K2戦車の第4生産分にも国産パワーパックはムリ

陸軍

まあ、ムリでしょう。

K2戦車追加量産… 国産パワーパックは

2021.06.26 08:00 記事入力 2021.06.26 08

韓国軍がK2戦車4次量産を準備していることが知られ、国産パワーパックを搭載することができるかに関心が集まっている。黒豹という別名を持つK2戦車は、1次量産(100輌)、2次量産(106輌)、3次量産(54輌)が推進されたが、国産パワーパックの開発に相次いで失敗したので外国産パワーパックを使用してきた。

「韓国メディア」より

この記事はチョット興味深かったのでちょっとだけ寄り道しながら突っ込みを入れていこうと思う。

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老兵が去れない韓国

M48「パットン」は現役

皆さんご存じ、韓国の主力戦車と言えばK1戦車であり、何故かバージョンが幾つかあるという状況になっている。

では、次世代を担うとして期待されたK2戦車は、というと思う様には配備は進んでいない。そんな訳で、韓国では未だにM48「パットン」が現役として活躍しているとのこと。

今の戦車のように平ぺったくない構造ではあるが、何とも趣のある良い戦車だ。実際、名機として活躍した。

陸軍はM48系戦車を完全に置き換えるためには、K2戦車の追加量産が必要だという立場だ。4次量産を通じてK2戦車を360以上増やすということだ。陸軍が運用中のM48A3K戦車は現在200台、M48A5K戦車は400台が実戦に運営されている。

「韓国メディア」より

だが、アメリカ製の名戦車M48「パットン」は、1950年代にアメリカ陸軍に配備された老兵である。流石にアメリカ陸軍では既に退役させている。

で、韓国軍が採用しているのはM48A3KとM48A5Kの2タイプ。1980年代から配備が始まっているようなので、韓国でもかなり老兵である。

にもかかわらず、韓国では未だにM48A3Kが200輌、M48A5Kが400輌で計600輌も運用しているのだとか。驚きである。もっと少ないと思っていた。これでは、実質主力戦車じゃ無いか。

最高速度は30km/h

だが、流石に色々不味いらしい。

M48系戦車は、渡河能力がなく、起動中に射撃がされず、アクティブ防護装置や反応装甲などがない。7個師団で運用されているM系列戦車は老朽化が激しく、機動力が時速50kmで20〜30kmに落ちる。修理と維持費も、2011年基準M48A5K戦車整備費の合計173億3900万ウォンの予算が編成された。1台当たりの年間平均整備費3500万ウォンがかかることになる。特に修理部品の4773個のうち906品目が生産中止になった。戦車砲身の場合2019年からこれ以上の生産していない。

「韓国メディア」より

老朽化が進んだことで、最高時速は20~30km/hになってしまっているらしく(カタログスペックは48km/hである)、随分とギアや足回りが痛んでいるようだ。坂道を登れないとか、障害物を越えられないとか、色々不具合の噂も聞こえる。

コレはエンジンもかなりきているということなのだろう。

ちなみに、M48A3Kには43口径90mmライフル砲を採用しており、一方のM48A5Kには51口径105ライフル砲が採用しているが、何れも砲身の生産がされていないようで、今後は激減していくだろう。だって、主砲の無い戦車に一体何の意味があるのか。

その他にも多くの部品が生産中止になっているとのこと。既に1/6程度の部品が既に生産中止しているようだ。

ところで、「渡河能力がない」というのは、韓国では困った事になるね。北朝鮮を相手にするには38度線を越える必要がある。そのとき渡河能力はほぼ必須。

そんな訳で、入れ替えのためにもK2戦車を生産せよと言うことなのだけれど、ギア回りが未完成で、国産化しようとすると結構な額の投資が必要となってくる。

とはいえ、少なくとも第4次生産は必須だということで「作ろう」という流れになっていて、国産パワーパックが今度こそ搭載されるのか?というところに注目が集まったらしい。

契約解除

もちろん、そんな中で残念なお知らせが。

軍はパワーパックを国産化しようとしましたが、開発に相次いで失敗してきた。最近では、K2戦車を生産する現代ロテムがパワーパックの変速機を生産したSNT重工業との契約を解約した。この解約によりSNT重工業は現代ロテムに200億ウォンを超える金額を賠償した。4次量産でも事実上、国産パワーパックを使わないだろうという観測が出てくる理由だ。

~~略~~

政府関係者は、「現在としては4次量産が進めても国産パワーパックを使用する可能性は希薄だ」とし「また、国産パワーパックの装着を推進する場合、10年以上戦車の生産の足首をつかんできた業者に再び引かれているという批判も出てくることができる 」と述べた。

「韓国メディア」より

簡単に言うと、短時間での韓国産パワーパックの完成は不可能で、少なくとも第4次量産には間に合わないという話。

なにしろ、SNT重工業がギア関連を担当していたのだけれど、どうしても性能が出なくて本体を作っている現代ロテムがSNT重工業との契約を解除してしまったのである。これは、SNT重工業だけの韓国では国内で鍛造製品を作る能力が低いという事がネックになっているとみられる。

そんな訳でこの他に適当なメーカーがいないので、実質的に開発がストップという事になった。

一方で、ドイツの企業はこの手の製品を作る事に長けているのだが、しかし随分長らく軍事にお金を使わない体制となっているので、ドイツの軍事製品も信用が出来なくなりつつある。自国の兵器すら真っ当にメンテナンスができていない状況だと聞くと、ドイツは何故そうなってしまったのか?

いつまでもドイツにユーロパックの製造を頼るわけにも行くまい。

対して、欧州勢としても、韓国が随分と紅く染まってきたことを快く思っていないようだ。そうなると、外国にパワーパックの製造を任せる線も厳しい状態だよね。国産化を頑張るか、戦車を諦めるか、或いは性能を諦めるか。悩ましい話だろう。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    260台で終わりかと思っていましたが第4ロット準備中なんですね。
    シラっとパワーパックは外国産とか言っちゃって、あれほど国産とハシャイでいた恥ずかしい結末はスルーの様です。

    >韓国では未だにM48A3Kが200輌、M48A5Kが400輌で計600輌も運用しているのだとか。驚きである。

    第1世代の戦車を後生大事に使っているのなら感心ですが、それにしても数が多すぎますね。
    陸軍保有戦車は2400両くらいのはずですが、1/4がスクラップ寸前とは何とも悲惨で同情しちゃいます。

    ところで、再朝鮮有事で陸戦となるはずの北朝鮮の戦車は何両くらいなのかなァ~。

    • 260輌という数字が果たしてどこまで意味を持つものなのかは危惧しています。
      K2戦車って、どこまで稼働しているんでしょうね?実戦投入可能なレベルなのかもよく分かりません。
      いや、演習で走向している姿は見たことがあるので、動く事は動くんでしょうが。

      そして、M48がまだ1000輌も残っている事にビックリしたワケですが、ここ数年で使えなくなる車両が激増するハスなので、使えるのは1/3程度かも知れませんね。
      それでも、K2戦車を増やさないことには、なかなか。
      ここでK1戦車を増やせというアイデアがでないところが韓国らしいのですが、100%国産で無い所が色々と問題に影響するのでしょうな。K1A1とか部品が無いといってヒーヒー言っている状況ですからね。
      韓国軍の兵士達は、こういった信頼性の薄い兵器で闘う気になれるんですかねぇ。士気は薄そうな気がします。、