次期型韓国版イージスのミサイル、国内開発へ

海軍

韓国版イージスねぇ。確か次期型は2030年だっけ。

「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か(1)

2021.08.24 08:07

2024年から実戦配備予定の韓国次期イージス艦(広開土大王III Batch-II)に搭載する迎撃ミサイルの選定が先延ばしされ、北朝鮮弾道ミサイル防衛戦略に赤信号がついた。

「中央日報」より

で、その次期型韓国版イージスのミサイルがちょっと、というのが冒頭に紹介したニュースである。そういえば、このブログでは次期型韓国版イージスについて言及していたっけ?

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク
スポンサーリンク

韓国版イージスの困惑

韓国海軍のイージス艦事情

過去の記事を探してみると、確かに書いていた。

で、この時の記事では、「SM-3かSM-6の搭載を検討しているよ」という話であって、レーダーにはSPY-1D(V)を搭載するとかいう話であった。

現在韓国海軍が保有するイージス艦は3隻のみ。世宗大王級と呼ばれる艦だ。

韓国海軍がイージス艦を保有する意味が一体何処にあるのか?という疑問もさることながら、3隻だけで運用できているのか?という基本的な疑問が残る態勢である。

イージス艦のキモは、イージスシステムを搭載した艦がデータリンクで連携して防空防衛を行う事ができる連携の部分にある。

ところが韓国軍の保有する韓国版イージスは、トップヘビーの重武装艦である。……戦艦にすれば良かったんじゃ無いか?という疑念が出てしまうのも無理はない。高機能なレーダーとAN/UYQ-70ワークステーションによる分散コンピューティング方式が導入されている世宗大王級だが、それ、単体で使う構想なの?と思ってしまう。

現在、韓国海軍は世宗大王(セジョンデワン)級(7650トン級)と呼ばれるイージス艦3隻を保有している。2012年までに配備されたこれら艦艇はAN/SPY-1D(V5)対空レーダーで1000キロ以上離れた弾道ミサイルを探知・追跡できる。

一方、米海軍や日本海上自衛隊のイージス艦とは違い、こうしたリアルタイムのレーダー情報と連動して弾道ミサイルを迎撃できる体系は備えていない。その代わり対空防御用として約24キロ高度内で戦闘機や巡航ミサイルを迎撃できるSM2ミサイルを搭載した。

「中央日報”「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か”」より

んーと、対空レーダーに用いる予定なのは、ロッキード・マーティン社の開発した多機能レーダーで、AN/SPY-1D(V)を採用している。AN/SPY-1D(V5)って?誤植だね。

確か、F-15KとKF-16はリンク16に対応していて、世宗大王級はこれとデータ共有が出来たような気がする。が、その他の兵器とはリアルタイムのレーダー情報を共有できなかったと記憶している。

さておき、「こうしたリアルタイムのレーダー情報と連動して弾道ミサイルを迎撃できる体系は備えていない」というのが、データリンクが一部の戦闘機としかやれないという問題を抱えている現実を示唆していると思われる。

つまり、リンク16を使った情報共有が期待できない中で世宗大王級だけ活動となると、固定砲台的な使い道しかなくなってしまうのではないか?という懸念がある。

そういう意味でも、3隻で打ち止めというのはちょっと理解できないところ。

イージス艦を増やしたい

とまあ、ちょっと扱き下ろしはしたが、韓国海軍としてもイージス艦を増やすのは必須だと考えている節がある。実際にいくつかの計画があって、冒頭のニュースもその計画の一端である。

具体的には、KDX3バッチ2とKDDXである。

KDX3バッチ2は、2022年の後半に進水で2024年11月の引き渡しを予定している。

もう1種類がKDDXで、2030年代中期または後期までに納入する予定であると報じられている。

KDX3バッチ2とKDDXの違いは、KDDXが「ミニイージス」と呼ばれるように、小型のイージス艦を予定しているようだが、どちらかというと国内開発かそうでないかという違いがあるようだ。KDDXは完全国内開発を目指しているようなんだよね。

金があるなぁ、韓国。

SM3は採用が難しい

さておき、韓国海軍が当面入手を目指しているのがKDX3バッチ2で、レーダーはSPY-1D(V)を採用予定であった。

実のところ、アメリカ海軍もイージスシステムの需要が高まっていることもあって、レーダーの方も調達が難しいのでは無いか?という話がチラホラ聞かれている。

しかしそれ以上に調達が困難なのがSM3である。SM-3ブロックIIBは実は日本が開発に絡んでいて、外国が調達するにあたっては日本の了解をとる必要も出てくる。そうなってくると韓国軍としては採用するのに抵抗があるよ、という話になってくる。

当初、軍当局は高高度で迎撃できるSM3ミサイル(迎撃高度70-500キロ)を要求したが、その後、防衛事業庁が国内開発に方向を定めたことで生じた結果だ。さらに「現状態でSM3レベルの国産迎撃ミサイル開発は不可能」という研究結果が出て1年以上も経過したが、軍当局と防衛事業庁は明確な理由もなく迎撃体系の選定を先に延ばしている状況だ。

「中央日報”「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か”」より

その辺りが影響して、韓国の防衛事業庁が国内開発を決定しているのかもしれない。なかなか無謀な話ではあるが、「SM3相当のミサイル開発を国内でやる!」と鼻息荒く決定をした。

が、「無理」という結論は出ている。

結局、防衛事業庁の要請で国防部は韓国国防研究院(KIDA)に関連研究を依頼した。ところが韓起鎬(ハン・ギホ)国民の力議員によると、KIDAは昨年7月「SM3の獲得がL-SAM性能改良など他の代案より有利」という結論を出した。

特に防衛事業庁が主張したL-SAMの改良については「研究開発期間、発射環境などを考慮するとTHAAD(高高度防衛ミサイル、迎撃高度50-150キロ)水準の成熟した体系に到達するのにかかる時間と費用の測定が不可能」と分析した。

「中央日報”「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か”」より

なるほどねぇ。

軍は結論を出せないでいる

んで、韓国軍なのだが。

国内最高の国策研究機関2カ所がこうした結論を出したが、軍当局と防衛事業庁に動きは見えない。20日に開かれた国会国防委員会で韓起鎬議員の関連質問に対し、徐旭(ソ・ウク)国防長官は「韓半島(朝鮮半島)状況で北の弾道ミサイルを迎撃できる武器体系が何かについて深層検討している」とし「意思決定をする」とだけ答えた。

「中央日報”「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か”」より

結論出せよぉ。

記事では、THAAD関連で支那が強烈に反対したからSM3の導入も難しいのではないか?という意味不明な分析をしている。

こうした反応をめぐり軍関係者の間では「釈然としない」という声が出ている。ある関係者は「軍当局と防衛事業庁がためらうのは、武器国産化のほかにも別の背景が作用しているようだ」とし「在韓米軍のTHAAD導入当時、中国と北朝鮮が猛烈に反発しただけに、政府がSM3導入による米国のミサイル防衛(MD)体系編入の波紋を憂慮しているかもしれない」と指摘した。

「中央日報”「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か”」より

関係あるのかなぁ?

正直、支那はTHAADはミサイルがどうこう、という話では無くてレーダーの方が問題視されていると思うのである。そして、北朝鮮が「猛烈に反発」って、敵性勢力が反対したら兵器導入を止めるというのも理屈に合わない。

防衛事業庁は23日、こうした状況について中央日報に「現在、国防部がKIDAの研究結果に基づき関連機関と事業方向を検討中」とし「防衛事業庁はその結果に基づき事業を推進する予定」という立場だけを明らかにした。

中央日報”「目」はあるが「拳」がない韓国イージス艦…北朝鮮・中国を意識か”」より

これ、文在寅政権の間は答えを出せないのかもしれないね。

そうなってくると、2024年に実戦配備の予定も怪しくなる。韓国型イージスは、当面の間は現状の姿勢を続けざるを得ないのかも知れないね。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    なんか新イージス艦建造(これがKDX3バッチ2?)とミニイージス艦(KDDX)とか、南朝鮮ウォッチャーとしてもややこしく過ぎます。(苦笑)
    これに、軽空母やら4000t級原潜まで加わるのですから、論外な冷たく無視すべき蛮族国家のやる事とは言え情報だけは整理しときゃなきゃいけませんね。

    >さておき、「こうしたリアルタイムのレーダー情報と連動して弾道ミサイルを迎撃できる体系は備えていない」というのが、データリンクが一部の戦闘機としかやれないという問題を抱えている現実を示唆していると思われる。
    >つまり、リンク16を使った情報共有が期待できない中で世宗大王級だけ活動となると、固定砲台的な使い道しかなくなってしまうのではないか?という懸念がある。

    世宗大王級駆逐艦は就役当初から指摘されていた致命的な弱点でしたよね。(要は役に立たない)
    しかし、その後アメリカが有事に備え衛星端末を許与したとかで、多少なりともイージス艦としてそれなりにアップグレードされているのでしょうけど。

    リムパックなんかでの他国の客観的な評価はどうなのかなァ~?

    SM3レベルの弾道ミサイル国産開発には高過ぎるハードルがあると思いますが、まあ何時もの通り勝手にやらせておけばいいでしょう。

    • なかなか韓国の装備を追いかけている身としては、分かりにくくて嫌になる部分なんですが。
      何しろ、バッチ2とかバッチ3とかの名前で開発が始まって、唐突に名前が変わって、しれっと就役させるような感じになりますから、追いかけ難いんですよね。

      まあそんな話は僕の愚痴なのでさておき、色々な事を考えて韓国が韓国軍の装備を開発している事実は、なかなかに興味深い話であります。
      これからも監察していきたいなと思っています。

  2. 完全に思いつきですが。
    韓国≒なろう系俺強えー展開を目指す異世界転生もの、という仮説を提案したいと思います。
    つまり、異世界からのチートアイテム(≒米国からの輸入品)によって俺つえーを体現したいという……

    現実は、どんなに素晴らしい兵器を入手したところで、ロジスティックとメンテナンスが追いつかないと豚に真珠、というのも韓国は共食い整備で体現してくれてますが。

    ※知識や個人の技術だけあっても、高炉を作る耐火レンガや建設技術その他、あるいはアルミを製造する電気炉がないとチート出来ない、何でも魔法で解決するんじゃねぇ!という個人的な愚痴はさておきます。

    >日本の了解をとる必要も(略)韓国軍としては採用するのに抵抗がある
    余計な買い物で金を浪費しないで、正面戦力を整える為に絞った金の使い方して、そのために必要な周辺国との国交を大事にしておけば、こんな事にはならなかったんでしょうけれど>韓国

    何事もすべからく、数十年の歴史の積み重ねだと、見識を新たにする次第です。

    • なろう系のチート主人公でしたか!
      その視点はなかった!
      いやしかし、米軍武器を取りそろえればチートで無双という展開も可能でしょう。でも、ご指摘の様にロジがねぇ。
      もうちょっと何が大切で何が大切でないかは取捨選択をすべきであると、それはご指摘通りですね。