【武漢肺炎が悪いニダ】韓国型戦闘機KFXの受難

空軍

コメント頂いた記事に言及しておきたいと思う。

韓国型戦闘機「KF-X」パートナーのインドネシア、分担金滞納に技術者撤収

2020.06.11 07:51

韓国型次世代戦闘機(KF-X)共同投資・開発国のインドネシアが自国の技術者を韓国から撤収させたことが分かった。新型コロナウイルス感染症の余波を理由に挙げたが、インドネシアが関連分担金を滞納している状況と重なり、事業に支障が生じるのではという懸念が強まっている。

「中央日報」より

えーとナニナニ?インドネシアの技術者帰国?

なるほど?でも、このタイミングでかね。

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韓国型戦闘機KFXは出来た時から型遅れ

20年越しの壮大な計画

このブログでは、割りと頻繁に登場するみんな大好きKFXは、今さら説明するのも迂遠ではあると思うが、簡単に説明しておこう。

そもそものKFX計画は2001年3月に当時韓国大統領であった金大中によって発表された計画である。その当時、韓国はT-50戦闘機から派生させたFA-50軽戦闘機を作っている真っ最中であった。T-50高等練習機の逸話はコチラを参照頂くとして、これをベースにした攻撃型の試作機2機が2002年8月20日に登場している。尤も、FA-50の制式採用は2011年となるので、その後随分と手こずった事になるのだがそこは割愛したい。

ともあれ、多分FA-50軽戦闘機の目処が付いていた時期に、金大中は更なる戦力拡大のために真っ当な戦闘機が欲しいと考えたのは、まあ理解はできる。何しろ、当時既にF-4戦闘機やF-5戦闘機の老朽化が問題視されていたのだから。

しかしまあ、当初の計画から二転三転したこの計画は、未だに試作機すら完成できていない。壮大な計画過ぎて、開発者がついて行けないのだろう。

それでも仕様は固まる

資金的な懸念をしていた韓国は、共同開発する国を探しており、2010年にインドネシアとの生産協力に関する合意に漕ぎ着けた。ただ、実際に基本合意書締結に漕ぎ着けたのは2014年のことで、インドネシアの開発費負担は2割、韓国の負担は8割ということになった。

双発エンジンを備えたF-16戦闘機相当の性能を有するステルス戦闘機、という事になったようなのだが、イマイチその仕様は理解ができない。2016年頃のインドネシアとの合意によると、2021年に試作機6機製造し、2026年に開発を終える予定なんだとか。

この時期、搭載する双発エンジンはGEアビエーションのF414-GE-400を採用するとか、1/13の縮小モデルで風洞実験を行うとか、様々な報道がでていたが、不思議な事に機体形状の確定は2018年であると報じられていた。

韓国型戦闘機、風に第一歩進む

入力2016.06.22 14:42 修正2016.06.22 16:10

韓国型戦闘機(KF-X)を開発している韓国航空宇宙産業(KAI)が22日、風洞(風洞・wind tunnel)実験を開始した。風洞実験は、機体の形状をした後、風を吹き抵抗などを観測する実験である。航空機を製作する段階であって、実際に飛行を行うことができないため、模型飛行機を作って飛行する環境を作って実験をして、観測結果をデザインを完成するのに反映する方式である。

~~略~~

KAI関係者は「22日から大田にある韓国航空宇宙研究院(KARI)で実験を開始した」とし「2018年半ばに機体形状を確定する予定」と話した。それとともに「試験結果を国防総省、空軍など共有し、韓国型戦闘機の開発に速度を向上させるだろう」と述べた。

「朝鮮日報」より

風洞実験を繰り返して形状を確定するから、というのがその理由らしい。

言われてみればそのプロセス自体は不思議では無いのだが、何というか先行して報道するやり方が不可解さを助長しているように思える。「風洞実験開始!」なんて大々的に報道する必要があるのかね?

まあ、とはいえアメリカからの技術移転を拒否されたAESAの自主開発や、その他3つの技術についても目処が付いたとのことで、武器などの不安はあるものの何とか作る目処はたったと「報じられて」いる。

この対地攻撃能力についても、先日、アメリカとの話が付いたとか何とか。

[単独]韓国型戦闘機KF-Xスマート爆弾システム統合が本格化

2020.06.01(月)10:15:06

韓国型戦闘機として知られているKF-Xのスマート爆弾システム統合が本格化する予定である。スマート爆弾と戦闘機で投下する誘導爆弾で、精密誘導方式を使用して、命中率が非常に高いという長所がある。スマート爆弾システム統合が具体化され、KF-X開発も一層加速化されるものと思われる。

「bizhankook」より

いや、めでたいな!

先日までは「搭載できる兵器がない」と騒いでいただけに、流石に許可がでたのであれば問題あるまい。……ただ、KFXに関するこの手の報道は、過去に何度も嘘があった。例えば、「アメリカから革新的な技術について技術移転が認められた」だとか、「F-35より優れた戦闘機になる」だとか、ちょっと意味が分からない。

何にしても出来てからホルホルした方が良いよ。

インドネシアは撤退す

料金未払い

インドネシアにとって(韓湖群にとってもそうだが)、早期の戦闘機拡充は喫緊の課題である。既に幾度か、韓国に対して「出来上がるのが遅い」と文句を言っていたのだが、開発費に関しても2割負担という話が出ながらも滞納しているという話が出ていた。

それどころか、F-16V戦闘機をかっちゃうもんね!という報道すらでていた。

まあ、ご愁傷様である。

インドネシアという国は「そういう国」なのだから。

インドネシアの技術者、帰らず

さらに武漢肺炎の影響で、韓国にいたインドネシアの技術者が3月に帰国したまま戻って来られないという。

防衛産業業界によると、KF-X開発を主管する韓国航空宇宙産業(KAI)に派遣されたインドネシアの技術者約110人が3月に韓国を離れた。韓国国内で新型コロナの感染が広がった当時、本国から帰国指針が出たということだ。KF-X開発が本格化した2016年下半期から慶尚南道泗川(サチョン)のKAIで勤務を始めた技術者らは、6月末に新型コロナ事態が小康状態に入れば韓国に戻るという意向を伝えたという。

しかし現在、インドネシアの技術者の復帰は不透明な状況だ。インドネシアの新型コロナ状況が悪化し、現地の出国手続きが難しくなったというのが公式的な理由だ。

「中央日報”韓国型戦闘機「KF-X」パートナーのインドネシア、分担金滞納に技術者撤収”」より

これは無理も無い話で、KFX計画は報道される程順調には開発が進んでいない。

インドネシアの技術者達も、韓国国内に110人も滞在させているものの、実際に得られる経験値は期待できる程のものでは無い。何しろ、未だにモックアップがある程度で、試作機を作る段階に至っていないからだ。

インドネシアの分担金が滞納したことで、技術者との業務協力も円滑でなかったという。業界関係者は「分担金がまともに支払われていないのに、海外技術者への技術移転を積極的にできるだろうか」とし「核心技術を受けることができないインドネシアの技術者も期待以下の業務能力だったと聞いている」と話した。一部では、インドネシアが自国技術者の怠業に近い姿などでKF-Xから手を切ろうとしたり、分担金を削減しようとする状況も見られたという。

「中央日報”韓国型戦闘機「KF-X」パートナーのインドネシア、分担金滞納に技術者撤収”」より

韓国側はこんな不満を漏らしているようだが、インドネシア側にも言い分はあろう。

インドネシアはKFXを既に見限っている?

ちょっと興味深い記事があったので紹介しておきたい。

KF-X / IF-X戦闘機プロジェクトとインドネシアに対する韓国の技術覇権

2019年1月23日

2018年12月のインドネシア政府は、KF-X戦闘機プログラムの開発に対する2016年の手数料として、ついに1,320億ウォン(1億1,800万米ドル)を韓国に支払った。

~~略~~

ある情報筋は、インドネシア政府がKF-Xへの貢献を15%に削減したいと述べた。インドネシアはまた、購入する戦闘機の数を元の計画の48ユニットから半分以下に大幅に削減したいと考えており、韓国は約150 KF-Xユニットを購入します。

そして、インドネシアも西ジャワのバンドンにあるPT Dirgantara Indonesia(PT DI)によるKF-Xの生産と航空機の販売権を要求したという。

「lancerdefense」より

これ、ちょっと古い記事だが、インドネシアの兵器を紹介するブログメディアの記事なんだとか。で、インドネシアとしてはKFXに関する分担率を減らしたいということと、購入数を48→24にしたいこと、加えて国内生産と販売権を要求したらしい。随分と欲張りだな!

だが、注目したいところは別の所だ。

韓国は、KF-Xを、以前はロッキードマーティンを搭載したT-50トレーナージェットの開発によって磨かれてきた航空宇宙技術の能力を強化する手段と見なしています。インドネシアに関しては、KF-Xは、これまで管理されてきた分野、つまりターボプロップ航空機の開発からアップグレードするための技術移転プラットフォームと見なされています。

KF-Xプログラムに携わるエンジニアは、インドネシアはターボプロップ航空機技術の90%と戦闘機を作るために必要な技術の60%を習得したと述べました。

KF-Xプログラムによる技術移転は、戦闘機の開発におけるインドネシアの技術的熟練をターボプロップ航空機と同等にすることが期待されています。

~~略~~

インドネシアと米国の間の技術協力に関する合意がなく、我が国の地位は超大国の同盟国ではないため、インドネシアのエンジニアは、KF-Xの開発にKAI 21の主要技術を提供したロッキードマーティンの技術データにアクセスすることを禁止されています。

ロッキードマーティンの技術へのアクセスは、インドで起こったように、インドネシアと米国の間の関係の状況が増加した場合にのみ開くことができます。2016年のバラクオバマ大統領は、インドを米国のほとんどすべての軍事技術にアクセスできる「主要な防衛パートナー」として認めました。

~~略~~

KF-Xの見込みユーザーとしてのインドネシア空軍は、このプログラムで製造された航空機は責任があり、地域の空が第5世代戦闘機で満たされる将来の課題に直面するほど高度ではないと感じました。

「lancerdefense”KF-X / IF-X戦闘機プロジェクトとインドネシアに対する韓国の技術覇権”」より

ちょっと言い回しが分かりにくいのだが、どうやらインドネシアの技術者達は、KFX開発への参加を、「アメリカの技術へのアクセスの足がかり」程度にしか考えておらず、KFX戦闘機が第5世代戦闘機に対抗できるほど優れてはいないと考えているようだ。

つまり、ターボロップ機を製造する技術を保有しているインドネシアの技術者達が、ジェット戦闘機に関する技術の習得の踏み台として韓国を選んだというに過ぎないらしい。

まあ、韓国自身もKFXは4.5世代戦闘機だと表現しているように、第5世代戦闘機に匹敵するとは喧伝していない(それでもF-35より優れていると主張しているようだが)。

KF-Xを生産および輸出する権利もインドネシアに与えることは難しいことではありません。

ユーロファイターなどの同様のプログラムでは、スペインのような少数株は、自己集合して航空機販売の市場シェアを獲得するための障害にはなりません。

韓国は甘味料としてこれらの製造および販売の権利を作り、インドネシアがKF-Xプログラムで生き残ることを望むようにすることができます。

「lancerdefense”KF-X / IF-X戦闘機プロジェクトとインドネシアに対する韓国の技術覇権”」より

そして、スペインの例を出して、スペインがユーロファイター開発に寄与したのは13%程度だったが、ユーロファイターの販売権を獲得したという事実を踏まえて、インドネシアも似たような権利を韓国に主張できると言う。

要は、取り敢えず飛ぶことのできるジェット戦闘機を作る技術をインドネシアの技術者が習得できれば、KFXの性能に過度な期待はしないという立場らしいね。これが正しいとすれば、インドネシアは随分と現実が見えていると、そう言うべきなのかも知れない。

案外、試作機を作る段階になったら又、インドネシアの技術者達は韓国に戻ってくるんじゃ無いかな?

ただし、韓国は斜め上の結果を出してくるぜ!少なくとも2021年の試作機完成は間に合わないと思う。きっと、武漢肺炎のせいでね!

追記

記事を書いていたら何と!

KAI to finalize assembly of next-gen KF-X fighter jet in H2

2020.06.10. 오후 5:00 최종수정 2020.06.11. 오전 7:23

Korea Aerospace Industries said Wednesday it will finalize the assembly of its next-generation KF-X fighter jet in the second half of this year.

South Korea’s sole aircraft manufacturer is currently assembling each of the top, middle and bottom parts of the fuselage of its fifth-generation fighter and the final assembly is scheduled for the second half of the year.

“To introduce a prototype next year, KAI is looking forward to a final assembly of the jet in the period,” a company official said.

「NAVER」より

なんと、試作1号機が年内に組み立て完了という情報が!

マジか。

そしてなかなか面白い表現を発見。

the fuselage of its fifth-」って書き間違いじゃないの?これって第5世代機という意味では?

だが、ちょっと調べてみたら、韓国内向けには未だに4.5世代機と表現しているようなんだけど、外国向けには5世代機と表現しているらしい。輸出したいという意識の表れなんですかね?

しかし、試作機を作ってその強度を検査して、というステップを考えると、試作機が飛ぶのはもうちょっと先になりそうだ。とにかく形ある物を作るのを先行させた疑惑が。

コメント

  1. この試作機用のエンジンがGEから納入されたそうなので機体の組み立てが始まったのは事実でしょう、何時もの韓国特有の「形有る物がポンと出てくる」なんでしょうが、ここに来てペースが上がって来ていますね、密かに表沙汰に出来ない所で資金の投入でもしているのでしょうか?

    • 試作機用のエンジンの話は出ていましたねぇ。
      組み立てが始まったというニュースも否定する材料があるので、試作機も出来上がるのを待ちたいと思います。
      そして、資金工作は色々やっていそうですよ。

  2. 相変わらず主翼最大幅と垂直尾翼最高高が被っていますね。韓国人は1950年代のエリアルールを理解していません。

    • 安直にF-22のデザインだけを模倣したのでしょうかね。
      エリアルールの効果を考慮するなら主翼の後縁をF-22同様に外側に行くにしたがって前方へテーパーをつけて菱形のようなデザインにするか、F/A-18のように垂直尾翼を後方に下げる必要がありますね。(まあ、あの完成予想図や実物大の模型のままならですが)

      GE F414なら現在の戦闘機に必要とされる速度はエリアルールを採用しなくても出せるでしょうが旧ソ連のSu-15みたく採用できない理由があるならともかくあえて採用しない理由はないでしょうに・・・

      しかし今年中に組み立て完了なんて、この前の実物大模型に続く内部構造再現の実物大模型でも作る気でしょうか??

      • まさに、実物大模型を飛ぶようにするんじゃないかな、と思います。
        エンジン負荷したら機体がバラバラになりそうな予感ですな。流石に、そこまで酷くは無いのでしょうけれど。

    • 僕自身もエリアルール云々はよく分かっていませんので、なるほどそういう事もあるのか、という感想になってしまいます。
      ただまあ、風洞実験やるので、ある程度の部分は気がつけるんじゃないのかと。

  3. ついにインドネシアもKFXに見切りを付け、どこかの時点で撤退を考えているって事ですかね。

    >どうやらインドネシアの技術者達は、KFX開発への参加を、「アメリカの技術へのアクセスの足がかり」程度にしか考えておらず、KFX戦闘機が第5世代戦闘機に対抗できるほど優れてはいないと考えているようだ。
    >つまり、ターボロップ機を製造する技術を保有しているインドネシアの技術者達が、ジェット戦闘機に関する技術の習得の踏み台として韓国を選んだというに過ぎないらしい。

    木霊さんの紹介された記事によると「ターボプロップ航空機技術の90%と戦闘機を作るために必要な技術の60%を習得した」とありますが、開発負担費で既に約200億円近く支払っていますが、習得した技術の対価としてリーズナブルなんでしょうかね?
    インドネシア負担金20%の残りは約1300億で今のところこの未払いなだけで残っていますが、これは念のため製造・輸出販売権利だけは担保する為に残しておくつもりかな。

    アメリカは元よりロシア・支那・EU連合・スウェーデンなど戦闘機の自国開発で実績と技術のバックボーンを持つ国でも、初飛行から実戦配備まで7~10年近く掛かっています。
    予定通り来年試作機を飛ばせたとしても、旧式の4.5世代戦闘機がデビューするのは2030年頃でしょう、金大中のぶち上げた構想から約30年...、長い道のりはまだまだ続きそうですね。(冷笑)

    >だが、ちょっと調べてみたら、韓国内向けには未だに4.5世代機と表現しているようなんだけど、外国向けには5世代機と表現しているらしい。輸出したいという意識の表れなんですかね?

    日本が狙うFX-3はハードルの高い第6世代の様ですが、おそらく2030年頃には既存のF-35などが5.5世代にバージョンアップされているんじゃないでしょうか。

    ウェポンベイを持たずパイロンに武器をぶら下げている段階で、どんなに頑張ったって5世代戦闘機になれない訳で、核心技術のレーダー・センサーを統合するアビオニクスの完成度次第で評価するのが妥当と考えています。(最もハードルが高い)
    それで完成しても所詮は第4.5世代でしかなく、既にそれをクリアして運用されている現行F-15V並が精一杯でしょう。
    素直にF-16Vを売ってもらうようアメリカに頭を下げればいいものを、あくまで国産(自称)に拘ってきた弊害の方が大きくなりそうですけどね。

    まあ、お好きにどうぞってウォッチしながら新たなお笑いネタを僕は期待しています。(爆笑)

    • 日本のF-3計画は余り進んでいない感じですね。
      結局、アメリカと組むのか、そうでないのかもハッキリ決まっていないような……。日本主体で戦闘機作る、なんて話に本当になるんでしょうかね?

      KFXに関しては、これからも追いかけていこうと思いますよ。
      僕としてはFA-50をもうちょっと大型化するという現実路線を目指すと良い気がします。

  4. ここに来て、「実は機体設計はLM」という話も見受けられます(真偽不明)
    だとしたら、案外まともなものが出来上がるのかもしれません。

    もしLM設計であれば、また輸出絡みで揉めそうであることと、
    レーダーはイスラエルが絡んでいるということで、
    インドネシアは手を引いたのかもしれません。

    • 「実は機体設計LM」ですか。
      潜水艦もイギリス企業が手掛けるみたいな話がありましたし、その線もあるかもですね。

      インドネシアが何を考えているのかはハッキリしませんが……、早めに手を引けば良いのに、と思いますね。