれど、この時期に軍の予算が決まってくることと、ムン君の任期が末期に差し掛かってきているので、「そろそろ」という圧力をかけたという意味合いが強いのではないのかと思う。

さておき、韓国海軍は張保皐IIIバッチIIIを作ることを決め、バッチIIとは違って原子力潜水艦を採用することにしたようだ。

5000t級潜水艦

で、原子力潜水艦を選んだという事は、このほど就任した張保皐IIIバッチIよりは大型化させる積りらしい。

張保皐IIIバッチIIIのROCによると、4000トン級原子力潜水艦として開発する計画だ。実際の重量は自重である軽荷トン数4000トンを大きく超え、貨物や人員をすべて乗せた満載トン数は5000トン以上になるものとみられる。また、10発ほどの潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

韓国の新型潜水艦、張保皐IIIバッチIは3000t級の潜水艦であり、小型ながらSLBMも搭載するとして注目されている。

韓国で開発したVLS(ertical Launching System:垂直発射システム)を初搭載した、なかなか意欲的な兵器となっている。214型潜水艦は1800t級を拡大再設計したともいわれているんだけど、そこからさらに大きくしようというところがなかなか凄いと思う。

バッチIはVLSが6セルだけれど、バッチIIIは10セルにまで増やす予定なんだとか。

原子力推進機関を採用

で、通常動力潜水艦ではなく原子力潜水艦を選択する模様。しかしこれ、同じバッチで管理して大丈夫か?「バッチは同じ種類で建造される艦艇のグループ」と自分の記事で説明しているんだけど。

北朝鮮や周辺国を相手にするには速いスピードで長時間作戦を遂行しなければならないため、張保皐IIIバッチIIIの推進方式は原子力が在来式より良いという判断が下されたという説明だ。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

原子力推進機関ねぇ。

韓国は張保皐I、張保皐II、張保皐IIIと潜水艦を相次いで建造し、関連技術を蓄積してきた。不足する技術は国内研究で埋め合わせたり海外から導入すれば良い。

カギは原潜の心臓である原子炉と原子炉を稼動する核燃料だ。原潜の原子炉は韓国型小型原子炉であるSMARTを修正して使うものとみられる。この原子炉は旧ソ連の原潜の原子炉を基に設計された。

SMART原子炉は設計図にとどまっており、現在商用化を推進している。ソウル大学原子核工学科のソ・ギュンリョル教授は「SMART原子炉を土台にした韓国型原潜原子炉は4年以内に試運転できる」と話した。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

韓国が提唱しているSMARTという原子炉なんだけど、記事にあるようにまだ設計図だけしか存在しないんだよね。

SMART原子炉、特許技術によって安全性も確保

2015年3月30日

中小型原子炉技術分野の特許出願が相次いでいる。特にサウジアラビアに輸出する予定の中小型原子炉「SMART(System-integrated Modular Advanced ReacTor)」は、韓国のオリジナル技術によって開発された上、安全性確保にも韓国の特許技術が施されている。

3月3日に締結された「韓国‐サウジアラビアSMARTパートナーシップおよび共同の人材育成に向けたMOU」により、SMART原子炉に対する関心が高まっている。小型化・モジュール化か可能で、大型原発に比べて建設の工事期間およびコスト※を大幅に削減できるためだ。

「JETRO」より

サウジアラビアとのSMARTパートナーシップに関して言及しているのだが、実は現時点でもSMART炉の実験炉すら作られていない。2020年1月に契約を改定しているが、実験炉すら作っている気配はない。4年以内に試運転できるって自信を示しているところが何とも素晴らしい。

アメリカでも韓国のSMRが受注したという報道はあったが、この手の話は色々聞くけれど、実際に製造が始まったという話は聞かない。

韓国斗山、小型原発「SMR」で先行 米で認証取得
韓国の斗山(ドゥサン)重工業が中核部分を担う次世代原子力発電所「小型モジュール原発(SMR)」が米国で設計認証を取得した。米国がSMRに認証を出すのは初めて。原発産業には逆風が吹くが、SMRは安全性が高いとされる。商用化が軌道に乗れば、効率重視で大型化一辺倒だった原発の転機になる可能性がある。■12基1400億円分受注...

どうなっているんだろう?

X型ラダーを採用する予定

ちなみに、これまで韓国国内で採用してきた潜水艦とは異なり、X型ラダーを採用する予定になっているようだ。

張保皐IIIバッチIIIの概略的な設計方向も描かれたという。ティアドロップ型船体とX型ラダー設計を採択する可能性が大きい。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

なぜ、実績のあるタイプを選ばないのかは理解に苦しむ。

これが214型と同型の潜水艦である。

これが3,000t級潜水艦の模型である。張保皐IIIバッチIなのだが、ここでもX型ラダーを採用してはいない。其れなのに新型にはX型ラダーを採用って意味が分からない。

そんなに効果が違うものだろうか。

潜水艦の舵は「十」から「X」へ、どう進化? 45度傾けるのが効果的だけど難しい理由

2019.11.15

海上自衛隊の潜水艦、おやしお型とそうりゅう型は一見するとよく似ていますが、艦尾の舵の形がまるで違います。前者は十字形で、後者はX形、両者にどのような違いがあるのでしょうか。

~~略~~

従来の「十字舵」の場合、上下に設けられた縦舵が左右の動き、左右の横舵が上下の動きを担い、舵に求められる機能としては、これで必要十分なものです。

これを「X舵」にする理由のひとつは、ダメージコントロールの観点からです。十字舵の場合、2枚ひと組で上下と左右の動きを担っているため、1枚が壊れると単純に可動部分が2分の1に減少することになります。

~~略~~

X舵はこのように、十字舵と比べて構造が複雑で制御が難しいというデメリットがあるため、導入している国は少ないですが、日本やヨーロッパでは主流です。性能的にはメリットが大きいため、今後日本の潜水艦はX舵になっていき、十字舵はおやしお型潜水艦が見納めになりそうです。

「乗り物ニュース」より

「上手く制御できればメリットあり」ということらしいのだけれども、果たして韓国はそんな冒険をするメリットがあるのだろうか。いくらヨーロッパで主流だからといっても、何でもかんでも真似すりゃいいというものではないと思うんだが。

別の韓国政府消息筋は「全般的に米国のロサンゼルス級・バージニア級とフランスのシュフラン級の長所だけ取り入れる方向で作られるだろう」と話した。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

あ、フランスのシュフラン級の真似ですか。確か、リュビ級原子力潜水艦は十字型ラダーだったはずなので、シュフラン級からの採用である。

あ、シュフラン級を真似するから、排水量が4,000t級なのか。「排水量:水上4650トン、水中5300トン」がシュフラン級の大きさなので、そこを強く意識しちゃったってことなのかな。

アメリカ次第

さて、韓国海軍が原子力潜水艦を手に入れるにあたって、一番のネックはなにか?というと燃料である。

一部では米国や英国、フランスのようにすでに原潜を自力で作った国から技術とノウハウを学ぶ必要性が出ている。米国との協力は必須だ。特に原潜原子炉の動力源である核燃料がカギだ。

韓米は米国産ウランを20%未満だけで濃縮でき、軍事目的に使用できないようにする内容の原子力協定を結んだ。米国の原潜は90%以上の高濃縮ウランを使う。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に362事業団(原潜事業団)団長を務めた京畿(キョンギ)大学政治専門大学院のムン・グンシク教授は「韓米原子力協定は韓国型原潜の動力源を求める道を遮断した」と説明した。

米国の態度は強硬だった。米海軍海上システムコマンドのジェームズ・キャンベル分析官は2019年のある討論会で「米国は韓国が同盟国であっても(原潜)技術を渡さないだろう」と話した。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

米韓原子力協定と呼ばれる協定によって、韓国は未だにウランの20%濃縮までしか行えず、事実上核兵器の開発もNGだし、原子力潜水艦の開発もNGとなっている。

濃縮率を高めれば、兵器化の恐れがあるという事で、アメリカが縛りを付けたのだが、このころから信用はされていないんだね。

で、未だにこれの改定がイマイチ進んでいないと。

韓国政府消息筋は「『核兵器ではない原潜は韓米原子力協定の例外』として独自にウランを再処理することもできると米国にほのめかしたりもした。米国政府が最近韓国の原潜に対し前向きに検討していると承知している」と話した。

韓米は毎年10月末から11月初めに開く韓米安保協議会議(SCM)で原潜問題を本格的に議論する可能性があるとみている。両国は米国が再処理した20%未満のウランを韓国に提供する方式で合意するものとみられる。

「中央日報”韓国型次期潜水艦は原潜に決定…いまや政治的決断だけが残った”」より

アメリカがOKを出したら、いつでも核を用いた兵器を作りかねないのが韓国の実情なので、アメリカがOKを出すかどうか。それでも同盟国を降りたら、韓国はこの協定を守るメリットもなくなるので、米韓同盟次第でこの話は劇的に進む……、かもしれない?

コメント

  1. こんにちは。

    >ティアドロップ型船体とX型ラダー設計を採択する可能性が大きい。

    X舵は、まあトレンドなので、そこまで制御難しいとも思えないし、アリだとは思えるのですが。
    むしろ、今時ティアドロップ型船体ってのが信じられないです。
    というか、今の葉巻型から涙滴型に変更したら、それもう同じバッチどころか同型艦ですらないし……そもそも、涙滴型で容積確保出来るんですかね?排水量同じなら容積同じとか思ってそう。

    というか、この時点で情報の信頼性ガタ落ちです。

    いや、見たいか見たくないかで言えば、韓国の原潜、見たいですよ?
    #技術的には、作る事自体は出来ると思います、韓国でも。
    #作る事自体は。兵器としての運用に足るものかどうかは別にして。

    ただまあ、ニューク積まれると、沈める時めんどくせぇなぁ……というのが第一印象かと……

    #やったね!韓国ちゃん!撃沈される原潜として世界初という、軍艦史上まれに見る栄誉を受けるかも知れないよ!

    • なるほど、「本気かいな」とスルーしていましたが、よく考えて見るとおかしな話です。
      涙滴型にすると複殻式の潜水艦になるはずで、いや、原子力潜水艦であれば複殻式は当たり前なんですかね。
      4000t級以上ともなると「大型」に分類しても良いかも知れませんが、原子力潜水艦としてはかなり小型の部類に入るわけで、それなのに涙滴型というのはなかなかハードルを上げていますね。韓国の潜水艦は、タタでさえ予備浮力が少ない設計になっていますが、それがどうなってしまうのやら。

      本気で原子力潜水艦を作ろうというのであれば、排水量は2倍くらい用意する話になるのかも?リュビ級など、例外もいますが。

  2. よくそんなお金があるなぁ、と感心します。

    この記事とは関係がないですが、潜水艦がらみなので。
    同じく迷走気味だったオーストラリアの潜水艦、米国が手を出したんですね。

    潜水艦契約破棄は「裏切り」 仏が豪米を非難
    https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e6%bd%9c%e6%b0%b4%e8%89%a6%e5%a5%91%e7%b4%84%e7%a0%b4%e6%a3%84%e3%81%af%e3%80%8c%e8%a3%8f%e5%88%87%e3%82%8a%e3%80%8d-%e4%bb%8f%e3%81%8c%e8%b1%aa%e7%b1%b3%e3%82%92%e9%9d%9e%e9%9b%a3/ar-AAOwiCz?ocid=msedgntp

    • かなり軍事費を積み上げていますからねぇ。
      それに、韓国の国策として造船業に金を投入しているので、ある程度潤沢なのでしょう。
      とはいえ、借金だらけで随分と大変みたいですけどね。