韓国KF-21事業で、インドネシアが負担分を支払いすることが決定

空軍

インドネシアも迷った挙げ句払うことにしたか。

KF-21戦闘機関連記事で、何か初飛行したとか、性能が明らかになったという話でもないので、このニュースに関しては簡単に紹介しておくだけにしておきたい。

韓国型戦闘機事業、なぜインドネシアと手を組むのか…共同開発に最終合意

登録:2021-11-12 06:39 修正:2021-11-12 07:25

4月9日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席した国産戦闘機KF-21(ポラメ)試作1号機の出庫式は、韓国国民から大きな注目を集めた。初公開された国産戦闘機KF‐21の試作機(性能をテストするために製作された機体)の胴体には、太極旗とインドネシア国旗が並んで描かれていた。韓国型戦闘機をインドネシアと共同開発しているからだ。

「ハンギョレ」より

インドネシアは何故、韓国と手を組んでしまったのだろうか。約束を守れない国、韓国と共同開発というのは、色々な意味でシンドイとは思うんだけど。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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保険的意味合いの強い共同開発

KF-21は2001年に計画が発表

このブログでは何度も触れているが、KF-21戦闘機は韓国の次期型戦闘機と位置づけられて開発が進められている。来年辺り飛行試験が始まるはずなので、楽しみにしておきたいね。

さて、開発スタートして間もない頃のKFX(後のKF-21)は、総開発費が8兆5000億ウォンと一国が負担するには比較的高額になる予定だった。

戦闘機の仕様すら決まっておらず、開発開始当初にはステルス技術もあてがなかったハズなのに、どうやってこの金額をはじいたのかは謎だが、ともあれこの金額を韓国一国で負担したくはなかったようだ。そこで、共同開発者を募ることに。

その時に自前の戦闘機を欲しがっていたインドネシアが手を挙げちゃった。これが2010年のことであった。結局、才数的な開発費用の6割を韓国政府が負担し、KAIが2割、インドネシアが2割負担することで決定された。

South Korea’s future fighter program at risk, even as development moves along

Oct 16, 2019

SEOUL — South Korea’s indigenous fighter jet development program has entered the phase of prototype development following critical design review, or CDR, , according to developers.

~~略~~

Despite development progress, there are signs of challenges in the jet fighter program, including a potential funding loophole. That’s because Indonesia, the only international partner of the KF-X, has been backtracking from its original commitment to investing 20 percent of the development costs. KAI is obliged to pay for 20 percent, and the government is to fund the remainder.

「Defense News」より

インドネシアは本当に韓国が戦闘機の開発を成功させることが可能だとでも思ったのだろうか。いや、T-50高等練習機などの製造実績があるから、軽戦闘機くらいなら作れると、その様に判断したのだろうね。

何度も離脱を考えたインドネシア

しかしインドネシアも韓国の技術に絶対的な信頼を置いていたわけでは無い。

「もしかしたらヤバいかも」とは常に考えていたようで、コレまでにも何度か「共同開発を止める」という話が出てきていた。

「性能が貧弱すぎる」韓国の戦闘機計画からインドネシアが離脱か

2020年12月11日(金)15時30分

8兆7000億ウォン(約8340億円)もの開発費が投じられる韓国の次期戦闘機(KF-X)開発計画が、試練に見舞われている。

韓国やフランスのメディアは7日までに、インドネシアがフランスからラファール戦闘機48機の購入を検討しているもようだと報じた。インドネシアは韓国の次期戦闘機KF-Xの開発計画に参加しているが、2017年以降、開発予算の分担金を滞納している。滞納の理由は「資金難」と説明されてきたが、その一方でフランス製の戦闘機を買うとは話のつじつまが合わない。もはや、韓国との共同開発への関心は失せたということだろう。

「Newsweek」より

報道ベースでは何度かあって、その度に何とか韓国側が「大丈夫だから」という話をしていたようだ。

去年、一昨年あたりには、インドネシア空軍がフランスからラファール戦闘機を購入するという話がでたり、と、インドネシア側からも韓国に「早く開発しないと離脱するよ」と、驚かしている。

「『韓国戦闘機の同業者』インドネシア、仏ラファール戦闘機36機契約」…現地報道

2021.06.15 10:55

インドネシア政権がフランスから戦闘機を導入する契約を締結したという現地メディアの報道があった。報道が事実なら、KF-21ボラメ戦闘機を共同開発する韓国の立場では輸出戦線に支障が生じる。

「中央日報」より

インドネシア後継戦闘機に米F16浮上

2021/6/9

軍装備、兵器の近代化を進めているインドネシア空軍に対して、米ロッキード・マーティン社が戦闘機F16の最新鋭バージョンの導入を呼びかけ、米政府も承諾済みであることを強調しながら売り込み合戦に参入してきたことがわかった。

これは地元メディアなどが5月29日に報じたもので、空軍戦闘機の後継機種選定に「米製F16の最新鋭戦闘機の導入」という選択肢が広がったことで、公式ではないが空軍は歓迎しているという。

「Japan-In-Depth」より

フランス製戦闘機ラファールは、既に購入を決定してしまって、購入する段階にまで来ているようだし、アメリカのF-16V戦闘機の売り込みが欠けられたという話もあった。

何れも決定に至ったワケでは無いが、ラファールの方はKF-21共同開発を降りる、降りないに関わらず買う予定となっているらしいと仄聞する。F-16Vは多分無いかな。

費用は払う、但し一部は物納で

それでもKF-21戦闘機がお披露目されたことで、話は少しだけ改善したようだ。

韓国型戦闘機事業へのインドネシアの参加は、単に開発費20%の分担を超え、販路確保や事業の成否に直結する問題だ。インドネシアは、経済事情が厳しいという理由で、2017年下半期から分担金を支払っていない。インドネシアがこのような態度を示したのは、国内の政治的理由や武器導入体系の見直しなどが複雑に絡んでいるためだ。

分担金をめぐって駆け引きを続けていた両国は、インドネシアの納付割合20%の維持などに最終合意した。韓国型戦闘機事業が大きな峠を越えたわけだ。

防衛事業庁は11日、インドネシア国防部とKF-21/IF-Xの共同開発の議題について最終合意したと発表した。同日、インドネシアのジャカルタで開かれた第6回両国実務協議にはカン・ウンホ防衛事業庁長とインドネシアの国防事務次官が出席し、両国はインドネシアの体系開発費の分担比率(20%)や分担金納付期間(2016~2026年)などは従来の契約どおり維持することで合意した。ただし、インドネシア側の分担金の約30%は現物納付を認めることで合意している。両国は共同開発の議題について2019年1月から計6回にわたって実務協議を行ってきた。

「ハンギョレ」より

インドネシアは韓国に対して「予定通り」に2割負担をするという決定をし、韓国側と合意したという。ただし、分担金のうち3割程度は物納で行うという所も合意したようだ。

インドネシアはそれなりに資源を持っている国で、今回このタイミングでこの話が出たということは、天然ガスか石炭か原油か、あるいは尿素辺りを貰う話になったのかも知れない。

或いは、T-50Iの時のようにCN-235輸送機を押し付けられる可能性は否定できない。

インドネシアの仮想的はオーストラリア

ちなみにインドネシア、何故、戦闘機を欲しがっているかというと、実はインドネシアはオーストラリアとの関係が宜しく無い。一方で、支那との利益は対立しているものの、既に呑み込まれつつある状況にあるので、オーストラリアとしても警戒感を強めている節がある。

そして、オーストラリア空軍はF/A-18E/F戦闘機とF-35A戦闘機を中心に配備していて、それなりの航空戦力を持っている。オーストラリア海軍が空母を持っていないので、飛行距離の関係を考えればさほど気にしなくても良いが、それでもインドネシアが航空戦力でオーストラリアに抗するシーンがあった場合に全く歯が立たない状態というのは良いことだとは思っていないのだろう。

そして、性能だけを考えれば候補に上がったうちでF-16V戦闘機がベスト、時点でラファール戦闘機という事になろう。KF-21戦闘機はまだ初飛行すらしていない状況なので、戦力にカウントすることは難しい。自国で開発の余地がある戦闘機を手に入れる事は重要だし、オーストラリアと対抗する事を考えると、アメリカの介入を防ぐ意味でも、アメリカ製の兵器は困るのだろう。だからこそ、可能性を信じてKF-21の購入という決断を今のところ維持しているのだろうけれど……、どうかなぁ。初飛行してから考えるべきかな。

KF-21戦闘機関連で、海兵隊仕様を造るとか、艦載機タイプを造るとか、珍妙な記事が出る理由は、インドネシアの存在に配慮しての事なのだろう。

色々な「やってますアピール」を出しておかないと、インドネシアにKF-21がポンコツである可能性に気が付かれちゃうからね。

追記

コメントで情報を頂いたので追記しておきたい。

KF-21開発「未納金6000億ウォン」なのに… インドネシアを「損切り」できない理由は

入力2021.04.20 午前10時01分  修正2021.04.20 午後1時12分

「共同開発国のインドネシアがKF-21(韓国型戦闘機)事業を続けるというのが最大の成果だ」

最近フラボワースビアントインドネシア国防長官の訪韓に対する防衛事業庁の評価だ。KF-21の開発に審美的に取り組んできたインドネシア国防長官が去る9日、慶尚南道四川韓国航空宇宙産業( KAI )で開かれた試作機出庫式に参加しただけに事業の持続的参加意志を再確認したということだ。昨年3月、新種コロナウイルス感染症(コロナ19)を理由に本国に撤収したインドネシアの技術陣が今年下半期に復帰するというニュースについても「共同開発正常化に青信号がついた」と歓迎した。

しかし、放射事庁の評価とは異なり、首を傾ける世論の反応が多い。インドネシアが未納の分担金6,044億ウォンに対して、放射庁は「現在両国間協議が進行中」としただけで、あまり進展はなかったからだ。これは現在までに納付した2,272億ウォンよりはるかに多い額だ。

「NAVER」より

インドネシアがお金を払うと合意した!メデタシメデタシ、という反応を期待していたのだが、韓国メディアも少々不安があるよという事を指摘している。

この話、以前も指摘したかもしれないけれども、韓国だけでKFXの開発は出来なかった。

戦闘機開発には大変お金がかかり、何処の国でも共同開発を持ちかけるというような事になっている。日本のF3戦闘機もイギリスのロールスロイス社とエンジンの共同開発をやるという話があり、機体の方はアメリカのロッキードマーティン社を協力企業として開発することが決まっている。お金の負担は同なるのかは明らかにされていないが、ある程度の費用負担は可能性としてあるだろう。

よく知られるようにF-35戦闘機は多国間での共同出資・共同開発というプロセスを経ている。アメリカと言えども巨額の戦闘機開発費用に絶えられなかったというわけだ。

韓国もそういった事情もあって、共同開発を模索し、インドネシアが手を挙げた。

韓国が共同開発を選んだ理由は2つある。1つは直接的なお金の問題と、もう1つ、開発費は戦闘機の製造数で頭割りするのだが、巨額の開発費をかけた割に作る戦闘機の数が少ないと1機あたりの価格が高額になってしまう。そうすると、外国に輸出することを考えた場合にデメリットとなる。

戦闘機の開発は300台以上を生産しなければ利益が発生する「規模の経済」が働くが、私たち軍に納品する物量である120台ではあまりなく不足している。インドネシアのような東南アジア軍事強国がKF-21を導入すれば市場開拓に有利だという判断が敷かれているのだ。

「NAVER」より

韓国のKF-21は、今予想されている開発コストだと300機製造しないと「F-35より安価な戦闘機だ」と言うことにならない。韓国製の戦闘機であるというだけでもデメリットがあるのに、F-35戦闘機より高価で性能が低いというようなことになりかねない。

中東に韓国製の戦闘機を販売する場合にも、インドネシアからという形の方がスムーズに事が運ぶという打算もある様だね。

それが分かっているからこそ、インドネシアはかなり有利な立場で交渉ができているわけで、一部を物納するなどという呆れた話もある。

ただし、軍当局はインドネシアが共同開発国だが、防衛産業技術保護法により「戦闘機の目」と呼ばれる AESA(アクティブ電子走査式位相配置)レーダーなどの核心技術移転は不可能だという立場だ。

「NAVER」より

インドネシアとしても、韓国からの技術移転を受けることで、自前で戦闘機を作れる可能性が出てくるわけだが、韓国としても重要な機密にあたるAESAレーダーの製造方法など核心技術は渡さない積もりらしい。

ただ、そんな巧い具合に事が運ぶのか?ということは気になるところではある。

まあ、心配するのはKF-21が実際に空を飛んでからで良いと思うんだけど。

コメント

  1. こんにちはです

    インドネシアに納品される機体は対地誘導弾が使えないblock1なのでそれを2020年代後半で48機(韓国報道では50機)も納品すると言われたらゴネるのも納得
    更にAESAもブラックボックス化して渡されるのでいくら改修権と販売権があっても新たなレーダーを探すか開発する必要があるのでそのままでは売れないでしょう
    https://n.news.naver.com/mnews/article/469/0000598352?sid=001
    また今回の交渉の詳細が明らかになり、かなりインドネシア側に優位な内容である事が判ってきました
    https://n.news.naver.com/article/011/0003985530
    この2つを鑑みるとインドネシア側は文句が有ればいつでも契約破棄出来ると揺さぶってきたのでしょう
    韓国側も維持費は安くても額面上機体価格がF-35より高くなるのは避けたいので飲まざるを得ない状況となったのかと思われます

    • おー、情報ありがとうございます。
      しかし、インドネシアはAESA無しで本当に受け取る気なんですかねぇ。ちょっと戦闘機でそういう売り方をする国を聞かないのですが、未完成品という扱いで国内開発になるんでしょうか。事実上、韓国に頼むしかなさそうなんですけどね。

      この記事、インドネシア側が有利に交渉を展開した雰囲気は伝わってきましたが、しかし全ては完成してからという話となります。
      どうなることやら。

      • 返信ありがとうございます

      • 途中返信してしまいました

        インドネシアはイスラム系国なのでイスラエル産レーダーを積んだT-50i輸入の際にT-50無印から付いてた米産レーダーに交換させた経緯があります

        KF-21のAESAもイスラエルが多々関わってるのでソースコードが非公開となり中でイスラエルが何をしてるか判らなくなった以上未搭載での受領も有るかも知れません
        インドネシア側も望んでない機体を大量受領するリスクがあるので余計にこの交渉に妥協する気はないと思われます

        まあ機体が出来上がらない事には始まらないのでこれからですね

      • そういえば、T-50高等練習機の輸出の際に、アメリカから怒られた事件がありましたね。
        EL/M-2032 レーダーがエルタ・システムズの支援を受け、LIG Nex1による独自改良が加えたシロモノであったと。

        ただ、記憶が正しければ、FA-50軽戦闘機に装着された軍用レーダーの運用に必要なソースコードの輸出承認(EL)をアメリカがしてくれなかったという話だったように思います。その後もT-50のレーダー更新の話は聞きません。追加調達したという話もありましたから。

  2. えっ? F-16Vインドネシアにも売り込みあったんですか?

    何で日本に優先割り当てしてくれないの(ブツブツ)