知ってた!
South Korea’s New Stealth Fighters to Deploy European Meteor Missiles
December-2nd-2019
In one of the most significant recent developments in South Korea’s indigenous KF-X stealth fighter program, Korea Aerospace Industries (KAI) has provided the European defence contractor MBDA with a contract to integrate the Meteor long range air to air missile onto its new aircraft. It was previously uncertain what kind of air to air missile the KF-X would deploy, with the American AIM-120 AMRAAM highlighted as a front runner and currently widely deployed by South Korean fighter units. The Meteor will allow South Korea to diversify its air to air capabilities, and has a number of considerable advantages over the AMRAAM with a range estimated at three times that of the AIM-120C. The contract also includes technology transfers to boost South Korea’s own efforts to develop modern air to air missiles, which could equip the KF-X in future. Speaking regarding the sale, CEO of MBDA Éric Béranger stated: “We’re very pleased to mark this next and important step in our partnership with KAI and the Korean Defence Acquisition Program Administration. South Korea is a strategic market for MBDA, and we’re proud that Meteor will be providing KF-X with the world’s most potent air-to-air capability.”
「MILITARY WATCH」より
この記事は、韓国の次期戦闘機KFXに、欧州のミサイルミーティアを使うよという様なことが書かれているのだが、その理由として興味深いのは、AIM-120 AMRAAMが採用できなかったという事が指摘されているのである。
一方で、記事の中ではAIM-120を採用する日本の戦闘機より優位に立てるとホルホルしているのだから面白い。日本はAIM-120の他にも中距離の空対空ミサイルをイギリスと共同開発中だから、お気になさらず。
ミーティアは、欧州製レーダーのみに統合許可
兵装にて迷走
KFXの開発コンセプトは、いまいちよく分からないのだが、発表によれば第4.5世代戦闘機を目指すとしている。
もちろん戦闘機自身の開発にもなかなか高いハードルがある。第4.5世代とはいえ、それなりのステルス性を求めているし、ヘッドマウントディスプレイなどが使えるアビオニクスの搭載にも意欲的のようだ。更に、GM制のエンジンを搭載するということになっていて、それが双発なのがかなりネックになっている。
こうした問題点を乗り越えることは、そもそも第4.5世代どころか第3世代の戦闘機を製造する場合であっても必要になっている。したがって、本当に韓国が戦闘機を作る事が出来るのかは非常に疑問があるのだが、それはさておき、その戦闘機に搭載するミサイルなどの兵装だって、問題となる。まさか、それも国産化する気か?
「KFX用武装システム、米国産確保難航 」… 韓国兵器産業界東奔西走
記事入力2020-01-08 11:00
軍当局が韓国型戦闘機(KFX)に装着することが米国産武装システムの確保が難航していることが分かった。
KFX事業に関与している部屋の産業界の関係者は8日、「昨年末、米国側でKFXに装着する武装システムを韓国に輸出しないという立場を通知したと聞いている」とし「現在の業界は、ヨーロッパ産の戦闘機用の武装システムの導入のために東奔西走している」と伝えた。
「韓国ヘラルド」より
どうやら、ヨーロッパ産の兵器を搭載する方向で、検討しているようだ。
保有している兵器はアメリカ産
しかし、KF-16戦闘機やF-15K戦闘機、或いはFA-50に至っても、アメリカ産の武装システムを採用している。
実は一部、ドイツの空対地ミサイルKEPD-350「タウルス」なども運用はしているので、全てがアメリカ産とは言い難いところはあるのだけれど、ともあれ、持っている兵器の殆どはアメリカ産である。

そうなるとどんな問題があるかというと、兵装管理をKFX専用に1系統作らねばならなくなる。
保守管理の面から考えても、用途の異なる兵装を複数系統用意し、互換性がないのは非常に厄介だ。厄介だが、しかし韓国国内で運用するのであればまだマシで、外国に売り込むことを前提としたKFXの場合には更に大きな問題となる。戦闘機を運用したい国は、兵器まで専用品を買え、なんてことになると敬遠する事が予想される。
とはいえ、ちょっと不穏な噂もあるので、果たしてKFXでタウルスが使えるかどうかもちょっと怪しい。
韓国型戦闘機、空対地ミサイルもなく実戦投入
承認2019.10.07 11:06
~~略~~
国会国防委中道で議員が防衛事業庁から提出を受けた資料によると、KF-X事業の最初の計画では、空対地・空対空ミサイル武装がすべて反映されていたが、現在空対地ミサイルは、事業推進から除外されたことが分かった。現在の計画通りなら、2026年1次量産予定のKF-Xは、地上の精密打撃能力なしに空対空武装だけ備えたまま実戦に投入されることになる。
「UP KOREA」より
去年10月の報道では、空対地能力がオミットされたまま2026年に一次生産されるという計画だと報じられたからだ。
きっと、追加で使える様になるよね!
ミーティアは購入の目処が立ったが
それでも現状、ミーティアだけならば、購入し、システムに統合されることが許可されている。
The KAI-MBDA deal represents the first time the Meteor has been approved for integration onto a non-European fighter – with the partly European American-British F-35B fighter relying heavily on British technologies and components in a way the KF-X does not.
「MILITARY WATCH」より
それはそれで素晴らしい事だな。

その計画が上手く行くかどうかはさておき、許可が無ければ話にならない。事実、アメリカのAIM-120は統合許可が得られなかったのだから。
それどころか、空対地ミサイルや短距離・中距離空対空ミサイルなどの統合許可すら怪しいようで。一応、ドイツ製の短距離空対空ミサイル「IRIS-T」の獲得に向けて動いているようだが、統合許可が出ているかどうかは不明だ。
今後、統合許可をとりつけていくのだろうけれど、アメリカが全般的に武装システムの使用許可が出ていない背景には、ミサイル統合するためのデータ開示をアメリカが拒否している事が大きい様だ。韓国にバレたら支那に即情報が流れる、なんてことを心配しているのかも知れない。
……アメリカは韓国とGSOMIA締結しているのだが、そこまで信用がないんだな。そりゃ、過去にブラックボックス明けちゃった前科があれば無理も無かろう。
丸腰で実戦投入の可能性
そうなってくると、万が一、韓国がKF-Xの開発に成功したとしても、ただ空を飛ぶだけの戦闘機と言う事になるのかも知れない。
割と韓国は楽観的に考えているようだが、アメリカは随分と態度を頑なにしているようだね。
……まだ、共同開発の地位を保有しているインドネシアも激おこだろうな。KFXは前途多難だ。
コメント
まぁいいんじゃないですか、韓国のやることですから。
空中給油機はエアバス、AEW&Cと対潜哨戒機はボーイング、ヘリコプターは米国、欧州、ロシア、ついでに国産(?)と雑多でエリア88を見ている気分ですね。
ミサイルだって、地対空ミサイルはS-400の派生からパトリオットまで、対戦車ミサイルは米国のヘルファイアからロシアのメチス、イスラエルのスパイク。
この上、ちょっと毛色が違う戦闘機が入ってきたって、韓国だったら大丈夫でしょう。パレードする分には種類がいっぱいあった方が楽しいですから。
エリア88を地でいっている割に、マッコイ爺さんがいないのが残念ですねぇ。
……いるからこそ多国籍化??
そもそもちゃんと飛べるものが出来上がるか疑問
いや、それ以上にまともに開発する気があるのか?
いつものように開発費目当ての詐欺プロジェクトじゃないのかね
いやー、飛ぶだけなら何とかなるかも知れません。エンジンは優秀ですし。
ただ、下りてこられるかどうかは……。
>日本はAIM-120の他にも中距離の空対空ミサイルをイギリスと共同開発中だから、
>お気になさらず。
イギリスと共同開発中の空対空ミサイル(JNAAM)は、F-35のウェポンベイに4発搭載できるようにミーティアの制御翼を20%短くしエアインテークの形状を変更した改良型。
日本は、このミサイルのシーカー(ミサイルに搭載され、目標を探索する装置)技術開発とのこと。
なので、最悪でもミーティアより劣化することはないはず。
(劣化したら、ミーティアのシーカーに戻すだけだし)
ということは、JNAAMが実戦配備されたら、韓国を上回るはず。
なお、引用されている記事「South Korea’s New Stealth Fighters to Deploy European Meteor Missiles」の以下の部分は誤りです。
>With South Korea’s relations with Japan at a low point, the Meteor will
> provide Korean fighters with a considerable range advantage over
> Japanese jets such as the F-15J, F-2 and F-35A – all of which rely
> on the AIM-120C for long range engagements.
(簡単な訳)
>韓国と日本との関係は低いため、ミーティアは韓国の戦闘機に、長距離誘導(弾)
>すべてがAIM-120Cに依存しているF-15J、F-2、F-35Aなどの日本のジェット機に
>比べて飛躍的な優位性を提供します。
日本はF-35A用にAIM-120C-7を導入しているのは事実ですが、F-15JとF-2ではAIM-120Cを運用してません(F-15Jに試験導入したことはある)
F-15JとF-2では、99式空対空誘導弾(AAM-4)及び99式空対空誘導弾改(AAM-4B)を運用してます。
なお、99式空対空誘導弾改(AAM-4B)は、AIM-120C-7と比べてスタンドオフ・レンジで僅かに、自律誘導距離で1.4倍の能力があるとされています。
おー、詳細な突っ込みをありがとうございます。
確かに、ご指摘の通りAIM-120に頼りっきりというのは、現状でもおかしな認識ではあるんですよね。
もっとも99式や、その後継がどの程度の能力を持っているかはハッキリしないわけですが。
木霊さん、おはようございます。
確かLMから核心4技術も断られはずで、今度は武器システムも完全オミットですかァ~。
F35は本体+武器システムのセット販売なんでしょうけど、韓国産KFXにはどこまでも冷たいですね。(当たり前か-爆笑-)
>そうなるとどんな問題があるかというと、兵装管理をKFX専用に1系統作らねばならなくなる。
>保守管理の面から考えても、用途の異なる兵装を複数系統用意し、互換性がないのは非常に厄介だ。厄介だが、しかし韓国国内で運用するのであればまだマシで、外国に売り込むことを前提としたKFXの場合には更に大きな問題となる。戦闘機を運用したい国は、兵器まで専用品を買え、なんてことになると敬遠する事が予想される。
一番バチかぶるのがノー天気に共同出資したインドネシアでしょう。
>今後、統合許可をとりつけていくのだろうけれど、アメリカが全般的に武装システムの使用許可が出ていない背景には、ミサイル統合するためのデータ開示をアメリカが拒否している事が大きい様だ。韓国にバレたら支那に即情報が流れる、なんてことを心配しているのかも知れない。
肝のデーターリンクがシャットアウトされた場合、最悪同盟国の戦闘機に誤射なんて可能性もでてくるんじゃないかな?(恐ろしや)
>一方で、記事の中ではAIM-120を採用する日本の戦闘機より優位に立てるとホルホルしているのだから面白い。日本はAIM-120の他にも中距離の空対空ミサイルをイギリスと共同開発中だから、お気になさらず。
共同開発の話は初めて知りました、F35シリーズに搭載可能な共通スペックなんでしょうね。
自機防御の為の空対空はもちろん、現代戦闘機は空対地ミサイルのプラットホームなんですから、中途半端な武器装備は自ら無力化を宣言している様なもんです。
単発エンジンにして制空権用の軽戦闘機に特化したほうがいいと思う。
一応、韓国の説明だとLMから核心技術を手に入れられなくとも、自前で開発出来ちゃったという話のようなんですけど、流石に「これ以上の技術は売り渡さないぜ」と言う方針なんでしょう。
それだけの事はやらかしましたし。
インドネシアは共同開発という名目ではいますが、最近、金は出していないようで、韓国もかなり苦心しているようです。
そのうち、切り捨てるんじゃないですかね?未だにモックアップしか出てきませんから。
まあ、どんな戦闘機が登場しても、興味津々で楽しめると思います。
現実路線であるFA-50の強化という選択肢を早々にNGにしてしまった時点で、お話にならないと思いますよ。実現出来ていれば、今頃、もう少しマシな戦闘機が登場していた可能性があるんですけどね。開発はLM社が手掛ける話になっていましたし。
自分のコメントの自己フォローも兼ねて、少しだけ。
>共同開発の話は初めて知りました、F35シリーズに搭載可能な
>共通スペックなんでしょうね。
イギリスと共同開発中の空対空ミサイル(JNAAM)は、F-35のウェポンベイに4発搭載できるようにミーティアの制御翼を20%短くしエアインテークの形状を変更した改良型です。
F-35B(S/VTOL型)は、F-35A/F-35Bよりもウェポンベイが小さいようですが、4発載せられそうです。
注)F-35には、ステルス性を無視して、機外搭載により搭載ミサイルを増やす(ビーストモード)もあります。
>データーリンクがシャットアウトされた場合、最悪同盟国の
>戦闘機に誤射なんて可能性もでてくるんじゃないかな?
敵味方識別は、戦術データリンクとは別の装置(敵味方識別装置)で行なうので、戦術データリンクが切断されただけでは、誤射はないと思います。
敵味方識別装置
→電波を発射して対象に返信を要求する、または要求に対して返信する装置である。つまり名称は「敵味方識別」であるが、応答があった時に味方だと確認できるだけで、敵だとの確実な情報を得ることはできない。
戦術データ・リンク
→情報交換装置または、情報共有化機器とも訳される通信情報機器とその通信仕様(プロトコル:通信手順)。音声情報だけでなく、(自己や目標)位置情報や状態の情報、(可視光・赤外線・レーダー表示)画像を一括して送受信できる。