変速機問題で揺れるK2戦車、生産の再開に動く

陸軍

たいした記事でも無いので、触れておくだけにする。

変速機問題で生産中断の「K2戦車」、2次量産出庫式を開催

2019年05月27日10時34分

K2戦車の第2次量産事業の最初の生産分が出庫された。現代ロテムは27日、防衛事業庁と昌原(チャンウォン)工場でK2戦車第2次量産出庫式を開いたと明らかにした。出庫式はK2戦車第2次量産事業の再開と初回物量の出庫を記念するために準備された。現代ロテムがこの日出庫したK2戦車は2台で、2021年までに第2次量産分をすべて納品する計画だ。

「中央日報」より

記事にあるK2戦車はこのブログでも有名な戦車である。

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色々問題のある残念な戦車

パワーパックがいつまでも完成しない

まあ、K2戦車は色々問題はあれど、一番大きな問題は変速機というかパワーパックの問題である。

外観はそれなりの戦車に見えるのだけれど、設計は割と古いんだよね、このK2戦車は。

何しろ、この戦車を開発することを決めたのは1990年代で、実際に開発が始まったのは1995年である。しかし、初号機量産の目標であった2011年に戦車は出来上がっておらず、2013年まで完成が延期され、2014年にようやくドイツ製のパワーパックを搭載して35輌ほど韓国陸軍に納入された。

……多分、35輌だと思う。

とにかく、基本設計は1990年代に行われ、細部を詰めたのが2000年に入ってからということで、完成前に時代遅れになっているシロモノ、それがK2戦車なのである。

とはいえ、各国が保有している戦車も新しいものは少ないので、問題があるという程の話では無いんだけどね。

兄弟戦車アルタイ

さて、軽く触れておくが、実は「ダメだ、ダメだ」と言われるK2戦車だが、海外にも輸出されている。それが、トルコの戦車アルタイだ。

Turkish Main Battle Tank Project

Monday, July 17, 2006

ANKARA – Turkish main battle tank project aims to meet needs of Turkish Armed Forces (TSK). The project aims at production of 1.000 modern main battle tanks.

Sources told the A.A correspondent that three private armored vehicle manufacturers namely BMC, FNSS and Otokar would submit their bids on production and development of main battle tanks to the Undersecretariat for Defense Industry.

「turkushPress」より

2006年のこの記事では、次期戦車を国内で作る決定をしているが、2009年頃にトルコは次期国産戦車の生産を諦め、韓国から格安でK2戦車の技術込みで手に入れるに至る。

そして、2010年には「アルタイ」の初の3D画像が一般公開される。

つまり、この時点で韓国国内では他国に3D画像を出せる程度の設計を終えていた事になる。韓国国内でいつもやられる妄想全開の3D画像ではなく、トルコが次期戦車の構想として出したものなので、それなりの裏付けがあり、完成を2011年に設定していた事を考えれば、2010年には詳細設計に入っていたと考えて良い。

でまあ、輸出されるのは良いのだが、しかし韓国国内でパワーパック問題で大騒ぎになり、もちろんトルコに輸出できるようなパワーパックは形になっていなかった。

トルコはこれに怒って、こんなニュースが流れる。

武器技術、トルコと開発 戦車エンジンで政府検討 三菱重が合弁 「三原則」巡り議論も

2013/11/12付

日本とトルコが防衛装備の開発で協力する。三菱重工業とトルコの企業が戦車用エンジンを開発・生産する合弁会社をトルコで設立する検討を始めた。ほかの国への防衛技術の流出を防ぐ枠組みを作る見通し。政府は国際共同開発を今後も進める考えだが、武器などの輸出を原則禁じている「武器輸出三原則」をどこまで緩めるか議論となりそうだ。

「日本経済新聞」より

なんとまあ、三菱重工からパワーパックを、と言う話が出るのである。この話は結局流れてしまうのであるが、10式戦車を制式化して技術を持っているので、そうした話も出てくる事になったのだ。

つまり、そこまで韓国国内ではK2戦車の完成の目処が立っていないという状況だったとも言える。

このアルタイ戦車は最終的にどうなったかはハッキリはしないのだが、現状、戦力化されているものは、MUTのパワーパックが載っているらしい。ドイツ製で、韓国が使っているヤツと同系列らしい。詳細は分からないんだけど。

1次生産分と2次生産分

で、韓国国内のK2戦車はどうなったかというと、1次生産分はアルタイ同様にMUTが採用されるが、2次生産分は「何とか国産化を」と頑張った。

しかし防衛事業庁は昨年2月の防衛事業推進委員会で国産エンジンとドイツ変速機を組み合わせてK2戦車に搭載することを決め、年初に3200キロ走行試験と低温始動試験を通過したことを受け、初回の物量を出庫することになった。

「中央日報」より

で、頑張って何とかなれば世話は無い訳で、変速機をどうしても作る事が出来なかったために、ドイツの変速機と国産エンジンを組み合わせる事で、なんとかパワーパックをでっち上げることに成功した模様。

ただ、この話は本当にパワーパックになっているのかが、ハッキリしないので、続報を待たねばならないだろう。

良かったねぇ、取り敢えずは2輌納入できて。

確か、2次生産分は135輌とかそんな数字だったはずだ。ボディが山と積まれている現代ロテムにとっては、「何としてでも受け取ってくれ」と泣きが入ったところなので、さっさと在庫処分したいだろう。

でも、心躍る続報を出しちゃうのが韓国軍なんだよね。期待をしているぜ。

コメント

  1. 電気屋 より:

    K2戦車はウォッチヤーにとってはネタの玉手箱ですからね。

  2. 匿名 より:

    結局リアクティブアーマーはあきらめたのか。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    結局、一番の肝部分のパワーパックの純国産(ウソ臭いけどね)は諦めて、ドイツ頼みで何とかって感じなんですね。
    企画から長い時が経過し2020年に戦力化されても所詮は3.5世代(いやプチ3世代かな-冷笑-)に過ぎず、陸自の10式戦車は第4世代で2030年過ぎには第4.5or第5世代が投入されるかもですから、開発が大迷走したのは痛いでしょうね。

    つまり20年の周回遅れっていうご自慢の主力戦車な訳ですが、本格的な戦車戦の場合「一発必中」で先に仕留めれるかが重要と思いますし、特にC4Iで指揮系統を統合する現代戦では時代遅れは致命的でしょう。
    WWⅡのヨーロッパ戦線で展開された歩兵駆逐や、重戦車同士による火砲&装甲の競い合いでも想定しているのかなァ~?

    まあ、戦力化された時に、本当に役に立つかが見物ですね。(大爆笑)