戦闘機独自のプラットフォームを確保することが重要!と韓国メディア

空軍

KF-21の初飛行を終えて、韓国では随分と沸き立っているようだ。

韓国型戦闘機KF21、「アウディの価格で国産大衆車」と言われても必要な理由

登録:2022-07-22 11:39 修正:2022-07-22 15:28

2022年7月19日午後3時40分。空軍パイロットのアン・ジュンヒョン少佐は、韓国型戦闘機(KF‐21)「ポラメ」の操縦桿を引いた。KF-21は慶尚南道泗川(サチョン)の空軍第3訓練飛行団の滑走路をからひらりと舞い上がった。この日の離陸には「我々もついに追いついた」という意味がある。

「ハンギョレ」より

(1)(2)に分かれて力説されているが、要は「自国で作りたかった」という事が書かれているだけだ。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク

自国で戦闘機を作る意味

独自プラットフォームとは何か

「戦闘機独自のプラットフォーム」と言われても良くわからないのだが、どうやら「自国で戦闘機の設計製造することが大切だ」という主張のようだ。

言っていることは真っ当のようにも思える。

確かに、自国で設計・製造すれば、自国の状況に応じて戦闘機の改造が可能となる。韓国空軍が運用するF-15系戦闘機でもF-16系戦闘機でも、アメリカの許可なしに改造することは出来ない。

その事情は日本の航空自衛隊でも似たような話があるのだが、しかし、日本で運用するF-15Jは、日本国内で複数回の近代改修を行っている。

流石に、J-MSIP機の再近代化改修に関してはF-15EX相当の機能を組み込む計画であったが、アメリカ企業との関係で難航している。これはアメリカ空軍のF-15の近代化改修などのスケジュールとぶち当たって部品の調達などに問題が生じていることと関係していると言われている。

いや、これまでのF-15Jの近代化改修においても、少なからずアメリカ側の了解を得る必要があったり部品調達にもトラブルがあったりしたので、今回が特別というわけではないのだろう。

と、そういった事情を加味して、韓国としても国内で自由に改修できないのが困るから、国産化したいという事だったようだ。

本当に国産化?

とまあ、一見筋が通っている主張のようにも思えるのだが、本当だろうか?

しかも、KF-21は100%国内開発戦闘機ではない。KF-21全体の価格の15%ほどを占めるエンジンは、米国に本社を置くゼネラルエレクトリック(GE)の製品だ。KF-21の試作機の国産化率(部品基準)は65%だ。厳密に言えば、KF-21は「国内独自開発戦闘機」ではなく「国内主導開発戦闘機」だ。

コストパフォーマンスが低く、作るのに時間もかかり、国産化率も期待より高くないのに、なぜあえて国産戦闘機を開発しようとするのか。戦闘機独自のプラットフォームを確保することが重要であるからだ。米国から購入した戦闘機は、故障したとき主要部品を自由に修理できず、米国の許可を受けなければならない。

「ハンギョレ」より

文章中でも言及されているが、国産化率は65%であるとされている。

特に主要部品である2基搭載されるエンジンがアメリカのGE製である点を問題視しているが、アメリカからの部品調達にトラブルがあるから国産化をするのだ、という主張とどうにも嚙み合わない気がする。

特に、故障した時に主要部品を自由に修理、という文脈では、エンジンの問題はネックになるような気がする。あと、兵装などは外国頼みである。

国産化できた部分があることは凄いとは思うけれども、これで提起された問題が解決するのかはよくわからないな。独自プラットフォームを確保できたことになるのだろうか?

ブラックボックス問題

ちょっと面白かったのは、韓国国内でもブラックボックス問題は認識されていることだ。完全に捻じ曲げられているけれど。

独自のプラットフォームの重要性を語る時、2011年の「タイガーアイ」事件がよく登場する。タイガーアイはF-15K戦闘機の胴体の下に装着されているセンサーで、夜や悪天候でも正確に爆撃できるようにする装備だ。2011年8月、米国防総省の非拡散担当首席副次官補など11人の調査団一行が韓国を訪問した。彼らは、韓国が米国から購入した戦闘機F-15Kのセンサーであるタイガーアイの無断分解疑惑を調査しに来た。米調査団は、韓国空軍の高官と空軍の整備場の関係者を呼び、刑事が犯人を取り調べるかのようにどやしつけた。当時、韓国空軍は「タイガーアイがあまりにも故障するので、異物が入っているかを確認するために整備した」と釈明したが、米国は大声を張り上げて机と壁を拳で叩くなど、韓国空軍関係者を追い詰めたという。

当時米国は、表向きではタイガーアイの封印無断毀損を問題視したが、実は韓国がタイガーアイを分解した目的が当時開発中の韓国型戦闘機に適用する技術を流出させるためではないかと疑っていた。韓国が1970~80年代に米国産兵器を分解した後、そのまま真似て逆設計したように、今回もそうしたのではないかという疑いだった。タイガーアイの封印毀損問題は「兵器は売っても技術は売らない」という米国の兵器輸出原則によるものだ。米国が韓国に対しこのような原則に固執するのは、韓国型戦闘機が量産されれば韓国に売る米戦闘機の規模が減るためだ。

「ハンギョレ」より

この「タイガーアイの封印毀損」事件だが、ブラックボックス(内部機構を見ることができないよう密閉された機械装置)として、韓国空軍に供給されたセンサーである。

この記事ではそのことに触れていないが、「米国防総省の非拡散担当首席副次官補など11人の調査団一行が韓国を訪問した」というのは、本来開けてはならないブラックボックスを開け、開封したことを知らせる信号をアメリカが検出したため、アメリカが調査団を送り込んだ。

「タイガーアイがあまりにも故障するので、異物が入っているかを確認するために整備した」などとふざけたことを書いてあるが、恐らく購入時の契約で開けてはならないことは明記されていたはずだ。

何か、アメリカ側が悪いみたいな雰囲気で書いているが、100%韓国側の問題である。

アップグレードはアメリカで?

更に不可思議な事が書かれている。

米国は戦闘機を売った後、部品と性能のアップグレードを通じて稼ぐ。30年ほど使用する戦闘機の総運用費のうち、最初の導入費は30%で、メンテナンス費用が70%を占める。国内整備が制限されるため、部品費と修理費は米国の言い値に従う。米国は戦闘機を売った後、部品価格を上げ続ける。米国は2014年にタイガーを初めて導入した時より、部品価格を平均6倍引き上げを要求した。

「ハンギョレ」より

アメリカがエゲツナイ金額を吹っ掛けるのは事実だし、導入費よりもメンテナンス費用の方がコストがかかるのも事実だ。

だが、そもそも兵器とはそういうものだし、国内整備が制限される理由は、韓国に技術がないから仕方がない。

そして、部品の値段引き上げの原因の多くは、すでにアメリカ国内では部品供給が途絶えてしまって、特定の国向けに少量の部品を輸出するにはコストが見合わないという要因であることが多い。「法外な値段」などと阿呆なことを書いてあるし、日本だってとんでもない価格を請求された事案は過去にある。

あるが……、韓国の場合、多くは韓国側の問題だからねぇ。

韓国軍は整備部品を用意しない

現在、アメリカ製の戦闘機の部品不足は結構深刻である。戦闘機だけでなく、様々な兵器の部品が値上がりまたは入手困難になりつつあって、整備のしっかりした自衛隊であっても共食い整備と呼ばれる手法で整備されることが少なくない。

これは、自衛隊の予算の問題もあるので簡単に解決する話ではないのだが、部品供給に問題があるのは事実だ。

韓国軍も似たような課題を抱えてはいるのだが……。

戦闘機の主要な部品が米国から届いて修理するのに6カ月から1年以上かかる時もある。この場合、高価な戦闘機が任務を遂行することもできない。空軍の主力機であるF-15KとF-16は、修理部品の不足による任務遂行の制約が深刻だ。空軍が保有しているF-15KとF-16は約200機ほどだが、最近5年間で、F-15Kは修理付属の不足により飛行不可が発生した件数は535件、修理付属の不足により特定任務不可が発生した件数は79件だと、共に民主党のアン・ギュベク議員室が昨年明らかにしている。同期間、F-16は修理付属の不足による飛行不可は548件、修理付属不足による特定任務不可は1202件発生した。F-15Kの場合、一度の任務不可状態で平均16日間任務を遂行できず、F-16は平均92日間任務を遂行できなかった。

「ハンギョレ」より

そもそも韓国軍の場合、予算が足りなくて部品を揃えないという事情とは少々異なる。そもそも部品をストックしておく習慣が無いのだ。

例えば、アメリカの最新鋭戦闘機F-35Aを40機導入した韓国空軍だが、40機の戦闘機を買って予備部品として買ったエンジンは1基だけだ。同時に購入した兵装も無し。

報道が無くてわからないが、恐らくその当時、予算が付かなかったために、後に追加予算で部品を揃えたとは思う。だが、如何なる理由にせよ、購入当初にそれなりの数の予備部品を用意しないという意味が良くわからない。

当然、故障してもエンジンが無ければ修理は出来ない。

故障してから慌てて部品を注文しても、ストックされているわけではないので修理の時間が延びる結果になると。アメリカ側の部品の製造ラインが閉じているとかそういう問題も出がちで、兵器を売る国としてどうなのだろうという疑問もあるにはあるが、寡占状態でアメリカの兵器以外はほとんど選択肢がないという状況に問題があるのは事実なので、KF-21がそこに一石を投じる形になれば素晴らしいとは思う。

が、韓国の場合はそれ以前の整備体制の問題のような気がするんだよね。

コメント

  1. そう言えば、韓国が日本にF-4の部品を売ってくれと言ってきたことがあった、お断りされてたけど。

    • P-3Cの部品もクレクレしていた気がしますよ。