6000t級ミニイージス艦を作ろうとしている韓国海軍

海軍

ん?ミニイージス?

6千トン級「ミニイージス艦」 年内に基本設計開始=韓国海軍

記事入力 : 2019/10/10 16:12

韓国海軍は10日、報道資料などで「ミニイージス艦」と呼ばれる排水量6000トン級の韓国型次期駆逐艦(KDDX)の建造に関し、今年のうちに「探索開発(基本設計)」を開始すると明らかにした。

「朝鮮日報」より

新しい駆逐艦を作る、という話なんだろうけど、何を目指しているのか。

スポンサーリンク

ミニイージスって何さ

6000t級!

KDX-III「世宗大王級駆逐艦」は韓国型イージスと呼ばれる船だ。

色々な逸話のあるすばらしい(棒)船なのだが、その話は割愛したい。

確か、このKDX-IIIは6隻建造されるハズだったのだけれど、残念ながら3隻で建造が終わってしまった。

だが、もともと6隻体制を目指していたのだから、「次」という話も当然出てくるわけで。

KDX-III batch II

それが、KDX-IIIのバッチ2の話である。

次期イージス艦建造に変化の兆しが起きている。核心装備であるイージスレーダーシステムの納期延長または機種変更論が提起されているからである。すべての3隻を建造する世宗大王級イージス駆逐艦配置(batch)Ⅱ事業計画によると、来る2023年チョドハムが出てくる。残りの2隻は2027年建造される予定である。ここで外生変数が生じた。韓国海軍用に納品されるイージスシステムを米海軍が優先使用する案が模索されている。米海軍が書き換えたり配置しなければならイージス艦の需要が増えたためだ。遅れる代わり韓国海軍に最新型を供給できるという提案もメーカー次元で出てきた。

「NAVER」より

計画としては、2023年にバッチ2の一番艦が出来上がる予定らしいのだが、この記事ではその船に「AN/SPY-6レーダーを載せるぜ!」と息巻いていたんだよね。

KDDXは、現在6隻を運用中の4200トン級韓国型駆逐艦(KDX-II)よりは規模が大きく、海軍機動部隊の主戦力の7600トン級イージス駆逐艦(KDX-III)よりは小規模であるため「ミニイージス艦」と呼ばれる。韓国の技術を基盤に開発される戦闘システムを搭載する初の駆逐艦となる。

 また、新型イージス駆逐艦(KDX-III バッチ2)は年内に詳細設計や艦建造などの体系開発段階に入り、2020年代半ば以降に戦力化が完了する。軍は現在、この新型イージス駆逐艦に弾道ミサイルの迎撃能力を強化した対空防衛システムを搭載することを検討している。

「朝鮮日報」より

で、そのKDX-IIIのバッチ2が3隻作られるという話とは別に、KDDXというちょっと小さな船を作ろうという話が持ち上がってきたというのが、このニュースなのである。

えーっと、KDX-IIIの話は別の記事でしたいので、この辺りで止めておこう。

KDX IIIよりちょっと小さなKDDX

で、ニュースを読んでもKDDXはKDX IIIよりちょっと小さいと言うこと意外よく分からない。

でも、モックアップは出来上がっている模様。

韓国はKDDX駆逐艦の開発計画を承認

2018年12月28日

韓国は、韓国海軍(RoKN)の海事利益を守るための防衛力強化プログラム管理局(DAPA)を強化するために、韓国駆逐艦次世代(KDDX)プロジェクトの下で新しいクラスの駆逐艦を現地で開発する基本計画を承認しました)12月26日に発表されました。

「Janes360」より

どうやら、予算を18兆ウォンくらい突っ込んで6隻作るとか言う話らしい。

声明の中で船舶に関する詳細は提供されていませんが、ヨンハプ通信社は、DAPAが、2020年代後半までに韓国がKDDX駆逐艦を18兆ウォン(15.9億米ドル)の予算で開発するのと同じ日に言ったと引用しました)、2030年代中期または後期までにこれらの船のうち6隻を配備する予定であると付け加えました。

当局は、無名の「オブザーバー」を引用し、重要な防空、対地、対潜水艦戦能力を特徴とする6隻の船舶の開発と生産の総費用は7兆ウォンを超えると予想されると述べた。

「Janes360」より

18兆ウォンねぇ……。

確か、KDX-IIIは1隻あたり1兆ウォンくらいのコストがかかったはずで。KDDXの開発費自体はかなり盛ったということなのかな?6隻で7兆ウォンを超えるという分析もある様なんだけど、それだったらKDX-IIIを増やした方が良いと思うのだけれど、そのトコロはどうなのだろう。

国産が欲しいニダ!

韓国の国産のイージス艦

で、どうやら、この計画のキモは「国産化」らしい。

KDDXは現在6台運用中4千200t級の韓国型駆逐艦(KDX-Ⅱ)より規模が大きいが、海軍機動部隊の主戦力である7千600t級イージス駆逐艦(KDX-Ⅲ)より規模が小さいという点で、「ミニイージス艦」と呼ばれる。

純粋な国内技術をベースに開発される戦闘システムを搭載する最初の艦である。

「Daum」より

えーっと、どう言うこと?

「イージス艦」というのは、誤解されている部分があるが、イージスシステムの載った艦艇であればイージス艦と呼ばれる。だから、排水量に無関係にイージス艦となる。

韓国が「ミニ」と呼ぶ背景には、イージスシステムの劣化コピーを船に乗せようという計画だから、そういう名前らしいんだね。

上の記事で言及されているAN/SPY-6レーダーも、その辺りの文脈から出てきた話だと思う。何故ならば、この多機能レーダーがイージスシステムのキモになるからだ。

大きさや機能的な部分から判断すると、日本のあきづき型護衛艦に近いものを作りたいと、その様に理解出来る。実際に、あきづき型護衛艦はC4Iとして新開発のQYQ-11戦術情報処理装置(QYQ-5より国産化された戦術情報処理装置で、アメリカ海軍が採用するNTDSに準拠している)を採用していて、レーダーにはFCS-3(日本の技本が開発した関西武器システム)を採用している。

もちろん、日本の国産なのだが……、これを真似したいってことらしいな。ちょうどあきづき型の大きさは満載排水量6,800tでサイズ感も近い感じだ。

結局、「ミニイージス」などと言いつつ、韓国が目指しているのは技術のパクリなんだろうな、と。だとすると平常運転だと言わざるを得ない。

国産化の理由

しかし、海洋国家の日本にとってアメリカのシステムをそのまま使うわけにはいかなかった理由があったが、韓国はどうなんだろうな。

実は、韓国、日米共同開発の弾道弾迎撃ミサイル「SM-3」に匹敵する迎撃システムを自主開発する予定なのだという。

軍は現在、このバッチ2級新型イージス艦に弾道ミサイル迎撃能力が強化されたSM-3級対空防御システムを搭載することを検討している。

「Daum」より

正気の沙汰とは思えないが、アメリカがSM-3を売ってくれないならば、自国で開発を!ということなのだろう。

そのスペックも盛り盛りで、弾道弾の探知・追尾能力はKDX-IIIの2倍以上、潜水艦探知距離は3倍以上に向上するという目標を打ち立てている。弾道弾迎撃ミサイルの開発も、この文脈での話なのだろう。噂によると、技術開発可能と吹聴しているのは現代重工らしいのだが、大丈夫なのかねぇ。

コメント

  1. またもや意味不明のコンセプト先走りで新造艦ですかァ~。(失笑)

    >「イージス艦」というのは、誤解されている部分があるが、イージスシステムの載った艦艇であればイージス艦と呼ばれる。だから、排水量に無関係にイージス艦となる。

    イージスシステムの元々の発想は僚艦を主に空からの攻撃(対艦ミサイルや敵戦闘機)から護る為、何より空母打撃群の「主力空母」を護る為のシステムですよね。
    その防空能力の高さが評価され対弾道ミサイル迎撃に発展し(SM3開発)、BMDの重要アイテムに至ったと僕は理解しています。

    >大きさや機能的な部分から判断すると、日本のあきづき型護衛艦に近いものを作りたいと、その様に理解出来る。実際に、あきづき型護衛艦はC4Iとして新開発のQYQ-11戦術情報処理装置(QYQ-5より国産化された戦術情報処理装置で、アメリカ海軍が採用するNTDSに準拠している)を採用していて、レーダーにはFCS-3(日本の技本が開発した関西武器システム)を採用している。

    日本のマネするのはお好きにどうぞなんですが、各戦闘艦の役割や目的とかそれに見合った配備数を考えているのか、予算にも限界があるはずなのに理解不能ですね。

    専守防衛という縛りの中で北からの有事の際、日本の海自が展開するのはDDGによる弾道ミサイル迎撃が最優先でしょう。
    その上で、日本海に展開する護衛隊は、対潜&救助を含む支援任務のDDH+艦隊防衛の要DDG+対艦&対潜用のDD×2隻で構成されていると考えます。
    まったく足りないのですが護衛艦数の制限があり、これで精一杯なのは懸案事項ですけどね。

    それでも、例に上げられた「あきづき型DD」はスタンドアローンでも対艦&対潜戦に対応できますが、南朝鮮のお笑いKDDXとやらはKDX-Ⅲバッチ2と機能がダブルだけで、またもやトップヘビーの重装備艦に終わりそうな哀しい予感がしますねェ~。

    世宗大王級駆逐艦ですら未だにSM2しか搭載していない訳で、日米で共同開発中のSM3ブロックⅡA&Bを買えると思ってんでしょうか。(売ってくれと懇願はしているらしいけどね)
    無理ならお得意の国産っていつものお笑い路線ですが、日米共同ですら莫大な開発費が必要な兵器ですから、南朝鮮一国の低レベルな技術や安易な低予算でクリアできたら奇跡でしょう。

    >上の記事で言及されているAN/SPY-6レーダーも、その辺りの文脈から出てきた話だと思う。何故ならば、この多機能レーダーがイージスシステムのキモになるからだ。

    世宗大王級駆逐艦ではAN/SPY-1(D)はなんとか売ってもらった様ですが、今の関係悪化の状態で最新のAN/SPY-3はおろかAN/SPY-6なんて、買えると思うのが狂気の沙汰じゃないかな。
    だって、AN/SPY-3でもアメリカ海軍最新のズムウォルト級ミサイル駆逐艦とジェラルド・R・フォード級航空母艦にしか搭載されていませんからね。

    ましてや、今からAN/SPY-6級を国産自主開発...、妄想の次元すら超越してますねェ~。(冷笑)

    • 必要な機能だけを抽出したイージス艦を作る、というコンセプトは悪く無いと思いますが、「全部入り」が好きな韓国ですから、これもコンセプト倒れで終わるんじゃないでしょうか。

      そもそも韓国に必要なのは、イージス艦じゃなくて、イージスアショアみたいな陸上固定型のヤツだと思うんです。
      艦船は小型の沿岸警備が出来る高速艇を用意すればイイと思います。北朝鮮に大型船があると言う話も聞きません。

      浮島式の固定砲台を作った方がよっぽどマシ、という結論にはならないんでしょうね……。

  2. あきづき型の対空能力が強化されているのは、対弾道弾戦闘中のイージス艦は対航空機防空まで手が回らないため、あきづき型が支援するのが目的のようです。
    Wikipediaの記事にも以下の記述があります。
    >本型は、ミサイル防衛対応を重視したミサイル護衛艦(DDG)を
    >中心とする隊[DDGグループ](第3、5、6、8護衛隊)に1隻ずつ編入し
    >運用する。これはBMDを行うこんごう型DDGを僚艦防空することを
    >主務とする本艦型の配置であり、BMDを実施する際にはこんごう型
    >DDG1艦につきあきづき型DD1艦が防空する。

    なので、韓国の「ミニイージス艦」と、あきづき型は運用思想が違うということは押さえておくべきだと思います。
    ※韓国の「ミニイージス艦」が、あきづき型からの着想だとは感じてます。

    SM3に関しては・・・あれだけ「No Japan」と叫んでいれば、韓国は買えないでしょうね。

    • そうですね、あきづき型は、あくまでこんごう型などをサポートするために用意する運用だということですから、そのコンセプトを真似ればまだ救いはあると思います。
      しかし……、北朝鮮の航空戦力や高速艇に対する対応を考えるのであれば、ミニイージスが本当に必要かは……。

      どこと戦うつもりなんでしょうねぇ?
      仮に、日本と戦う気なら、もうちょっと違うコンセプトの方が良いと思うんですが。