韓国国産輸送機KC-Xの登場は2033年?

空軍

少し前にもKC-Xを作るという話はあった。コレが正式にスタートする流れになったというのが今回のニュースである。

KAI、軍の輸送機独自開発戦略公開.. 「歌声を高め、輸出も可能」

入力2021. 05. 28. 06:50

韓国航空宇宙産業(KAI)が軍用輸送機と特殊任務機(空中給油機・海上哨戒機など)独自開発の戦略を公開した。

「Daum」より

スゴいね!

韓国語を自動翻訳したのだが、タイトルの「歌声を高め」の意味がイマイチよく分からない。雰囲気的には「性能を高める」というような意味っぽいね。自国開発で高性能化か。嫌な予感しかしない。

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韓国内需要は100機、海外需要も100機

輸送機と言えばC-130輸送機

世界的なベストセラーとなった輸送機と言えば、C-130「ハーキュリーズ」である。

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まあ、前回も同じ書き出しで言及したよね。

半世紀以上も形を変えていないこの輸送機、短距離離着陸性能と不整地離着陸性能を有しているので、便利に使われている。もちろん、韓国空軍でも採用しているね。

国内需要は100機

前回も書いてあったが、国内需要が100機というのがどういう計算に基づいているのがイマイチ理解できない。

KAIは予想市場需要については、老朽化に伴う交換かかると特殊目的少ないの所要現況などを総合すれば、国内で100台が必要になると分析した。空軍輸送機約40台と空軍特殊任務機と海軍・海上警察海上哨戒機約60台。

「Daum”KAI、軍の輸送機独自開発戦略公開.. 「歌声を高め、輸出も可能」”」より

えーと、韓国軍で使っている輸送機及びソレっぽい航空機をカウントしてみよう。

  • 韓国空軍 輸送機 C-130 16機
  • 韓国空軍 輸送機 CASA CN-235 18機
  • 韓国空軍  空中給油機 A330 MRTT 4機
  • 韓国空軍 早期警戒管制機 ボーイング737 AEW&C 4機
  • 韓国海軍 対潜哨戒機 P-3C/P-3CK 計16機

他にもあるかも知れないが、カウントできる限りで輸送機が36機と特殊任務機が24機である。韓国の海上警察が保有している輸送機はCN-235とC-212で6機のみ。

どうカウントしても100機には届かない。潜在的な需要も含めた数字なのだろうか??

そう言えば、韓国海軍のP-3Cは老朽化に伴って更新する話が出ていてP-8A哨戒機を6機導入する話があったような。従来機のカウントにはこの辺りも含まれているかもね。しかし、特殊任務機である空中給油機や早期警戒管制機、或いは対潜哨戒機だって自国開発は無理だろうに。

え?日本の自衛隊は持っている?こっち見るな!

3ステップの計画

合計100機というのもなかなか恐ろしいが、予定している開発の手順もなかなか味がある。

第1段階は、国策事業として双発ジェットエンジンを搭載した軍用輸送機を開発する。この時、KAIのKF-21の研究開発人材を活用して、独自の開発能力をさらに高める。

2段階は、輸送機のプラットフォームを活用して、国防部と産業部主管でそれぞれ特殊任務機と民需中型機(旅客機)を作る。

最終段階では、国内での運用実績に基づいて輸出に乗り出すという戦略だ。

「Daum”KAI、軍の輸送機独自開発戦略公開.. 「歌声を高め、輸出も可能」”」より

正直、よく分からないな。

  1. 双発ジェットエンジンを搭載した軍用輸送機を開発
  2. 輸送機のプラットフォームを活用して、国防部と産業部主管でそれぞれ特殊任務機と民需中型機(旅客機)を作る
  3. 運用実績に基づいて輸出に乗り出す

まず目を引くのは「双発ジェットエンジンを搭載した」という部分である。前回の報道ではスペイン製輸送機CN-235と同様に双発ターボロップエンジンを搭載する予定であったはずだ。

性能的にもCN-235のコピーのような感じの輸送機を予定していたようだが、その案は諦めたらしい。まあ、ターボロップエンジンにしてもターボファンエンジンにしても外国から購入するのは間違い無い。ある意味無駄のないチョイスをしたという風に前向きに考えてもイイかも。

ただ、2番目の民間需要というのは……。

C2輸送機は民間化を諦める

そう言えば日本の輸送機にもそんな話はあった。

なかなかの性能だといわれているC-2輸送機だが、開発には苦戦した。開発中には機体の強度が要求仕様を満足出来ていなかったこともあって、貨物扉が破損するなどのトラブルがあった。そうした理由で開発が遅れて再試験などに追加予算が必要となった。

総開発費は3450億円で、調達予定は22機。

開発費を下げるためにP-1哨戒機と同時に開発したというちょっと特殊な発注形態を選んだが、狙い通りになったかどうかは不明。250億円くらい削減できたという風に言われているけれど。

で、開発費を更に下げるみたいな話があって、民間輸送型の検討もされたのだが……、型式証明取得の痕案差などが原因で民間転用を事実上断念している。

電波情報収集機RC-2は開発されて配置されているので、今後もバリエーションが出てくる可能性はある。

海外展開は絶望的

ちなみにC2輸送機もP1哨戒機も海外輸出に関してはかなり努力はしているようだが、未だに実現するという話しは聞かない。

日本政府のセールスが弱いのは今に始まったことでは無いので仕方がない面はあるが、エンブラエルC-390はどうなんだろうか。

ブラジル主導でエンブラエル社が開発した双発中型軍用輸送機KC-390が2019年から運用開始なされている。

まあ、最新鋭の輸送機だね。

双発のターボファンエンジンを備えて、最大積載量27tとC-130より8t程余分に積める能力を持っている。航続距離も巡航速度もC-130より優れていて、エンブラエル社が開発しているということで信頼性も高いと思われる。

が、採用している国は、以下の通り。

  • ブラジル-:2 機(試作機)、初期ロット28機
  • ポルトガル : 6 機
  • アルゼンチン: 6 機
  • チリ : 6 機
  • コロンビア: 12 機
  • チェコ : 2 機

海外セールスが成功しているようで、何れも共同開発に名乗りを上げた国という事情を考えると、「苦戦」と言わざるを得ない。狙いとしては老朽化したC-130の更新したい国を狙っているのだけれども。

KC-Xが成功するには?

ここで注目したいのは、狙いが韓国のKC-XとKC-390のコンセプトは丸被りなんだよね。

目標量産単価は900億ウォン以内た。現在空軍が運用されているC-130の台当たりの価格は1300億ウォンだ。

性能はC-130よりも高めるという構想である。国内での交換かかるとそうそうたる競争機種を検討時、極度の「歌声の雨」を備える競争力を発揮できるという判断からだ。

「Daum”KAI、軍の輸送機独自開発戦略公開.. 「歌声を高め、輸出も可能」”」より

そりゃ、後発で開発しようとしている韓国のKC-Xの方が一般的には有利になると思うのだけれど、実際には信頼性の高いエンブラエル社のKC-390がセールスに苦戦したように、KC-Xも難しいだろうと予想される。

何なんだろうな、「ウリは違うニダ」「成功間違いなしニダ!」という自信は。

価格が900億ウォンとあるのだけれど、KC-390のユニットコストは5000万ドルだとされているので、KC-390の方が安くないか?

韓国国内で運用されるC-130の調達コストが1300億ウォンだから、900億ウォンは強気の値段設定のつもりかも知れないが。

或いは、特殊用途向けでセールスする積もりだろうか?

エンブラエル社のKC-390も、給油機バージョンを開発する予定らしく、完成すると更にKC-Xの立場は無くなりそうだな。

結局、KC-390がセールスに苦戦される背景には、世界的ベストセラーとなったC-130の圧倒的なメンテナンス製に太刀打ちできないのだ。これはC-130の構造的に整備し易いという意味ではなく、スペアパーツが豊富に存在するために部品の調達などが容易となるという状況を意味する。世界中で運用されている強みは、単純な性能や価格では覆すことは難しいのだろう。

KC-Xは更に状況が厳しいと思うんだが?え?インドネシアを巻き込む?いやー、無理なんじゃないの。

謎は深まるばかりだが、記事によると2033年には量産が開始される模様。まあ、「歌声を高め」て頑張って欲しい。

コメント

  1. 木霊様、皆さま、おはようございます。

    KF21をバラしているそうですね。予定どおりネタが増えましたが、このタイミングで分解するとは予想外です。
    何なんでしょうか。飛行機作るよりも式典(メンツ)が重要だったのかしら。

    • バラしちゃったみたいですねぇ。
      こちらも記事にさせて頂きました。
      メンツを重んじる国で、大統領のオンスケ指令でも出したのでしょうか。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    >どうカウントしても100機には届かない。潜在的な需要も含めた数字なのだろうか??

    またまた謎開発のお題登場ですね。
    ちなみに空自の輸送機はC-2/C-1/C-130Hの3機種で35機程度、空中給油機は15機程度で合わせて50機です。
    これに早期警戒機J-WACS/E-2D×17機程度。

    海自で調達中のP-1はP-3Cと併せて100機くらいですが、輸送機C-2とは全く別物です。

    自衛隊で該当する機種は合わせてもMAX170機であり、領海の広い事情で海自の哨戒機が半分以上ですから南朝鮮の実情とは比較できません。

    しかし、初めて作るのに輸送機・空中給油機・早期警戒管制機だけでも欲張り過ぎなのに、すでに海上哨戒機まで視野に開発するとは何とも大胆なもんです。(冷笑)
    拡張性を基軸にするのは勝手にどうぞだけど、まずは一つずつ着実に成功させてからにした方がいいと思う。

    まずは、最優先される用途を絞ってしっかりした基本機体を設計する事から始めて、拡張性があるかどうか検討する必要があるかどうか決まるからね。
    捕らぬ狸の皮算用はそろそろやめにしたら!(冷笑)

    • 空中給油機は確かになかなか難しそうですね。
      そういえば、アメリカのKC-46Aは随分苦戦しているようですね。なかなか空中給油の自動化が難しい様で。
      トライアンドエラーは兵器開発に必須ですが、韓国ではなかなか。