【K2戦車】性能もダウン!価格もダウン!韓国防衛事業庁の戦略

陸軍

コメントでご指摘感謝。

しかしこの記事、どこから突っ込んだら良いんだ!!!

基準に満たない戦車向け部品、韓国防事庁が安価買い入れを検討

記事入力 : 2020/07/28 11:20

韓国政府の防衛事業庁(防事庁)が、16年にわたり開発を進めているK2戦車のパワーパック(エンジンと変速機を結合した動力装置)国産化事業と関連して、S&T重工業が開発中の変速機の耐久性基準を70%へ下げる代わりに価格も70%とする案を検討していたことが27日までに分かった。

「朝鮮日報」より

うーん、お買い得?

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K2戦車のパワーパックは未完成

パワーパックはドイツ製

韓国の冶金技術は未熟で、強度の必要な部品を作ることにはかなりハードルが高いらしい。そんな噂が囁かれる程度には、K2戦車の完全国産化が難航し、それは未だに解決していない。

ちょっと前のK2戦車の記事も紹介しておこう。

で、韓国の誇るK2戦車「黒豹」だが、ザックリ説明しておくと、こんな感じの経緯を辿ったようだ。

  • 1990年代に戦車開発を決定
  • 1995年に開発開始
  • 2011年に初号機生産予定 → 2013年に延期 → 2014年にドイツ製パワーパック搭載で35両納入
  • 2019年に、韓国製エンジン+ドイツ製変速機の組み合わせでK2戦車に搭載する方式で製造

まあ、この勘にもトルコに戦車を輸出することにしたとか、トルコに「パワーパックは未だか!」と怒られたり、色々あったのだけれども。

性能にあわせて基準を下げる

そもそもこのK2戦車、要求仕様を満たすことが出来ずに基準を下げて貰ったのに。

「不良心臓」つけて出てくるK2黒豹戦車…的の前に立った?

記事入力2014.10.23 午後2:41 、最終修正2015.01.19 午後6:57

防衛産業(防衛産業)と辞書の意味で「国家防衛のために軍事的に必要とされる材料の生産と開発に貢献する産業」である。つまり、防衛産業の目的は、企業や個人の営利を取るためではなく、国を防衛するために必要な材料を生産し、開発し出すためにあり、国の防衛と私的営利は決してその優先順位が逆になることができず、後変わってもいけない。戦場で兵士の命、さらに戦争が起これば、国民の生命と直結した問題であるからである。

ところが大韓民国防衛産業の歴史の中起きてはならないこと事件が起きた。

~~略~~

今回問題になっているのは、加速性能であった。当初合同参謀本部が要求した加速に関する作戦要求性能(ROC)は0→32 km / hまでの8秒以内に到達しなければならないということだった。しかし、この会社が作った国産パワーパックは、8.7秒かかり、いくらテストをしてみても、この記録は破られていない。

~~略~~

当初ROC修正に反対していた合同参謀本部は、防衛事業庁の強力な要求に負けて、最終的に野戦教範解釈を変更するヒントやトリックでROCを8秒から10秒に変更しました。教範によると、これまで砲弾を避けるためには、25秒以内に100mを移動する必要がするが、国産パワーパックを装着したK2戦車は25秒に180mを移動することができますので、問題がない解釈である。しかし、教範で話している25秒以内に100m移動速度性能25.9 km / hを話したのではなく、瞬間的な加速を介して襲撃場所から抜け出すことができる能力、つまり瞬発力を話したので、合同参謀の教範解釈は理屈に合わない(語不成說)である。

「NAVER」より

結局、性能も残念なら耐久性も残念で、採用されるには至らなかった。

まあ、そのこと自体は韓国の技術が未熟だからという話で済むだけの話なのだけれど、今回の報道はそういった話に通ずるもののようだ。

防事庁が27日に保守系最大野党「未来統合党」所属の韓起鎬(ハン・ギホ)議員室へ提出した資料「K2戦車3次量産計画国産変速機適用可否」によると、防事庁は「最初の生産品検査で国防規格充足時に国産変速機を適用する」としつつも「未充足の場合でも一定水準以上の耐久性が立証される場合には多方面の国産変速機適用案を検討する」と表明した。防事庁は、K2戦車の変速機国産化のため「320時間の耐久試験を行い、欠陥があってはならない」とする基準を立てた。それなのに適用基準を変更したら、耐久性基準に満たないS&T重工業の変速機を使えるようになる-と韓議員室は指摘した。

防事庁は、規格免除の具体的な案まで用意していた。第一は性能水準に比例して契約金額を減らそうという案で、耐久度性能が70%であれば契約金額の30%を減額するというものだ。性能を70%しか充足していないのなら価格も70%にしたいという意味だ。また防事庁は、減額幅に当たる分を無償で納品させる案も提示した。例えば、変速機10台を納品したとして、耐久度性能が70%であれば、3台は無償で追加納品させるという趣旨だ。

「朝鮮日報”基準に満たない戦車向け部品、韓国防事庁が安価買い入れを検討”」より

ここに出てくる第三次量産計画というのがミソである。

K2戦車のパワーパックは、2009年頃から「国産化は無理じゃ無いの」と噂される程度には問題が頻発していて、2012年にはドイツ製のパワーパックを搭載して採用することを決めていた。

しかし、実際には第一次量産計画の100両は2014年にようやく戦力化された。構想開始から約20年かかった事になる。

そして、第二次量産計画では2018年に国産エンジンとドイツ製トランスミッションの組み合わせとしたK2戦車80両を調達することが決定され、2019年より引き渡しが行われている。

今回問題になっているのは、第三次量産計画の118両分で、これが完全国産化を目論んで見事に性能がでないという事のようなのだ。だから、性能を落として価格も落としますって……。

んな馬鹿な。

国産化して価格が下がれば大勝利?

とはいえ、である。オドロキの判断ではあるが、韓国にとってはK2戦車の国産化は必須であると、そう考えるならば、案外悪い選択肢では無いのかも知れない。

外国に売りつける場合には、外国製のパワーパックを採用しているよりも韓国産パワーパックの搭載を謳った方が調達の面ではスムーズだしね。何しろ、外国製のパワーパックを使う場合には、別途、パワーパックの販売許可とか色々な手続きが必要であることと、パワーパックを止められると輸出が出来ないなんて事にもなる。実際にFA-50軽戦闘機では似たような事が起こって大騒ぎになっていた。

そういう意味では、少々性能が低くても国産のパワーパックを供給できれば、それなりのメリットはあると思う。更に価格が下げられるのであれば、韓国軍としても大喜びだろう。兵士にとってはたまったものでは無いとは思うけどね。

多分、性能も引き下げられたままなのだろうし、その上耐久性も引き下げられているとすれば、そんな戦車に乗りたくないと願うのは人情である。お国の事情でショボイ兵器を使わなくてはならないというのは、日本としても笑ってはいられない話なんだけどね。

販売するときは「廉価版です」と正直に言うべきだと思うよ。

コメント

  1. まさに現代のボトムズ(最低野郎)簡単に火を吹いたり内部に砲弾が飛び込む様子が目に浮かびました。
    今の仕様でも当初予定していた対ミサイルデバイスなんかが省かれたフルスペク版では無かったハズですが、その内足りない馬力を誤魔化す為に装甲中抜きしたりして?

    • K9自走砲は実際に車内で火を噴きましたから、なかなか洒落にならないかも?
      低スペック版を販売するのはアリだとは思いますけど。

  2. いつもお疲れ様です!

    国産化できれば何でもオッケーな姿勢は勇ましいですけど本当に戦争中なことをわかってるんですかね?

    https://news.yahoo.co.jp/articles/191574a3ca0ee2fc79bbaf98c665a8a787e48ca2

    韓国の兵器事業の記事はいつも鼻息荒いですけど、個人的にはすぐ壊れる兵器なんていらないと思います

    • K21ベースのRedback AS-21 IFVについては英語版Wikiにちょっと書いてあるだけですね。
      この記事のドイツのラインメタルのリンクス(Lynx)は https://en.wikipedia.org/wiki/Lynx_(Rheinmetall_armoured_fighting_vehicle)
      に詳細が出ています。

    • ご紹介いただいたネタは別記事にて。
      実は、K2ネタよりも先にレッドバックさんの記事を書いていたのですが、K2の話を見つけて大喜びしちゃいまして、コチラを優先しました。
      何にせよ、ネタ満載で面白いですよね。

  3. いやはや、もう「国産」という不毛な勲章の為なら何でもアリって感じの大迷走ですかね?

    >今回問題になっているのは、第三次量産計画の118両分で、これが完全国産化を目論んで見事に性能がでないという事のようなのだ。だから、性能を落として価格も落としますって……。
    >んな馬鹿な。

    開発し年を重ねれば重ねるほどほど劣化しちゃう商品...、普通の消費者ならいくら安くても買うのを躊躇ったいますよねェ~。
    ただでさえ開発に20年をとうに越し25年になろうとしているのに、その性能は劣化モンキー化する一途...、最新&先端で超極秘機密なのが当たり前の兵器(それも陸軍の主力)なのに、そんなお莫迦で生身の兵士に過酷な最新鋭戦車なんて世界的にも前代未聞じゃないのかなァ~。(冷笑)

    ちなみに日本は車にしろ電化製品にしろ、一番厳しい工業用各種製品のスペックは厳し過ぎるくらいですし、不良率によるクレーム対応なんてちょっとやり過ぎと思うくらいなんですが、カタログ上の製品スペックは基本実質性能の70~80%ってのが常識と考えています。
    つまり、企画段階でカタログスペックは100%を目指し製品化するのは当然、実際はその1.5倍位の性能で製造・検査を通過して市場に出せるって事。

    >多分、性能も引き下げられたままなのだろうし、その上耐久性も引き下げられているとすれば、そんな戦車に乗りたくないと願うのは人情である。

    他人事とはいえ不幸な事故で犠牲者が出ない事を祈るしかないですね。

    • 「国産化」がネックなのでは無くて、武器輸出を前提に考えているからコノザマなのだと思いますよ。

      このパワーパックの開発には10年以上の月日を費やし、当然開発費を費やしていますから、なかなか「止める」という判断ができないのでしょうね。
      韓国軍は民間に多数天下り軍人を出していますから、「やっぱ止めます」とは言えないのでしょう。

  4. 北朝鮮のガス欠旧式戦車相手なら、十分な性能なのでは?
    ヒトマル式を相手にする意味ないし。