地上戦力も怪しい韓国軍

陸軍

この話は既にブログでも指摘している件なので、改めて記事にする必要性は薄いと思うが、韓国メディアのソースが付いたということで、記録のために記事にしておきたい。数字も出ているしね。

空に開いた軍、地上戦も難しい……。老朽した陸軍戦車

入力2023. 1. 5. 07:25

北朝鮮の機甲電力が強化されているが、韓国軍はむしろ後退しているという指摘が出ている。特に韓国軍は戦力化すべき最新鋭戦車すら輸出物量で海外に送られ、対策が緊急な実情だ。

アジア経済より

さてさて、記事では大雑把に言うと「韓国陸軍の戦力が心配」ということを指摘している。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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地上戦力が足りない

国内分も輸出しちゃった

過去の記事はこちら。

ポーランドからの求めに応じて、韓国は2022年の12月にK2戦車を10両と、K9自走砲を24門引き渡した。

これに関してTweetしたら、「K2の正面装甲並みに面の皮が厚い」とかなんとか結構な人に絡まれたんだけど、K2戦車の性能が良いからポーランドに売れたわけではないという認識は特に変わってはいない。

「売れた商品が良い商品だ」という理屈は分かるんだけど、まだ契約段階なんだよねぇ、今のところは。そして、「比類なき戦車」といえば聞こえは良いけど、ポーランドにしても他の国にしても、購入可能な戦車が他にないというところがそもそもの問題なのだ。

ともあれ、今回の焦点はそこではなく、国内分を海外に回してしまったというところが問題なんだということだ。

これに陸軍はK2戦車の導入を急いだ。2014年から実戦配置が始まり、1次量産100台、2次量産106台を経て現在は3次量産物量54台を生産中だ。3次量産物量は昨年10代、今年18台、2024年4台などに分け、京畿道・江原などに配置する計画だった。しかし、ポーランドにK2戦車が輸出され、この量を陸軍に戦力化せずに海外に送ることにした。

問題は、このような状況でも今年の四次量産予算がないという点だ。軍は第4次量産を通じて約150台以上を戦力化しなければならないと見ている。しかし戦車は追加生産されず、むしろ生産物量が輸出物量に転換してみると戦力が弱くなるしかない。

アジア経済より

「戦争中の国が使っている兵器だから評価された」という部分があるのは事実なんだけど、その事で、「自国に配備しなければならない分を売ってしまったこと」が免責されるというわけではない。

  • 1次量産 100両
  • 2次量産 106両
  • 3次量産 54台(生産中) → うち2022年に10両、2023年に18両、2024年に96両輸出(当初、2022年10両、2023年18両、2024年4両は国内配備予定だった)

とまあ、こんな感じの予定になっていて、54両中、32両が輸出に回される模様。第3次量産計画は2022年~2023年の計画になっているので、第3次量産分は記事通りであれば半数以上が輸出に回されることになる。

22両ほど数字が合わないので、このあたりは韓国国内に配備される可能性はあるが、残念なことに明示されていない。

パワーパック問題

ちなみに、K2戦車の製造でついて回っているのがパワーパック問題である。エンジンと変速機を組み合わせた出力ユニットのことだね。

K2戦車に装着する「パワーパック」も問題だ。パワーパックはエンジンと変速機を合わせて呼ぶ用語だ。1台あたり100億ウォンを超える戦車を駆動し、速度、方向を調節するコア装置をいう。パワーパックは「戦車の心臓」で通じる。

軍はパワーパックを国産化しようとしたが、開発に続いて失敗してきた。K2戦車国産パワーパックの変速機開発事業は2005年から2014年まで485億ウォンが投入され、SNT重工業が引き受けた。しかし、2016年からK2戦車の2次量産を始めたが、パワーパックに装着する国産変速機が耐久度テストに合格できなかった。以後、放射庁は2018年、国産エンジンとドイツ産変速機を組み合わせた奇形的な「混合パワーパック」を搭載することに決めた。

最近ではK2戦車を生産する現代ロテムがパワーパックの中で変速機を生産したSNT重工業と契約を解除した。この解約により、SNT重工業は現代ロテムに200億ウォンを超える金額を賠償した。

アジア経済より

そもそもK2戦車は1995年に開発が始まって、2億3000万USドルの開発費を投じて2011年を目処に量産配備する予定だった。

しかし、パワーパックの国産化に苦しみ、2014年に第1次量産分として調達された100両はドイツ製のユーロパワーパックを採用したのは有名な話。

結局、第3次量産に到るまで、パワーパックの国産化に成功することはできず、エンジンは斗山インフラコア社製のディーゼルエンジンを採用し、トランスミッションには独Renk社製のオートマチックトランスミッションを採用している。エンジンの国産化に成功した事は素晴らしいが、加速性能はユーロパワーパックに採用されている独MTU製MT-883ディーゼルエンジンの方が優れている。

K2の機動能力は、停止状態から32km/hまでの加速時間が8.7秒で、ユーロパワーパック装着版の7秒未満に及ばず、要求仕様の基準が緩和された実績がある。

別に国産パワーパックにこだわらなくとも輸出はできると思うが、どうせならばユーロパワーパック版の方がポーランドも嬉しいのでは?

なお、トルコに輸出されてアルタイと名付けられた戦車の方は、韓国製のパワーパックを採用しているらしいが、2024年に量産化を目指すことになっているらしい。が、韓国国内でパワーパックの開発に失敗しているのに、トルコで成功するハズもないわけで。これもどうなるのか注目しておきたい。

現在の主力はM系戦車?

さて、こんな感じで韓国陸軍の主力となるはずのK2戦車は国内配備が206両(22両が追加された可能性はあり)しかない。

しかし、北朝鮮軍との戦力差を考えると、陸上戦力はこれだけでは足りず、K1戦車と、未だ退役させてもらえないM48「パットン」が運用されている。

img

アメリカ製の名品ではあるのだが。

5日、軍によると陸軍が運用中のM系列車はM48A3K戦車(200台代)、M48A5K戦車(400台代)だ。だがM48系列戦車は川を渡れる渡河能力がなく、起動中に射撃が不可能だ。また、能動防護装置(対戦車ミサイルなどに接近する脅威体を検知、追跡して自ら防護する技術)や爆発できる反応装甲などがない。7つの師団で運用中のM系列戦車は老朽化が激しく、機動力が時速50kmから20~30kmに落ちる。

修理と維持費も去る2011年基準M48A5K戦車整備費で総173億3900万ウォンの予算が編成された。1台当たりの年間平均整備費が3500万ウォンに上るわけだ。特に修理付属4773個のうち906品目が生産中止された。戦車砲身の場合、2019年からこれ以上生産していない。

アジア経済より

この戦車が如何なる状態であるかは、別の記事で触れている。

機動力の低下も著しいが、傾斜路だと20度を超えると登れなかったり、夜間照準にも問題があるのだとか。

それでも、2022年になっても600両以上が運用中というから驚きである。……数年前から状況が変わっていないところを見ると、実働車両はもっと少ないと予想される。何しろ、補修部品が枯渇しているのだから。

そして、記事ではK9自走砲については触れられていないのだけれど、こっちも似たような問題があるのではないかな?

一番心配なのは、韓国軍兵士の士気低下だと思うんだけどね、こんな状況を続けていると、士気が下がるのも当然だろう。そういう意味では、韓国軍の地上戦力が足りず、北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねないし、実戦になって果たして戦えるのか?という疑問を抱くのは当然である。

追記

関連記事があったので、紹介しておきたい。

現代斗山インフラコア、ポーランド輸出K2戦車用のエンジン供給

登録 : 2022-12-13 15:21:03修正 : 2022-12-13 15:21:03

現代重工業グループの建設機械部門の系列会社である現代斗山インフラコアが独自技術で開発した防衛産業用エンジンを海外に初めて披露する。
 
現代斗山インフラコアは現代ロテムと1800億ウォン規模の戦車用エンジン供給契約を締結したと13日、明らかにした。
 
今回契約を締結したエンジンは、来年6月から3年間、現代ロテムに順次供給され、ポーランド輸出用K2戦車に搭載される。 これに先立ち、ポーランド軍備庁は7月、次世代戦車導入のため、現代ロテムとK2戦車180台の輸入契約を結んだ。
 
該当製品は27ℓ排気量のV型12気筒ツインターボディーゼルエンジンである。 現代斗山インフラコア独自の技術で開発されたこのエンジンは、1500馬力で56t戦車を最高時速70kmで走行できるようにする。 燃費と低温始動性に優れているという評価を受けている。

亜州経済より

日付は2022年12月13日の記事で、K2戦車のパワーパックのエンジン部分に関するニュースである。

このエンジンが果たして新開発のものなのか、従来からK2戦車に搭載しているものなのかは調べられなかった。以前からDV27Kという型の現代斗山インフラコア社製エンジンをK2戦車に搭載していたのだから、同じものの可能性もある。

注目したのは、「現代斗山インフラコアが独自技術で開発した防衛産業用エンジンを海外に初めて披露する」という部分だ。トルコのアルタイ戦車向けに準国産パワーパックをテスト段階として供給していたハズなのだけれど、「海外に初めて披露」ということは……?やっぱり新製品なのだろうか。

少なくとも韓国内向けのK2戦車には搭載していると信じたいが、どうなんだろうね。

コメント

  1. 謹賀新年申し上げます。
    今年もご多幸をお祈りします。

    さて。
    >「戦争中の国が使っている兵器だから評価された」という部分があるのは事実なんだけど、その事で、「自国に配備しなければならない分を売ってしまったこと」が免責されるというわけではない。

    ……いやむしろ、戦争中の国が国内向けの主力兵器を外に横流ししちゃダメでしょう……

    というのはさておき。

    F-16の墜落原因にも繋がりますが、特に中国で顕著ですが、
    ・最初のロットは仕様通り作る
    ・製造が進むと、だんだん仕様通りでなくなる。その理由は
     ・こっちの部品の方が安い
     ・この方が楽に作れる 等々。
    ・結果として、あるロットから不良品が爆増する
    という、中華製造あるあるが、整備面でも発揮され、最終的にアイゴー!な結果が頻発するのだと、そしてそれを反省することがないから同じ事が繰り返されるのだと思っています。
    ※反省しない理由は、自己の責任を誰かになすり付けてつるし上げて鬱憤晴らして終わりにするから、でしょうね。自分に落ち度があって、改善しなけりゃとは思わない(思いたくない)。

    K-9もK-2も、お買い得値段で今買える最新の兵器なのだと思いますが、買った方が「安いもの買いの銭失い」にならない事を祈ります。

    ※にしても。M48って、正式採用は61式よりも前なんですよね……

    • あけましておめでとうございます。
      韓国軍の整備問題はずーっとついて回りますが、なかなか抜本的な解決に至る事は無いと思いますよ
      まあ、韓国軍のことですから「傍観者」的な立ち位置で眺めていれば良いのですが……、これが共同戦線をはる相手になる可能性があると思うと、もうちょっと何とかして欲しいところではあります。

  2. こんばんわ。K戦車のパワーパック問題は、実は何年も前からお笑い韓国軍のネタに紹介されていましたが、何も変わらないというか、対策しなかったようで。
    ポーランドも、今なら信用が落ちて価格か下がったロシア兵器を安値で……てのはムリですか(笑)
    しかし、よりによって自前でメンテできす、ブラックボックスのパワーパックを開けて元に戻せず、ドイツに怒られた国の製品を買うかなあ?

    • 何年も前から触れていますけど、現状は変わらず。
      韓国軍は相変わらずだと思います。
      そして、ポーランドが何故アンナその選択をしたのか?というのは、理屈では分かりますが「よりにもよって」という気持ちはどうしても払拭できませんねぇ。
      まあ、「数を揃えたい」と言ったときに、ドイツからもアメリカからも調達が渋いことを考えると、選択肢の一つとして「あり」なんだとは思いますが。