韓国海軍大邱級フリゲート5番艦、進水!

海軍

大邱級フリゲートの問題は解決したのかね?

韓国海軍 新型護衛艦を進水=対潜水艦作戦能力を強化

2021.05.03 17:19

韓国海軍は3日、誘導弾や長距離対潜水艦魚雷などを搭載し、地上や水中での攻撃能力が強化された新型護衛艦の5番艦「大田艦」の進水式を南部・慶尚南道にある大宇造船海洋の玉浦造船所で行ったと明らかにした。

「聯合ニュース」より

今回進水したのは、大邱級フリゲートの5番艦だったようだが。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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戦力としてカウントできるか不安なフリゲート艦

去年末には2番艦が就役

韓国海軍の大邱級フリゲート艦は順調に増えていっているようで、去年の12月に引き渡しをおこなった2番艦に引き続き、5番艦の建造が進められていたようだ。

しかし、1番艦は、エンジンシステムのトラブルを抱えていて、それが解消したという報道は見当たらない。多分、解消したのだろうが。

ちなみに、1番艦の「大邱(テグ)」、2番艦の「慶南(キョンナム)」を建造したのが大宇造船海洋で、5番艦の「太田(テジョン)」も大宇造船海洋である。3番艦と4番艦は現代重工業製で、既に進水しているんだけど。

……そう言えば、デジョンといえばFFの移動魔法だった気がするが、関係ないな。

ともあれ、1番艦のトラブルが解消しない以上は大宇造船海洋が作った船が使い物になるのか?という点は心配である。

海軍が運用中の1500トン級護衛艦や000トン級哨戒艦と入れ替え予定で、2022年末に海軍に引き渡され、実戦配備される。

「聯合ニュース”韓国海軍 新型護衛艦を進水=対潜水艦作戦能力を強化”」より

5番艦は2022年に海軍に引き渡し予定らしいんだけどね。

韓国製対潜水艦魚雷「ホンサンオ」を搭載

で、推進システムのトラブル意外にも心配な点は幾つかあった。

大邱級フリゲートは2800t級のフリゲート艦なのだが、国産の防空ミサイルや対潜ミサイルを国産VLSからぶっ放すようになっている。

この対戦艦魚雷「ホンサンオ」はK-ASROCとも呼ばれており、VLSから発射できる。

弾頭にはK745「青鮫」短魚雷が使用される。この弾頭も韓国製ということらしいのだけれど、開発当初に命中力に難があると指摘されていた。

名品魚雷「紅鮫」がまた失踪…昨年は8発中3発、今年は=韓国

2013.09.16 09:27

私の名前は「紅鮫」。水中でサメのように速く泳ぎ、敵の潜水艦を命中させるために生まれた。

魚雷は普通、水中から発射されるが、私は違う。ミサイルのように艦艇の垂直発射台から発射される。艦艇からロケット推進機関を利用して約10キロをミサイルのように飛んだ後、落下傘で水中に入り、潜水艦を見つけて破壊する。弟の青鮫は飛行機から落とす魚雷だが、私は船から飛んでいく。

~~略~~

発射は順調だった。しかし最後の瞬間に失望させた。演習弾の紅鮫と実弾の紅鮫、各2発ずつを撃ったが、実弾の一つが目標物付近で消えたのだ。私を生んだ防衛事業庁は「命中率が75%以上だから私をずっと作ろう」と話していたが、最近は「私をずっと作り続けるか関係機関と協議してみる」と言葉を変えている。

「中央日報」より

何やら、水中に入ると行方不明になる癖があるらしいことが「赤鮫」の独白という感じのキモチワルイ文体で綴られている。

2013年以降、この問題が解決出来たという話は聞かないのだが、流石に問題は解決しただろうと思われる。一時は生産中止まで検討されていただけに、かなり深刻なトラブルを抱えていたと思うのだが。

しかし、魚雷は沢山備えていないと使い物にならない。だから、新型のフリゲートにも兵器として採用している以上は、量産されているんだろう。報道がないだけでね。

海上作戦ヘリコプター搭載「可能」

で、赤鮫の他にも気になる装備が。

また海上作戦ヘリコプター1機の搭載が可能だ。

「聯合ニュース”韓国海軍 新型護衛艦を進水=対潜水艦作戦能力を強化”」より

海上作戦ヘリコプターねぇ。

そういえば、韓国製機動ヘリコプターMUH1「マリンオン」の事故より後で、KUH1「スリオン」の話を聞かなくなった。その代わりというわけではないのだろうけれど、MH-60R「シーホーク」の購入を決定していたな。購入するのは12機だけだったハズだ。

それ以外にもAW159「ワイルドキャット」を8機ほど保有していた気がする。報道で追えるのは2016年7月までに4機受領したところまでなので、全機入手出来ているかは不明だが。

あと、防錆対策をしていないとされるUH-60P「ブラックホーク」が8機、退役したかどうか不明なウェストランドリンクスMk.99が11機、Mk.99Aが12機あたりまでは思い至ったが、どれが艦載機として該当するのやら。

一方で、ヘリコプターを搭載する艦艇の方は随分とあった気がする。

  • 仁川級フリゲート 6隻 × 各1機(AW159哨戒ヘリコプターを搭載)
  • 大邱級フリゲート 8隻(予定) × 各1機(AW159哨戒ヘリコプターを搭載予定)
  • 独島級揚陸艦 3隻(2隻建造、1隻予定) × 各3機(MUH-1搭載予定だが、決まったヘリは搭載していない)
  • 広開土大王級駆逐艦 3隻 × 各1機(リンクスMk.99)
  • 忠武公李舜臣級駆逐艦 6隻 × 各2機(リンクスMk.99)
  • 世宗大王級駆逐艦 3隻 × 各2機(リンクスMk.99)

……一応、辻褄が合うような合わないような。

運用上は定数の2~3倍は欲しいところだろうが、実数はカツカツの様に見える。

艦艇も定期的なメンテナンスが必要だから、艦艇の更新に合わせてヘリコプターのメンテナンスをすれば良いのかも知れないが……、それはヘリコプター側にトラブルが起きない前提なんだよね。

色々足りないヘリコプター

運用を考えたら、どうしたって数は足りないように思う。そういう意味ではアメリカ製のMH-60の購入を決めたのは英断だといえると思うんだけど……。

米国「韓国向けMH-60Rシーホークヘリ12機の販売承認」

2019.08.08 12:00

米国防総省傘下の国防安全保障協力局(DSCA)は7日、韓国に米ロッキード・マーチンのヘリコプター、MH-60Rシーホーク12機を8億ドル(約848億円)で販売することを国務省が承認したと明らかにした。

「中央日報」より

この記事によると、アメリカ政府もMH-60Rの販売を承認したとしている。

12機を8億ドルとなっているのだが、この費用の中にはヘルファイアなどのシーホークに搭載するための兵器(ヘルファイアやMk.54短魚雷など)のお値段は含まれていない模様。更に、スペアパーツは含まれているようなのだけれどその量が少ないらしい。

The Republic of Korea has requested to buy twelve (12) MH-60R Multi-Mission Helicopters, equipped with the following: thirteen (13) APS-153(V) Multi-Mode Radars (12 installed, 1 spare); twenty-five (25) T-700-GE-401C Engines (24 installed, 1 spare); twelve (12) Airborne Low Frequency Sonar Systems (ALFS) (12 installed); thirteen (13) AN/AAS-44C(V) Multi-Spectral Targeting Systems (12 installed, 1 spare); twenty-four (24) Embedded Global Positioning System/Inertial Navigation Systems (EGI) with Selective Availability/Anti-Spoofing Module (SAASM) (24 installed); twelve (12) Link 16 Multifunctional Information Distribution Systems – Low Volume Terminals (MIDS-LVT) Block Upgrade Two Terminals; four (4) M-240D crew served guns; four (4) GAU-21 crew served guns; and one thousand (1,000) AN/SSQ-36/53/62 sonobuoys. Also included are twenty-four (24) AN/ARC-210 RT-1990A(C) radios with Communications Security (COMSEC); twenty (20) AN/ARC-220 High Frequency radios; twenty (20) AN/APX-123 Identification Friend or Foe (IFF) transponders; spare engine containers; facilities study; design and construction; spare and repair parts; support and test equipment; communications equipment; ferry support; publications and technical documentation; personnel training and training equipment; U.S. Government and contractor engineering, technical, and logistics support services; and other related elements of logistics and program support. The total estimated program cost is $800 million.

「DSCA”REPUBLIC OF KOREA – MH-60R MULTI-MISSION HELICOPTERS WITH SUPPORT”より」

これ、アメリカ国防安全保障協力局のサイトからの引用なのだけれど、韓国が注文した内容の詳細が開示されている。主なモノを抜き出してみよう。

  • MH-60R 12機
  • APS-153(V)マルチモードレーダー 13機(12機は搭載、スペア1機)
  • T-700-GE-401Cエンジン 25基(24基は搭載、スペア1基)
  • 空中低周波ソナーシステム(ALFS) 12個
  • AN / AAS-44C(V)マルチスペクトルターゲティングシステム 13個(12個がインストールされ、スペア1個)
  • 全地球測位システム/慣性航法システム(EGI) 24個
  • リンク16多機能情報伝達システム–少量端末(MIDS-LVT) 12個
  • AN / SSQ-36 / 53/62ソノブイ 1000個
  • AN / ARC-210 RT-1990A(C)無線機 24台
  • AN / ARC-220高周波無線機 20台
  • AN / APX-123敵味方識別装置(IFF)トランスポンダー 20台
  • その他サービス

ずらずらと並べたけれど、真っ先に気になるのはトラブルが起きた時に最も問題となりそうなエンジンのスペアが1基というのはどうかと思う。だって、MH-60Rには2基のエンジンを搭載しているんだぜ?0.5機分というのは正気を疑う。

その他の電子機器はスペア無しのものも結構あるし、高周波無線機やトランスポンダに関しては20台である。どういうカウントなのか意味がよく分からない。

他国の購入例を見ると、2割程度の予備パーツ(10機購入したら2機分)は費用に含んでいる。つまり、韓国は買ったヘリを運用するにあたって、共食い整備が前提で運用するという風に理解が出来る。そう言えば、F-35Aを購入したときも、AH-64Eを購入したときも似たような事はやっていたっけ。

そんな訳で、対潜哨戒用にヘリコプターを用意しても、実際には艦艇に「搭載が可能」なだけで、艦載して任務にあたる事ができるとは限らない。韓国軍あるあるだな。

今後主力となるべきフリゲート艦

とまあ、そんな事情があるのを知ってか知らずか、冒頭の報道記事はこう締めくくられている。

海軍は「大田艦は水上艦、潜水艦の標的に対する探知および攻撃能力が向上し、特に対潜水艦作戦能力が強化され、今後は艦隊の主力戦闘艦として活躍することになるだろう」と述べた。

「聯合ニュース”韓国海軍 新型護衛艦を進水=対潜水艦作戦能力を強化”」より

主力戦闘艦ねぇ。

確かに、韓国海軍にとってはどちらかというと大型に属する大邱級フリゲートだが、朝鮮半島近海をウロウロするにはこのサイズでも都合が悪い事があるようだ。

喫水が浅い場所が多いことや、北朝鮮の工作船は小型で高速なものが多目であることを考えたら、大邱級フリゲートが主力として更に小型な犬鷲型ミサイル艇やら大鷲型哨戒艇やらで作戦を展開するのが妥当のような気がする。

だったらもっと装備に力を入れろよ、と言いたいところだ。

だが……、「特に対潜水艦作戦能力が強化」という下りを見ると、韓国は果たして「北側を見ているのか?」という点に関して疑わしい。要は日本と戦う準備をしているのでは?という疑いである。これは前から言われている話ではあるが。

それともう1つ、5番艦の進水タイミングが本当に計画通りだったのかも気になる。上に言及した通り、システムの問題点は解消したという話を聞かない。だから、5番艦も同じ設計の可能性が高いんだよね。だが、システムの改修をするか変更するかしないと、使い物にならないと思うんだ。

ハイブリッド式のエンジンといいつつ、駆動方式を切り替えるのに7分以上かかるのはどうかと思うぞ。

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