【MOU残念】エジプト向けK9自走砲は本契約の遅れアリ

陸軍

ありゃー、ただいま大人気のK9自走砲だが、エジプトへの輸送実績は残念なことになりそうだな。

「K9自走砲」エジプト輸出、未だ手付金も受取れず・・・本契約『遅れ』

2022.10.17 17:31

K9自走砲の「エジプト輸出契約」の発効が遅れている。当初、先月に予定された契約発効が遅くなり、選手金も受け取れなかったことが確認された。業界では政府の技術輸出承認を本契約発効が遅れる決定的な原因と見ている。

「NEWS mt(韓国語サイト)」より

大口の注文で、大はしゃぎだった気がするのだが。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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MOUダメかも?

総額2兆ウォンのMOU

韓国政府が良く使う手法の海外契約で、MOU(Memorandum of Understanding:基本合意契約書)というものがある。直訳すると「覚書」となる。契約や条約、協定などが正式に締結される前段階の合意文書である。

つまり、このMOUというヤツは結構気軽に締結されるが、途中で約束を反故にされたり、情勢が変わって条件変更を迫られたりというのがありがちな合意なんだよね。

エジプト 韓国K9自走砲を導入へ 防衛研究に関する2国間協定にも署名

2022.02.02

韓国大統領府は2022年2月1日(火)、エジプト政府とK9 155mm自走榴弾砲の輸出について契約を結んだと発表しました。

説明によると、先月20日には、韓国とエジプトの2か国首脳会談で文在寅大統領自らK9自走砲をPRし、売り込むなどしており、政府レベルでも多角的に支援してきたそう。加えて、ハンファ・ディエンス・システムズ(HdA)とエジプト国防省は10年以上前から交渉を行ってきており、その長期にわたるやりとりが結実したものだとしています。

「乗り物ニュース」より

あー、この時期はムン君に実績が無くて、頑張って契約をもぎ取ったと大騒ぎしたよね。

たくさん売れそうだったけど、何故か台数は報道されなかった。

そういえばこんなニュースもあったけれど、どうなったんだっけ。この記事を読み返して見ると、当時から融資契約が長期化する見込みであることが書かれているね。

予定通り遅れる

で、今月になってこんなニュースが流れるに至ると。

17日、防衛事業庁と韓国輸出入銀行によると、9月中に予定されていたエジプトとK9自主砲「輸出契約発効」が遅れている。通常、契約が発効するためには国家の技術輸出承認と契約履行保証(P-bond)などが先行されなければならないが、輸出承認が遅れていると把握される。契約発効が遅くなり、ハンファディフェンスは契約発表後8ヶ月余りが過ぎたが手付金さえも受けられずにいる。

「NEWS mt(韓国語サイト)」より

だから、これも当たり前のことが書かれていて、騒ぐ必要のないことだ。本契約に至っていないので、エジプト政府と韓国政府の間で条件闘争をやっていて合意に至らないと、それだけの話である。

8ヵ月の遅れが出ていて困っているハンファディフェンスは、「入るはずの手付金が手に入らなくなって困ったなー」程度のことで、韓国経済が揺らぐわけがないのに(棒)。

ハンファグループ、大宇造船海洋買収へ

話は少し脇道に逸れるが、巨額の赤字を垂れ流す韓国の造船業はついに銀行がさじを投げてしまった。で、買収先を探していたんだな。

大宇造船売却、6度目の今度は成功するか?

2022.9.28(水)

2022年9月26日、政府系金融機関であるKDB韓国産業銀行の会長が記者会見を開き、経営権を持つ大宇造船海洋の買収にハンファグループが名乗りを上げたことを明らかにした。

「JB press」より

もう、韓国の造船業は政府が支援したところでもたない。時々巨額の契約がまとまったというニュースは流れるが、残念なことに船を造って売ってもほとんど儲けにならない状況なのである。

大宇造船海洋下請けのスト 政府が中止求める

Write: 2022-07-14 15:38:07/Update: 2022-07-14 16:53:33

韓国南部・慶尚南道巨済島などに造船所を持つ、造船大手、大宇(テウ)造船海洋の下請け会社の労働者らが、賃金引上げなどを求めて、ドックを占拠して行っているストライキが長期化し、船の建造に支障が出ていることから、政府はストライキを止めて対話に臨むよう労働組合に促しました。 李正植(イ・ジョンシク)雇用労働部長官は14日、「船舶の占拠は明白な違法行為であり、労使双方にとって得にはならない。国内外の経済環境が厳しいなか、大きな被害が懸念される」としてストライキを早急にやめるよう求めました。

「KBS WORLD」より

現在、未曽有のウォン安によって、少しは息をつける状況になっているのかもしれないが、基本的には赤字覚悟で受注している案件である。海外から部品を調達すれば大変なことになるので、できるだけ内製で済ませたいところ。

だが、ストライキで定期的に賃上げ要求が来るので、思うように製造も進まないという悪循環である。

で、ハンファグループくらいしか買い手がなくて、引き受けが決定する流れになっていたのだが……。

ハンファは2008年にも大宇造船を買収しようとしたが、世界金融危機などの影響で諦めた。当時6兆3000億ウォン(約6300億円)を書いたが、現在大宇造船の買収価格は2兆ウォンに減った。大宇造船の企業価値が下がったのがハンファグループが民需と防衛産業部門を全て抱え込む「丸ごと売却」を受け入れた理由という分析だ。ハンファ側は「グループの事業シナジーを極大化するだけでなく、国家基幹産業に対する投資で大企業の社会的責任と役割も疎かにしない」と明らかにした。

「THE KOREA ECONOMIC DAILY」より

随分と安く変えて大満足かと思いきや……、入ってくるはずの巨額の利益が入ってこないとなると、ちょっと大変だよね。

ら、来月中には

ただまあ、K9自走砲関連の契約は単純に遅れているだけのようなので、来月中にはまとまるんじゃないかな?という希望的観測が書かれている。

防衛産業輸出は、輸出契約と融資など金融契約が一緒に行われる。現在、金融契約も締結されてない状態だが、金融契約は、交渉が事実上仕上げ段階に入る来月中に「loan agreement」を締結予定である。

通常、金融契約は、手付け金を除いた契約額で、輸出入銀行は契約額の約80%を輸出基盤資金の形でエジプトに融資する。 形式は輸出入銀行がエジプトに貸し出す方式だが、輸出代金は輸出入銀行から輸出企業のハンファディフェンスに入る仕組みである。

「NEWS mt(韓国語サイト)」より

ん?ローン契約(金銭消費貸借契約)?

あれ、そこからまだ先があるんじゃないっすかね?「予定は未定」なので、まだしばらく粘られそうだね。エジプトとしてもK9自走砲は欲しいのだろうけれど、ウォンが安くなっているから値下げ交渉をしているかもしれない。

金融契約は、通常交渉に数ヶ月かかり、本契約の発効が遅れることとは無関係であるという説明だ。 もともと計画通りなら技術輸出協議会も9月以前に開かれなければならないが、遅れている状況だ。いつ開かれるかも未定だ。核心技術に対して技術移転承認が出なくなれば契約条件が変わり、2兆ウォン台契約が失われる可能性がある。

「NEWS mt(韓国語サイト)」より

たださー、韓国大統領の絡んだMOUって、大抵うまくいかないんだよね。まあ、良いんじゃないかな?ポーランドには大量に売れたんだし。

え?FA-50高等練習機の協議も流れる可能性がある?いや、それもポーランドに売れるんだし、良いんじゃないの。

あ、今回はお笑い韓国軍のタグをつけてしまったけど、ネタとしては大統領の不始末という感じになりそうだね。韓国軍は悪くないよ、うん。

コメント

  1. こんにちは。

    今朝、犬HKが韓国武器産業大盛況!みたいなニュースを流してましたが。

    K2の輸出は、実は現地生産&現地改修(転輪一つ増える程度に大改修)&技術移転のオプション付きの超出血大サービスで韓国の利はほとんど無い、と↓で読みましたが如何に。

    https://wikiwiki.jp/yusuki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%90%91%E3%81%91K2

    K9も、似たようなオプション付けて、とにかく受注は録ったニダ!なんじゃないかと……
    中東の原発もそんな感じでしたし。

    まあ、積極的&活発に売り込みできて、国も国民も後押ししてくれるのは、正直羨ましい限りです。

    • 韓国の武器セールスは、言わばジャバネットタカタ方式です。
      1台買ったらもう1台(違)。お得な技術まで付いてくるサービス満点の商品ですから、購入した国も大満足です。
      利を削っても実績が欲しいのでしょうね。

      ただ、外国に韓国製の兵器が増えれば防衛的な観点から、デメリットばかりではないと思いますよ。戦略的にやっているのであれば問題はないでしょう。

  2. https://hwikija.cyou/wiki/list_of_equipment_of_the_egyptian_army#Artillery_and_missile_systems
    上のサイトによると、エジプト陸軍の自走榴弾砲はM110系統とM109系統みたいで、更には砲身がD-30の乗せ換え型(ソ連製榴弾砲)もあるっぽいですね。
    基礎設計が60年代の物ですから、自走砲の更新ついで榴弾砲も纏めて南朝鮮製のに更新してもおかしくないけど、予算がなさそうだからめちゃくちゃ値切ってそうですね。
    2020年の軍事費が約45億ドルで周辺国の不安定さを考えるとGDP比1.2%とかなりケチっているように思えます。
    というか東側と西側兵器混合運用とは知っていたけどここまで混ざると管理地獄かな?

    • いやー、エジプト陸軍、実に多国籍な兵器を運用していますね。
      インドにまさるとも劣らない感じです。
      こんな事になってしまった理由は、エジプトが政治的理由から味方となる国を次々と変えていったことが影響しているようで、アメリカと仲が良かった時期はアメリカからの兵器導入を、ロシアと仲が良かった時期にはロシアから。と、色々やってしまった結果みたいですね。
      管理は大変なんでしょうけれど…。