防衛省、F-15能力向上計画で対艦ミサイル搭載を見送りか?

防衛政策

マジ?

F15の対艦ミサイル見送りへ

2021/6/19 20:59 (JST)6/19 21:13 (JST)

政府は、航空自衛隊の主力戦闘機F15への搭載計画を進めている米国製長距離巡航ミサイル2種類のうち、対艦艇ミサイル搭載を見送る方向で調整に入った。

「共同通信」より

でも、共同通信の記事だし、信用出来るのかなぁ?

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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情報の確度は高くない

搭載予定だったのはLRASM

長距離対艦ミサイル「AGM-158C LRASM」は、アメリカのロッキード・マーティン社が開発した空対地ミサイル派生の対艦ミサイルである。

なかなかお高いミサイルで、航空機発射で800kmの射程を有しているとされている。

そして、そもそもコレの導入がF-15Jの近代改修の柱のハズだったはず。スタンド・オフ・ミサイルの導入によって島嶼防衛の柱の1つとする話だったはず。

約900キロの射程があるミサイルの導入は南西諸島防衛強化策の柱の一つ。沖縄県・尖閣諸島情勢を踏まえ、中国軍艦接近への抑止力を維持できるかどうかが課題になりそうだ。複数の政府関係者が19日明らかにした。

「共同通信”F15の対艦ミサイル見送りへ”」より

それを止めちゃう?

能力向上対象を減らす

困ったものである。

コレに加えて、改修対象を減らす話も出ている。

日本領土周辺での中国の主張が高まる中、国防省は、900キロメートルの射程を持つと言われるミサイルは、台湾に向かって南西に伸びる南西諸島周辺の日本の防衛能力を高めるために必要であると述べた。

「The Mainichi」より

これは毎日新聞の英字版で、何故か日本語版で報じていないところに情報の怪しさを感じる。

F-15J(J-MSIP機)の能力向上計画で、アメリカから巨額の費用を要求されたことで、計画が頓挫しそうになっているところは事実だ。アメリカからの要求は初期費用として2,400億円であり、当初の見積もりの3倍に値段が膨らんだと言って大騒ぎしているのだが。

……2,400億円で、70機のF-15J改修が実現できるのであれば、それだけ出してさっさとやって貰ったら良いだろう。もちろん、見積もりとの整合性を問うのは当たり前ではあるが、それにしたって構想の柱を取っ払ったら、全部崩れてしまう。

況してや数を減らすというのはチョットあり得ない判断だろう。だって、全機をF-35Aで代替することは現実的では無いし、F-3戦闘機の登場を待つには長すぎるのでそれまでにF-15Jが全機退役してしまう。

ASM-3はいつ?

三菱のミサイルで代替可能というのであれば、話は別だけどさ。

そういえば、ASM-3は令和7年度までに改良される予定だが、射程が200kmから何処まで伸ばせるのやら。

詳しい事は分かっていないが、ASM-3は平成30年に開発が終了したが、「コレでは距離が足りない」という話になって、ASM-3Aというタイプが令和3年度から取得開始される事になっている。

新たな重要装備品等の選定結果について

令和2年12月25日
防衛省

 装備品等の選定に係る手続の明確化・透明化のため、取得実績のない新たな重要装備品等を選定した際は、選定結果を公表することとしています。
 今般、当該重要装備品等を選定した理由等についてお知らせ致します。

選定した新たな重要装備品等

○ 将来潜水艦用ソーナー装置【研究開発】
○ 流体雑音低減型水中発射管構成要素【研究開発】
○ 新特殊降下傘(通常用)【量産品】
○ 重装輪回収車(改)【量産品】
○ 電波情報収集機(RC-2)機上電波測定装置【量産品】
○ ASM-3A【量産品】

「防衛省のサイト」より

残念ながらASM-3Aの情報もASM-3改の情報も明かされていないので、果たして射程距離がどの程度なのかは判然としない。無印ASM-3が200kmであったことを考えると、3Aで300kmくらいあると嬉しいのだが。

そのうち情報が出てくるだろうか?

なお、ASM-3はF2戦闘機で運用することが前提である。F-15Jで使えるかというと、多分無理。対応させるのにFMS方式での購入が足を引っ張っている可能性はある。

この辺りを交渉していると言う事であれば、未だ納得は出来るが。どうなんでしょうね。

コメント

  1. LRASM(AGM-158C)はF-15系への搭載事例はなく、日本で一からやらないとダメという、元からかなり無理があった計画のように思えます。元の型のAGM-158A、BはF-15Eへの搭載事例はあり、こちらのF-15Jへの搭載計画は進めるようですが。
     ASM-3の搭載に関しては、ライセンス生産品のF-15Jに搭載するにはミサイルの性能のかなりの部分を開示する必要があり、F-2は日米共同開発なので、ある程度は自由にできるのでしょう。

    • 蓋を開けてみれば、防衛省の計画がずさんだったよと言う話なんだろうと思います。
      しかしここで、高いお金を支払ってもLRASMをF-15系戦闘機に使える様にすることは、そこまでおかしな選択肢では無いと思っています。
      可能であれば、その改修をロッキード・マーティン社と三菱重工がタッグを組んでやるという契約にして貰えれば、もうちょっと動きやすいし、お金を払う価値があるようにも思えます。
      ASM-3搭載可能に改修する案でも良いんですけどね。

  2. あれもこれもと欲張ってF-15に載せるよりは、対艦は(恐らく対艦番長の名を引き継ぐであろう)F-3に任せ、F-15おじさんは対空で頑張ってもらう、というのも、限られたお金を有効に使う手段ではあるのかな、とは思います。
    寂しいですし、F-3が能力獲得するまでの空白をどうするって話でもありますが……

    ない袖は振れないので、辛いですよね。

    • 対艦番長F-2の寿命が意外に短いのが困りものですね。
      F-2戦闘機は、スケジュール通りであれば2030年頃から退役が始まります。
      F-3戦闘機の開発スケジュールを見ると、ギリギリ間に合うかどうかと言う感じのスケジュール感になっていて、こちらも結構心配ではあります。
      このままF-15Jが消耗していくと、F-35Aの調達が遅れているだけに(というより、ブロック4になるスケジュールが遅れている)、防空防衛網の維持は心配ですよね。そもそもF-35Aにアラート任務をやらせるのか?というところも個人的には気になっています。

      • F-2の主翼は世界初という炭素繊維複合材で、これの寿命の前例がないので、強度試験時のデータを元に寿命予測をした結果、かなり短めに設定されているようです。
         今年度の防衛予算を見ると「F-2の機体(主翼)構造部品の取得」というのが入っていますので、もしかしたら主翼を交換して寿命の延長、ということもあるかもしれません。

      • なるほどF2の長寿命化という点について考えてみたことは無かった訳ですが、F15などは寿命を延ばしているのですから、ありといえばアリでしょう。
        但しF2戦闘機はF-16の流れを汲んでブレンデッドウィングボディを採用していますから、ご指摘の部品取得というのは、期待できる反面かなり大掛かりな話になりますから、「やれるの?」という疑問はあります。
        それでも、F2の強化については是非ともやって欲しいですから、試験的な位置づけであっても是非やって欲しいところです。

  3. 木霊さん、今日は。

    改修費用が当初見積もり1機当たり11億円から3倍の34億円はさすがにあんまりでしょう。

    元々はキルレシオ100%という優れた対空専用のF-15Jなんですが、馬力的には対地・対艦ミサイル搭載は可能なのに対空戦に特化してきました。
    対地戦ミサイル搭載実績があるのは今でもF-15Eのみであり、原型機のF-15C/Dに搭載は空自の計画が初の試みですから、コストがドンドンアップするのは仕方ないとしてもちょっと無理筋過ぎる気がしますね。

    >詳しい事は分かっていないが、ASM-3は平成30年に開発が終了したが、「コレでは距離が足りない」という話になって、ASM-3Aというタイプが令和3年度から取得開始される事になっている。

    空対艦ミサイルASM-3は射程200km以上に伸びたようですが、その後継である(改)運用にはまだまだ時間が掛かりますね。
    地対艦であれば地対空にも使用可能と単純に思うのですが、「地対地」と謳えば専守防衛を逸脱するから使えないのでしょうか?

    僕はもうひとつ開発中の超高速精密滑空弾が侵略された島嶼奪還の主武器になると思っています。
    弾頭には広範囲に敵車両・兵を破壊する子弾丸or破壊力の強力な通常弾頭をF-2/F-3からスタンドオフで攻撃する...、そんなイメージですからASM-3(改)は超高速優先でMAX500kmあれば対艦ミサイルとして十分じゃないかな。

    だからF-15Jに無理やり対艦ミサイルを搭載するのは(しかも高額改修費で)疑問と思っています。

    • ご指摘の点、確かに見積もりに対して3倍というコストは高すぎるとは思います。
      しかし、F-2は現在88機しか保有していないことを考えると、対艦番長だけに対応を任せるのはなかなか荷が重いのでは?という風に感じています。
      F-35Aが早いところ使える様になってくれればまた違うかも知れませんが、些か心配ではあります。

      地対艦ミサイルに関する話は余り見かけないので、どうなっているのかは気になりますね。
      それもまた網にかかったら記事にしたいと思います。