韓国空軍のF-5Eパイロットは命がけ?!

空軍

ちょっと洒落にならないレベルの話ではある。

韓国空軍の戦闘機「F-5E」また墜落、操縦士殉職…「命がけで乗らなくてはならない機種」

2022.01.12 07:56

1970年代に開発された韓国空軍の老朽機種である戦闘機「F-5E」が墜落し、操縦士が死亡する事故がまた発生した。

「中央日報」より

パイロットのご冥福をお祈りしたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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更新を急げ

老朽戦闘機墜落

F-5E戦闘機「タイガーII」は、1974年からアメリカ軍に配備された機体で、韓国でも1975年から導入されてF-5Fは1983年からは韓国国内で組み立て・生産がなされている。

だが、設計も製造も古い機体なので流石に骨董品扱いで博物館にでも展示されている(写真は韓国・ソウルの戦争記念館に展示されたF5戦闘機)のかと思いきや、このブログでは過去に紹介しているが、韓国空軍では現役の機体だ。

そう言う意味では機体の老朽化は深刻であると言えると思うのだが、この後継機となるF-35Aの胴体着陸を先日やらかしたばかり。

この結果、韓国空軍ではF-35Aは飛行禁止措置となっている最中だったようだ。

韓国空軍のF5E戦闘機墜落、操縦士死亡

2022年1月11日 20:05

韓国で11日、空軍のF5E戦闘機が墜落し、操縦士1人が死亡した。当局が発表した。同国は先週、F35戦闘機の事故を受けて、同機部隊の運用を停止したばかりだった。

「AFP」より

その影響があったのか、F-5Eの運用中に事故が発生した模様。

離陸直後のトラブル

さて、今回の悲劇だが、どうやら離陸直後のトラブルだったようだ。

「非常脱出」2回叫んだが…墜落した戦闘機の操縦士殉職=韓国

2022.01.11 17:09

京畿道華城市(キョンギド・ファソンシ)の山中に墜落した韓国空軍F5E戦闘機の操縦士が死亡しているのが見つかった。

韓国空軍は11日、「操縦士の殉職を確認した」と明らかにした。この戦闘機には30代の大尉1人で乗っていた。

この日午後1時44分ごろ、京畿道華城市内の山中に空軍第10戦闘飛行団所属のF5E戦闘機が離陸後の上昇中に墜落した。大尉は「非常脱出」を2度叫んだが結局脱出に成功できなかったとみられる。

「中央日報」より

離陸直後にトラブルを把握したF-5Eのパイロットだった韓国空軍大尉は、非常脱出を試みた様なのだが、これが作動しなかった模様。

「F-5E/F」の機種は朴正熙(パク・チョンヒ)政府時代に導入が始まった老朽機種だ。空軍操縦士の間では緊急時に脱出をサポートする射出装置状態が他の機種に比べて不十分だと言われている。

「中央日報”韓国空軍の戦闘機「F-5E」また墜落、操縦士殉職…「命がけで乗らなくてはならない機種」”」より

何というか、射出装置の設計が古いという問題はあると思うが、それだって「不十分」と言いつつも、緊急時に使えないのでは付いている意味が無い。

どうしてこんな機体を放置していたんだ!(棒)

事故は15機

そもそも、韓国空軍が運用するF-5E戦闘機はトラブルが多かったようで。

実際、今回の事故までに、2000年以降墜落や衝突を起こした事故機だけで15機に達する。この過程で操縦士16人の命が奪われた。匿名を求めた操縦士は「淘汰されるべき機種を年限を延長しながら今も使用し続けている」とし「命がけで乗らなくてはならないが、誰が好んで乗るだろうか」と話した。

「中央日報”韓国空軍の戦闘機「F-5E」また墜落、操縦士殉職…「命がけで乗らなくてはならない機種」”」より

この辺りも、F-35Aの導入を急いだ理由の1つだったのではないか?という気はしている。

ちょっと話は脱線するが、韓国空軍が採用したF-35Aは40機を2021年までの全て揃えるという急ぎっぷりであった。

個人的にはアメリカ議会がOK出すかすら危ぶんでいたが、無事納入された。北朝鮮に配慮して式典を行わなかったという事件もあったが、思いの外早く40機揃えた。残念ながら1機修理する話となったんだけどね。

ただ……、韓国に納入されたF-35Aは2019年4月頃から順次配備されているはずなのだが、未だにFACO(Final Assembly & Check Out)でメンテナンスしたという話を聞かない。F-35Aは定期的に表面塗装をやり直す必要があるのだが、それをやったという話も聞かない。塗装のメンテナンスくらいは韓国でやれるのかもしれないが……。

ともあれ、急いでF-35Aを揃えた理由が、F-5Eの老朽化が深刻であったことと関係しているとすれば(実際に導入時にはその様な理由を説明している)、F-35Aの飛行停止措置は大きな問題担った可能性は高い。

そしてその事が、メンテナンスが不足している可能性の高いF-5E戦闘機の運用に繋がったとしたら、悲劇としか言いようが無いな。

2000年以降の事故機が15機にものぼる状態(朝鮮日報のカウントだと12機である)は、看過すべきではないよね。貴重なパイロットも16名が犠牲となっているのだから、ちょっと洒落にならない。まだ80機ほど運用しているF-5E戦闘機だが、さっさと更新しないと更なる犠牲者を産み出しかねない。

カテゴリ的にはアレだが、これは笑い話にしてはいけないと思う。

追記

ムン君、美談にし始めたぞ!

文大統領、空軍戦闘機墜落事故の操縦士を追悼「最後まで操縦かん放さず民家避けた殺身成仁」

2022.01.13 16:11

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が13日、「祖国の空を守りながら殉職したシム・ジョンミン小領のご冥福を祈り、悲しみに暮れているご家族に深い慰めの気持ちを伝える」と墜落事故で亡くなった故シム・ジョンミン小領(29)を哀悼した。

文大統領はこの日、SNSを通じて「最後まで操縦かんを放さずに民家を避けた故人の殺身成仁は『為国献身軍人本分』のシンボルとして常に我が軍の鑑となるだろう」と追悼した。

「中央日報」より

韓国空軍のパイロットの技術や献身を疑うつもりはない。

でも、早速美談に仕立てて「常に我が軍の鑑となる」というのは、ちょっとどうかと思う。かがみ扱いをして持ち上げたところで、F-5E戦闘機の整備が不十分であった事実が変えられるわけではない。

違和感が強いな。

コメント

  1. F-5の射出座席は英Martin-Baker Mk.7だから60年代中旬から70年前半の製品で性能に問題ないですが随分古いので老朽化とかで問題を起こしてるようです。
    (Mk.7の後期型はGRU-7AとしてF-14Aでも使われてますね)

    下記サイトによると今年起きたイランの射出座席が地上で誤作動してパイロットが死亡する事故を含めF-5を運用中の国では老朽化によるトラブルが続いているようです。
    韓国の事故も2回脱出操作をしたが作動しなかったとあるので整備不良もしくは老朽化してるのがわかっても交換部品がなく事故が起きなければ大丈夫と放置されてたとかですかね。
    https://milirepo.sabatech.jp/successive-f-5-fighter-accidents-iranian-air-force-f-5f-ejection-seat-malfunctions-on-the-ground/

    • 台湾で使われているF-5Eは、2024年に全機退役予定である予定になっているようですが、2020年11月の墜落事故は痛ましい事故だったようですね。パイロットは脱出できたのに助からなかったという。

      韓国なら整備不良だろう、と、安易な考えで記事を書きましたが、色々な部品が手に入りづらい状況になっているでしょうから、そういった影響もあったのでしょう。

  2. 30代…戦闘機のパイロットとしては、キャリアも終盤ではあるのでしょうが、空自のF4やF15もそうですが、普通にパイロットよりも高齢な機体が飛んでますもんねー…それでも若手はなるべく新しいロットの機体に。とは、なるのだと思いますけれど。
    パイロット以上に、整備員の若返りがはかれて無いんでは。とも疑うとこですな。退役さすつもりの機体整備の教育とか今更無駄とかバッサリ切り捨ててそうな。そういう悪い方向での思い切りだけは良いみたいですからねー、彼の国は…

    • パイロットより高齢な機体というのは、やはりあちこちにガタがくるモノなのでしょう。
      なかなか新しい戦闘機を購入するというワケにも行かないでしょうから、あちらこちらの軍隊で色々苦慮しているのでしょうね。アメリカですら、戦闘機が不足する事態のようですし。

      そして、整備員の若返りですか。
      自衛隊もその辺りは苦慮していそうですね。

  3. 木霊さん、今晩は。

    エリート候補の大切な命が犠牲となり心が痛みます、謹んでご冥福をお祈りします。

    しかし、事故原因が未だはっきりしてないのに、さっそく「民間地への墜落を回避した英雄」扱いにはちょっと違和感がありますね。
    40年くらい運用してきた機種(軽戦闘機では名機)であり、近隣では台湾も運用中と思いますから、予備部品の調達状況も気になります。

    アメリカ州軍でもアアグレッサー機で現役中とか、冷戦時代に低コストの軽戦闘機とし発展途上国ではまだまだ現役なんですから。

    >2000年以降墜落や衝突を起こした事故機だけで15機に達する。この過程で操縦士16人の命が奪われた。

    流石に多すぎる事故率であり、採用中各国の事故率との比較をぜひ知りたいもんです。

    まだ80機が運用中なようですが近代化改修は無理でも、せめて脱出装置のアップグレードとか電子化グレードアップくらいはして欲しいもんです。
    そして整備班の大幅なアップグレードは不可欠でしょう。

    でなければ、殉職したパイロットの犠牲は無駄になっちゃう!!

    P.S.
    続報があれば記事にしてくださいな。

    • 追記しましたが、ご指摘の様な美談が出てきて、大統領がコメントを出したのだとか。
      これで英雄が命をかけて国民を守ったのだというストーリーが出来て、数年後には映画化されるかするかもしれません。
      F-5E戦闘機は名機ですが、各国で事故が起きていることもあって、なかなか使い続けることは難しいでしょう。
      KF-21の登場は待ったなしですね。

      • > KF-21の登場は待ったなしですね。

        登場できるといいですね

  4. F-5Eといえば映画トップガンでのMig-26役(役といっていのか?)を思い出しますねぇ。
    痛ましい事故ですが、韓国軍の整備体制が現れたというところでしょうか。
    空自でのベイルアウト出来なかった事故で思いつくのはF-35とT-2でしょうか。
    F-35はともかく、T-2のときは住宅密集地を避けた結果、
    ベイルアウトが間に合わなかったかと記憶しています。
    その際のメディアの叩き具合と政府のお粗末な対策も。
    それを思えば、文くんの思惑や原因がどうであれ、
    国家の英雄としたのは間違えてはいないと思うし、
    国民を守り殉職した軍関係者を誉めるのを少しばかり羨ましく思います。

    • トップガンですか。新作の公開が延期に次ぐ延期で、一体何時になったら公開されるのか(2022年5月公開予定ですが)。
      さておき、韓国軍パイロットが最期まで努力をされたと言うことについては、否定する積もりはありません。
      それを褒める事も、日本では滅多にないことですから、羨ましいという感情は分かります。

      分かるんですが、問題点から目を反らす為に英雄視する報道を加速させているような気がして、そこが気に入りませんねぇ。

  5. 木霊さん、おはようございます。

    残念な事に間を置かずして台湾で実戦配備されたばかりの、最新鋭F-15Vが海上で墜落しましたね。
    機体の1部が回収されたようですがパイロットの消息は不明で、本当に痛ましい事故が続いて残念です。

    F-5と同じようにハイ&ローで計画された大ベストセラーの軽戦闘機と思いますが、段々改修されてF-16Vの搭載可能な兵装は最強レベルのマルチロール機と言ってもいいくらいになってます。
    対支那の領空侵犯の数に対抗するため、台湾としては早くスクランブルで使いたい焦りから訓練を急いだのかなァ~。

    F-35Aでも空自パイロットが犠牲になったのは忘れちゃならない悲劇ですし、最新鋭機種でも戦闘機乗りにとっては毎日命懸けってことでしょうか。
    超越した覚悟と国を守る強靭な意志がないと務まらない、本当に過酷な仕事だと改めて考えさせられます。
    シュミレーション機材の充実で事前の訓練は十分行っているのでしょうが、パイロット意識喪失など緊急時に対応できるソフトウェアやハードで守る様に技術革新を期待したいもんです。

    >ムン君、美談にし始めたぞ!

    南朝鮮の様に美談にする卑しい感性は尊い犠牲者への最大の冒涜であり、一番大切な原因追及問題の本質をすり替えちゃダメで論外でしょう。

    • 台湾のF-16V戦闘機、墜落してパイロットも未だ見つかっていないという不幸なニュースを目にする事になったわけですが、導入したての機体ですからメンテナンスに不備があったのか、或いは別の理由があったのか。
      配備が2021年11月ですから、配備して間もないF-16Vの悲劇ですが、この影響でF-16Vの運用が一時停止してしまいました。
      それでメリットがあるのは支那なんですが……、これって本当に無関係なんでしょうか。韓国の事故とはまた別の不穏なモノを感じてしまいます。数年前には参謀総長の乗ったヘリコプターが墜落していますし、アレも原因がハッキリ分かりませんでした。台湾はいよいよ不穏な感じです。