【おめでとう!】韓国でKFX用のAESAレーダーの試作品が完成!

空軍

え?マジデ?AESAレーダー完成したの??

って、完成したのは試作品か。

韓国、「不可能」と言われた国産戦闘機レーダーの開発に成功か=ネット歓喜

配信日時:2020年7月3日(金) 12時20分

2020年7月2日、韓国・ヘラルド経済によると、「韓国の技術では開発不可能」と言われていた韓国型戦闘機(KFX)の主要装備である多機能位相配列(AESA)レーダーの試作品が完成したことが分かった。

「レコードチャイナ」より

これについてはあまり書くことがないので、記録に留める意味で記事にしておきたい。

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KFX韓国次世代戦闘機用のAESAレーダーを開発するぜ

ロッキード・マーティン社からの技術移転は拒否されていた

このブログでは散々やった話なので、今さらという感じもするのだけれど、時系列的に少し振り返っておきたい。

KFXは韓国産となるはずの次期型戦闘機なのだが、これの開発に関してはかなりの紆余曲折があったのだが、搭載するセンサー類はアメリカからの技術移転を予定していたという話であった。

この「技術移転」の話が出たのはF-35の開発に苦しんでいた時期のアメリカが、調達を取りやめる、調達数を減らす国や組織が出る中で韓国が「買いたい」と手を挙げたことで、韓国のこの意思表明を歓迎するような空気があったのは事実だろう。ロッキード・マーティン社としても、「多少は融通できる技術がある」という雰囲気は出していた可能性は否定できない。

ただ……、真っ当な感覚をお持ちの方であれば、「そんな馬鹿な」と思う様な内容であることは間違い無いと思う。

大統領府、韓国型戦闘機事業の真相調査に着手

Posted September. 26, 2015 08:23,

大統領府が、契約失敗が取り沙汰されている韓国型戦闘機(KFX)事業に対する真相調査に着手した。

~~略~~

KFXは18兆ウォンを投じて2025年までに韓国型戦闘機を開発する事業だ。米国のロッキード・マーティン社のF-35A戦闘機を購入する見返りに技術提供を受け、新型戦闘機を開発することを目指していた。しかし、米国が今年4月、アクティブ位相配列(AESA)レーダーの装備統合など主要な4つの技術移転を許可しなかったことが、最近、国政監査で明らかになった。ロッキード・マーティン社は4つの主要技術の移転は不可能だと事業提案書で明らかにしていたが、防衛事業庁は米政府の承認を期待して押し切った。このため、韓国型戦闘機を予定通り2025年までに開発することが難しくなったという見方が支配的だ。

「東亜日報」より

2013年頃の交渉で、ロッキード・マーティン社が技術移転が移転を呑んだという「報道を韓国側がした」という事実はあったが、蓋を開けてみたらロッキード・マーティン社自身が「AESAはダメ」と文書でも出していたという事が判明している。

つまりこの時点ではAESAレーダーを韓国は持っていなかったという風に理解して良いだろう。

政府は米国からレーダー冷却技術、燃料タンク・エンジン火災を鎮火する技術など、17種類の核心技術を受けることにした。

韓国型戦闘機(KFX)開発に必要な200種類の技術も提供される。しかし核心のステルス技術はリストから抜けた。価格について批判が出ると、空軍は戦闘機の引き渡しが始まる2018年に価格を再び算定する予定だと説明した。

「中央日報”韓国次期戦闘機F35Aは1210億ウォン…ステルス技術移転は抜ける”」より

もともと怪しい話ではあったようで、2014年頃には既に「あの話嘘なんじゃないの」という雰囲気ではあったが、2015年にはその事が明らかになったと言う流れだね。

AESAレーダーの移転話はあったのか

なお、韓国にAESAレーダーの技術移転の話、影も形も無い話だったのか?というと、僕はそうでは無いと考えている。

例えば、こんな記事がある。

【KFX集中分析18】 KFX核心技術の国産化できた?

記事の承認2015 04 01 07:08

韓国型戦闘機(KFX)事業のシステム開発の優先交渉業者に韓国航空宇宙産業(KAI)が先月30日選ばれた。しかしKFX事業の成否を左右する重要な部品や技術、設備の国産化と国内の確保が事実上不可能に行った強い疑惑が31日、提起された。

この日の航空専門家と国会筋によると、KFX事業の核心部品であるのAESAレーダー、目標捕捉装置(TGP)、赤外線検出装置(IRST)、電子妨害装置(JAMMER)などを米国が技術協力生産( license production)方式によるブラックボックス化して戦闘機に搭載し、国内メーカーは、システム統合技術を確保する条件で、私たちの政府と国会が承認をしたという疑惑が提起された。

海外技術の国内技術協力の生産も国産化に規定されているので、米国が自国の核心技術と部品、機器を全く開いていないブラックボックス化して韓国企業が国内で組み立てだけして戦闘機に付ける方式である。KAIとロッキード・マーティンが、国産T-50高等訓練機を技術協力生産する方法をそのまま踏襲するものである。

「アジアtoday」より

こんな記事が出ていたのだが、AESAレーダーの購入は、ブラックボックス化されて導入するという可能性が指摘されている。

T-50高等練習機から発展させたFA-50軽戦闘機は、EL/M-2032レーダーというイスラエルのエルタ・システムズ社製のレーダーを搭載している。このレーダーは火器管制レーダーとして用いられていて、韓国の企業が作る事を許されているアイテムである。ただそれすら自国の技術として発展させたのか?というと、韓国内にそんな形跡はない。

つまり、結局のところ韓国国内にとって、技術開発というのは積極的にやるべきものではなく、必要な技術があれば外国にクレクレすれば何とかなるという思考だったわけだ。

ところがこれが失敗である事に気がつかされ(反省したと入っていない)、少なくともAESAレーダーは自国で開発するしかないな、という事になったようだ。

米KFX技術移転を拒否に追加費用の負担懸念KFX技術移転を拒否に追加費用の負担懸念

最終修正 2015.09.24 11:02 記事入力 2015.09.24 11:02

韓国政府が韓国型戦闘機(KF-X)の開発に必要な核心技術を4つ提供してもらう米国に要請したが拒否したことで知られ、海外で購入したり、国内開発を行う場合は、追加費用が入ることはないかという懸念が出ている。

「asiae.co」より

最後まで「ヨーロッパから貰おうぜ!」とかいう話は燻っていたんだけど。

国内開発の決定

で、その方針が固まったのは2016年になってからだ。

国産戦闘機のレーダー開発を開始 26年終了目標=韓国

2016/08/10 11:49 KST

韓国国防部傘下の国防科学研究所(ADD)が10日、韓国国産戦闘機(KFX)の中核装備となるアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーの開発事業を開始した。防衛事業庁が伝えた。

「聯合ニュース」より

2016年8月には、ADDが開発事業を開始したという報道があった。実際にはADDはハンファタレスなどで作るという事になるんだけど、ADDといえばヤバい話が色々あった。

実はADDからの情報流出が問題となった。それも海外のメーカーと組んで技術開発するようなことがあり、どうもこれ、組織的にやっているのだという話が。

特に出国した退職者がポータブルストレージデバイス(USB)や外付けハードディスクなどのデータを簡単にダウンロードしたことが確認されるなど、セキュリティ管理が事実上全く行われていないことが分かった。

防衛事業庁はADDの防衛産業技術保護の実態に関する中間監査の結果、現在までに、このように確認されたと25日明らかにした。

防衛事業庁は2016年1月から2020年4月までADD退職者1千79人と在職者のためのポータブル記憶媒体の使用履歴を伝授調査した結果、元首席研究員2人が退職前の大量の資料をポータブルストレージ媒体に転送した後、外国に出国した情況を確認した。

~~略~~

全体の研究試験用PCの62%に相当する4000台の研究所内で印加されていない記憶媒体の使用を制御する情報漏洩防止システム(Data Loss Prevention)プログラムがインストールされていなかった。

これと共にADDで使用した記憶媒体数千台の基本的なセキュリティ機能も持っていない外部PCで接続が可能だった。

この他にADDは出入り技術情報流出防止のためのセキュリティチェックとセキュリティ要員を運用していなかったし、顔確認せずに出入りを統制した。部外者が従業員の出入証を無断で複製して自由に出入りすることができているわけだ。

「NAVER」より

何というかこれ、中間報告に関連する記事なのだけれど、ADDの所員でなくても自由に機密情報にアクセスできた状態だったと言うから、呆れるべきか驚くべきか。

そんな組織がAESAレーダーの開発をやるというのだが、大丈夫かな。

完成!……え?完成?試作品が?

しかし、これは今年に入って見事に試作機が完成したという話に。

政府関係者は「来月に予定され、「工場出荷式は不可能」とされたのディレクターレーダーの開発を私たちの手で、最終的にやり遂げたという点で意味が格別だ」とし「コロナ19と世界的な景気低迷などで困難に陥った国民に良いメッセージになったらならない」と述べた。

「NAVER」より

スゴいな!

ハンファシステム頑張ったな!と思うのだが、どうやら開発出来たのはAESAのアンテナ部分と電源装置だけということで、バックエンド部分はどうやらエルタ・システムズ社とサーブ社が関与しているようで、「韓国製」ができたというには少々ハズカシイ状況だ。

Saabが韓国のKF-X戦闘機のAESAレーダー開発をサポート

 2017年12月23日午後12:07

サーブは、韓国の固有のKF-X戦闘機用の航空機搭載AESAレーダーのアルゴリズム開発と評価のサポートの注文を受けました。

レーダー開発プログラムは韓国国防開発庁(ADD)が主導し、サーブはADDおよびその契約パートナーであるLIG Nex1と協力して作業を行います。注文金額はMSEK 125(2500万米ドル)です。

「defenseworld」より

ついでにいうと、試作品の完成は、KFX戦闘機のノーズコーン内に収まる大きさのAESAが出来上がった程度の意味しかないだろう。多分ね。

2017年にも似たような話

というのは、2017年にこんなニュースがあった。

韓国型戦闘機「AESAレーダー」の試作品公開…「技術実証」(総合)

送稿時間2017-07-13 16:01

国防部傘下の国防科学研究所(ADD)の主管で開発中の韓国型戦闘機(KF-X)の目に対応する重要な機器である多機能位相配列(AESA)レーダーの試作品が出た。

KF-Xの機器の中で最も高難度の技術が必要なAESAレーダー開発の第一歩を踏み出したのに意義がある。

「yna」より

2016年に開発開始を報じて、わずか1年で試作品が公開されている。

この時の記事にこんな事が書かれているのだ。

技術検証モデルはAESAレーダーのハードウェアの国内開発能力があるかを検証するために作った。技術検証モデルをもとにKF-X機体前部に実際に装着する「搭載モデル」が開発される。

「yna”韓国型戦闘機「AESAレーダー」の試作品公開…「技術実証」(総合)”」より

このニュースをもとに考えると、今回の報道は搭載モデルとやらの試作品が完了したと言うことになる。つまり、小型化が実現したという意味で捉えて問題あるまい。実際にレーダーとして機能するかはこれから検証する必要があるのだ。

実際にシステムが上手いこと作動してKFXで使えるレーダーができたと言えるのは引用した記事にあるように早くても2026年頃になるだろうと思われる。

余談だが、世界で最初にAESAレーダーを搭載したのは日本のF2戦闘機で、F2の初飛行する1995年頃には完成していた技術ではある。もちろん、その後も改良は続けられているが。

まあ、なんにせよ技術開発に邁進すると言うことそのものは悪いことじゃない。ただ、開発主体がADD出あることは不安材料なんだよね。

コメント

  1. 韓国と中国を見ていると、以下の事が分かってきます。
    ・工業製品は、それを作る為の工作機械が入手可能であれば、比較的簡単に模倣出来る。
    ・その場合、開発費が不要なので、オリジナルと同等のものを、より安く作る事が出来る。
    ・場合によっては、細密度などの点でオリジナルを超える事も可能
    ・しかしながら、そこに「冶金」や「材料組成」といった、リバースエンジニアリングが困難な要素が入ってくると、一気に頓挫する。

    オリジナルを超えた例がLCDやOLCDやリチウム電池であり、頓挫した例がK2戦車のパワーパックなどであると思えます。
    ……リチウム電池は爆発したりもしてますが。
    同じ理由で、ロケットのエンジンも……

    AESAレーダも、ハードウェアは模倣出来たのかも知れませんが、制御部分であったり、「何故、どうしてそうなるのか」の部分で結局一から開発するのと同じだけの手間がかかっており、手間と金が続かず、結果として制御部分はイスラエルに丸投げになっているのでは?と考えます。
    あ、フッ化水素もそうかもですね、低品質の量産と、高品質の実験室レベル生成は出来ていても、超高品質の量産化のノウハウがまだない、と。
    地道にやってりゃそのうちいつかはものに出来るはずですが、「パリパリ」の国ですから、それまでの辛抱が出来ないのでしょうか……

    まあ、頭下げて教えをこうって事が出来ない国だし、教えても「同じもの作れるようになったから、もう来なくていいと言われたby本田宗一郎」になるのが落ちだし、そもそも技術を(本当の意味で)盗んだり、技術者を高額で釣って聞くこと聞いたら捨てたりしますから、もう誰も相手にはしない……はずなんですけど……相手にするなよ>経団連とか御手洗とか。

    • もはや様式美のような感じですね。
      支那と韓国との最大の違いは、その資金力です。
      したがいまして、支那はあまり製品の歩留まりを重視しないそうで。
      付き合っている会社の人から聞いた話ではありますが、支那で製品を作って「試作品」として出てくるヤツは偶然できたレベルの「スペシャルワン」なんだそうです。ですから、次に出てくる量産品は、そりゃ酷い出来で、「良品率を上げてくれ」とオーダーしたら、製品を10倍作って「この中から選んでくれ」と言うことになったらしいですよ。良品率を上げるというオーダーを満たしていないので、「それは止めてくれ」と言ったら、「この方が安い」んだそうで。
      韓国にはそれが出来ませんからねぇ。

      • 横レス失礼します。

        >手間と金が続かず、結果として制御部分はイスラエルに丸投げになっているのでは?と考えます。

        つまり、肝心の技術を克服できずイスラエルに丸投げしてから、やっと前に進みだしたって事なんでしょうかねェ~。
        何度失敗を繰り返してもまったく進歩がないっていうのは、南朝鮮人の様式美というかお家芸というか人種的な脳内構造の欠陥とすら思いますよ。

        >「良品率を上げてくれ」とオーダーしたら、製品を10倍作って「この中から選んでくれ」と言うことになったらしいですよ。良品率を上げるというオーダーを満たしていないので、「それは止めてくれ」と言ったら、「この方が安い」んだそうで。

        嘘みたいな本当の話の紹介ありがとうございます。

        ・歩留率がそのまま製品コストに跳ね返り、市場競争力に致命的な障害と必死に考えてきた日本。
        ・違法コピーで開発費ゼロ&安い人件費で超大量生産で歩留率無視の支那。
        ・同じく違法コピーで開発費ゼロだけど人件費だけが高騰し超大量生産が不可能になり、さらに基礎技術が無い為に歩留率も向上せず低収益率で喘ぐ南朝鮮。

        実に判り易い経済&製品プロダクト構造の伝統的な違いと、その格差を改めて理解できました。
        改めて日本の歩留率=製品信頼は競争力は別にして世界屈指なんでしょうね。

  2. おおかたレーダー本体も設計図を買って来たに10ウォン。

    • 多分それ、賭になりません。

  3. クレイモデルが完成したのかと思った。

    • クレイモデルは、展示会に飾ってあったみたいですね。

  4. 木霊さん、おはようございます。

    世界初の航空機用AESA(J/APG-1)は開発に日本は約10年・量産機運用までに約15年掛かっているのですが、すでに世界各国で常識化されたレーダーとはいえ僅か4年で開発し約10年足らずで実戦運用って、凄いじゃん!!て感じですねェ~。

    それでも純国産って訳じゃなく世界的な軍事&航空機(戦闘機)メーカーの手を借りているんですから、何がなんでも「国産」と主張する南朝鮮らしい残念感が逆に哀愁を誘っちゃいます。
      ↓
    >どうやら開発出来たのはAESAのアンテナ部分と電源装置だけということで、バックエンド部分はどうやらエルタ・システムズ社とサーブ社が関与しているようで、「韓国製」ができたというには少々ハズカシイ状況だ。

    そして、実戦運用できるかの検証...、これが最も高いハードルになるんじゃないかな。
      ↓
    >つまり、小型化が実現したという意味で捉えて問題あるまい。実際にレーダーとして機能するかはこれから検証する必要があるのだ。

    >ただ、開発主体がADD出あることは不安材料なんだよね。

    機密漏洩というあってはならない大きな問題を起こした組織が(しかも国防省直轄)、全面関与してるってのも実に南朝鮮らしい話です。
    こんな国が隣国として存在するんですから、日本はハッキングに厳重な警戒と防止対策を進めないといけませんね。
    もちろん、スパイ防止法の法制化も急がれます。

    • いや、実際にスゴいと思いますよ。
      ADDが未だ平気な顔をして国内の兵器開発をしていると言う点についても、スゴいとしか言いようがありません。

      どうなっているんでしょうね??

  5. このAESAレーダー開発ってそもそもどうなんでしょうね?
    エルタのEL/M-2032レーダーより画期的な性能が出るなら開発する価値はあるのでしょうが肝心の部分はエルタとサーブにおんぶにだっこでできるのかなあ(過去のADD物件でカタログスペックはともかくまともに出来たものが先端科学分野では皆無だけに)。
    エルタのEL/M-2032レーダーを買ってAESA開発の費用と工数は他に回したほうがいいと思うのは自分だけ?

    サーブがKFXに協力するのはKFXの成功に懐疑的で失敗したときにグリペンを売り込みやすいようにだったりして。(本当はいまさら4.5世代機を開発するより当面はグリペンなりラファールなりF16-Vでつないで航空戦力の空白を防ぎ、腰を据えて新たなKFXの開発を目指したほうがいいと思いますけどね)