韓国が独自開発する韓国型戦闘機KFX向けレーダーの性能はションボリ?

空軍

ここのところ時間を上手く作れないので、コメントのお返事が遅れに遅れているのだけれど申し訳なく思う。もう少しお時間を頂きたく、ここでお詫びをさせていただきます。

さて、みんな大好き韓国が開発する韓国型戦闘機KFXは、開発にあたっていくつかの機能は韓国が独自に開発する事に決定している。この経緯もなかなか興味深いのだけれども、ここでは説明を割愛する。

で、そのうちの1つがKFXに搭載するためのAESAレーダーだったのだが、その開発はハンファシステムが担当することになっていて、その関連ニュースを見つけたので紹介しておきたい。

【単独】過剰な提案が多かった「KF-Xレーダ」に改善したところ… 「相応の措置不十分」

作成 2020.04.20 20:54 修正2020.04.20 22:42

私たちが単独取材した内容もう一つお届けします。先端韓国型戦闘機の開発、KF-X事業が盛んであるが、この事業の成否は、「KF-Xの目」とすることができる多機能位相配列」AESAレーダー」を独自開発することにかかっています。戦闘機先頭にレーダーが搭載され、超小型アンテナ1千個、複数の方向を同時に検出し、地上と海上、空中のターゲット数十個を同時追跡するでしょう。ところで、この「AESAレーダー」の開発過程で技術仕様が書き換えられた疑惑が提起されました。SBSが国防科学研究所の監査報告書を単独入手し疑惑を確認してみました。

「SBS NEWS」より

記事を引用しては見たが、韓国語のニュースでちょっと翻訳の精度が良くないので、所々おかしな部分があるのはご容赦願いたい。

簡単に纏めると、KFX戦闘機搭載予定のAESAレーダーの性能がちょっと怪しいという内容である。

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韓国型戦闘機KFXの開発

AESAレーダー

さて、最初にアクティブ・フェーズド・アレイ・アンテナ(AESA:active electronically scanned array)について説明していきたい。このAESAレーダーは、ザックリいうと「凄い索敵能力を持ったアンテナ」という感じの装備である。え?ザックリし過ぎ?

いや、簡単に原理を説明出来るほど詳しくないので、「凄い索敵能力」と書いたが、もう少し詳しく書くと、AESAレーダーはデジタルレーダーと呼ばれるタイプのレーダーで、平面上に多数の小さなアンテナを備える構造になっている。

これはF-35戦闘機に搭載されるAN/APG-81と呼ばれるAESAレーダーで、これで全天の捜査が可能となる。

AESAレーダーに代表されるデジタルレーダーは、小さなアンテナ(アレイ・アンテナ)を平面上に並べて造られている。

この小さなアンテナそれぞれから電波を放射する際に、放射する電波の位相をデジタル回路で制御することで、合成された電波の指向を変化できる。つまり、電子制御で首振りが可能となるので、機械的にレーダーを首振りする必要が無くなる。

ただまあ、アンテナ素子ごとに分散した送信機・受信機・位相器を備える必要があるため、作り込むのはなかなか大変なのであるが。

韓国産AESAレーダーの開発は、国防科学研究所が主導

で、韓国は「アメリカからF-35A戦闘機を買うにあたってFMS方式を選択したことによって、AESAレーダーの製造技術を移転して貰える!」と大喜びしてKFX戦闘機の計画を進めた時期があったのだが、アメリカに「そんな事言ってない」と怒られてしまう。

米「KF-Xのコア技術移転不可」の通知

2015-07-01 11:01:16掲載

米政府がアクティブ位相配列(AESA)レーダーの統合技術など韓国型戦闘機(KF-X)の開発に不可欠な4件の核心技術移転について不可通知をしたことが確認された。

国会は、このような重要な技術移転を予算執行線の結果ゼロ掲げており、戦闘機開発事業の推進が困難に直面した。

~~略~~

これに先立ち、防衛事業庁は、F-35製作会社であるロッキード・マーチン社とFX事業の折衝交易交渉で4件の核心技術を含む、25件を移転することで、昨年合意した。

防衛事業庁が国会国防委ベクグンギ(新しい政治民主連合)議員に提出した資料で、「FX事業の3つの機種の競争当時はKF-X関連技術の移転を51件要求した」とし「以後ロッキードマーティンと随意契約時には42件を要求した」と述べた。競争ルールを変えながら、9件の縮小したものである。

「naeil.com」より

これは2015年の記事なのだが、常識的に考えてアメリカが戦闘機のコア技術を外国に渡すはずがない。したがって、「技術移転」の話は最初から疑ってかかるのが当然なのだが、韓国はそうはしなかったようだ。

で、正式に「むーりー」と言われてしまって、大慌てといった感じになった。

国産戦闘機のレーダー開発を開始 26年終了目標=韓国

2016/08/10 11:49 KST

韓国国防部傘下の国防科学研究所(ADD)が10日、韓国国産戦闘機(KFX)の中核装備となるアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーの開発事業を開始した。防衛事業庁が伝えた。

「聯合ニュース」より

紆余曲折あって、良く二年に立って韓国の国防科学研究所(ADD)が開発に乗り出すことになったと報じられる。とはいえ、この時点で開発を始めて果たして2020年頃までに試作機を飛ばせるのか?と、非常に疑問を感じていたのだが、2019年には早々に目処を付けたというニュースが。

スゲーな。記事の中に引用したニュースによれば、2017年には早々に「国内で作れそうだ」との結論を出している。記事によれば、2020年の後半にはAESAレーダーの試作品が出荷され、試作機に搭載される予定だとされている。

ハンファシステムとADDの癒着

ところが、紹介したような報道とは裏腹に何度もAESAレーダーの性能に関する契約を修正するようなことがあったようだ。それが冒頭のニュースで伝えられている。

特に3、5、7、9回の修正契約時契約額が大幅に増えて、全体事業費は447億ウォン増加した2千134億ウォンになったが、専門家は非常にまれなことだと指摘します。

【レーダー開発事業の専門家A:(国防科学研究所が修正契約)拒否感を感じても、9回もの修正をしたという話は、何か間違っていたのです。お金でも技術でも性能でも..。.

またハンファシステムがAESAレーダーの主要性能である追跡距離を事業提案の段階では、数百キロ単位で提示されたが、実際の結果は、数十キロで、また同時にキャッチすることができる標的ことを示唆値も減少ところ、事業費はわずか1千300万ウォンだけ減額されただけです。

「SBS NEWS」より

その中身がなかなか興味深い。

どうやら当初はAESAレーダーの主要性能として、数百kmの探知距離を達成するべきだという要求を挙げて契約を結んだとされている。ところが、修正契約の中では探知距離を数十kmに下方修正したとのこと。

また、同時に目標を追跡する能力に関しても下方修正されているようだ。

また、電波妨害回避などの要求もない技術10を追加提案したことで現われた、監査報告書は、この過剰、追加提案12のうち7つが調整されたのに相応の措置が不十分と指摘します。

「SBS NEWS」より

更に、要求にない技術を盛り込んでいる事が言及されているが、どうやら開発規模を膨らませてコストをつり上げたいという思惑があったようで、結果的に9回も修正契約が行われたらしい。追加で447億ウォンも盛られたという話が出てきた模様。

常識に的に考えるとこうした契約修正というのは、早々行われるものではないので、発注側のADDと開発担当をするハンファシステムが癒着している疑いが強いとのこと。ありていに言えば「詐欺」だろう。

あれ?性能はF-35以上では?

韓国の軍事産業が癒着で大騒ぎというのは良くある話なのでこのブログ的には問題は無いのだが、AESAレーダーの性能の方はとても気になる。

現代の第4世代戦闘機が採用するAESAレーダーの探知範囲は100km以上のものが多く、例えば1976年に運用開始されたF-15に搭載されているAN/APG-63は空対空目標に対して最大148kmの探知距離を有しているとか。その後、様々な改造がなされて性能が向上されていて、探知範囲は倍以上になり同時追跡能力も増強されている。

それなのに、第4.5世代戦闘機を謳っているKFXに搭載するAESAレーダーの探知範囲が3桁を割り込む様な事があると、世界から失笑されることは避けられまい。ションボリだな。

そもそも先日の記事ではF-35戦闘機以上の性能があるとか無いとか。

前回の記事ではモジュールの面積がF-35のソレより広くなるぜ、だから高性能化が図れるという理論展開だったのだけれど、今回の記事と合わせて考えると小型化に失敗しただけと言うことのようだぞ。

まあ、今後どうなるかはまだ分からないんだけどさ。

コメント

  1. イスラエル辺りに金を積んで設計してもらったモノをウリジナルと言うに100ウヲン!
    後でバレてライセンス料がぼったくりと大騒ぎになるまでがハッピーセット。

    • AESAレーダーに関しては、何かのニュースでイスラエルが登場していた気がするのです。

      https://s.japanese.joins.com/JArticle/258026?sectcode=200&servcode=200

      この辺りのニュースですかね。
      記事の通りであれば、韓国製AESAレーダーの試験をイスラエルのエルタ社がやったと言うことなのでしょう。
      そして、記事の通りであれば2019年11月からAESAレーダーの空中試験が行われいるハズです。

      ……どうなっちゃっているんでしょうね?

  2. 木霊さん、おはようございます。

    >2017年には早々に「国内で作れそうだ」との結論を出している。記事によれば、2020年の後半にはAESAレーダーの試作品が出荷され、試作機に搭載される予定だとされている。

    意外な事にASEAを量産機に搭載したのは実は日本が最初の様で、色々非難されがちなF-2用のJ/APG-1であり、開発着手1982年で量産機初飛行が1999年と実に17年余りの期間を要しています。
    主要国の主力戦闘機には既に搭載必須の火器管制レーダーという事もあり、基本的な構造は確立されているとはいえ、何の技術もない南朝鮮が10年足らずで実用化できるかは疑問ですね。

    >それなのに、第4.5世代戦闘機を謳っているKFXに搭載するAESAレーダーの探知範囲が3桁を割り込む様な事があると、世界から失笑されることは避けられまい。ションボリだな。

    基本は1000個以上のアンテナ素子(送受信)を位相制御し増幅し火器管制する...、というシンプルな構想を元にした技術なので国内で半導体製造できる国なら開発可能って事でしょう。
    しかし、基本的な核心技術のハイブリット化がモノを言う世界なんで、これまで余計な国産化部品導入で散々失敗してきた南朝鮮で実現可能なのか見物ですねェ~。
    重要な技術である探索距離の修正は、明らかにその問題に直面したからじゃないのかなァ~。

    >前回の記事ではモジュールの面積がF-35のソレより広くなるぜ、だから高性能化が図れるという理論展開だったのだけれど、今回の記事と合わせて考えると小型化に失敗しただけと言うことのようだぞ。

    まさか初期性能を維持する為にやむ負えず大型化したりして...、モックアップの作り直しなんて事もありかも? 先行きが益々楽しみです。(冷笑)
    最終的な完成品は目指していた4.5世代どころか(空自のF-2相当)、やっと初期の4世代並みって(F-15・F-16・F-18)大爆笑のお笑い戦闘機誕生の予感がしています。

    南朝鮮などどうでもよく、日本のFX-3が他国の追従を許さない第6世代の先兵となる様、僕は密かに期待しています。

    • どうして韓国は国内で無理に国産化しようとするのか……。
      笑いの絶えない感じなので、僕としては非常に助かっていますが。

      ともあれ、AESAレーダーが残念な性能であってもモックアップの作り直しなどはしないでしょう。
      K-2戦車は先に胴体を造って、それからエンジンなどを含めたパワーパックを作るというやり方をしていて、戦車内部に余裕の無い中でのパワーパック設計が悪影響を与えていた様に思います。全く同じ流れになる気がしますよ。

      • 木霊さん、おはようございます。

        >ともあれ、AESAレーダーが残念な性能であってもモックアップの作り直しなどはしないでしょう。

        ノーズコーン部分に無理やり詰め込んじゃうって事になるのかなァ~?

        >K-2戦車は先に胴体を造って、それからエンジンなどを含めたパワーパックを作るというやり方をしていて、戦車内部に余裕の無い中でのパワーパック設計が悪影響を与えていた様に思います。全く同じ流れになる気がしますよ。

        なるほど、良い実例(失笑)があったのですよね。
        兵器に関わらずハウジングの基本設計って、工学的&プロダクトデザインの地道な試行錯誤によるノウハウの積み重ねだと思います。
        内蔵する中味の性能と出来上がりとのマッチングを考えずに、妄想だけで先走る悪い癖だけは抜けない様ですねェ~。(冷笑)

        そして皆さんご指摘されている通り、さらにハードルの高いソフトウェアとのマッチングが待ち構えているんですけど...。

  3. 皆さま、今晩は

    アンテナ自体は多分作れるような気がします。(性能は知らんけど)
    それよりもソフトが問題でしょう。1000個のアンテナで受信した微妙に異なる信号を処理して有意な情報を得るのは至難だと思います。
    まず、時間(開発の時間ではなくて、完成品が信号を処理する時間)の制限が厳しい。処理結果は火器管制、ミサイルの誘導などに使うだろうから、結果が正しくても処理時間が長いと意味がありません。私は現用されているものの中味は知りませんが(当然。知りようもない)多分、複数のCPUを使うのではないかな。並列処理。複数のCPUを使って処理速度を上げる・・・言うのは簡単ですけど実現するのは・・・難しいですね・・・

  4. 私もソフトが難関だと思います。そしてハードソフトをクリアしたとしても、最後にして最大の難関である機体とのマッチングが待ち受けています。
     F-2のJ/APG-1もレーダが完成したときは喝采を浴びていましたが、いざ搭載してみたら色々問題が出てきて欠陥品みたいな言われようでした。
     KFXのレーダは要求仕様からこれではもう先が見えている感じです。

    • たしかにJ/APG-1は実機(F-2)に搭載したらマッチングなどの問題で索敵距離が1/3になり改修が発生してますし、米軍ですらスーパーホーネット系列向けのAN / APG-79も2006年12月の運用評価後、2007年からの初期運用テストで重大な欠陥があるため運用には適切でないと評価され2009年の後続テストでもまだ重大な欠陥が残ってると指摘され完成から使い物になるまで少なくとも3年以上の期間を要していますね。(EA-18Gの電子戦機能のソフトウェアの問題がもしAN / APG-79に起因するなら2011年12月までかかっているので5年)

      実機に載せる前に数十Kmしか探知できないようでは、F-35はおろかJ/APG-1の改良版のJ/APG-2(J/APG-1の探知距離約100Kmに対し倍の200Km以上と言われる)を搭載したF-2やAN / APG-82(V)1へ換装するF-15Jにも劣るのですが、現代の空中戦を制する探知能力が明らかに劣る戦闘機を韓国は本当に作るの?って感じです。

      このままKFXにこだわると航空戦力に穴ができる期間が長くなりそうな気がします。

  5. そもそもちゃんと飛ぶのか?
    今まで韓国って双発の戦闘機って扱ったことあるのか?
    エンジンは外国製だからちゃんとしたものだろうけど載せる機体と制御系は韓国製だろう?
    滑走路から逸脱して建物に激突とか飛び上がった途端に頭から地面に突っ込むとか少し上昇しただけで謎のローリング起こして墜落とかありそうなんだけど・・・・( ̄▽ ̄;)
    それ以前に滑走路走るだけで全然飛び上がらないってオチもありそうwww

    • 匿名様

      あるけむと申します。よろしくお願いします。

      >今まで韓国って双発の戦闘機って扱ったことあるのか?

      韓国が装備した双発戦闘機は、F-4D/E ファントム と F-15K(F-15E)ストライクイーグル があります。

      ただ、(機体はともかく)制御系・特に制御ソフトに関しては、欠陥があってもおかしくないと思います。

  6. KF-X関連はいつも期待を裏切らない成果を見せてくれるから楽しいですな
    基本的にこういった軍事技術って積み重ねだから急激な発展はなかなかないのですな