【韓国海軍】3000t級潜水艦のSLBM試射成功を報道

海軍

あー、よかったねー(棒)。

韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も

2021年9月7日 18:16

韓国軍が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験に成功し、近く実戦配備する方針であることが7日、明らかになった。SLBMを保有するのは、米中ロ英仏印の各国と北朝鮮に続き8番目。北朝鮮と韓国のミサイル開発競争が今後、一段と激しくなる可能性がある。

「日本経済新聞」より

発表をいつかいつかと待っていたが、漸く成功の報道が。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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韓国初のSLBM搭載型潜水艦

就役後のテストに成功?

さて、先日、韓国海軍の3000t級潜水艦「島山安昌浩」がめでたく就役したと報じられた。

この時の記事にもSLBMに関しては触れていたのだが、「玄武2B弾道ミサイルを改造したもの」という程度の事しか書かれていなかった。

で、ロシア製ミサイル「イスカンデル」がベースになって開発された玄武2Bは、弾道ミサイルタイプでホットローンチタイプのミサイルであったハズだ。

今回、潜水艦に搭載するにあたってコールドローンチタイプを開発したということなんだろうか。

高圧ガスでミサイルを海上に打ち出し、空中で固体燃料に点火する「コールドローンチ」という手法を用いた。韓国軍は技術開発が事実上完了したと判断しているという。

「日本経済新聞”韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も”」より

報道ではコールドローンチタイプが「開発済み」と言うことになっているね。今回はコレの試射に成功したということなのだろう。

発射したミサイルは、韓国軍が保有する射程500キロメートルの弾道ミサイル「玄武」の改良型だった。報道によれば、近く実施する飛行実験を経て、量産と実戦配備に向けた体制へ移る。韓国国防省は「保安上、個別事案の確認はできない」(報道官)と説明し、詳細は公表しない姿勢だ。

「日本経済新聞”韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も”」より

メディアには公開しない予定らしいが、先日、艀(バージ船)からの発射に成功していたということだから、潜水艦から発射しても成功したね、という確認的意味合いが強い話ではある。

公開する自信がないという風にも採れるが、防衛機密という意味では公開しないで正解である。韓国軍はこういうシーンでホイホイと動画を公開している癖があるので、そこは良かったんじゃないかな。

実戦配備は2022年

というわけで、一番心配だった潜水艦からのSLBMの発射テストは成功裏に終わったと報じられ、あとは韓国海軍が1年ほどの時間をかけて運用テストをして行く段階に入るのだろうと思われるが、きっと韓国政府としても「成功」の発表を聞いて自信を深めただろう。

韓国は近年、北朝鮮の後を追う形でSLBM開発を急いできた。後押ししたのは、米韓首脳が5月の首脳会談で合意した「米韓ミサイル指針」の撤廃だ。指針は射程が800キロメートルを超える韓国のミサイル開発を制限してきた。

ミサイル開発を妨げる規制がなくなり、韓国は平壌だけでなく東京や北京も射程に収める弾道ミサイルを保有できるようになった。軍事産業や宇宙開発の発展への期待も高まっている。

探知が困難な海中から発射するSLBMを保有する戦略的な意義は大きい。韓国国防省は26年までの中期計画で、潜水艦による戦略的抑止力を強化すると明記した。

「日本経済新聞”韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も”」より

来年までには実戦配備が可能であるとしている。

で、この潜水艦が配備されるとどう言うことになるのか?というと、日本の防衛方針にとっても大きな影響を与える可能性が高いと思われる。

韓国軍としては、「平壌だけでなく、東京や北京にも弾道ミサイルをぶち込める」と嘯いているわけだが、実際に島山安昌浩級潜水艦がカタログスペック通りの性能を発揮するのであれば、可能だろう。また、2週間以上水中で活動が可能である(とされている)ため、結構厄介な存在になると思う。

排水量が3000tを超える大きさで、6セルだけとはいえVLSを搭載しているということは、北朝鮮を相手にして活動する可能性は低い。潜水艦を使いながら北朝鮮に対して攻撃を仕掛けるという事に意味が無いわけではないが、北朝鮮相手なら陸上からミサイルを発射すれば足りる。海から撃つ理由は殆ど無いのだ。

それなのに、わざわざSLBM搭載型潜水艦を用意したということは、日本か支那の喉元にミサイルを突きつけるという用途だと言われた方がしっくり来る。そして、正直、韓国が支那に刃向かうとは思えないので、この潜水艦は事実上の対日戦力と考えるのが妥当で、それはネーミングからもバレバレである。

2022年以降は、韓国海軍は日本に対する潜在的な敵から明確な敵意を持つ存在にクラスチェンジすると考えた方が良いだろう。

SLBMを装備するなら原子力潜水艦

ただし……、SLBM搭載の潜水艦であれば、原子力潜水艦を持つ事を真っ先に考えるべきであった。

国防予算を年平均で6.5%増やしてきた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、海軍の増強に注力する。文氏が大統領選で公約した原子力潜水艦の建造構想も、米国から許可を得ようと交渉に動いている。

「日本経済新聞”韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も”」より

実際の所、韓国は世界で8番目のSLBM保有国になったと胸を張っているわけだが、他の6カ国は原子力潜水艦にSLBMを配備している。

6カ国とは、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、支那、インドだ。じゃあ、7番目はなんと北朝鮮がカウントされているが、潜水艦から発射する能力があることを確認されてはいないので、本当にカウントして良いかどうかは怪しい。

怪しいが、韓国の分析では既に保有しているとなっている。

北朝鮮はSLBMを発射できる1500トン級の潜水艦を1隻保有している。さらに、3000トン級を含む2隻のSLBM搭載型の潜水艦を建造中だとの見方がある。金正恩総書記は1月の朝鮮労働党大会で原子力潜水艦の開発を推進すると言及している。

「日本経済新聞”韓国軍、SLBM発射実験に成功 南北の競争激化も”」より

えーと、1500t級潜水艦か?

防衛省の分析によると、北朝鮮はSLBMを搭載できる潜水艦の開発も進めている。北朝鮮は、弾道ミサイル1発を搭載可能なコレ級潜水艦1隻を保有していると見られていたが、朝鮮中央通信は、2019年7月にSLBM 3発搭載可能なロメオ級潜水艦の改修が行われ、金正恩総書記が視察している映像を公開した。この改修が実現すると、弾道ミサイルによる攻撃手段が多様化し、衛星からの探知を避けながら隠密性を保持することで、弾道ミサイルの残存性が向上することになるだろう。潜水艦発射の「北極星」の射程は約1,000キロメートル、「北極星3」の射程は約2,000キロメートルと見積もられ、日本を含む東アジア全体が射程圏内に入ることになり、周辺国にとって大きな脅威になる。

「ロイター”北朝鮮のSLBM・潜水艦の開発動向について【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】”」より

調べて見ると「コレ級潜水艦」なるものがあるようなのだが、ナニモノかがよく分からない。どうやらソ連製ロメオ級潜水艦を改良した潜水艦っぽいのだが、ロメオ級って通常動力潜水艦なんだよねぇ。

ともあれ、北朝鮮が新造していると言われている3000t級~5000t級の潜水艦は、原子力を推力にしているとされている。それが本当であれば、やはり原子力潜水艦にSLBMを搭載するのが理想と言うことになるだろう。

歴史的には通常動力潜水艦でSLBMを発射するような事もあったようだけれど、色々不具合もあったようだ。韓国海軍としても、島山安昌浩級潜水艦のバッチ2以降は原子力潜水艦で!と考えているようだしね。

原子力潜水艦は、水中での騒音が大きくて海中に潜むという運用には向かないのだけれど、船足が速いのでSLBMを発射した後に、その海域から全力で離脱することが可能となる。SLBMをぶっ放すと、どうしても潜水艦のいる海域がバレてしまう。だから、早期にその海域から離脱する必要があるのだ。

島山安昌浩級潜水艦もAIP機関を採用しているために長期間潜水可能だとされているが、AIP機関は速度の面で問題があるためにSLBM向きとは言い難いんだよね。

3隻の島山安昌浩級潜水艦バッチ1を製造

ちなみに、島山安昌浩級潜水艦は、1番艦から3番艦までが「バッチ1」という位置づけであって、既に製造が進められて進水式まで終えている。

SLBM搭載型潜水艦を3000t級で3隻、か。流石に試験的に3隻も作らないだろうから、通常動力潜水艦にSLBMを搭載したとは言え、それなりに使えるという目算があったのだと思われる。

ただ、SLBMに核弾頭を搭載してこそのメリットなので、そこはアメリカとの交渉を進めていくのだろう。将来的に韓国がレッドチームに入ってしまえば、米韓ミサイル指針や核兵器不拡散条約も関係なしということに出来るのかも知れないけどね。

そして、バッチ2、バッチ3も大型化しながら順次建造する予定になっているそうなので、今後更に韓国海軍の戦力は増強されていくことになる。

よって、潜水艦建造が成功するかどうか?も含めて注視していきたい。もちろん、お笑いネタは大歓迎だけれどね。

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