大宇造船海洋、インド海軍に3000t級潜水艦を提案

海軍

え?あんだって?

大宇造船海洋、インド海軍に「島山安昌浩級DSME 3000潜水艦」提案

2021-06-17 11:48

造船会社である大宇造船海洋が島山安昌浩級潜水艦改良型で、リチウムイオン電池ベースの非大気依存推進(AIP)システムを搭載したDSME3000をディーゼル潜水艦6隻を導入する計画を発表したインド提供することや分かった。

「news.g-enews.com」より

韓国の3000t級潜水艦って、いまだに一隻も韓国軍に納入されていないんだが。

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インドネシアの次はインドだ!

姿を見せない1番艦

島山安昌浩級潜水艦といえば、2018年9月に1番艦の進水式が行われていた。

こちらの記事で触れているが、9隻建造する予定の韓国3000t級潜水艦の1番艦は、大型化の傾向が進んでいる韓国海軍の潜水艦としては「画期的」なモデルだ。何しろ、韓国独自の潜水艦技術を詰め込んだ、初の韓国独自設計の艦だとされているのだ。

それまでは、ドイツの209型と214型を購入して運用していたのだが、ついに「自国開発ニダ!」と胸を張っていたのは記憶に新しい。

ただし、実際にはこちらで紹介したように英バブコック社の技術を随分と頼ったようではあるが。

この1番艦は2020年度中に就役する筈だったのだが……。2021年も半ばごろになったいまもその姿を見せないのは何故かな?就役していれば流石に報道する筈なんだが。

島山安昌浩級は通常動力潜水艦

どこに行ってしまったかは今の所よくわからないのだが、迷子の1番艦「島山安昌浩」は、3隻作られる予定の同型艦のうちの1つで、2番艦も3番艦も大宇造船海洋が作る予定となっている。

というか、2番艦の進水式は終わっているし、2022年には就役する予定になっている。3番艦は2019年起工なので、2021年末までには進水する筈だ。順調ならね。

で、何れも通常動力型でディーゼルエンジンを搭載しているらしいのだが、AIP機関も搭載している模様。214型潜水艦と同じ燃料電池式である。

実際に「消息不明」などと書いたが、1番艦のニュースはちらりと報じられている。

韓国製3000トン級潜水艦、ディーゼル潜水艦世界最長連続運転に成功

2020.12.10 11:47

大宇造船海洋は10日、3000トン級潜水艦「島山安昌浩(トサンアンチャンホ)」の連続運転試験評価でディーゼル潜水艦のうち世界最長期連続運転に成功したと明らかにした。

~~略~~

大宇造船海洋が開発した燃料電池システムはドイツに続き世界で2番目に開発に成功したもので、3000トン級中型潜水艦には世界で初めて搭載された。大宇造船海洋は試験完了後に残っている燃料量を基に分析した結果、軍が要求する作戦性能をはるかに上回る性能を見せたと明らかにした。

「中央日報」より

この記事、なかなか凄くて、「世界最長期間連続運転に成功」と書かれているが、その根拠らしい内容には一切触れられていない。まさに伝聞だけで書いた提灯記事だ。

素直に読むと、214型潜水艦よりも長期間潜水が可能だったというデータが出たのでホルホルしちゃったということなのだろう。

「世界最長連続運転に成功」などと喧伝したところで、他国の潜水艦の連続航行期間は殆どが軍事機密で明らかにされないので誰も立証できない。

なお、韓国海軍が明らかにするところによると、「孫元一級(214型)は数週間海中で作戦行動を行なえる性能を有している」とのことなので、214型は2~3週間は水の中にいることが出来るのだろう。

そうだとすると、1番艦「島山安昌浩」も1か月くらいは水中生活ができるのではないかと推測できる。

ただ、あまり長期間潜ると潜水艦に乗っている人間の精神の方にダメージが行くらしく、長期間潜る能力があってもこれをどんどん伸ばすことにあまり意味はないんだけどね。

ペーパープラン

さて、1番艦「島山安昌浩」の話はこれくらいにして、今回、韓国がインドに提案するモデルの話だ。この艦は、この島山安昌浩級潜水艦をベースに手を加えるということだ。

大宇造船海洋特殊船事業本部長のユ・スジュン専務は、「島山安昌浩が水中で最長期潜航性能を立証したのはものすごい成果だ。残る試運転も成功裏に終え、韓国が独自設計した世界最高品質の中型潜水艦を引き渡し国の安全保障に寄与したい」と話した。

「中央日報」より

1番艦の凄い記録に、ホルホルしちゃうのもまあ良いということにしよう。

問題は、「島山安昌浩」を製造した大宇造船海洋がインドに提案しているのが、ペーパープラン(机上案)ってことだ。

大宇造船海洋の関係者は、ネイボルニュースにDSME3000は、リチウムイオン電池を搭載すると発表した。大きくなるリチウムイオン電池は、重さは軽いながらもエネルギー密度は高く、鉛蓄電に比べてメンテナンスコストは少ないながら、より長い潜航能力を提供すると評価した。

「news.g-enews.com」より

インドに提案したのは、なんとリチウムイオン電池搭載型のモデル。うんうん、良いことばかりだね!実現すれば。

何しろ、リチウムイオン電池搭載型の潜水艦は、今の所、世界中で海上自衛隊のみが運用している。世界中で電気自動車が作り始められているので、リチウムイオン電池の技術そのものは向上している。

だが、果たしてそれを単純に積めば素晴らしい性能が得られるか?ということに関しては良く分かっていない。もちろん、大宇造船海洋が韓国海軍向けに1隻くらいリチウムイオン電池を搭載した艦を作っていれば話は別だが、作っていないんだよね。

場合によっては3番艦に搭載する可能性はあるものの、そもそもこのレベルのリチウムイオン電池を韓国が用意できないところが問題である。

まあ、インドに対しては各国もペーパープランを持ち寄っているし、ペーパープランであることそのものに問題はないんだろうけれどさ。

インドはK9自走砲を韓国の提案を受けて採用した実績があるので、あながち韓国製品だからといって避けるつもりもないように思う。ただまあ、何しろ韓国製品なので、インドはよくよく気を付けるべきだろうね。

コメント

  1. なんだか言っても韓国は売り込み上手なので案外契約までこぎ着けるかも知れませんね。
    最近インドネシアとの潜水艦事業が怪しくなって来ているので代わりの商売相手の獲得に必死でしょう。
    かなり大胆な条件で交渉にのぞんているのではないでしょうか?

    • 韓国が交渉上手である、というのはちょっと首肯しかねる部分もありますが、強引に物事を押し切る傾向にあるのは事実であるように思います。
      理屈を超えてやりたいようにやるというのがかれらの長所でもあるのでしょうね。

  2. 朝から中々愉快な記事UPですね。

    インドもEEZの広い海洋国ですから攻撃型原潜と、何より通常動力の哨戒潜水艦の拡充がテーマなんでしょうね。
    シンドゥゴーシュ級潜水艦(ロシアのキロ級輸出型)を9隻運用してますが、艦歴は最も古いのが35年と更新時期を迎えているのかな。

    受注すればMAX10隻前後のビッグビジネスですから、潜水艦建造各国の熾烈な競争が予想されます。

    ところでベースとしている肝心の島山安昌浩級の就役はどういう状況なのかなァ~、すでに計画から1年遅れですから何か問題でも抱えているのでしょうか?
    まあ、いつもの南朝鮮スタンダードって事なんでしょうね。(冷笑)

    • インドの事情を考えると、ロシア製もアメリカ製も支那製も安易に手が出しにくいという事情があるように思います。
      そういう意味では韓国製を採用するのは、波風が立ちにくいというメリットがあるのかも知れません。
      ただ、その性能がお察しなのが厳しいところであります。