【悲報】原子力潜水艦建造計画の躓き

海軍

しょっちゅう躓いているな!

この記事は本気で短くするつもり。

原潜の燃料供給要請に米国が難色か 韓国大統領府「確認に応じない」

2020.10.06 15:54

韓国青瓦台(大統領府)の高官は6日、政府が米国に韓国の原子力潜水艦の開発計画を説明し、核燃料の供給を受けたいとの意向を伝えたものの、米国が難色を示したとする報道に関し、「確認に応じられない」と記者団に述べた。

「聯合ニュース」より

……何故、色よい返事を貰えると考えたんだ?

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韓国の夢、原子力潜水艦入手

3000t級通常動力潜水艦

えーっと、何から書くべきか。

韓国が無謀にも計画している4000t級潜水艦計画なのだが、既に紆余曲折があって先が見通せない状況になっている。

そもそも韓国には潜水艦を作るだけの技術力があるかどうか怪しいのだが、3000t級潜水艦は進水したといわれていて、便りは無いので今のところ順調だと信じよう。

しかしながら、韓国初の3000t級潜水艦「島山安昌浩級潜水艦」のバッチ1は、通常動力潜水艦である。ドイツから手に入れた214型潜水艦はAIP推進機関を備えていたのに、何故、通常動力潜水艦を敢えて選んだのかは不明である。

通常動力潜水艦を作るメリットは、ディーゼルエンジンを用いた方が原子力駆動機構を用いる場合よりも静粛性を高められる点だろう。原子炉は常に冷却していなければならず、冷却水循環用のポンプを駆動する音はどうしても発生してしまう。低出力の場合には自然対流で冷却できる方式があるとも言われているが、その技術が韓国にあるかどうかは不明だ。更に、原子炉から得られる熱で蒸気タービンを回す必要があるが、これが高速回転をする為に高い音が発生する一方、出力軸に繋ぐ低回転スクリューに動力を伝達するための減速機は必須で、減速ギアから生じる音もバカにならないと言われている。

減速機で失敗をやらかした経験のある韓国にとって、これも技術的ハードルは高いだろうと思われる。

ただ、ディーゼルエンジンが静粛性が高いかというと、必ずしもそうとは言い切れない。何しろ、潜水艦の静粛性はスクリューの形状に依存する。出力軸からの騒音でトラブルになった韓国の214型潜水艦の事例もあるので、韓国にその対策ができるとは考えにくい。

まあ、海中に潜む場合には推進機関を止めておけば良いのだが、微速前進させるためにはスクリューを回す必要がある。スクリューだけドイツに設計を依頼するというわけには行かないだろうが、前の記事に書いたようにバブコックインターナショナル社が一枚噛んでいるので、その辺りは何とかする可能性はある。

が……。島山安昌浩級潜水艦の2番艦は順調に行けば今年の5月頃に進水する予定だったはずだが、未だに音沙汰が無い。張保皐-Ⅲ Batch -I進水式(2番艦)有功賞候補者名簿の提出要求が5月18日付けで掲載されたという情報があったが、どうなったんだろうね。

通常であれば、起工した時期が2ヶ月しか変わらない1番艦の進水が2018年9月14日であれば、2018年内には進水させそうなものだが、何故かそれから2年以上音沙汰が無い。同じ大宇造船海洋が受注して製造しているのだから、似たようなタイミングで出来上がっても不思議はない。1番艦は起工から進水まで2年なので、2番艦の製造が1番艦の進水まで止まっていたとしても、流石に進水していておかしくない時期である。とっても不思議だな。

4000t級潜水艦計画

そして、4000t級潜水艦という話になるのだが、実は前の記事にも書いたけれども、4000t級潜水艦は、「島山安昌浩級潜水艦」のバッチ3に位置づけられるとされている。

実は、次の潜水艦として「島山安昌浩級潜水艦」のバッチ2が計画されていて、コチラにはリチウムイオン電池を搭載すると言われているのだ。通常動力潜水艦に搭載されるのは従来は鉛蓄電池であったが、時代はリチウムイオン電池が主流になりつつあり、高性能化ができるとされている。

ただ、リチウムイオン電池を搭載した潜水艦を実用化できているのは、世界中で日本だけであり、配属されているのはただ1隻(SS-511「おうりゅう」)だけだ。現在、リチウムイオン電池搭載型そうりゅう型潜水艦は2隻目(SS-512「とうりゅう」)が建造されているようだが。

果たして韓国にその技術を実現できるのかは不明だが、まあ、天下のサムスンが頑張っているので無理ではないのだろう。

で、4000t級潜水艦「島山安昌浩級潜水艦」バッチ3は、その課題を乗り越えてからの話で、まだまだ先のことのハズ。

しかしまあ、その「燃料」が手に入らないのでは、話にならない。だから、早めにアメリカに打診したという話なのだろう。

青瓦台は先ごろ、金氏が先月16~20日に訪米し、ホワイトハウスをはじめ国務省、国防総省、エネルギー省、商務省など米政府の関係者、シンクタンク関係者らと面会して韓米間の主な懸案や地域情勢などを協議したと伝えていた。

「聯合ニュース”原潜の燃料供給要請に米国が難色か 韓国大統領府「確認に応じない」”」より

ところが「ダメー」という話になった模様。

「これに対し、米側は自国の核不拡散の原則を挙げ、韓国政府の要請を受け入れなかったという」って、どう考えても「作るなよ」とクギを刺されたに等しい。

自力で調達可能なのか

しかし、韓国は何故、原子力潜水艦の燃料をアメリカから輸入しようとしたのだろうか?

実はこれに米韓原子力協定の存在が大きく関わっている。

[米国・韓国] 米韓原子力協力協定が発効

2015年12月22日

2015年11月24日付報道によると、米国と韓国の2カ国間原子力協力協定の更新が2015年11月に発効した。 本協定の更新にあたっては、2015年6月15日にエネルギー省モニツ長官と韓国の尹外務大臣が署名を行い、6月16日にオバマ大統領が連邦議会に提出、連邦議で90日間の審議を経た後、正式に発効した。 韓国が強く望んでいた使用済燃料の再処理とウラン濃縮は認められなかった。

「電気事業連合会」より

実は韓国はアメリカとのこの協定の存在によって、ウラン濃縮が認められていない。

http://www.ns-fuji-ie.jp/NPO_Nuclear_Salon/documents/2015_10_21_nsf_us_korea.pdf

2015年に再度締結したこの協定は、20年間有効なので、2035年まで有効である。冒頭の記事でアメリカが「ダメ」と謂った理由はこの協定の存在によるのだ。

尤も、原子力潜水艦の燃料としては低濃縮ウランでも利用可能なので、作る事は可能なのだが……、韓国が目指している4000t級潜水艦は原子力潜水艦としては小型の部類に属し、それ故、低濃縮ウランでは実現が困難である。

仮に、低濃縮ウランを燃料にした場合には、燃料交換を何処かのタイミングで行う必要があるのだが、原子力潜水艦の外殻を割っての燃料交換ということになって、ランニングコストがアホほどかかるという欠点ができてしまう。

そして、最大の問題は、低濃縮ウランを使う場合でも先出の米韓原子力協定によって「軍事転用が禁止」されている。どうやら韓国政府は原子力潜水艦への低濃縮ウラン使用は「軍事転用に当たらない」などという解釈で乗り切ろうとしているらしいけれど。

流石に韓国もそこまでアホではないだろうから、これをテコにネックになっている米韓原子力協定の改訂を目論んでいるのだろうけれど。

いやー、頑張って欲しいですね!……あれ?余り短くないorz

コメント

  1. 木霊様、皆さま、今晩は

    > あれ?余り短くないorz

    気のせいですよ、気のせい。
    面白ければ(興味深ければ)長文でも全部読むし、そうでなければ何行か読んだところで【X】(閉じる)です。この記事は全部読みました。「長すぎる」とは感じませんでしたよ。

    ・・・コレ、「面白い記事を書け」と言っているみたいで・・思いきり言ってるって?・・心苦しいんですが、本音なんですよね。「読者には誤読する権利がある」(筒井康隆さん)なんですが、私は「読者には読まない権利がある」と思います・・・勝手なものだね・・・

    • 最近、記事が無駄に長くなる傾向があるので気をつけているのです。
      でも、情報を色々突っ込んでいくとどうしても長くなる傾向に。

      とにかく「読める」文章を心掛けたいとは思いますが、狙い通りにいかないのが常で、力不足を感じます。
      時間をかけられればマシにはなりますが、面白くなるかというと又別なんですよね。
      精進したいと思います。

      • 木霊様、おはようございます。

        > 狙い通りにいかないのが常で

        いつも「きちんと狙いを定め、それを読者の好みに合う形で面白い文章にする」が出来れば、一流の文筆家です。プロの文筆家も殆どは「一流」ではありませんよね。
        無理したり気にし過ぎて落ち込んだりなさらぬように。

      • ありがとうございます。
        まあ、適度に頑張っていきたいと思いますよ。

  2. 木霊さん、こんにちは。

    何でも3000t級潜水艦「島山安昌浩級潜水艦」は原潜を含めて9隻建造計画とか。
    張保皐級潜水艦(ドイツ209型)×9隻が竣工30年経過で、普通なら4~5年後に退役が始まりますので次期後継艦を計画するのは間違った選択じゃないでしょう。
    海自の潜水艦は20~25年で退役していくようですが、台湾などからしたらもったいない話でしょうね。

    ただ、日本は戦後初の国内艦「くろしお型」の就役から60年の歴史があるのですが、自国でマトモな潜水艦を建造した事がないのに、いきなり214型をベースに2倍近い新型艦建造なんでホントに大丈夫かァ~となっちゃいます。
    そして、夢の原潜建造って...、果たしてその結果や如何に?

    >起工した時期が2ヶ月しか変わらない1番艦の進水が2018年9月14日であれば、2018年内には進水させそうなものだが、何故かそれから2年以上音沙汰が無い。

    そういや起工がたった2ヵ月遅れの2番艦は消息がまったく不明ですね。
    普通、潜水艦建造は起工→進水(2年)、進水→竣工(2年)のサイクルを経て、試験航海で就役するはずですから起工から4年以上経過したはずなのに、ホルホル好きな南朝鮮が大威張りで情報出さないのはおかしい...。

    原潜の妄想を抱く前に3000t級潜水艦「島山安昌浩級潜水艦」をちゃんと就役させようぜ!!(冷笑)

    • 3000t級潜水艦の続報に渇望しているのですが、潜水艦のネタはなかなか出てきませんよね。
      今年は触れてくれるかなーと期待していたのですが、来年に先送りかも?

      まあ、気長に待ちたいのですが、ソレまでこのブログは存続しているやら。

  3. 島山安昌浩級潜水艦の韓国語版のwikiや記事をgoogle翻訳すると倒産安昌浩級潜水艦となるのがなんとも。

    なお韓国はこの就航もしていない島山安昌浩級潜水艦をインドに売りつけようとホルホルしている記事が出てました、競合のスペインの造船会社ナバンティアに対しては技術力不足、フランスのDCNSに対しては過去の紛争やAIPの性能不足、ドイツのHDWに対しては韓国,ギリシャ,トルコで相次いで設計上の欠陥を露出したと上から目線でインド潜水艦事業で最も注目されているダークホースの島山安昌浩級の引き立て役とか言ってる。

    搭載される巡航ミサイルと弾道ミサイルに対するMTCR(Missile Technology Control Regime)規制もクワッドのメンバーであるインドの戦力強化なのでアメリカも許可するはずニダと自分がレッドチームに限りなく近い状況であるという自覚もなく勝手に思い込んでるけど原潜用核燃料同様また後頭部を殴られたと騒ぐことにならなければいいんですけどね。

    https://www.donga.com/news/Politics/article/all/20200905/102803974/1

    • 「倒産」ですか(苦笑)

      しかし、紹介頂いただいた記事はなかなか壮大な事が書かれていますね。
      突っ込みドコロ満載ですが、相変わらずである意味安心できました。凄いぜ!韓国。