アルゼンチンデフォルトで韓国の軽戦闘機FA-50の輸出消滅?

空軍

残念でした。

アルゼンチン、ドル建て内国債でデフォルトへ-新型コロナ危機

2020年4月7日 0:54 JST

アルゼンチンは、自国の法律に基づき発行したドル建て債券でデフォルト(債務不履行)を計画している。債務の支払いを年末まで先送りする。同国は深刻なリセッション(景気後退)に陥っており、海外の債権者との再編協議は進んでいない。

「Bloomberg」より

アルゼンチンの経済状態が悪いのは知っていたけれど、武漢肺炎の影響をモロに喰らってしまったらしくデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高いという。

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デフォルト大国アルゼンチン

過去に何度も債務不履行に

アルゼンチンの債務不履行は以下の通り。

  • 1827年の債務不履行:ブラジル戦争による影響
  • 1890年の債務不履行:反政府反乱による影響
  • 1951年の債務不履行:ポピュリズム政策によって外貨を使い果たした影響
  • 1956年の債務不履行:リベルタドーラ革命(クーデター)による影響
  • 1982年の債務不履行:ビデラ政権の失策によるインフレの影響
  • 1989年の債務不履行:アウストラル計画の失敗による影響
  • 2001年の債務不履行:新自由主義政策の失敗による影響
  • 2014年の債務不履行:アメリカヘッジファンドによる債務回収による影響

ちょっと上手く纏められなかったので、債務不履行に陥った原因に関しては読み飛ばして貰いたいのだけれど、アルゼンチンちょっと債務不履行に陥りすぎだろう、ということを感じて頂ければソレで良いと思う。

なお、最近では2015年頃にもデフォルト危機に陥っている。この辺りの話題を出すと必ずコメントを頂ける方がいたのだけれど、最近はお見かけしないな……。

さておき、アルゼンチンに対してこの情報だけ見ると「ヤバい国」なんじゃないの?というような感想が出てくるのだけれど、それでもGDPに関して言うと世界25位。2013年には世界21位だったので少々下落傾向にあるのだけれど、経済規模だけで見れば台湾(21位)、ポーランド(22位)、スウェーデン(23位)、ベルギー(24位)、タイ(26位)辺りと肩を並べるような感じである。

決して経済規模が小さいわけでは無い。まあ、それ故に経済的な影響が大きいとも言えるんだけど。

アルゼンチン空軍

さて、アルゼンチン空軍について次にチョット言及していこう。

アルゼンチン空軍だが、固定翼機のラインナップなどを見てみると割とCOIN機と呼ばれる感じの機体が多い。

  • A4艦上攻撃機「スカイホーク」 34機
  • FMA IA 63高等練習機「パンパ」 18機
  • FMA IA 58 COIN機「プカラ」 34機
  • FMA IA 50 汎用機「グアラニII」 5機

フォークランド紛争(1982年3月)の時に手に入れば艦上攻撃機の「スカイホーク」が主力っぽい感じになっているが、全体的に小型・軽量の機体が多い。この他にも幾つか持っているのだけれど、「戦闘機・攻撃機」と呼べるシロモノは、A4「スカイホーク」のみと言う感じだ。

FMA IA 63「パンパ」もFMA IA 58「プカラ」も攻撃能力を有していて、主にCOIN機として運用が可能である。

COIN機、つまり紛争鎮圧などの不正規戦投入に使用されることの多い軽攻撃機は、国内での軍事クーデターを多数経験しているアルゼンチンにとっては「必要な装備」ということになるのだろう。ただ、近年COIN機に使える機体は減少してきていて、選ぼうと思っても選択肢が少ないのが現状だ。

そういう意味で、韓国の高等練習機T-50派生の軽戦闘機FA-50は、アルゼンチン空軍としても保有したい攻撃機と言えるだろう。

この機体、韓国で生産はされているが設計はアメリカである。価格が折り合えば購入したいと思う国はそれなりにあるだろう。

買えなくなった!

とはいえ、経済的にアレな感じとなってしまったアルゼンチンである。欲しくてもカネがない。

ジョナスミリタールはこの日付記事で、「アルゼンチン政府と韓国KAIとの間のFA-50獲得のための交渉はドル高に中断されるようにした」とし「FA-50アルゼンチンに最適のオプション、あるいは最も妥当性が高いオプションでリストに上がり長年の交渉後のキャンセルされた」と締めくくった。

「韓国メディア」より

流石に「無駄なカネ」を使っている余裕は無いし、必要な装備品であったとしても購入する余裕が無くなったとしても不思議は無い。

まあ、もともとFA-50軽戦闘機は微妙な性能なので、買うに値するか?という疑問は常について回る。アルゼンチンにとってはFA-50軽戦闘機が優秀な機体に映った可能性もあるが、現実的にはそんなことは無いのである。

アメリカからの許可がないと、様々な兵器・センサーを使えないない可能性が未だに残っているだけに、買う場合には色々苦心しなければならないだろう。そもそも韓国での組み立てが信用出来るのかという疑問も残される、

アルゼンチンはこれを機にしっかり考え直すべきだ。

追記

どうやらタイもアルゼンチンに続いた模様。

詳しくは別途やるかもしれない。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    まず、アルゼンチンがFA-50購入しようと考えていたなんて初耳でした。
    また何度もディフィルトしている国くらいの認識しかなかったので、軍事費に掛ける余裕なんてない国と思っていました。
    他にはイギリス相手にフォークランド紛争を戦った国としての記憶くらいでしたね。

    >この他にも幾つか持っているのだけれど、「戦闘機・攻撃機」と呼べるシロモノは、A4「スカイホーク」のみと言う感じだ。

    小型な機体ながら多くの武器を搭載でき「エド・ハイネマンのホットロッド」と呼ばれる、攻撃機&艦載機で僕が好きな機体です。
    海軍機で開発され各国の空軍でも運用され多くの実戦経験がありますから、艦載機→空軍機と横展開したF-4Ⅱ(ファントムⅡ)と似た価値が認められた証拠でしょう。

    しかし、いかんせん50年以上前の機種ですから、これを主体とするアルゼンチン空軍の状況が判ります。
    そこで内部紛争用をメインにCOIN機の導入は必須ですので、南朝鮮の大失敗機FA-50なんかに手を出そうとしたのでしょう。

    >まあ、もともとFA-50軽戦闘機は微妙な性能なので、買うに値するか?という疑問は常について回る。アルゼンチンにとってはFA-50軽戦闘機が優秀な機体に映った可能性もあるが、現実的にはそんなことは無いのである。

    ご指摘通りで、南朝鮮で配備して5年以上経つのにCOIN機の命ともいえる機銃の故障やなんかで、本当の評価が定まるにはまだまだ時間がかかりそう。

    >アメリカからの許可がないと、様々な兵器・センサーを使えないない可能性が未だに残っているだけに、買う場合には色々苦心しなければならないだろう。そもそも韓国での組み立てが信用出来るのかという疑問も残される、

    フォークランド紛争以降いまだにアメリカは、アルゼンチンへの武器輸出を止めてんじゃないのかなァ~?
    そもそも契約が完了してたとしても直前でストップが掛かるリスクはあるのに、無謀な売り込みの様な気が...。

    まあ、アルゼンチンとしてはディフォルト危機のおかげで、バッタもんを掴まされるのを逃れたから結果オーライと思いますね。

    >ただ、近年COIN機に使える機体は減少してきていて、選ぼうと思っても選択肢が少ないのが現状だ。

    反体制ゲリラ相手ならジェット機ではないけど、ブラジル製のEMB-314(スーパーツカノ)なんかで十分じゃないかな?

    • 意外に韓国はアルゼンチンなど中南米の国にもセールスをかけていまして、いくつかは採用した国もあったようですよ。
      KT-1などはペルーに売れたという記事を見かけました。COIN機としては使いドコロがあるようですね。
      https://annex2.site/k-airforce01/2/

      案外、COIN機的に使うにはジェット機よりもプロペラ機の方が需要があるようで、これはメンテナンス制にも影響する話なのだと思います。
      そういう意味でご指摘のスーパーツカノなんかは便利だと思いますよ。

  2. アルゼンチンのA-4はA-4でも最終生産型のM型を近代化改修でレーダをF-16のモノにしたりして1995年から引き渡されたものです。それから25年経ち、元々米国の中古だったこともあり、そろそろ新しいのが欲しい頃でしょう。
     で、2015年にグリペンを買おうとしたようです。隣国ブラジルでもライセンス生産していますし、これに決まりか、と思ったらグリペンはスウェーデン製ですがイギリスのBAEシステムズが販売しており、フォークランド戦争を起こし、今でもちょっかいをかけているアルゼンチンに売るわけにもいかずおじゃんに。
     そこでFA-50だったのでしょうけど、選考やり直しとなると、さて何が買えるでしょうね。イギリスが絡んでいるユーロファイター、グリペンは×、ミラージュ、シュペルエタンダールを運用していたのですからラファールは? というとナゼかお互い俎上に載せていません。
     西側戦闘機でやってきた以上、今から中露の戦闘機は難しいでしょう。ブルガリアがMiG29をF-16に更新しようとしたら結果的に1機220億円にもなったそうですし。
     そうなるとやはりF-16の中古をある程度近代化して、くらいが現実的でしょうね。
     
     

    • A4が最終生産型を近代改修してアルゼンチンに輸出された話は見ました。
      25年も経てば新しい機体を、という点もご指摘の通りかと思います。

      他の方にもコメントしましたがCOIN機的扱いをするのであれば、別の良い機体があるワケで。
      ジェット戦闘機でクリペンに食指を延ばしていた話は初めて聞きましたが、グリペンと比べちゃうとFA-50はちょっと低性能で使えないんじゃないのかな。価格は安く出来るのでしょうけれど、維持コストまで考えると、FA-50が優れているとは思えません。
      グリペンが買えないならラファール辺りが結構魅力的な気はするんですがね。

      一方で、アルゼンチンにF-16の中古というのは、またなかなか難しい気がします。アルゼンチンとアメリカは関係が余り宜しくなく、武器を輸出して貰えるまではちょっと

  3. たまさかの僅かな休みを得たので、
    あえて言いたい!
    本当に「軍事の木霊」なのか??
    つい過日に、精鋭である習志野空挺師団に「女性隊員」が産まれた事を、マスゴミは肯定的に報じていました。朝日とかね。
    全然にスルーなわけですか?
    それ本当に国防を考えてます??
    それ、軍事の木霊として、何も一言もないのですか??

    私は正直に「迷惑」と思う!!
    別に男女差別はしない!!!

    だが、独ソ戦や、過去のイスラエル、さらに湾岸戦争以来の米軍を見ても、これは「ゆゆしき事」だと思います。

    何故ならば、恋愛感情を抜きにして、体力で劣り、男性以上に努力する女性兵士に、男性兵士は感情移入するのですね!
    女性兵士が撃たれた時に、男性兵士は必死に救出しようとする!!
    これは先例があります。

    私としては疑問に思う。
    選抜射手として教育を受けた者ならば、専門研修で教わるのです。
    「男女昏睡なら女性兵士から撃て」
    これは冷戦時代の小隊射撃手であったか私が、教育で受けた事です。

    女性兵士を必死に救出したいのですよ、男性兵士は。これは恋愛感情とは関係ない男の本能です。

    だから、女性兵士を生殺しに撃って、救出に来る男性兵士を狙え!
    これは汚いが、スナイパーの初頭教育です。
    だから最前線の先頭部隊に、女性隊員を混ぜるなどは、もっての他!!
    軍事の木霊様なら、こういう戦況を左右する事に眼を配って欲しいですね。最後に、私は別に女性差別していません。今の必死な医療現場の戦友は女性が大半です。
    だが、殺るか殺られるかの有事の立場に置かれた戦闘部隊ではどうでしょうか???
    こういう細かいけれども、現実に生き死にに遭遇する隊員の事を考えてはいただけませんかね??
    軍事の木霊様ならば。

    • ハードウェアの事ばかり発言しないでくださいよ。戦いのは同じ血肉を持った隊員なよですから!
      だから、貴殿らは「オタク」なんですよ。実際に戦場で生き死にする隊員の事を考えていない!
      それって何なのよ???

      • 例の何とかクルー船の感染でも、最前線で働いたのは自衛官です。
        ほとんど実務は押し付けられながら、一人も感染者を出しませんでした。後輩たちに深い感謝を捧げる。
        有事、軍事を語るなら、祖国の危機を語るならば、彼らが何故に一人も感染者を出さずにすんだのか?
        そこを記事にして欲しい!
        上書きばかりの愛国にはウンザリだ!

    • お返事は1つにさせていただきますよ。

      違います。軍事の木霊だと名乗ったことは一度もありませんし、軍事知識に造詣が深いわけでも無いのは見ての通りです。それこそ本職の方から見ても、素人目にみても「素人」による開設なのです。

      ご期待に添えなかったことは謝罪いたしますが、これ以上を望まれてもそれは僕には難しいのです。