なんだよ!楽しみにしてたのに!!!
欠陥だらけのK11複合型小銃事業が正式中断=韓国防衛事業庁
記事入力 : 2019/12/05 11:00
納品の過程で複数回にわたり欠陥がみつかったK11複合型小銃事業が4日をもって正式中断した。1998年から研究・開発が始まって以来21年、韓国軍は一時K11を「ブランド武器」などと宣伝し、関係者に賞や勲章まで授与していた。
「朝鮮日報」より
ただ、この期に及んでも「正式中断」なのにはビックリだな。
名品武器K11複合型小銃
ライフルとグレネードを統合したら最強なんじゃね?
実は、この話は今年の5月にもあって、「中止」が決まったという風に報じられていたハズだ。
ところが「正式」には中止していなかったようだ。今回はようやく正式に中止したと言うことらしいのだけれど、前回のはなんだったのやら。
5.56ミリ小銃弾と20ミリ空中爆発弾を同時に発射できるK11は長い研究開発の末2010年から量産体制に入り、一部は韓国軍で使用された。
「朝鮮日報」より
思想としては、5.56mm小銃弾と、20mm空中爆発弾を両方発射出来る武器を作ろうとしたもので、陸軍の兵士にとって二つの武器は比較的良く使われるものなので、「2つが一緒になれば便利だぜ」くらいの発想だったのだろう。
このブログでは繰り返し紹介しているが、この発想に基づき最初に計画を立ち上げたのはアメリカで、アメリカはこの計画から完全に撤退している。理由は色々あったのだけれど、小銃としては1つは重すぎたということ。もう1つは空中爆発弾というのが思想としては優秀なんだけれども、目標までの距離を計算して必要な場所で炸裂させるために弾にコンピュータを組み込まねばならないために高価になること。そして、誤動作による爆発のリスクを0に出来ないこと。こんな辺りが問題となったといわれている。
韓国もそれを知りながら、開発を頑張っちゃったけれども、やっぱりダメだったと言うことらしい。
今回の決定でK11事業は韓国軍が使用を始めてから9年で中断することになった。
「朝鮮日報」より
まあ、バカにした感じでコレまで論評しては来たのだけれども、K11事業自体はしっかりと計画をたてて、実現出来なかった理由などを精査しておけば、後の利益に繋がる可能性がある。
残念な点は、早期撤退が出来なかった事だな。
残念な不具合
さて、これでK11複合型小銃の事業は中断した。
1990年台にアメリカでOICW計画が進められて、試作品であるXM29が形になっていくのを横目で見て、「ウリも欲しいニダ」と、2000年から開発を開始した。
そして、2008年10月、韓国陸軍がこの武器を分隊支援火器として配備することを決定する。
- 2010年5月31日から国内部隊への供給が開始。
- 2010年11月に、K11の不良率が47.5%にも及ぶことを理由として供給が中断。
- 2012年5月2日には、配備済みの246挺の全数がリコールに。
- 2014年3月12日、試験射撃したK11の信管が爆発し、怪我人が病院に搬送されるに至る。
- 2014年5月30日、磁石を銃身に近づけると、激発信号と認識して暴発するリスクが指摘される。
- 2015年1月22日、抜き打ち品質検査によって、ネジの緩みが発覚。さらに射撃統制装置に亀裂が発見され、納品が中止に。
- 2015年4月1日、電磁波影響性確認実験の結果、特定の電磁波の影響により20mm空中爆発弾の弾薬に問題が発生するとし、全品破棄する必要がある可能性が言及される
- 2015年5月12日、K11の試験検査の結果を偽って報告したとして逮捕者が出る。衝撃試験の際に規定の3/1のエネルギーしか印加していなかったことが発覚。
- 2016年8月、銃身の強度不足を理由に改修することが発表され、10%程の軽量化も決定する。
- 2019年4月、K11を50回以上射撃した場合、リチウム電池の内圧が高まって爆発する可能性が指摘される。
- 2019年5月、ついに事業中止が発表
- 2019年12月、正式に事業中止が決定
色々やらかしているが、何回かは生産中止の決定が出来たタイミングがあった気がしてならないんだけど、どーなんでしょう。
まあ、今さら言うことでも無いか。1つのコンテンツが消えてしまって、僕としては寂しい気はするんだが。
コメント
木霊さん、おはようございます。
>まあ、今さら言うことでも無いか。1つのコンテンツが消えてしまって、僕としては寂しい気はするんだが。
お笑い南朝鮮軍で陸軍の看板兵器がついに消えちゃうんですねェ~。
まあ、アメリカですら開発を諦めたOCWIですから、無謀とはいえチャレンジし続けた事には敬意を表してもいいんじゃないですか。(皮肉の冷笑)
少数ですが輸出もされ2万丁あまりの調達計画は度重なるトラブルで配備されたのは1000丁未満...、そして初期不良率は脅威の50%近いのですから、経年変化やメンテ次第ではまさに自爆兵器って事で、使わされる兵士はたまったもんじゃありませんけど。
これに懲りず「お笑い兵器開発」に勤しんで欲しいもんです。
何言ってるんですか!陸軍の看板兵器はK2戦車ですよ!K9自走砲もあります!(苦笑
案外、韓国陸軍は話題豊富、看板豊富なのです。とはいえ、実際、ちょっと寂しいというのは本文で書いたとおりなのですけどね。
とはいえ、この手の失敗は割とありがちではあるんですよね。
自衛隊でもそうですし、あれだけ兵器開発をやっているアメリカ軍でもそうです。
開発に失敗はつきものですから、コンセプトが悪かったと素直に諦めれば良いと、僕はそう思いますよ。
如何に素早く判断し、次に繋げるかが、軍隊として求められる要素でしょうから、コレに懲りずに良質な話題提供を…、あれ?話題提供されなくなると、ちょっと困るので、適度に、ということで。
本質的なことを言えば、韓国軍は高コストな兵器を買いあさるのでは無くて、使い勝手の良い兵器の数を揃えて運用でカバー出来るように知恵を絞るべきだと思います。自衛隊はその辺り苦労しているわけですが、逆に予算がなさ過ぎで手足が縛られている感じですね。