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大邱級フリゲート7番艦「天安」が就役

韓国海軍
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新型艦の忠南級フリゲートが進水したニュースが報じられていたが、大邱級フリゲートは予定通りならば、今回就役した「天安」艦の他にもう1隻、「春川」艦が採用される予定である。

韓国海軍の新型護衛艦「天安」の就役式開催…年末、西海に配備

登録:2023-05-20 04:15 修正:2023-05-20 07:48

韓国海軍は19日午後、慶尚南道昌原市の鎮海軍港で、新型護衛艦「天安」(FFG-826)の就役式を行ったと発表した。新型護衛艦「天安」は、2010年3月26日に白翎島南西の海で沈没した哨戒艦「天安」の名前を受け継いだ。

ハンギョレより

予定通りの就役なので、たいして書くことはないな。

大邱級フリゲート艦のトラブルは解消したのか?

駆動系のトラブルが発覚

書くことがないと言いつつ、大邱級フリゲート艦といえば駆動系のトラブルを抱えた艦である。

こちらにもその流れを説明しているのだが、CODLOG方式を採用したことが裏目に出てしまった艦である。

韓国海軍の新型護衛艦、3カ月間も港に停泊…なぜ?

2019.04.30 11:49

3200億ウォン(約310億円)も投入された海軍新型護衛艦「大邱」が故障で3カ月間も港に停泊しているが、海軍は調査もしていないことが分かった。故障の原因はまだ確認されていないが、船底に接触のあとが残っているため運航中の過失で事故が発生した可能性もある。

中央日報より

理由はハッキリ分からないが、推進システムのトラブルの他に、船体の振動など異常が感知されたことと、スクリューに複数の傷が見つかったことがあって、修理が長引いたのだろう。

ただ、その年の12月に再びトラブル発生。

今年初めに故障したフリゲート艦「大邱」、修理完了から1カ月でまた故障

記事入力 : 2019/12/20 12:01

韓国軍では、今回再び推進システムの欠陥が見つかったことで当惑気味の雰囲気だ。韓国海軍の関係者は「今回の欠陥が前回と同一部分の故障なのかどうかは確認が必要」としつつ「専門機関と共に正確な原因を究明した後、引き続き措置を取る予定」と語った。このように問題が生じているが、韓国軍は大邱系列の3番艦となる新型フリゲートを建造している。韓国海軍側は、大邱は最初の運用を通して艦の問題点を探し出す「先導艦」(1番艦)の役割を果たしているだけに、ほかの艦に比べて故障が多いこともあり得る-という立場だ。

朝鮮日報より

修理完了から1ヶ月でドッグ入りとなった。

再び故障

そして、また故障。

[単独]油漏れ新型護衛艦… 「ノーマルスピードできない」

入力2021.09.23 午後8時29分|修正2021.09.24 午後9時45分

3兆ウォンを超えるお金をかけて作っている海軍の新型護衛艦に深刻な欠陥があることで私たち取材の結果確認されました。頻繁に油が漏れる現象が現れたのですが、軍当局はまだ原因を見つけることができません。このため、新型護衛艦は現在速度を下げたまま運航しています。

~~略~~

3つの艦艇はすべて電力から離脱し、今月初め、軸と軸受を同じ製品に交換し、再び作戦に投入されました。

しかし、通常の速度を出せないことが知られています。

海軍関係者は「軸が壊れる恐れのため、高速起動に苦労している」と話しました。

SBSより

とはいえ、この件に関しては韓国防衛事業庁が報道の内容を一部否定している。

防衛事業庁は新型護衛艦である大邱艦など3隻の艦艇を海軍に引き渡し、5隻を追加で建造中です。艦艇の建造及び運用過程で、プロペラ系統の極少量の油漏れ及び推進軸と推力ベアリング間の擦り傷現象が発生しましたが、艦艇の運用には支障がない事項で正常運用中です。

マスコミに報道された新型護衛艦が重大な欠陥で速度を下げて運用しているという内容、推進軸が推進ベアリングに傷がついて油が漏れる現象が発生しているという内容、現状が続くと推進軸が壊れて運行自体が不可能になる重大な欠陥であるという内容は全て事実ではありません。

プロペラ系統の油漏れとスラストベアリングの引っかき傷現象は関連性のない別個の事案です。

  • プロペラ系統の油漏れは防衛事業庁、海軍、造船所、元製作会社など関係機関が協業して設計改善中で、’22年上半期内に措置完了予定。
  • 推進軸と推力ベアリング間の引っかき傷現象は機品院主管の原因分析中であり、技術的な欠陥と判断されれば該当艦艇に改善措置する予定です。
韓国防衛事業庁より

トラブルは運行に支障がないレベルだという主張なのだけれども、韓国メディアの報道内容とはかけ離れている。

防衛事業庁の発表では、軽微なトラブルで運用に支障はないと主張しているのだが、プロペラ系統の油漏れに関しては特に大きな問題はなさそうな感じだが、推進軸の引っ掻き現象はあまり宜しくないトラブルである。

高速航行時に破綻してしまうリスクは尚あり、従って高速航行を控えるというような判断は有り得る。2022年の措置完了までは性能を落として使っていくという判断が出ても不思議はないのだ。

そしてそもそも、こんな頻繁な故障が出てしまうと、根本的な部分に問題があるとしても不思議はない。

新型艦も同様の駆動方式を採用

で、こういった懸念がありつつ、トラブルが次々と報じられた1~3番艦に続いて、トラブル報告が聞かれない4~6番艦も就役している。7番艦もどうなの?という心配は当然に出るよね。

なお、上で紹介したように仁川級フリゲートの次級、忠南級フリゲート艦も進水しているんだけど、同じ駆動方式を採用しているんだよね。

今回進水した天安艦といい、忠南級フリゲート艦といい、CODLOG方式採用に寄って発生したトラブル原因を把握しないうちに、「そんなに同様に駆動方式を採用した艦を安易に作って良いのか?」という気はする。

尤も、防衛事業庁の発表するように、「たいしたことない」のであれば良いんだけど。対処可能だったからこそ、次々と駆動方式を同じとするフリゲート艦作っていると理解するべきかも知れないけれど。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    アメリカですら、陸海空全てで新装備開発はゴタゴタしてますから、韓国でも問題噴出しても別に驚きはないのですが(笑いますが)。
    むしろ、就役後にあまり問題を聞かない(F-2の複合材周りが大きい話としては最後?)の自衛隊が色々おかしい(試験艦「あすか」に試験潜水艦「がいげい」なんて持ってる時点でおかしい)のですが(聞こえてないだけかもですが)。

    アメリカのそれは、主に最新技術に頼りすぎて検証その他がおそろかになったり、議会圧力(主に予算)と派閥の影響だったりしますが、韓国のは純粋に技術的な話で、しかも、結構な確率で「手の打ちようがないからこのままニダ!」になっちゃう気がします。

    天安なんて、ある意味モニュメント艦なのですがら、今度は幸運艦としてまっとうしてくれることを祈るのみです。

    • 木霊 木霊 より:

      まあ、この件に関しては、ある意味予定調和と言いますか。
      ただ、新装備で問題が出るのは仕方のない面はあると思うんですが、問題を放置して次々と同型艦を作るのはどうかなーと。
      天安は不遇の艦でしたから、就役した「新」天安は無事に働いて欲しいですね。

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