【韓国海軍】大邱級フリゲート、問題再び

海軍

いやはや、久々のお笑い韓国軍ネタである。

[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」

作成 2021.09.23 20:29 修正 2021.09.23 21:31

3兆ウォンを超えるお金をかけて作っている海軍の新型護衛艦に重大な欠陥があることが私たちの取材の結果、確認された。頻繁に油が漏れ現象が現れたはずなのに、軍当局はまだ原因が見つからずにいます。このため、新型護衛艦は現在は速度を下げたまま運航しています。

「SBS NEWS」より

今度は何だよ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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駆動系のトラブルは解消せず

大邱級フリゲートまたまた駆動系にトラブル

いやー、トラブルが山盛りですな。

韓国の保有するフリゲート艦の主力である仁川級フリゲート(6隻保有)の次級で、大邱級フリゲートが満を持して投入されたが、駆動系のトラブルが続出。

仁川級フリゲートは結構小回りの効く優秀な艦だったのだけれど、大邱級フリゲートでは大型化した上に推進機構も刷新。武装も更に充実させている。

ところが実績にある駆動方式から新しい駆動方式を選んじゃった。

その駆動方式は報道によってブレがあるので確定的なことは言えないのだけれど、どうやらCODLOG方式らしい。

低速・巡航時にはディーゼル・エレクトリック方式による電気推進を使用し、高速時にはガスタービンエンジンを併用するCODLOG方式で、低速・巡航時と高速時で駆動方式が切り替わることで、効率良く駆動力を得ようという話となる。

ところが、この艦、低速・巡航時と高速時で駆動方式を切り替えるにあたって、9分くらい必要になるというとんでもない問題を抱えている。その上で、異音が出るとか、異常に加熱するとかの問題があった。

その問題は解決するどころか500日以上動けないでいるのだとか。

新たな問題?いいえ、前の問題と同じデス

しかしそんな状態の上で更なる問題が。

国防技術品質院の調査結果、電気モーターの動力をスクリューに伝達するプロペラシャフトが、スラスト軸受を毀損したとのだと思います。

「SBS NEWS”[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」 ”」より

ふーん、ん?

プロペラシャフトがスラスト軸受けを破損した?なんじゃそら。

大邱級フリゲートが採用したCODLOG方式は、電気モーターから取り出した動力はギアボックスに入力。ギアボックスにはこの他にガスタービンからの動力が入力されるので、動力を巧く伝達するために複雑な構成のギアボックスが必要となる。

プロペラシャフトは車にも使われていることのある動力を伝達するための回転軸で、図の左側に描かれた動力から発生する高いトルクを赤くなっているギアボックスに伝達する重要なパーツなのだが、このプロペラシャフトが暴れないように支持しているのがベアリングである。ただ、今回はスラストベアリングの破損ということで、ちょっと意味が分からない。

何故、スラスト方向に力が生じるような話になるのだ??もしかしてギアボックス内部の話なのだろうか。

このような状況が続くとプロペラが壊れて運航自体が不可能になる重大な欠陥です。

「SBS NEWS”[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」 ”」より

ここは「プロペラが壊れて」と書かれているが、多分、プロペラシャフトの破損を懸念しているという意味だろう。この部分は僕の勘違いだったようで、コメントでご指摘を頂き、気が付きました。スラスト荷重が発生するとしたら、プロペラからギアボックスを繋ぐ部分のプロペラシャフトという事になりそうで、確かに「 電気モーターの動力をスクリューに伝達するプロペラシャフト」とだけ書かれている。

そうだとするとやっぱり構造的な欠陥が……。「異常に加熱する」とか書かれていたのを考え合わせると、排熱の設計がしっかり出来ていなかったことと、熱膨張を加味したスラスト荷重を受ける構造になっていなかったというようなことなのかも知れない。

ただ、電気モーターからの出力を取り出す部分の構造なので、こちらが破損してしまうと艦は全く動かなくなる。

明らかに構造的欠陥

さて、この問題。トラブル多発の1番艦だけの問題ではないようだ。

海軍の関係者は、「軸が割れる恐れのために、高速起動に苦労している」と言いました。 軍当局は、欠陥の正確な原因を明らかにできずいます。

「バクジンホ/政府、防衛事業推進委員会委員:ベアリングがプロペラをかじる現象は、非常に異例です。通常の設計された場合プロペラがゆがむことはなく、このような事故が発生していないと思われます。」新型護衛艦は、最近6番艦までの3隻より進水され、7番艦天安艦など2隻は、追加の乾燥中です。

「SBS NEWS”[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」 ”」より

運行中に油漏れが発生する現象は、既にトラブル報告のある1番艦「大邱」だけでなく、2番艦「慶南」、3番艦「ソウル」でも就役後、似たような問題を生じているようである。

過去にも「操船ミス」で壊したというニュースが出ていたが、どうやらコレが構造的な欠陥であったと報じられていた。

結局のところ、ギアボックスの設計に失敗したということなのだと思う。そのお陰で、同じ構造を採用する2番艦、3番艦にも似たような症状が出ると。

軸受けとシャフトを交換して修理したが同様の症状が出るとのことで、設計的な問題を解消しないと6番艦まで全てに影響が出るだろう。

今のところは、影響が出ないように大邱級フリゲートを低速で運用しているのだとか。だが、低速で良いならば駆動切替などやらなければ良い訳で、コレでは意味がない。設計変更で対応しようにも、そもそも問題解決の糸口が未だに掴めないのだとか。

案外共振の問題が解決出来ていないだけかも知れないのだが、この問題は長引きそうである。

追記

翻訳文を読み飛ばしていたので、原因らしき内容があったのを読み飛ばしていた。

Q.動力伝達システムの問題?

[キム・テフン/防衛専門記者:護衛艦を動かすモーターとスクリューをつなぐのがプロペラシャフトですが。この推進軸を安定的にホールドしてくれるのがスラスト軸受であるということです。ところが、一定の間隔を置くべきである軸とベアリングがどのような理由であるか繰り返しクラッシュしていること、軍当局の説明です。この現象がひどくなると、軸が割れてスクリューを回すことができない、だから船動くことができない状況も行くことができるのです。」

「SBS NEWS”[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」 ”」より

「軸とベアリングが繰り返しクラッシュ」って、いやいや。

「どういう訳か」じゃないよね、だって、軸がスラスト方向に動いてスラストベアリングと衝突する構造というのは、どう考えてもおかしい。

コメントにいただいたように、これがスクリューからの力(反力)であれば、設計的な問題があるとはいえ、割とありがちなことである(調べてみたが)。だが、「どういう訳か」という前置きがあるというのは解せない。

特に、軍の技術陣がそれを理解できないわけがない。真っ先に疑うはずだ。設計したことがなければ別だが。

同じ欠陥が相次いで発生していることを見れば、動力システム関連の設計がそもそも間違ってた可能性があって、ヨーロッパから取り寄せたがプロペラシャフトとスラスト軸受に欠陥の可能性も少なくありません。国防技術品質院は、二股の両方覗いています。

「SBS NEWS”[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」 ”」より

……って、プロペラシャフトとスラストベアリング、両方ともヨーロッパから取り寄せかよ。冗談だろ?スラストベアリングが取り寄せ品というのはわかるが、プロペラシャフトは専用品を設計するだろう?普通。

これで、「欠陥の可能性」だ?じょーだんだろう?本気で言っているとしたら、機械設計をなめ過ぎだろう。こりゃ、もしかしたら駆動システム関連の設計も丸投げかよ。だとすると、韓国軍に解決するのは不可能だ。

そして現在防衛事業庁が試験運航中の4、5、6番艦も同じ設計、同じ部品なので同様に油が漏れる危険にさらされています。軍当局の調査結果だけに1つの設計自体が欠陥の原因に出るすべてのトラップを立てなければします。また、動力システムの両方を強要修復する大工事を行わなければならなのに護衛艦のスペースに起因する近海作戦支障も避けられないと思われます。

「SBS NEWS”[単独]油漏れ新型護衛艦… 「通常の速度出ない」 ”」より

そして同じ部品を使いまわしている。

これはこれは。

ギアボックスとの取り合いの設計ミス。或いは施工ミス……、いや、施工ミスなら2番艦、3番艦も同じ問題が出るとは考えにくい。やっぱり、設計ミスだろうなぁ。

きっとアレですわ。部品単位の問題じゃなくて、駆動機構の芯が出てない感じですわ。プロペラシャフトが暴れてスラスト方向へ動いちゃうんでしょうなぁ。いや、本当にそんなことなら、造船業はもう廃業したほうが良いよ。

追記2

韓国軍部の見解が出てきたね。

<防衛事業庁の立場>

○防衛事業庁は、新型護衛艦である大邱するなど3隻の艦艇を海軍に引き渡さし、5隻を追加で乾燥中です。トラップ乾燥及び運用の過程でプロペラ系統の微量漏れやプロペラシャフトとスラスト軸受との間の傷現象が発生したが、トラップ運用には支障がない点で、通常の運用中です。

○マスコミに報道された新型護衛艦が重大欠陥率を下げて運用している内容、プロペラシャフトがスラスト軸受に傷が油が漏れ現象が発生している内容、現状継続時プロペラが壊れて運行自体が不可能になる重大欠陥という内容は、すべての事実がありません。

○プロペラ系統漏れとスラスト軸受傷現象は、関連性がない別個の事案です。

  – プロペラ系統の漏れは防衛事業庁、海軍、造船所、ワン製作会社などの関係機関が共同して設計を改善中’22年上半期の措置完了予定であり。

  – 推進軸とスラスト軸受との間の傷現象は気品ウォン主管原因分析中にあって、技術的欠陥であることが判明次第、改善措置する予定です。 

「DAMAプレスリリース」より

色々書かれているが、要は「大きな影響はない」という事らしい。

ちなみに、プロペラ系統からの油漏れと、スラスト軸受け損傷減少は、関連性がない個別の事案だとのこと。これは、可能性としては確かにあり得るんだけど、よく読むと「未だよく分からない」という説明になっている。

いや、関連性がないと断定しながら、原因は不明って……。

深刻な問題が内在することを認めたくないんだねぇ。

ただ、韓国メディアもこの手の軍の不祥事関連ニュースは割と大げさに報じがちであるので、 大邱級フリゲート が「運行不能」だとか「使えない」と言うことではないとは思う。ただ、常にトラブルを気にしながら運用する必要があるので、任務に支障を来す可能性はあるだろう。

どちらが正しいのかはハッキリしないが、少なくとも対立した認識があるのは事実だ。新たな問題発覚というニュースにはならないのかも知れないね。

コメント

  1. >何故、スラスト方向に力が生じるような話になるのだ??
    スクリュープロペラが前進のため回転するとプロペラ自体は前に進もうとするので軸を前方に押す形となり、後進の場合は逆にプロペラは船尾方向に軸を引張る形になりスラスト方向に力が発生することになります。

  2. 軸受を交換しても同様の問題が出るということは設計上の問題なんでしょうね。

    このようなスラスト軸受のトラブルは結構厄介で軸受のケーシングの熱膨張が計算と違った場合や、軸の偏芯で軸受に対して偏荷重がかかりベアリングが異常摩耗とか色々で破損した軸受とかを分析して原因を突き止めたうえで対策しないといけないのですがきちんと出来ているのでしょうか?

    参考までにタービンでのスラスト軸受のトラブルについての資料です、スクリューシャフトではないですが如何に厄介なトラブルかという参考にはなるかと思います。
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/28/2/28_2_74/_pdf

    • あーなる程、確かにそっち側ならスラスト方向の力は生じますね!御丁寧にありがとうございます。僕はてっきり駆動モータからギアボックスまでの間でのトラブルだと勝手に勘違いしていたのですが、そちらでないのであれば確かに辻褄は合うように思います。

      しかし、韓国の造船会社がこの手のミスをするというのは、不思議ではあります。沢山船を作っているのに。
      従来の技術常識では解決出来ないことなんでしょうかね。或いは、その辺りは自分で設計しない部分なんでしょうかねぇ。

  3. 木霊様、皆さま、今晩は

    その昔、と言っても私がTVのニュースで見たので大昔ではないんですけど(もう大昔か・・・涙)
    国産のマイクロバス(後輪駆動)が高速道路上でプロペラシャフトのエンジン側が脱落し、それが路面に接触、車体が持ち上げられて大クラッシュ。という事故があったのを思い出しました。シャフトがたわみ振動を起せばスラスト方向にも力がかかるのではないですか。私、機械屋ではないので、どれほどの力かは見当がつきませんが、脱落する程度の変形はするんですよね。

    • 昔はタイヤが飛んだりプロペラシャフトが脱落したり、結構痛ましい事故もあったような気がしますよ。
      たわみ振動あるいは共振などといった物理現象を理解しなかった故の失敗だと記憶しておりますが、適切な位置をベアリングで保持、あるいはプロペラシャフトを分割してあれば問題は起きにくいかと。

  4. 日本にとって重要な政治案件とそれを選択する日程が迫っているので、しばし一服できるお笑いネタはありがたいですね。(笑)

    とはいっても、最重要案件には対支那対策(QUADを含む国際協力)が差し迫り、それをバックに北朝鮮が新型ミサイル連発とか朝鮮半島情勢を考えると、日米同盟にとって南朝鮮の軍事力は軽いもんじゃないのでもっとしっかりして欲しいのですが...。(対日用という疑いはひとまず置いといて)

    さて、沿岸防衛と攻撃力が必須な南朝鮮にとって大邱級フリゲート(2800t)は主力となるはずで、8隻計画中で現在3番艦ソウルまで就役してるはずです。
    どうやら3隻とも同じ故障を抱えている様ですし、メカ系で特に重要な伝導に関する欠陥なら相当深刻じゃないかなァ~。

    海自で相当艦は最新のもがみ型(3900t)で一回り小型と思いますが、単純に満水排水量から見ると搭載許容は1600tVs700tなのに、VLSは同じ16セルなんですよねェ~。
    想像に過ぎませんが、かなり無理して艦に必要な絶対基本スペースを圧縮し武器システムを優先させてるんじゃないかな。
    建造開始が省力型のもがみ型より3年前とはいえ、乗員は90名Vs140名と1.5倍以上ですから、艦の規模と比較してどうしても道理が見出せません。

    不正施行による破損や部品すり替えがあったとはいえ、一応マトモに運用できているらしい仁川級(2300t)×6隻を少しだけスケールアップ、兵装・レーダーは最新型にアップデートするって選択はなかったのか残念ですね。

    • 追記に書かせていただきましたが、メディアが騒ぐほど大きな問題ではない可能性もあるんですよね。
      ただ……、モードチェンジに時間がかかる問題は相変わらず解消していませんし、構造に欠陥があるのは間違いなさそうです。

      ご指摘のように、仁川級をブラッシュアップする方が遥かにマシだったと思うのですが、それでもおかしな方向に向かってしまうのが韓国軍です。

  5. 日米が援助して産業を育てるときに複雑なメカは輸入してきました。次第に複雑なメカも見よう見まねで(難しい部分だけ輸入で)とりあえず作ってこれたと思います。これは船舶や戦車の主機・駆動系でも同じでしょう。
    でも完全オリジナルで開発しようとすると、そもそも”研究開発とは何か”の重要性が判らないので、いろいろなところ(歯車一個の強度でさえ)いい加減に見積もり、全体で破綻ときたしてしまっているんでしょうね。特に大きなエンジン・駆動系でそれが顕著になっていると思います。

    • 韓国は軍もそうですが、研究においても、「或る日突然完成品が出来上がる」というパターンが多いのです。
      進化の過程はなく、唐突に1つの種が現れる。
      だから、そこで失敗しても対策を打てないし、次の種の登場に繋がらないのですよね。

      そこで外国から「新たな種」を貰ってくる。
      そういう国民性なのかもしれません。