ん?あれ?ミニじゃなかったの??
現代重、次世代イージス駆逐艦大手起工…国内最大規模
送り時間2021-10-05 13:53
現代重工業は5日蔚山本社で防衛事業庁、国防技術品質院関係者などが参加した中で次世代イージス駆逐艦大手起工式を開いた。
起工は艦の最初のブロックを乾ドッグ用に位置付けて据え付ける工程だ。
「朝鮮日報」より
起工した艦は基準排水量8,100tで、韓国のイージス艦の中では最大らしい。
新たなるオモチャ
広開土大王駆逐艦-III Batch-II
えーと、確か次世代イージス艦は「ミニイージス」にするとかいう話だったように記憶している。
KDX-III バッチ2を作る話だったね、コレも。……と思って記事を読み返したら、どうやらミニイージスは別件らしい。KDX-III バッチ2を3隻作る話はこっちのニュースだったね。
韓国海軍、2028年までにイージス艦3隻追加建造
2019.05.01 09:16
韓国海軍がイージス駆逐艦3隻を追加で保有する。また現在最大の島山・安昌浩(ドサン・アンチャンホ)級潜水艦(3000トン)より大きい潜水艦3隻を導入する。
防衛事業庁は30日、国防部で第120回防衛事業推進委員会を開き、広開土(クァンケド)-III Batch-II体系開発基本計画案を審議、議決した。
この事業は2028年までに3兆9000億ウォン(約3720億円)を投入して次世代イージス駆逐艦3隻を追加で導入するというものだ。米ロッキードマーチンは2016年8月、韓国海軍に次世代イージス戦闘体系を供給する契約を結んだと明らかにした。この事業が終われば海軍は世宗大王(セジョンデワン)級(7600トン)3隻に続いてイージス駆逐艦を計6隻保有することになる。
「中央日報」より
過去の記事を掘り起こしてみると、2019年5月には3隻追加でイージス艦を作るという話があった。この時にもブログで触れていたはずだと探したら、やっぱりあった。
ふむふむ、情報を整理していこう。
要求仕様は割と豪華
えーと、以前の記事でも表にしているので、分かった情報を追加した上で表にしておこう。
KDX-III バッチ1 | KDX-III バッチ2 | |
---|---|---|
名前? | 世宗大王級駆逐艦 | 次期イージス艦 |
基準排水量 | 7,600t | 8,100t |
全長 | 165.0m | 170m |
全幅 | 21.4m | 21m |
速力 | 30ノット以上 | 30ノット以上 |
イージスシステム | ベースライン7.1の発展型 | ベースライン9 |
兵装 | Mk.45 mod.4 62口径5インチ単装砲 | 5インチ単装砲 |
ゴールキーバー 30mm CIWS | CIWS | |
Mk 41 VLS(48+32セル) | Mk 41 VLS(48セル) | |
国産VLS 48セル | 国産VLS-I 16セル 国産VLS-II 24セル |
レーダー関連など漏れている情報もあるが、大きくは変わらない印象ではある。3隻作るはずなんだけれども、着工したのは取り敢えず1隻かな。
次世代イージス駆逐艦は対空迎撃と対弾道弾迎撃が同時に可能だ。しかし防衛事業庁は次世代イージス駆逐艦の対空ミサイル機種を選択中と伝えた。現在RIM-161(SM-3)とRIM-174ERAM(SM-6)の中で検討している。米国と日本がミサイル防衛システム(MD)に活用しているSM3を選択すれば韓国のMD編入をめぐる論争を呼ぶ可能性がある。
「中央日報”韓国海軍、2028年までにイージス艦3隻追加建造”」より
この辺りがどうなったかは、今のところ情報は無さそうである。SM-6の搭載は無理なんじゃ?と思っていたが、今のところその内容には踏み込んでいない模様。
拳がない??
ところで、ちょっと前にこんな記事があったな、そういえば。
「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か(1)
2021.08.24 08:07
2024年から実戦配備予定の韓国次期イージス艦(広開土大王III Batch-II)に搭載する迎撃ミサイルの選定が先延ばしされ、北朝鮮弾道ミサイル防衛戦略に赤信号がついた。当初、軍当局は高高度で迎撃できるSM3ミサイル(迎撃高度70-500キロ)を要求したが、その後、防衛事業庁が国内開発に方向を定めたことで生じた結果だ。さらに「現状態でSM3レベルの国産迎撃ミサイル開発は不可能」という研究結果が出て1年以上も経過したが、軍当局と防衛事業庁は明確な理由もなく迎撃体系の選定を先に延ばしている状況だ。
「中央日報」より
今年の8月の記事で、SM3の調達は難しいという分析が出ていた。
特に、米国はすでに廃棄対象の偵察衛星を相手にSM3迎撃試験に成功しただけに、中国は警戒感を隠せずにいる。さらに米国と日本が現在共同開発中の改良型SM3ミサイル(ブロック2-A)の場合、迎撃高度が1200キロにのぼる。
「中央日報」より
記事にも出ているが、SM3は日米共同開発という珍しい兵器である。しかし、SM3を韓国軍が調達するためには日本にもライセンスを求めねばならないハズだ。いや、日米のライセンス契約の内容次第ではそうならないかも知れないが。
しかし、一般的には日本にも拒否権があって、韓国海軍にSM3を保有させようという話には習い青と思う。
そうなると、やっぱり記事で分析されているように韓国産のミサイルを使わざるを得ないだろう。
しかしその後、防衛事業庁が国内で開発中のL-SAM(迎撃高度40-70キロ)地対空迎撃ミサイルの性能改良を代案として出しながら事業方向が揺らぎ始めた。
結局、防衛事業庁の要請で国防部は韓国国防研究院(KIDA)に関連研究を依頼した。ところが韓起鎬(ハン・ギホ)国民の力議員によると、KIDAは昨年7月「SM3の獲得がL-SAM性能改良など他の代案より有利」という結論を出した。
「中央日報」より
L-SAMねぇ。
「優れた迎撃ミサイルだ」と報道されてはいるけれども、その実力はさっぱり分からない。でも、「搭載されている」という体でもそれなりの意味はあるはずだ。
将来性はある(お笑い的な意味で)
しかしまあ、かなり頑張って色々盛り込みたいという意思は伝わってくるね。2024年(記事によっては2028年)に納入予定なので、これからニュースを楽しめそうで何よりである。
燃料節減型補助推進体系も搭載される。
「中央日報”韓国海軍、2028年までにイージス艦3隻追加建造”」より
ところで気になる一文があった。補助推進体系ねぇ。ウォータージェット推進装置でも積む気なのだろうか?あまり良い噂は聞かないけれど。
コメント
https://www.navalnews.com/naval-news/2021/03/south-koreas-hhi-cut-steel-on-new-kdx-iii-batch-ii-destroyer-for-rok-navy/
navalニュースの記事だとCIWSはオウンゴールことゴールキーパーをやめてファランクスにするようですね、ゴールキーパーは非常に重いため搭載位置での重量バランスの考慮が必要で値段も高く30mm弾も高コストだからやめたのかな(多分韓国軍のことだからこの高価な弾薬を十分に確保できていると思えない)
ファランクスにする場合CIWSとしては通常のM61バルカンで使用しているM50 シリーズの20mm弾では威力不足なのでCIWS専用のAPDS弾が必要でアメリカは弾芯に劣化ウランを使用し日本はタングステンを使用した弾丸を生産してる。
韓国も専用弾の生産を計画しているよね、まさかM61用の20mm弾ならウリにも在庫が沢山あるからコストが下がるとか思ってないよね。
(日本もファランクス選定時は弾心が劣化ウランだと採用は無理となりかけたけどオーストラリアがタングステン弾芯で試験したところCIWSとしての使用が可能という結果が出たのでタングステン弾芯のAPDS弾をCIWS用に生産することでファランクスの採用が決定した経緯がある)
nabalニュースは時々参考にさせて頂きますが、3月の頃とちょこっと変わっている感じですね。
ファランクスの話は興味深いです。
相変わらず、「弾が無い!」ってやるんでしょうかね。弾薬に関しては自衛隊も笑えないのですが。
こんにちは。
VLSのセル数が減ってるし、CIWSがファランクスだとすると、やっとで韓国海軍もちょっとは現実的な戦力化ってヤツに目が覚めたんでしょうかね。
……まあ、本当に目が覚めたんなら、バークもどきのイージスより、もっと小回りの利く沿海海軍艦を整備する方が韓国の地政学的状況には合致するはずなんですが。
もっと言えば、海軍力よりまず陸軍力とミサイル防衛と、あと即応能力(特に敵砲撃位置の探知と反撃)でしょうかね。
あと、これの機関が気になりますね。
時代に則ってCOGLAGにするんだと思いますが、鳴り物入りの凝った機関は大邱級フリゲートでミソ付けてますからね、一筋縄でいきそうにないですが。
まあ、ベースライン9が導入出来れば、空軍のF-35ともリンク出来てやっと活用出来るかもですが、そこで海空の縄張り争いとかまた色々出てきそうでwktkが止まりません。
どうなんでしょうかねぇ。
VLSを減らした経緯もよく分かりませんが、現状「半数は空」と言われているVLSですから、多少はマシになった可能性も否定は出来ません。
そして、ご指摘の機関の話。面白いことが書いてありましたよ。何か補助的機関が付くとか何とか。
どうなることやら。
ベースライン9ですが、使いこなせるんでしょうかねぇ?F35とだけ連携しても仕方が無いと思うんですが。
イージスシステムベースライン9は日米共同開発なので輸出には日本政府の許可が必要、日本政府は許可を出したのでBMDシステムが統合されていないベースライン9Aかもしれない。
navalニュースによると「ベースライン9.C2派生物」ということらしいですよ、イージスシステムは。
ただ、そうするとコレが本当に搭載されるか怪しいという話は払拭されないのですよねぇ。9Cってまや型護衛艦に搭載されたタイプなので。
韓国の場合は予定がそのまま実行されることは少ないので、蓋を開けてみないと分からない部分はおおきいのですが。