そんな、まさか。
そもそも4.5世代というのも怪しいぞ。
漂流するKF-X … ステルス・武装搭載内蔵に「きしみ音」
記事入力2019.10.19 午前10:02
8兆ウォンを超える開発費が投入される韓国型戦闘機(KF-X )事業が開始段階からきしみをたてている。
2016年1月に開発が開始され、昨年6月に基本設計が完了したKF-Xは、ハードウェアとソフトウェアの詳細設計を完了して部品製作が進行中である。試作1号機は2021年上半期に出荷される。続いて2022年上半期の飛行試験を始め2026年までに開発を完了する予定である。
「NAVER」より
韓国語をGoogle先生に翻訳して貰っているので、少々怪しい内容になっている。が、何となく内容は分かる。
4.5世代戦闘機の条件
そもそも第4世代の戦闘機ってどんなの?
第4世代戦闘機と言われてピンとくる人はあまりいないと思う。え?直ぐ分かる?スミマセン、僕にはちょっとハードルが高いです。
ってな訳で、少し紹介しておきたい。

第4世代戦闘機の代表格と言われているのが、アメリカのF-15戦闘機、F-16戦闘機とその対抗馬であるロシアのSu-27戦闘機だ。
F-15「イーグル」、F-16「ファイティング・ファルコン」と並んで、西側最強のSu-27「フランカー」は、何れも世界で広く使われている名機と言われる程の戦闘機だ。
世代的には1980年代から現代まで使われている、戦闘機と言えばコレという代名詞的な戦闘機が多いのだが、概念的には爆撃・偵察から制空戦闘まで広範囲に使える多用途戦闘機ということになっている。
アフターバーナー付きターボファンエンジンを装備しているタイプであれば、大抵これに該当するといわれている。
第4.5世代戦闘機
で、こうした大推力のジェットエンジンを装備する戦闘機から、更に電子機器を近代化させたものを第4.5世代戦闘機と呼んでいる。技術が進んだことで、デジタルフライ・バイ・ワイヤ技術やそれに伴うCCV設計などが戦闘機に採用されやすくなったのだ。要は電子制御によって戦闘機の飛行制御をしているタイプである。
条件的に適合するのは、アメリカだとF-15E、F/A-18E/Fがこれに該当する。ロシアだとSu-34、EUだとユーロファイター・タイフーン。フランス製ラファールやみんな大好きスウェーデン製グリペンも4.5世代に分類されている。あ、忘れていけないのは日本のF-2戦闘機だが、これも第4.5世代戦闘機に分類される模様。支那のJ-11もこのカテゴリーらしいな。
ロシアのMiG-35は第4世代++というカテゴリーに分類されているらしいのだけれど、まあ、ここの含めて問題無いだろう。
とにかく、第4世代よりちょっと進んだ機能を持っているのが第4.5世代戦闘機なのである。
韓国が開発しようとしているKF-Xはこの第4.5世代戦闘機に分類される予定なのだけれど、確かにエンジンはF/A-18E/Fに採用されているF414-GE-400を2発採用するのだから、少なくとも第4世代の要件は満足する可能性は高そうだ。
加えて、現代の技術で作るので電子機器関連の技術は盛り込むことが可能だろう。だから、完成できれば、理論的には第4.5世代戦闘機と言って差し支えないモノが出来上がるはずだ。
……出来上がれば、だけどね。双発エンジンを制御できるかは今のところよく分からないんだな。
第5世代戦闘機
ちなみに、第5世代戦闘機はどんな条件が盛り込まれるかというと、ステルス性だ。
戦闘機がレーダーによって発見されにくくなるという時代に突入しており、レーダーに映っても小鳥くらいの大きさとして判断されるため、長距離からの戦闘機の発見が困難になるという特性がある。
とはいえ、これに該当する戦闘機はまだ少なく、アメリカ製のF-22、F-35辺りが実用化されているのに比べ、ロシアのSu-57は今年2019年の7月にようやく量産を開始したと発表されている。ただ、技術的な問題点は幾つ抱えているようで果たして完成したかどうかはよく分からない。
後は、支那のJ-20がこれに該当すると言われているが、ロシア以上に信用が出来ない情報が多いので、生産に入った、或いは就役したという情報もあるが定かでは無い。
そんな訳で、信頼に足る情報という意味で行くと、未だにアメリカしか実現できていない戦闘機が第5世代戦闘機なのである。
第5世代機にバージョンアップするぜ!
そんな感じで、ザックリと第4世代戦闘機から第4.5世代戦闘機、第5世代戦闘機について説明したのだが……。
KF-X開発を担当するKAIは第5世代戦闘機よりも低下ステルス性能については、開発完了後も、これを強化する作業を推進するという方針だ。
~~略~~
KF-Xはブロック1〜3までの段階別に性能を高め戦闘能力を強化する進化的開発方式を適用している。現在公開されたKF-Xモデルは、F-35戦闘機のよう武装や電子機器が機体内部に入らず、一般的な戦闘機のように外部に装着された形だ。KF-Xブロック1の性能が検証されると、ブロック2やブロック3では武装と航空電子機器が機体内に収納されることが分かった。
「NAVER」より
どうやら開発を続けて、KF-Xを改良する模様。
なんでも、ウエポンベイを後付けでくっつける予定だというのだから驚きである!

最強の制空能力を持っていると噂されるF-22戦闘機は、その腹部にウエポンベイと呼ばれる武器格納庫を持っている。開口しているのはメインウェポンベイだ。
また、この角度では分かりにくいが、サイドにもミサイルが格納出来るような構造になっている。

こいつがサイドのウェポンベイだね。
サイドウェポンベイには、空対空ミサイルAIM-9サイドワインダーが納められる。メインウェポンベイにはAIM-120C AMRAAM中距離空対空ミサイルや、GPS/INS誘導爆弾であるGBU-32JDAMやらGBU-39 SDB(小型爆弾)などが搭載可能である。
ついでにF-35のウエポンベイも紹介しておこう。

この通りだ。
技術的に機体内部に武装を納めるためには、そのための空洞を機体内部に備えなければならず、第5世代戦闘機を名乗るのであれば、ステルス性能も備える必要がある。
つまり、KFXが捨てているステルス性を獲得しつつ、現在ボディ内に収まっていない武装を納める空間を捻出しなければならず、それは即ち、機体形状を再設計し直さなければならないことを意味する。
ブロック2とかブロック3でそうした改変をするというのは、ちょっと考えにくい話。寧ろ設計のやり直しをするレベルであれば、別の形の戦闘機を作り直した方が早いのではないだろうか??
問題は、内部に収納しようとスムーズに進行されるかどうかだ。飛行安全性と任務遂行能力を維持し、機体外部にあった武装と装置を収納するには、KF-Xを再設計するレベルの作業が行われなければならない。微細なレベルであっても、見た目が変化すると、機体の航空力学的特性が変わるからである。内部収納のためには、航空電子機器を新たに作ることになる。機体内部配線なども再設定する必要である。内部収納を正常に完了した後、性能試験も必要である。そのためには少なくない費用と時間が必要である。
「NAVER」より
流石に似たような突っ込みをされているが(苦笑)。
問題はウェポンベイだけでは無い
実は、問題は武装だけに留まらない。
現在の韓国で展示されている実物大モックアップを見てみよう。

前回も指摘したが、KF-Xは翼の下に増槽(フューエルタンク)を抱いている。
これは飛行距離を伸ばすために必要な装備だが、これを機体内に納めなければならないとなると、少なく無い空間を用意する必要があることは指摘するまでもないだろう。翼を厚くして内部に収納するつもりだろうか??ジェット旅客機では採用されている手法だけど……。
そんなわけで、武器を翼下のハードポイントに吊している状況を対策するだけでなく、燃料タンクに関しても胴体内に納めなければならず、設計をやり直すレベルで検討が必要なハズなんだが……。
電気配線などの内部構造も見直し必至
飛行距離が短くなってガッカリする未来が見えるようだが、韓国が欲張って第4.5世代戦闘機から第5世代戦闘機にバージョンアップさせようというのは、笑える未来しか見えない。
何しろ、単純に機体内部に機器を埋め込むのだけではなく、電気配線などの内部構造なども全て見直しという事になる。流石に、ウェポンベイを採用する前提で設計はなされていないだろうから(やるなら最初からやるよね)、大幅な見直しが必要となるはずだ。
F-16C/D戦闘機をベースにして、F-2戦闘機を開発した事例はあるが、F-2戦闘機はF-16と形状が似ているだけの別モノと評価されるレベルの戦闘機である。故に古いF-16戦闘機を改造してF-2戦闘機に作り替えることは出来ない。
F-16Vへの改修は、古いF-16A/B等を利用して行われていると言われているが、あくまでもフレームやら何やらが流用可能であるからに他ならないワケで、形状から作り替える必要がある場合は、そもそも同系列の戦闘機と呼べるかどうか怪しい。
F/A-18に関して言うと、F/A-18E/Fになった際に殆ど別の戦闘機になっているので、愛称も「ホーネット」から「スーパーホーネット」に変わっている。C/D型とE/F型の部品の共通率は1割弱で、機体も大型化している。つまりまあ、そのレベルの設計変更がKF-Xの第5世代戦闘機化にも必要だろうというわけだ。
実は資金的にも苦しい
ところで、こんな大規模な改造計画を既に持っている割に、設計を担当しているKAIの懐事情は宜しく無い。
しかし、KF-X関連機器の開発や予算などの状況を総合すると、KAIの割合は、全体の半分に満たないことが分かった。エンジンと多機能位相配列(AESA)レーダー、電子機器などをハンファが担当しており、いくつかの電子機器は、LIGネックスワンが務めている。これはすべて合わせると全体の割合の50%以上である。
「NAVER」より
機械翻訳故に、細かなニュアンスが伝わってこないのだが、全体予算を増やすやり方では、開発費を確保出来ないというような話になるんじゃないかな。
ただでさえ共同開発国のインドネシアが金を出さないという話をしているだけに、開発予算がKAIに渡らないと話は進まないのだろうけれど。
ムン君はこれに金を注ぎ込める……余裕は無いんだろうね。
まあ、そもそもウェポンベイがどうこう、という話をしたところで、前の記事で紹介したように現実的にはぶら下げるためのミサイルが撃てないのだから、格納する意味も無いわけで。
今から、ブロック2、ブロック3の心配をする以前の話ではあるんだけど、まあ、夢を見たって良いじゃ無い、ということなのかも?
コメント
増槽についてコメントします。
>これは飛行距離を伸ばすために必要な装備だが、これを機体内に納めなければ
>ならないとなると、少なく無い空間を用意する必要があることは指摘する
>までもないだろう。
「はい、そうです」と言いたいところですが、「機体内に納める必要があるのか?」というところから考える必要があると考えます。
ステルス性が必要になるのは、敵地に接近した場合、または敵性勢力(敵機など)に接近した場合です。防空戦闘ならともかく、攻勢作戦の場合は敵地に接近するまでは増槽の燃料を使用し、敵地に接近したところで増槽を投棄しステルス性を上げる手段が考えられます。
その手段を取るとしたら、防空戦闘に必要な燃料のみ機体内に搭載し、それ以外は増槽で対応とかの発想もありだと思います。
(無論、増槽投棄によるコスト増大とかデメリットはあるのは承知してます)
その辺りの検討まで、KFXで行なわれているとは思えないですけどね。
ご指摘の手法、即ち「攻勢作戦の場合は敵地に接近するまでは増槽の燃料を使用し、敵地に接近したところで増槽を投棄しステルス性を上げる手段」は、調べて見るとどうやらイスラエルが独自にF-35Aを改造するプランにある様ですね。恥ずかしながら知りませんでしたが。
増槽を付けて飛んで、敵基地手前で帰投するというのは、確かにプランとしてはアリだとは思います。
そして、韓国がこれを聞きつけて、真似をするという展開もアリだとは思います。
ただ……、イスラエルと違って韓国に「できるのか?」という点に関しては、疑問ですが。
遠距離侵攻が必要な場合は増槽で敵地近くまで飛行する手もありですが、韓国の敵国(北朝鮮、日本も?)は隣接地なので通常のパイロン搭載の増槽だと国境を超える前にレーダーサイトに補足されてしまうからどうなのかな。(北朝鮮のレーダーはともかく日本の佐渡とかのガメラとか対馬のサイトからなら十分補足できそう)
ボディと一体型のコンフォーマル・フューエル・タンクならステルス性を確保することも可能なのですが韓国軍に必要かな?
まあ北朝鮮相手ならステルス性が低下してもパイロン搭載の増槽で敵地での稼働時間を稼ぐというのは悪くないですが、なんちゃってステルス機(しかもなんちゃって国産)に無駄に時間を掛けるよりFA-18でも買って老朽化した空軍戦力を一刻も早く更新するほうがいい気がするのは気のせいでしょうか。
(お笑いを)バージョンアップ
否定できない所がなんとも……
いやー、楽しみです!
でも、嫌味ナシでバージョンアップはして欲しいものです。
早めに第1弾のKF-Xを作って欲しいですから。
>そもそも4.5世代というのも怪しいぞ。
>更に電子機器を近代化させたものを第4.5世代戦闘機と呼んでいる。
そうですね、ご立派なコンセプトは20年前から変わっていないようですが、最低でもデジタルフライ・バイ・ワイヤ技術やそれに伴うCCVに加えフェーズドアレイレーダーが条件でしょう。
そして確かKF-XでアテにしていたAESAを含む核心4技術をアメリカから冷たく断られたのが4年前くらいだったはず。
最先端の核心技術をわずかな期間で開発しちゃったって事になりますけど...、魔法の粉でも振りかけたんでしょうか。(爆笑)
ウェポンベイを追加して5世代へのバージョンアップは、狂った妄想が止まらなくなった悪い冗談だと思いますよ。(お笑いネタでぜひやって欲しいけどね)
ところで先日誘導ミサイルを売ってもらえない話が出ていましたが、戦闘機に搭載する空対地ミサイルは打撃力が小さいのと、大型のものは種類が元々限られていますよね。
1t級の破壊力のあるJSOWを数積める母機はB-52・B-1で、戦闘機F-15E・F-16・F-35でも運用可能ですが一発が限度でしょう。
となると誘導爆弾はどうなっているのかな? まさかこれも売ってもらえないとか...。
KF-Xの対地攻撃の使い方としては、首都ソウルを射程にした北朝鮮のロケット砲・長射程りゅう弾を叩くのも大事な役目と思いますから、動き回るこれらの車両を精密攻撃できる誘導爆弾はいくらあっても足りないのでは。
何しろ国境付近に大量に配備されているという、これら北朝鮮の兵器を叩かなければ、緒戦でソウルも軍も壊滅的打撃を受け逃げ惑うしかなくなると思いますけどね。(朝鮮戦争の悪夢再来)
アメリカ軍が平沢基地の烏山空軍基地にA-10(サンダーボルトⅡ)を配備しているのは、近距離からの強力な対地攻撃力があるからでしょう。
対地誘導爆弾もそうですが、何しろ劣化ウラン弾を使ったガトリング砲の威力は凄ざましいですもんね。
KF-Xもどうせスティルス性がないのですから、ガトリング砲を腹の下に抱いて近接支援に特化した方がいいんじゃないかなァ~。