メディアに心配される韓国空軍「戦闘機が足りなくなる問題」

空軍

この問題は、アメリカ軍も自衛隊も割と心配される話ではある。が、韓国軍の場合はちょっとその深刻度が違う様だ。

戦闘機がない」深刻になる戦力空白… 空軍「進退揚乱」[パク・スチャンの軍]

入力2021.12.05 午前6時03分

2022年を控えた朝鮮半島周辺の空が熱く盛り上がっている。中国とロシアは、米国のインド太平洋覇権に対抗して軍事的空調を一層強化する模様だ。

「世界日報」より

このブログでも韓国軍の戦闘機に関しては紙面を割いて説明している。お笑い韓国軍のタグを検索して貰えれば、なかなか楽しい話があるのだが、実際には結構深刻だ。

で、今回のこの記事そのものには目新しい情報は無かったのだけれども、割と韓国空軍の戦闘機の実情について網羅的に書いてあったので、取り上げてみた。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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本当に足りないのか

足りなくなる?!

さて、この記事の本題はここだろう。

国会国防委員会所属とともに民主党アンギュベク議員の国政監査資料によると、空軍は現在の戦力化計画を反映しても戦闘機保有規模が今年410余台水準から2024年360余台減少する見通しである。韓国国防研究院( KIDA )が提示した適正戦闘機保有規模である430余台に大きく及ばない水準だ。

「世界日報」より

「闘いは数だよ、アニキ!」と空耳が聞こえて来たが、それはさておき韓国軍の戦闘機が410機から360機になることそのものは、実はあまり重要な点では無いと考えている。

実際の所、韓国空軍は最新の戦闘機を入手することで、戦闘機の数は減っても攻撃能力は低下させないような方針を採っている。そして、現実的な問題として韓国社会が少子化問題を抱えていることもあって、将来的にパイロットの数を確保出来ないことは確実であるため、そういった方針を採らざるを得ないという部分もあるのだ。

じゃあ、「問題ない」のか?ということなんだが……。

現有戦力

さてさて、まず簡単に現状について説明を。

  • F-4D戦闘機 : 1960年代後半から1975年まで導入され、2010年に退役
  • F-4E戦闘機 : 1977年から95機導入し、2020年代半ば以降順次一線から退く予定
  • F-5戦闘機 : 1980年から194機導入、2020年代後半に退役予定 → 現在は60機
  • F-15K戦闘機 : 2005年10月から59機導入(60機導入し1機損耗)
  • KF-16戦闘機 : 1986年以降に順次導入して167機を保有
  • FA-50軽戦闘機 : 2013年から順次導入し60機を保有
  • F-35A戦闘機 : 2019年から16機(40機まで確定で、更に加えて20機増やす予定)

サイトによって数字が違うために正確な数とは違っている可能性が高いが、大体の傾向は掴めると思う。

コレを合計すると457機ということになるのだが、引用記事によると410機現有ということになっているので、多分、上の数字でF-4Eの数が違っているんだろうね。だから、大勢には影響あるまい。

で、現状で新たに入手する予定なのは以下の通り。

  • F-35A戦闘機 : 60機のうち現在導入済みの16機を引いた44機を今後導入予定
  • F-35B戦闘機 : 20機を購入予定だが、アメリカ議会からは未承認
  • KF-21戦闘機 : 120機を製造予定だが、テスト機も未だ飛んでいない

こんな感じで、未定分を合わせると将来的には360機になるよということになっている。いやー、割とサバを読んで360機というのはちょっと心配だね。

現状確定しているのはF-35A戦闘機の残り24機までだが、ただしF-35A戦闘機については整備問題を解決出来ていないので、果たして本当に運用可能なのかはよく分からないという別の問題もある。

KIDAは430機が適性であると示す

ちなみに、韓国国防研究院(KIDA)が提示した適正戦闘機保有規模は430機ということらしい。何を基準とした数字かはさっぱりだが、戦いにおいてやっぱり数はそれなりに重要である。

で、実際に数を数えてみると、2030年までにF-15K(59機)+KF-16(167機)+FA-50(60機)+F-35A(40機)で326機にまで減っていく可能性はある。……360機という数字と合わないが、何をカウントしていないのかよく分からないので、大体の目安として欲しい。

20~30余年の間一線で活動していたF-4は、長期間運用しながら老朽化が激しくなる問題が発生した。

廃止される部品も増えた。米国では部品を入手するのが難しく、スペインなどF-4を運営していた国で余剰部品を取り込んでいる一方、部品の回り止めをして3Dプリンターで自作するなどの努力を傾け、稼働率を維持しているが、老朽化による戦闘力の下落は避けにくいという指摘だ。

現在はAGM-142中距離空対地ミサイル運用以外は現代的な空軍作戦で意味を見つけるのが難しい。それでもF-15Kに使われるタウラス長距離空対地ミサイルより射程や破壊力が落ちる。

「世界日報」より

老朽化して退役する戦闘機があることは仕方が無いのだが、だったらFA-50を増やせば良いと思うのだが、その辺りはどうなっているんだろうね。

期待される次世代機

現状で、韓国空軍がFA-50を増やす予定がないという理由は、多分、KF-21が手に入るという予定になっているからだろう。

ロッキード・マーティン、FA-50へのスナイパーポッド適合を確認

配信日: 2019/10/16 22:15

ロッキード・マーティンは2019年10月15日(火)、FA-50へのスナイパーアドバンスドターゲティングポッド(ATP)の適合チェックを実施したと発表しました。FA-50は韓国航空宇宙産業(KAI)とロッキード・マーティンが共同開発した軽戦闘機です。FA-50へのスナイパーATPの統合を2020年8月までに完了し、2020年末までに完全な認証を完了する予定です。

「Fly TEAM」より

FA-50については、2019年にはスナイパーポッドも使える様にするという話になっていて、スナイパーATPは、赤外線やレーザー、映像などを用い攻撃目標に照準を定めたり、GPS誘導兵器のサポートを行える先進照準ポットなので、FA-50の打撃力の大幅な強化に繋がるはずである。

こうした能力増強は、多分、アメリカの次期練習機T-Xに姉妹機のT-50がエントリーしていたことと関係すると思うが、落選してしまったので急速に開発意識が薄れたかも知れない。

そのうちFA-50の増産をするという報道は出てくるかもしれないが、分かる範囲では新たに作る計画は無いらしい。そこまでKF-21に前のめりになっていると言う意味かも知れないが。

防衛事業庁が今年初め、KF-21時第1号機出庫式を控えて公開した関連資料によると、KF-21初度量産承認時点は2024年だ。戦闘機の量産承認時点を前後に航空武装契約をすれば、ミーティアは2028年ごろ本格的な韓国内の実戦配置が可能になる見通しだ。

航空爆弾は空軍が既存に備蓄した米国産や国産品を活用できるが、ミーティアは国内に在庫がない。KF-21超道量産物量の一部の機体が、一定期間中距離空中戦能力を正しく装備できない危険が提起される。KF-21超道量産の視点などとは無関係に空対空武装の早期契約と実戦配置を急がなければならないという指摘が出てくる理由だ。

「世界日報」より

KF-21戦闘機が順調に完成すれば、2024年に漸く増産体制に入る運びになるらしい。ただ、KF-21戦闘機には武器が統合されるのが遅れることが見込まれているため、順調にいっても僕の見立てでは2030年頃になんとか戦力として数えられるかどうかだろう。記事では2028年となっているが、見積もりが甘すぎるな。

KF-16もF-15Kも近代化改修が必要である

なお、現在保有しているF-15Kについてもそろそろ近代化改修が必要となってきている。

2019年8月に発表された「2020~2024年国防中期計画」には、5年以内にF-15KレーダーをAESAレーダーに置き換えるなどの性能改良事業が含まれた。改良作業が行われれば、2030年代以降もF-15Kは最一線で活動する空軍の主力として残ることができる。

「世界日報」より

一応、改良作業が予定はされているのだが、実際に改良作業が出来るのはアメリカ企業であるので、喚呼空軍が近代化改修を決めたとしても、実際に改修事業を推進できるのかどうかは分からない。

何故ならば、航空自衛隊が同じような話で、F-15J-MSIP機100機を米ボーイング社に依頼して改修して貰う予定であったが、アメリカ側の事情もあってこれが順調に進んでいないようだ。この原因はハッキリしないのだが、報道によると近代化改修に使う部品のラインを新設しなくてはならないので、その費用までのせられてしまい、「見積金額と違う」と揉めているからだとされている。

ただ、実態を考えるとアメリカ軍のF-15もF-15EX相当に近代化改修する話になっていて、かなり急いだ改修工事をやっているらしいので、それの影響もあるのではないかと思う。

したがって、韓国軍も同様の話になる可能性が高いのである。

一方、KF-16の方はというと、既に近代化改修の発注をお願いしていて、何処まで進んでいるのかは知らないが改修中である。

コレにも一悶着あったのだが、KF-16の近代化改修について米ロッキード・マーティン社と契約をしたのが2016年11月のことで、予定通りであれば2025年までに134機全てがアップグレードされる運びだったはずなのだが、スケジュール的には20機が2020年から毎年20機づつ作業が行われる事になっているはずなのに、改修を終えたKF-16の情報は殆ど見当たらない。

こちらの記事で少し触れているのだが、今年の4月頃になって目撃証言があったので、作業自体は行われているようではある。

韓国空軍のKF-16戦闘機が米空軍のマークをつけて飛行、一体なぜ?

2021年4月28日(水) 22時20分

2021年4月27日、韓国・ソウル新聞は、韓国空軍のKF-16戦闘機が米空軍のマークをつけて飛行する姿が捉えられたとし、その理由について報じた。

今年2月26日、米エドワーズ空軍基地のホームページに掲載された写真の中に、米空軍のマークをつけて砂漠を飛行するKF-16戦闘機が写っていた。記事によると、このKF-16は性能改良のために米国へ送られたものだったという。

「レコード・チャイナ」より

とはいえ、どうやら作業は遅延しているっぽいので、全機揃うまでには時間がかかりそうである。

主力であるKF-16までこの状況だとすると、記事には指摘されていないが確かに韓国の防空防衛網に不安が出てくるのは仕方が無いだろう。

今後主力になって行くであろうF-35A戦闘機が本格的に使える様になっても、現状だと全機導入されても40機。圧倒的に数が少ないね。

戦闘機の状況が万全ではないというのは、韓国空軍にとっては何とも不安な話だね。全精力を傾けてKF-21開発を成功させるより他に道は無いかも知れない。

コメント

  1. 日本が友好国でしたら、退役したF-4の部品を売却する、といったことも可能なのでしょうけどね。海自で退役したMH-53Eの部品などを、まだ現役で使用している米国に売却した例がありますし。常に矛先を向けているような国にあり得ないでしょうけど。
     しかも韓国のF-4はKF-16購入のため近代化改修はやっていないようですので、現代の空戦では標的でしかないかもしれません。
     
     

    • 反日を国是とする国ですから、日本から~というのはNGでしょう。
      日本でのF-35Aの整備もNGでしょうから、どうするんですかね。
      そろそろメンテナンスが必要な時期だと思うんですが、何かメンテナンスしているという噂は聞かないんですよね。

  2. 木霊様

    韓国に限らず、中国を除く全世界的に戦闘機が足りない(買えない?選べない?)状況になりつつありますね。

    極超音速兵器やドローン等新兵器の登場で、戦闘機の在り方が根本的に見直されている状況です。
    もちろん戦闘機に限らず、艦船(空母)・陸上兵器など兵器全般に言えることですが。

    そのため、各国装備は何を揃えていいのか方針が定まらず、現在と近未来の戦闘システム構築に苦慮しているようです。
    兵器全般的にどのような方向に行くのか、全く見通せない変革の時期に来ているようですね。(飛行機やICBMの登場に匹敵する変革期でしょう)

    ウォッチャーとしては大変興味深いですが、国防を考えるとそうも言ってられないですよね。

    • そうですね。
      諸外国の状況を見ていると、日本も含めて戦闘機を手に入れる事が難しくなっているようには思えます。
      そう言う意味では、韓国のKF-21の開発が成功すれば、これ、結構なセールスが出来る気がします。K9自走砲どころではない売り上げのチャンスですね!出来上がればデスが。

      そして、ご指摘の様に戦略も立てにくい感じでして、ドローン優勢にはなっていますが、それだけでも困りそうですよね。イロイロできるけれども、色々考えねばならない時代になっています。
      気楽に見て楽しんでいるだけ、と言う訳にはいかないところが何とも辛いところです。

    • まず、いきなり妄想炸裂お許し下さい。
      (このごろ山童さんをお見掛けしないなあ、山童さんならお分かり頂ける?)

      >兵器全般的にどのような方向に行くのか

      超、超、超 ビッグニュース!
       「ワープ航法」を可能とするかも知れない「現象」が発見される!!!!!
        https://gigazine.net/news/20211208-darpa-first-warp-bubble/

       いやあ、個人的には「光より速い宇宙船」なんて、1万年以内どころか永遠に出来ないと思ってたのですが,それを可能とするかも知れない「現象」が「発見」されたようです。
       
       理論じゃないですよ「発見された現象」ですよ! 「光より速い」 移動を可能とする空間条件が「現実に観測された」のです。

        超光速&どこでもドア&タイムマシン…..

       ◆兵器、例えばミサイルに応用すれば、超光速、
      宇宙のどこでも「発射前に着弾」、、、殆ど無敵ですよね(笑)

      カンタンな解説

       ワープ(超光速航法)の「トンデモじゃない」理論、メキシコの天才
      「アルクビエレ博士」が1994年に発表した理論
           https://ja.wikipedia.org/wiki/アルクビエレ・ドライブ

       は、多数の物理学者から
        「理論的には正しい」
         「そんな条件の空間、作り方がわからない」
        「作るには太陽数個分のエネルギーが必要」
       「まあ夢としては楽しい」
       だったのですが、、、、、

       宇宙に存在するかも知れないマイナスエネルギー(カシミール効果)を測定するため、
       NASAの天才ホワイト博士がナノサイズのカシミール空洞を作成し、
       手始めに周りの物理量を測定すると

         、、、、アルクビエレ条件に合致する空間だ!ナノサイズだけど!
          、、、じゃないですか! 

      今は航行距離:せいぜい数ミクロン、宇宙船サイズ:ナノ ですが、
      「光より速く」
      移動できるだろう空間条件が現実に存在することが確認されたのです。

      ◆また妄想
        ナノサイズ 小さすぎて問題?  ノーノー 最先端半導体と同じサイズです。
       最初の応用は「ゼロ遅延・ロジック」
       計算能力が事実上無限大の「超スーパコンピューター」となりますかね?(笑)

      • こうした「超革新的な技術進歩」は機密にしたり遮蔽のしようがありません。
        世界中の国々が「瞬時に世界を滅ぼしうる抑止力」を持つ世の中は

         見方によっては悪夢でしょうが、、、
         見方によっては「戦争など無意味、世界は話し合いだ」
         、、、という理想世界に、、、、なれば良いなあ

  3. 木霊さん、おはようございます。

    日本もFX-3の完成・運用化は2035年以降とまだ先になりますし、F-15J・F-2を置き換える場合、最低でも200機くらい調達しなければならないでしょう。
    結局、F-35シリーズ調達予定147機を50機程度追加するしかないかもですね。

    さて、南朝鮮としては戦闘機戦力に穴が開かないよう、KF-16を急いでF-16Vにアップグレードしなきゃなりませんが、多分LM社の稼働も一杯いっぱいなんでしょう、後回しにされているってのが現実じゃないかな。

    未だ飛んでないKF-21ですがその順調な完成と、量産計画通りに進むかに賭けるしかないのでしょうね。
    といっても搭載ミサイルの問題とかありますから、戦力として運用可能になるにはもうちょっと時間がかかりそう。

  4. KF-16の近代化改修状況、こちらには今年(2021年)に完了した10機を受領し、これまでに20機受領しているので、計30機が完了しているようです。この調子だと2026年には全機(130機)完了するようです。
    http://www.dmrsc.com/FB/F16_200x.html

     ただ出典はJane’s Defence Weeklyとなっているのですが、10ヶ月前の記事のせいか、検索しても見当たらず、さて事実なのやら??