未だに故障修理中の大邱級フリゲート艦

海軍

あれ?このニュースは随分と前に聞いた記憶があるよ。

[単独] 3千4百億海軍戦闘艦… 5百以上の故障修理中

記事入力2020.10.07 20:19

◀アンカー▶

2年前海軍が3千4百億ウォンをかけて導入した次期主力が500日以上停止します。

エンジンが故障したことで見えるが、どのようにされたことか修理もできないそうです。

キム・ジュンソク記者が単独取材しました。

「NAVER」より

マジカー。

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故障は深刻

ハイブリッド駆動機関を採用の大邱級フリゲート艦

このニュースは、今年初めにも記事で触れている。

大邱級フリゲート艦の1番艦「大邱(デグ)」は最新鋭の韓国型フリゲート艦なのだが、この時既に2回目のドッグ入りであった。

まあ、不遇な艦だと、軌道に乗るまでは何度か修理をする羽目になることはあるのだろう。

だが、2018年3月に「戦力化」されて韓国軍で運用が開始されているのだが、2019年1月には推進システムの故障でドッグに入り、2020年2月に再びドッグに入っちゃった。

そして、ドッグに入ったまま出てこられないのが、大邱級フリゲート艦の実力であったとさ。参考までに時系列で纏めておくか。その方が見易いしね。

  • 2016年6月2日 1番艦「大邱(デグ)」進水
  • 2017年9月26日 推進機関であるガスタービンのブレード23カ所に損傷が発見される
  • 2018年3月6日 1番艦「大邱(デグ)」就役
  • 2019年1月~4月 推進システムの故障が発覚してドッグ入り
  • 2019年11月~現在 推進システムの故障が発覚してドッグ入り

進水後の慣らしの時点で問題発覚していたのに、修正できずにいるということなのかな。後で言及するが作戦に使われたのは約100日ということなので、故障してドッグに入っていない期間も順調に運用されていたとは言い難いようだな。

新駆動方式を採用したのが裏目に

何が問題か?といえば、ここからは推測になるのだが、この前級の仁川級フリゲート艦で実績があったCODOG方式を止めて、CODLOG方式の推進方式を採用したというところが怪しいと思う。

CODOG方式は低速域と巡航時を担当するディーゼルエンジンと高速域を担当するガスタービンエンジンを組み合わせて、速度によってエンジンを切り替えるシステムである。構造が比較的単純でメンテナンスし易いというメリットがあるね。

CODOG方式の概略図

仁川級フリゲート艦はCODOG方式を2セット積んでいる。

一方のCODLOG方式は、低速域と巡航時を担当するディーゼルエンジンで発電した電気推進と高速域を担当するガスタービンエンジンを組み合わせて、速度によってエンジンを切り替えるシステムである。CODOG方式よりもモーターがある分、重くなっちゃうことと、ディーゼルエンジンを2基組み合わせて使う関係で、ギア回りが複雑になるんだよね。

COFLAG方式の概略図CODLOG方式も類似の構成となる

大邱級フリゲート艦はディーゼルエンジン2基、モーター2基、ガスタービンエンジン1基という構成になっているので、CODOG方式を2セットよりも軽量化には結びつく可能性あるのだけれど、減速機(ギアボックス)は複雑になるよね。

CODOG方式で駆動機構切り替えに7分?

で、これが上手いこといっていないことを象徴するニュースがこちら。

韓国海軍の次期護衛艦に相次いで欠陥見つかる、艦内への海水流入も=「戦わずして敗北寸前」「最初から廃船を造った?」―韓国ネット

配信日時:2017年9月27日(水) 13時40分

2017年9月26日、韓国の次期護衛艦「大邱艦」の内部に数十カ所の損傷が発見され、海水が内部に入ってくるなどの問題が相次ぎ起こっている。韓国・MBNなどが伝えた。

~~略~~

さらに、推進動力をモーターからガスタービンに切り替える時間が、従来のエンジンに比べて6分以上も余計に掛かる点も問題として指摘されている。

「レコードチャイナ」より

引用した記事は、レコードチャイナで詳しい情報が書かれていないのだけれど、過去に紹介したこのブログの記事によれば「標準で7分10秒、緊急モードで2分10秒」が駆動方式切り替えにかかる時間なんだって。

記事によっては、従来の3倍とかいう指摘もあったので、7~9分程時間がかかると理解すれば良い感じだ。

実戦では到底使えないレベルの時間がかかっているな、オイ。

殆ど任務に使えない

そして、2度の故障を経て、ドッグ暮らしが長くなっている大邱級フリゲート艦だが、修理できる目処は立っていないようだ。

ところが、約650日経った現在まで作戦に使われたのは約100日に過ぎません。

戦略化後5ヶ月で故障し、238日間止まっていますが、海軍は操作未熟が原因だと言いましたが問題は続きました。

エンジンの出力が正常を下回るケースが50回以上、突然の運行停止が12回に達します。

「NAVER”[単独] 3千4百億海軍戦闘艦… 5百以上の故障修理中”」より

この問題になっている艦は、大邱級フリゲート艦の1番艦「大邱」で、同系列の船は6隻だったか9隻だったか作る予定である。他の艦はどうなっているのやら。……あれ?まだ他の艦は就役していなかった?

  1. FFG-818 「大邱(テグ)」 2016年6月2日進水 2018年3月6日就役
  2. FFG-819 「 慶南(キョンナム)」 2019年6月21日進水 就役未定
  3. FFG-821 「漢城(ソウル)」 2019年11月11日進水 就役未定
  4. FFG-822 「東海(トンヘ)」 2020年4月29日推進 就役未定

ダメじゃん。

そう言えば、ドイツから輸入した214型潜水艦「孫元一」(公式には現代重工が建造した事になっている)も長らくドッグに入って出てこられなかった(今、どうなっているかは不明)という話があったが、これはドイツから輸入(部品単位で輸入して組み立てたのだと言われている)した後、メンテナンスと称してバラしたら元に戻せなくなった説が有力である。2番艦以降にはこの問題は生じていないのが謎とされているが、バラした説はこれを上手く説明出来るようだ。真相は確かめようが無いんだけどね。

不遇の214型潜水艦「孫元一」だが、3年以上も「修理中」と称してドッグに入っていた。「大邱」も似たような事になるんではないのかな。

エンジン部品はアメリカの特許のせいで修理できない

何故ならば、その理由は記事の後の方に指摘されている。

 更に大きな問題は修理さえ出来ないと言う事です。

 部品の知的財産権がアメリカの会社にある為、軍は勿論、大邱(テグ)を建造した国内企業さえ部品を分解して調査する事も、故障箇所を特定する事も出来ないからです。

 アメリカの製造メーカー以外は修理出来ない上に武漢肺炎が重なり、いつ修理が終わるのか分かりません。

「NAVER”[単独] 3千4百億海軍戦闘艦… 5百以上の故障修理中”」より

あれ?エンジンはMUT製だった気がするんだが、どう言うことだろう。エンジンの部品はって、これが本当であればドイツのMUT社製のエンジンを買ったら、アメリカの許可が無いと修理できないなどという謎の話になっちゃう。

うーん。

使っているディーゼルエンジンはMUTフリードリヒスハーフェン社製。ガスタービンエンジンにはロールスロイス社製であったはず。ただし、MUT社はロールス・ロイスパワーシステムズ社の子会社になってしまっているな。ん?ロールスロイスはイギリスの会社だな。何故、アメリカ??

そもそも知的財産権(特許権)がアメリカの会社にあるという理由で修理ができないというのも謎だ。韓国でアメリカの会社の特許が存在したとしても、特許法のルールであれば、「修理」という行為は特許権を侵害しない。「再生産」にあたれば特許侵害を構成する可能性はあるが……。

これは誤訳かな。韓国企業がアメリカ企業からライセンス生産契約を結んでいるという話なのかもしれない。ライセンス生産は知的財産法に縛られずに契約可能なので、修理が出来ないというか、「開けちゃダメ」というブラックボックスの設定は可能である。しかし、MUT社のディーゼルエンジン使っているハズなんだがなぁ。

何れにしても「修理ができない」というところは事実のようだ。

なんか、韓国製の兵器ってこんな話ばっかりなんだけど。

コメント

  1. これもどうやらお笑い兵器殿堂入りの臭いがプンプンしてきましたね。
    通常、戦闘艦は進水~就役(竣工)まで1.5~2年で実戦配備されますから、大邱型1番艦はさらに2.5年も戦力にならず今後も未定というのは、どう考えても修理できない深刻な事情があると考えた方がいいでしょうね。

    >この前級の仁川級フリゲート艦で実績があったCODOG方式を止めて、CODLOG方式の推進方式を採用したというところが怪しいと思う。

    ご指摘通りの気がしますね、CODLOG方式はイギリス・イタリア・ドイツ海軍フリゲートで実績がある様ですが、それほど大きな事故・問題はないはず。
    メリットは低速巡行時にはディーゼルエンジンを使い、高速時にガスタービンエンジンに切り替え航続距離を稼ぎ機動的運用作戦を両立させる事でしょう。
    しかし両者を併用するためのギアボックスの設計が極めて困難で複雑化するという問題がある様で、原因は南朝鮮が最も苦手とする基礎技術に無謀にもチャレンジした事じゃないかな。

    とは言っても南朝鮮海軍では初めて採用された推進方式ですから、過去のお笑いネタからして単純に又やらかしちゃったんじゃないかなァ~って感じですね。(冷笑)
    既に4番艦(東海)も進水しているのですが、こんな基本的問題を解決せずに進めていいのかな?
    残り4隻まで計画中のようですが、推進方式はガラリと変わっちゃりして...。(爆笑)
    南朝鮮の地政学的な海上防衛の主力となるべき3000t級のフリゲート、もう少し頑張れ!!

    • この艦の2番艦は12月にも就役する予定のようです。
      そして、未確認情報ですが、どうやら韓国海軍は1番艦用の推進機関の予備を一式買い込んだらしいですよ。原因が不明なのにも関わらず、です。

      僕の読み通りギアボックスならば、解決しようがないのですけれどね。
      ギアボックスまで外注したら良いんじゃないのかと、思いますよ。

  2. 比較的楽なはずの水上艦でこれですからね。
    3000t級潜水艦の命運や如何に。
    ましてやリチウム電池艦や、バッチ3の原子力艦の明日はどっちだ?
    ってな感じでwktkが止まりません。

    本邦みたいに実験艦作ってからやればいいのに。
    #そんな悠長な海軍国は本邦と米国くらいか?

    • 水上艦も駆動機構で欲張っちゃいましたからねぇ。
      この話は長引きそうですよ。

      思い切って大鉈を振るって、駆動方式を変更してしまえば良いんですけどね。
      実績のある方式を採用すれば、それで解決しそうですけど。
      ……まあ、システムから何から弄る必要がありますから、大工事にはなるんでしょうけどね。

  3. 木霊様、皆さま、今晩は

    歯車が作れないのでは?

    以下、受け売り情報・・・歯車の歯の部分の、相手の歯と接触する部分は
    ・負荷が高い。材質が問題になる。
    ・高い加工精度が求められる。
    ・潤滑が問題になる。自動車のギヤオイルの油温はエンジンオイルの油温よりも高くなる場合がある。

    などなどを聞いた事があります。タービンは高回転、ディーゼルエンジンは低回転なので、この用途のギアボックスは大変でしょうね。精緻なものが求められると思います。
    まともな歯車が作れないのではないかな。
    そういえば、軸受けも問題ですよね。・・・外注すれば?

    • 水車を作れないというネタはありましたが、歯車もどうなんですかね。
      ギアボックスに関しては、船舶の駆動機構に使おうとするからには、過大な力がかかります。更に必要な精度が出ていないと、直ぐに壊れてしまいますから高精度加工も必要ですね。
      特に強度を上げた状態で精度を出すためには、難しい加工をやらねばならないわけですから。
      ただまあ、ギアを受ける為のギアボックスや軸受けもそれなりの加工精度と強度が必要ですよね。

  4. NAVERの動画ニュースの1:15あたりからの映像を見るとモーター部に問題があるように言ってるように見えます。
    映像から大邱級のCODLOG方式はモーターの軸自体がスクリューシャフトになっている構造でスクリューシャフトをモーター自身で回すかクラッチを繋げてガスタービンで回すか切り替えるようです。

    もしモーター周りでの問題ならばモーターはレオナルドDRS製(アメリカのDRSがイタリアのレオナルドに買収された会社)で本部はアメリカなのでアメリカ会社の知的財産権ということなのかもしれません。

    • なるほど、モーターという事もあるわけですか。
      しかし……、モーターまで外国製にする必要性がよく分からないのですが、韓国ではモーターすら満足に作れないんですかねぇ?