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韓国空軍のKF-21の暫定戦闘用適合判定により量産開始へ

韓国空軍
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待ってました。

韓国初の国産超音速戦闘機 来年から量産へ=「暫定戦闘用適合」判定

2023.05.16 16:31

韓国の防衛事業庁は16日、初の国産超音速戦闘機、KF21(通称「ポラメ=若鷹」)が「暫定戦闘用適合」判定を受けたと発表した。2024年の量産開始に向けた要件を備えたことになる。事業構想から20年余りで、量産を間近にしている。

聯合ニュースより

これ、無理して急いでいるんじゃないかな?という疑念は持ちつつも、量産開始に向けて動き出すのは良かったと思う。

あまり書くことはないんだけど、おめでたいことなので記事にしておく。

量産に向けて動き出す

ポラメの量産準備が完了?

まあまあ、予定調和といえばそうかもしれないのだが、とにかく韓国が開発中のKF-21戦闘機の量産開始の目処が立ったということだね。

KF-21に関しては、過去にも触れている。

で、韓国初の4.5世代を自称する戦闘機なんだけど、色々な事情があって自国開発しなければならない部品も結構あったようだ。

21年4月に試作1号機が出庫され、地上試験を経て22年7月に初の試験飛行に成功した。超音速飛行と夜間飛行の性能を確かめ、アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーを搭載した試験飛行も実施した。試作2号機は先月、試験用の短距離空対空ミサイルを分離するテストをクリアしている。

聯合ニュースより

ここに出てきているAESAレーダーの他にも、ステルス技術や電子光学照準システム、自己防御装置などが自国開発となっている。

韓国はKF-Xを本格的な戦闘機として開発するにあたって、アメリカ政府と各メーカーに対して、ステルス技術を含む25項目の技術移転を要望していました。しかしアメリカ国務省は2015年に、「ステルス技術」に加えて「AESAレーダー」、ステルス性能の高い目標の捜索と攻撃でも威力を発揮する「電子光学照準システム」、敵の攻撃に対して電波妨害などを行なう「自己防御装置」の4項目に関しては、韓国に技術移転を行なわないことを決定。残る21項目の技術移転にも難色を示したことから、韓国国内ではパク・クネ大統領(当時)の責任を問う政治問題にまで発展しました。

乗り物ニュースより

これらの開発も無事終了して、暫定戦闘用適合が出たということなんだろう。

2026年には戦闘用適合判定を得る予定

で、スケジュール通りであれば、2026年の下半期には韓国空軍に引き渡しが始まるとのこと。

防衛事業庁は来年からKF21の量産に入り、26年には最終的な「戦闘用適合」判定を得て、同年下半期に空軍への引き渡しを始める計画だ。

聯合ニュースより

随分と急ぐなぁ。

と、そういえば韓国製兵器の大口顧客になっているポーランドが欲しがっていたような。

ポーランド、韓国の戦闘機開発への参加を表明か

2023年05月10日(水)06:16

MBC放送など韓国メディアは8日、韓国のKAI(韓国航空宇宙産業)が開発中の次期戦闘機KF-21の開発プロジェクトに参加したいとする意向を、ポーランドの国営軍需企業PGZのフバワーク会長が正式に表明したと報じた。PGZは近く、ポーランド政府を通じて意向書を韓国政府に伝達するという。

MBCが政府関係者の話として伝えたところでは、「フバワーク会長は韓国企業の上級関係者らが参加した席で、KF-21プロジェクトに共同開発国の資格として参加したいという意思を公式に明らかにした」という。

exciteニュースより

記事にもあるけれど、KF-21の共同開発国であるインドネシアは、出資金を滞納していて、韓国はその為に予算不足気味で開発を続けている。ポーランドはその枠でお金を出すんじゃないか、という話になっている。

これが実現すれば、それはそれで面白いことにはなりそうなんだけど、インドネシアへの牽制の可能性もあるんだよね。まあ、続報を待ちたいと思う。

追記

新しい記事にするまでもなかったので、追記しておく。

国産超音速戦闘機「KF-21」 試作5号機が試験飛行に成功

Write: 2023-05-17 10:13:35/Update: 2023-05-18 13:55:28

韓国の独自技術で開発された超音速戦闘機「KF-21(ポラメ)」の試作5号機が、初の試験飛行に成功しました。
 
防衛事業庁は16日、KF-21の5号機が、初の試験飛行に成功したと明らかにしました。試験飛行は午後2時19分から45分間、韓半島南の海一帯で行われました。

~~略~~

試作機1号機はことし1月に超音速飛行に成功していて、KF-21の開発に成功すれば、韓国は世界で8番目の超音速戦闘機の開発国となります。

KBS Worldより

試作5号機の初飛行ね。

順調そうで何よりである。6月には試作6号機も登場する予定らしいのだが、試作機は6機までということになっているので、これで最後だ。

予定通りだと、ここからレーダーの性能検証試験や空中給油機からの給油を受ける試験などもやるとのこと。今年一杯はこのネタは色々と提供されるようだよ。

追記2

コメントを頂いて「量産体制とは一体?」という話を少し。

F-35の製造風景

KF-21の量産体制という話を書いたが、実際に戦闘機が自動車のように製造されるかというと、そういうわけにも行かないのが現実である。

現在F-35は、低率初期生産ながらすでに200機以上をフォートワース工場において製造しており、300機超えも目前の状況です。また今後2018年からはいよいよF-35の全規模量産が始まり、ピーク時には実に年産約200機、すなわち平日はほぼ1日1機が工場から出荷される予定です。

乗り物ニュースより

部品の製造は各国に分担している部分もあるので、金型を用いたり工作機械でプログラミングして削ったりという部品の作り方をしていると思うのだけれど、組立工程は完全に手組となる。なので、F-35の場合でもアメリカのフォートワース工場で組み立てが行われて年生産約200機と、たくさん作られているように見えて、1日1機が出荷される感じなので、自動車などの量産品とはその規模が全く違う。

とはいえ、航空機は似たような感じで作られる事が多い。何しろ、デカいので。

737MAXの製造ライン

こちらはボーイング社の737MAXの製造ラインで、9日で1機出来上がるのだとか。

したがって、戦闘機の量産体制ということの意味は、形状が決まって部品の製造工程が作られる、位の意味合いで理解すればいいのだと思う。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    「はやい!はやいよ!」
    「こういうときは臆病なくらいがちょうどいいのよね……」

    こんにちは。

    量産というか、増加試作を兼ねた低率先行量産なのだとは思いますが……
    とてもじゃないけど、全ての飛行エンベローブの確認と、ミッション適合がチェック出来たとは……
    え?そもそも兵装しないから問題ない?こりゃまた失礼いたしました……

    ※半埋め込み式もそうですが、あれはどう見ても中距離ミサイル(ミーティア)用なので、短距離用のサイドワインダーはどう考えても主翼の下に吊りますよね(無いという選択肢は無い……はず)?ステルス性って……それとも、七面鳥の知らないサイドワインダー用のベイがあるのかな?

    • 木霊 木霊 より:

      おそらくは良好な結果が得られているのでしょう。
      韓国は調子の良い時はイケイケドンドンで進みますから。

      残念ながらどんなチェック項目をクリアしたかとか、そういう話は報道されないでしょうから、製品として量産されるようになってからが勝負かも?

  2. アバター 匿名 より:

    自国開発(他国から設計図購入)ですね、分かります

  3. アバター けん より:

    こんにちわ、

    韓国は旧型機(F-5EとF-4E)の代替を急ぐ状況ではないかと思います。
    先立つものが足らないため、またもポーランドが韓国の“ホワイトナイト”になるかも。
    ポーランドにはジェット戦闘機の開発経験がない(訓練機はあります)ので、
    ボラメ共同開発への参加は、ポーランドには手ごろな将来投資なのかもしれません。

    • 木霊 木霊 より:

      ポーランド、凄いですよ。
      なかなか思い切った決断ですから、この決断が吉と出るか凶と出るか。

  4. アバター 匿名 より:

    まだKF-21はマッハ1.2以上の速度試験をしてませんよね?
    これからトラブル続出なんだろうな(棒

    • 木霊 木霊 より:

      調べたら、今年の1月に音速を超えたというニュースは出ましたが、それっきりなんですよね。
      戦闘機の検査というのは、それでいいのか、悪いのか。

  5. アバター ガバ穴民 より:

    なにせ情報がほとんど出そろっていない中での量産発表ですからね、特に言う事が無い。
    ポーランドも博打だと分かったうえでの出資なんだろうけど、戦闘システムや誘導兵器周りは朝鮮製だと不安しかない。
    爆死が凄く濃厚なガチャ回すなんて剛毅ですなとしか言えないな。

  6. アバター BOOK より:

    木霊さま 皆様 こんばんは! 多周回遅れレス、お許しを

    個人的には素朴な疑問なのですが、こういう特殊&複雑&少量生産の「量産」ってどういうシステムで行われているのでしょう?

     すなわち「量産」になると現在行われている「試作」に比べ、体制とか装置とかどう変わるのでしょう? これがわからないと量産の大変さがよくわからず、、、すみません。

    素朴となる理由

     私 僭越ながら結構大規模メーカーのエンジニアで量産と言うとフォード生産方式すなわち

     ある製品の制作所要時間が10時間=600分とした場合、量産ではこの制作を6分×100の行程に分割する。
     第1行程・第2行程、、、、第100行程のそれぞれに担当者・道具・装置・ロボット等を配置して一列に並べ、製品をコンベア等で流して組み立てる。(これを「生産ライン」と言う)

     1台目の完成は稼働開始600分後だけど、次からは6分毎に1台完成する。
    この方式の量産しか知らずイメージがわかなくて、、

    このフォード生産方式は代表的な問題として
     ・設備初期投資額が膨大
     ・上記の例だと「常に100台分の作りかけ在庫」を抱える

    とまあ月産>千台程度がギリギリ採算ラインで 年間2~300台でも大量生産となるような戦闘機・戦車等ではとても成立しません。

     基本知識かもですが以外とわからずお教え頂けますと幸いです。

    • 木霊 木霊 より:

      参考になるかはわかりませんが、追記2でF-35戦闘機や737MAX旅客機の製造ラインの写真などを引用して公開させていただきました。

      少量生産の量産ですから、部品を作るのに金型を使ったり、同一プログラムでの工作機械での切削など、部品製造を単純化できることなのだと、僕はそのように理解しています。
      小ロット生産なので、産業機械などを多用することで、量産効果までは期待できないのではないかなと。
      それでも、最近はAR技術なんか使って、作業効率を上げているみたいですが。

      • アバター BOOK より:

        木霊さま こんばんは

         周回遅れレスにもかかわらず、追記まで、丁寧な解説ありがとうございます。

         イメージは何となくわかりました。まだ考察は無理ですが、直観的にはコレ、採算は非常に難しいですが、

         人材育成には最適な体制ですね。日本でも増やせる場面があれば、、、

        (と言うか「フォード生産方式が人材殺し過ぎる」、、、チャップリン「モダン・タイムス」のネタになるくらい、、苦笑)