K1戦車の性能改良事業が契約される

陸軍

確か、そんなスケジュールがあったような。

現代ロテム、防衛事業庁と「K1戦車」性能改良事業契約

登録 : 2022-10-14 14:23| 修正 : 2022-10-14 14:23

現代ロテムが防衛事業庁と「K1戦車」性能改良(K1E1)事業契約を締結したと13日、明らかにした。

亜州経済より

10月のニュースだったのだけれど、キャッチし損ねていたので記事にしておこう。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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近代化改修は実施中?

K1E1事業を契約

現代ロテムが凝りもせず契約したらしい。

K1戦車については、既にこの辺りの記事で纏めている。まあ、ネタの多い戦車ではあるんだけど、韓国では「名品武器」という扱いになっている。

米クライスラー・ディフェンス社(現ジェネラル・ダイナミクス社、M1エイブラムスを開発した会社)が設計・開発を行った現役戦車である。が、量産開始は1984年なので、設計は結構古い。

尤も、アメリカ陸軍が使っているM1エイブラムスだって、1980年に正式採用されたのだから、世界の戦車のライフサイクルを考えたら、K1戦車だってバリバリの現役であっても不思議はないけれど。

さておきK1戦車だが、流石に何度かは近代化の改修がなされている。

  • K1戦車 → K1E1戦車(2014年~2026年で改修予定)1027両
  • K1A1戦車 → K1A2戦車(2013年~2022年で改修予定)484両

K1戦車は2001年よりK1A1戦車へと仕様変更をしている。大きな変更点は主砲をM68A1 105mmライフル砲から、120 mmM256滑腔砲に交換した点であり、これに伴って砲塔の内部の容積が減り、搭載弾数も47発から32発に減少している。この他、火器管制装置や外部視察装置も改良が加えられているという。

老朽化したK1戦車の方は、アップグレードが加えられてK1E1戦車へと近代改修がなされている。C4Iシステムを追加してべトロニクスを強化した型となっている。

K1E1事業は、未来の戦場環境に合わせて老朽化したK1戦車の性能を順次改良することだ。 軍で一定期間運用されたK1戦車を解体·修理して復元する創整備と共に、最新部品を装着する性能改良過程が行われる。

亜州経済「現代ロテム、防衛事業庁と「K1戦車」性能改良事業契約」より

恐らく、冒頭のニュースはこのK1戦車からK1E1戦車への更新事業の一環で、何度か行っているK1戦車の2026年までに行われる改修スケジュールに則ったものなのだろう。

一時は不安な要素もあったが

ただ、K1E1戦車の近代化改修は一時的に中断しているハズなのだ。それは2020年にあったこんなニュースに関連している。

実は、改修が終わったK1E1戦車なのだが、砲手用主照準器が故障したお陰で使えない車両が結構な数に上るらしい。そして、この部品が製造終了してしまったために修理(交換)することができないらしい。

じゃあ、代替品を使えば良いと思うんだが。例えば、K1E2改修の時に用いる主照準器か、同系列のK1A1戦車からK1A2戦車に改修する際に使う主照準器(KGPS2)に置き換えれば良いハズ。が、そう簡単には出来ないらしく、この時の話では2028年まで手が出せないということだった。

意味が分からないよね。

自国で部品開発が出来ないと、こういう問題は発生しがちではあるが、それにしたって同系列の戦車で使っている部品が使えないとは。

ただ、恐らくこの問題が解決しそうだから、今回、現代ロテムは新たな事業契約を締結したのだと思う。

現代ロテム関係者は“K1E1戦車の安定的な納品のために最善を尽くす”とし、“今後も韓国の国防力増進に寄与できるよう、持続的なシステム研究開発を続けていく”と述べた。

亜州経済「現代ロテム、防衛事業庁と「K1戦車」性能改良事業契約」より

……前述した事情を知っていて冒頭の記事の最後を締めくくるこの言葉を読むと、ずいぶんと意味深に聞こえるが、大丈夫なのか?

ただ、老朽化の進むK1戦車をそのままにしておくわけにはいかない。おそらく改修の目途が立ったからこその契約であり、やる気はあるんだろうな。

戦力の空白が生まれる前に対処できそうで何よりだ。

K2戦車輸出で大忙しのハズだが

このK1戦車だが、色々問題を抱えている上に、設計が古いこともあって、一時はK2戦車への置き換えが進んでいる。しかし、K1戦車の価格が1両30億ウォン程度であるのに対して、K2戦車の価格は1両80億ウォン程度ということもあってか、簡単には更新できない模様。

K1E1戦車はもう少し高いのかもしれないが、K1戦車を近代化改修をするのであれば1からK1E1戦車を作るよりは安く付くのだろう。製造する時間の短縮になる可能性もあるしね。

しかし懸念事項は他にもある。

実は現代ロテム、現在、K2戦車の大量輸出を抱えている。果たしてK1E1戦車改修事業にまで手を広げる余裕があるのだろうか?

韓国防衛産業による大規模輸出に焦る米業界「ポーランドにとどまらないのでは」

2022/11/03 10:05

米政治専門メディアのポリティコは1日、韓国が欧州で大規模な軍備輸出契約を相次いで結び、米国防衛産業が焦っていると報じた。新兵器を購入する際、通常は米国を訪れていた東欧諸国が、さらに安価でより速やかに兵器を納入できると主張する韓国との契約を検討しているとの指摘だ。

特にポーランドが韓国製の戦車「K2」980台、自走砲「K9」672門、軽攻撃機「FA-50」48機の購入を決めたことが波紋を広げており、契約規模と納期の早さが米業界の注目を集めているという。ポリティコは「韓国の防衛産業業界は長期にわたり欧州で活動し、曲射砲と小火器などを多くの国に売った。だが、そうした契約はポーランドが7月以降、2社と結んだ契約に比べれば大したことではない」と指摘。ポーランドが今年10月、ハンファディフェンスと多連装ロケット砲「天舞」288門の導入契約を結んだ当時のエピソードを紹介した。

朝鮮日報より

K2戦車は、自国の陸軍への納入分もあるハズ(第3次生産分54両で2023年までに納入)なのだが、ポーランドへ輸出する予定のK2戦車は韓国内生産分が180両+K2PL仕様320両。ポーランド現地生産分がK2PL仕様で500両となっている。

980両もの輸出をポーランドと約束したK2戦車は、初期パッチ(韓国内に配備されている状態のK2戦車)180両を韓国が生産して輸出することになっていて(2023年に18両、2024年56両、2025年96両で合計180両)、2022年中にも納入開始のスケジュールになっている。2022年中納入分は、第3次生産分54両の中から10両を選んで納入することになっているが、それにしたってこれまで年間100両程度しか生産出来ていないのに、間に合わすことが出来るのかは他人事ながら心配だ。残りの韓国国内製造の予定になっている320両(K2PL仕様)はスケジュールは明らかにされていない。

500両のポーランド現地生産分のK2PL仕様は2022年度中に使用を決定するらしいが、設計変更するのにそれなりの労力を割かれるだろう。

更に、噂によるとK3PL戦車の提供の約束もしているらしい。

Koreańskie zamówienia – Agencja Uzbrojenia ujawnia szczegóły - DziennikZbrojny.pl
Na kanale YouTube „WoW - Wolski o Wojnie” 24 lipca br. opublikowana została rozmowa analityka zajmującego się wojskiem i obronnością Jarosława Wolskiego z rzecz...

とまあ、現代ロテムは大忙しのハズなんだけど、冒頭のK1E1改修事業にまで手を広げてしまった。

更に、影もカタチも無いK3戦車(過去に噂はあったのだが、開発チームは解散してしまった)の約束までして、イロイロ大丈夫なんですかね?

コメント

  1. こんにちは。

    K1、素性は悪くない(のに、無理矢理120mm砲載せるから……)改修の計画があるだけ、(作りっぱで改修・改良の予算が組めない)本邦よりまだマシ、という気もします。

    言って、10式だってもう10年超えましたし、陸海空の装備、陳腐化する前に更改やモダナイズに予算を付けて欲しいところです。
    ※今回の予算倍増、最大の敵である財務省を撃破する事を祈ります。

    • そう言えば、陸上自衛隊の戦車って、近代改修される話を聞きませんね。
      せめて、90式は近代化改修して欲しいところ。10式も流石にちょっとは手を入れたいですね。74式も未だにそのままで使っていますから、ちょっと洒落になりませんな。……と思って調べたら、74式って弾薬ラックや射撃統制装置の改良がなされた実績が?!それでも小幅改良だけで、大掛かりな近代化改修はやられていないようですね。
      予算がつけば、ということかも知れませんが、それにしたって、放置しすぎですね。74式(現在未だ100両ほどは残っているようです)を10式に置き換える頃には、10式も老朽化しかねません。
      「戦車不要論」を振りかざす方も多いので、なかなか改修は難しいかもしれませんが。

  2. 現代ロテムは、ポーランドとの大口契約後、東欧や中東から、いくつものK2戦車、K9自走砲、多連装システムの”引き合い”をうけているそうです。モテモテのウハウハですね。

    米軍産複合体がイラッとするのも解かります。

    ただ、UAEへの原子炉売り込みのときのように、後先の計算ミスが多いのも韓国の特徴。つい、調子に乗ってしまうんですなw。

    将来、現代ロテムが好景気倒産でも起こさないといいですね。

    • 横合いから失礼します。

      K9自走砲はモテモテ君みたいですが、
      「大量のバックオーダー抱えたまま国ごとあぼん、発注した多数の国の国防計画に穴が空く」
      という、トラップカード「半島にかかわったら負け」の大量発動が起こらない事を祈ります。

    • モテモテでウハウハでしょうが、バックオーダーを考えるとゾッとしませんね。
      これを機に事業拡大するかもしれず、今の勢いであれば専用の工場を建設し、更に世界に売り込む手はありかも知れません。
      ですが、K2戦車ではなくK1戦車の方が素性は良いんですよね。
      そちらを疎かにするのは勿体ないとは思うんですが。