ついに韓国産K2戦車が完成、ただし外国で

陸軍

何というか、アレだな。触れるほどの話ではないのだけれど、韓国にしてみれば随分皮肉な話ではある。

At long last, Turkey’s Altay tank finds an engine from South Korea

March 8

ANKARA, Turkey — Turkish armored vehicle-maker BMC has reached an agreement with two South Korean companies for work on the power pack of the future indigenous Altay tank, a senior official with BMC told Defense News.

「DefenseNews」より

このブログでは大人気のK2戦車「黒豹」だが、トルコに輸出されて「アルタイ」戦車になっているというのは有名な話。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク
スポンサーリンク

トルコの戦車「アルタイ」

アルタイはパワーパックを韓国から調達する予定だった

トルコの国産戦車製造計画は1990年代半ばに開発が始められたのだが、あまり上手いことは行かなかったようで。

開発機関は2008年~2012年で、韓国企業ロテムの技術協力を得て国産戦車を作る話が、韓国からK2戦車の技術を調達する話になってしまった。

しかし、結局未だに韓国ではK2戦車の国産パワーパックは完成せず、未完のままで終わりそうなのだが、そこの話はこのブログで散々やったので、引用だけしておこう。

さて、ガワだけ出来上がったK2戦車の技術を得たトルコ、やっぱりアルタイ戦車もガワだけしか得られない。そんな訳で、韓国産のパワーパックを諦めて三菱重工に声をかけたり、ドイツのパワーパックを導入するという話になった。しかし、トルコの政治状況の懸念からドイツのMTU社製エンジンとRENK社製トランスミッションが手に入れられない状況に。

シリア内戦への関与は、西側諸国としても看過できない話だから、ある意味仕方が無いのだが。

韓国産のパワーパックを調達

ところが、韓国で開発失敗したパワーパックを導入しようというのが今回のニュースである。

The source, speaking on condition of anonymity, said the company signed deals with Doosan and S&T Dynamics to supply the engine and transmission mechanism for the Altay.

“These [deals] are the result of a strategic understanding between our companies and countries,” the official said.

A senior defense procurement official in Ankara confirmed “there was a breakthrough agreement” between BMC and South Korean defense companies. He did not elaborate on the terms.

「DefenseNews”At long last, Turkey’s Altay tank finds an engine from South Korea”」より

匿名の情報源からの情報なので、信憑性に関しては疑問が残るものの、確かに斗山とS&TダイナミクスはK2戦車用のパワーパックを開発し、形にしている。

ただし……、韓国企業がRENK社製のトランスミッションからかなり構造を拝借しているので、ギアなど一部の部品は多分ドイツ製である。そこはドイツとして大丈夫なのか?という気はするのだが、何とかするのだろうね、きっと。

The first 100 units were built with a Doosan 1,500-horsepower engine and an S&T Dynamics automatic transmission. Under a second contract, some tanks were delivered in late 2016. But after S&T Dynamics’ transmission failed durability tests, South Korea’s Defense Acquisition Program Administration announced the second batch would have a “hybrid” power pack consisting of the locally developed engine and the German RENK transmission system.

「DefenseNews”At long last, Turkey’s Altay tank finds an engine from South Korea”」より

記事には、トランスミッションの耐久テストに失敗した事をまで言及されているが、それでもなお韓国製のパワーパックを導入する計画であるという報道となっている。

Under the latest deals, the South Koran companies will supply the power pack and assist with its integration into the Altay. A test phase will follow, and if all goes well, the Altays may be powered by Doosan and S&T Dynamics within 18 months, the BMC official said. BMC expects to ink more definitive versions of the two deals within a couple of months.

「DefenseNews”At long last, Turkey’s Altay tank finds an engine from South Korea”」より

そういう意味では、粗悪品でもドイツから買うよりはマシ、というか、ドイツ製が入らない以上は無いよりマシという判断なのだろう。

もともと、韓国製のパワーパックは、韓国軍の要求仕様が不適切だったこともあって、性能は低いなりに機能する状態ではあったらしい。

そんな訳で、アルタイとして完成するK2戦車

この内容は韓国国内でも報じられた。

10日、関連業界によると、トルコの戦車メーカーBMCは、アルタイ戦車に斗山インフラコアのエンジンとSNT重工業の変速機を組み合わせた国産パワーパックを導入することを決定し、早いうちに、トルコ自体の仕様に応じたパフォーマンステストを終える計画だ。

BMCは、パフォーマンステストを実施するために、一度、斗山インフラコアとSNT重工業とエンジンと変速機それぞれ2台の供給契約を結んだ。BMCは、テスト手順が終わり次第、国産パワーパックを装着したアルタイ戦車の量産に突入する方針だ。

~~略~~

特に、トルコ側が希望するパワーパックの性能は、国内の性能テスト基準の約70%のレベルにあることを伝えられた。

「NEVER」より

まあ、それでも韓国としては売れるだけ嬉しいワケだし、トルコとしては動くだけマシなのだろう。

業界のある関係者は、「国産パワーパックが、トルコのK2黒豹の兄弟戦車に先に投入されている皮肉な状況」とし「アルタイ戦車に搭載された国産パワーパックが完全性能を出すなら、今後K2戦車完全国産化を実現するのにも役立つものと思われる」と語った。

「NEVER」より

ちょっと幸せ回路が発動してホルホルした記事になっているが、強ち間違いではないだろう。ただ、韓国製はテストでスペシャルメイドを使うことは有名なので、実際に配備したらトラブル続出でとんでもない事態に陥ることはままある。

トルコとしては苦渋の判断なのだろうけれど、メンテナンスをマメにやれば韓国製のパワーパックでも使えないというわけではないだろうという判断らしい。

トルコで実証されれば韓国にも逆輸入を、というのはどうかと思うが、SNT重工業がしっかりトルコ用のトランスミッション製造に取り組めば、もしかしたら光明が見えるかも知れないな。大抵はそうはならないから韓国製なのだけれども。

コメント

  1. この話でトルコは最初から禄でもないババ引いた感じしかしないんですけどね。(まあ結果論ですが)

    陸自の10式を含め3.5世代戦車って元々チョイスする幅が狭いから、名前に釣られてK2に決めたが、3.5世代どころかマトモに戦力化にならない欠陥だらけと判り大慌てって構造かな。

    それでもサウイジアラビアが250両購入とかアルタイ戦車自体は競争力がありそうですが、肝心なパワーパックがまず成功するかどうかでしょう。

    >ドイツ製が入らない以上は無いよりマシという判断なのだろう。
    >トルコとしては苦渋の判断なのだろうけれど、メンテナンスをマメにやれば韓国製のパワーパックでも使えないというわけではないだろうという判断らしい。

    背に腹は代えられないのでしょうけど過酷な砂漠地帯で十分な性能を発揮できるか、そして稼働率を維持するメンテナンスが大変そう。

    • 韓国製の何が不安かって、熱対策が疎かなのでは?というところなのですよね。もちろん、防塵対策も不安ではありますが。
      トランスミッションですから、細かい砂が入り込まないようにシールすることは必須でしょうが、熱の方はねぇ……。
      その辺りを含めて不安しか無いのですが、メンテナンスで何とかなるものかどうか。

      ドイツ製が必ずしも良いとは限りませんが、トルコはトルコで開発するのが一番だと思いますよ。
      三菱重工も、トルコが輸出前提でなければ商売できたのでしょう。昨今の情勢では技術協力というのも厳しそうですけどね。