女性徴兵制度をぶち上げた韓国大統領候補

お笑い韓国軍

徴兵制度そのものがそろそろ見直さねばならない状況だと思うのだが、女性徴兵制度ですか。随分と思い切ったことを言うものである。

韓国で女性の軍服務論が浮上…「公論化が必要」「男性票獲得のため」など意見分かれる

登録:2021-04-20 04:55 修正:2021-04-20 10:51

来年の大統領選挙への挑戦を宣言した共に民主党のパク・ヨンジン議員が、募兵制への転換や男女平等服務制の導入を内容とする主張を連日展開している。

「ハンギョレ」より

男女平等の方向でこれを推進してしまうのは、大きな間違いだと思うんだが。

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徴兵制度は維持が不可能

韓国の徴兵制度は破綻へ向かう

韓国が採用している「徴兵制」であるが、いくつかの国で採用しているものの、現状では余り評判は宜しく無い。

韓国が徴兵制度を採用した背景には、朝鮮戦争(1950年~1953年)の勃発によって1951年5月より一貫して韓国人男性の義務として運用されている。実は、この法律、兵役法として1949年に公布されたものだったが、1950年3月に一時的に停止された。朝鮮戦争開始が1950年5月なので、かなり意図的なものを感じるが、偶然ではあるまい。

兎にも角にも、韓国人男性には兵役義務が課されているのだ。

ただこの兵役義務、最低18ヶ月と定められていて、満18歳から満19歳までの間に徴兵検査を受ける必要がある。時期的には大学生の間に兵役を課されることになるので、学業の中断や就職にも影響する。当然ながら、兵役逃れを画策する人もいるわけで、それが社会問題にもなっているようだ。

そして更に深刻なのは、少子化問題である。

韓国 少子化に揺れる「徴兵制」

2021年1月25日(月)

アメリカの音楽チャートで1位を獲得した韓国の人気アイドルグループ「BTS」。

メンバーの1人が兵役につく期限を迎えたことで、法律を変えるほどの議論を呼び、韓国の「徴兵制」は世界の注目の的となりました。その徴兵制、実はいま存続の危機に立たされています。背景にあるのが、急速に進む少子化です。それに伴って、国民の意識にも大きな変化が現れ始めています。北朝鮮が軍事力の増強を続ける中、兵力の維持に苦心する韓国の実情を専門家とともに読み解きます。

「NHK NEWS WEB」より

引用した記事に読む価値は無いのだが、少子化が問題となって、徴兵制度そのものが維持できるのか?という点に焦点が当たっている。

韓国出生率0.84の衝撃 結婚どころじゃない若者たち

2021年3月5日 9時00分

お隣の韓国が2020年、政府予想より9年早く、人口減少に転じた。同年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数)は0・84。1970年の統計開始以来、最も低い水準だ。経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国のうち1を下回っているのは韓国だけで、日本の1・36(19年)と比べても大幅に低い。「超少子化」の背景には何があるのか。韓国の少子化問題に詳しい早稲田大韓国学研究所招聘(しょうへい)研究員の春木育美さんに聞いた。

「朝日新聞」より

今年3月には、出生率0.84という衝撃の数字が出たが、この背景には若年失業率が深刻化しているという問題や、受験戦争の激化という問題がある。

「ヘルコリア」は加速しているのだ。

何故韓国は徴兵制度に頼るのか?

さて、では韓国は何故徴兵制度を採らざるを得ないのか?という点なのだが、これは朝鮮戦争が未だに継続中だから、という理由が1つ。

もう1つが、敵対する北朝鮮軍は120万人もの兵力を保持しているのに対し、韓国軍は60万人レベルと、明らかに劣勢である。その分を機械化して戦力差を埋めているというのが、韓国軍の説明である。

軍事費は日本以上、攻撃的軍拡に舵切った韓国

2020.9.16(水)

韓国国防部が今年の8月に公表した国防中期計画(2021~2025年)によれば、韓国は、今後5年間で約27兆円を軍備に投じる。

「JB press」より

5年で27兆円、1年あたり5兆円超である。これは日本の防衛費を超える規模である。この韓国の軍事増強の矛先が日本に向かっていると言われて久しいが、その内訳が更に凄い。

韓国軍一般兵の月給が倍増、なお最低賃金を下回る

2018年1月17日 15:47

韓国で16日、徴兵された一般兵士の月給がこれまでの2倍近くに増額された。ただ依然として国内の最低賃金を大幅に下回ったままとなっている。

今回の改定により、二等兵の月給は16万3000ウォン(約1万7000円)から30万6100ウォン(約3万2000円)に引き上げられ、一等兵や兵長の月給も同じように増額されたが、この金額は同国の最低賃金である時給7530ウォン(約780円)をはるかに下回る。

「AFP」より

徴兵された一般兵士の月給は自国の最低賃金を遙かに下回る基準である。お小遣い程度しか支払われてはいない。

ただ、それでも衣食住は提供されるのだから、50万人の軍人を擁すればトータルで考えると人件費が嵩むのは避けられない。韓国軍でも国防費の3割は人件費だとされている(自衛隊は5割近くが人件費だとされる)。

だからこそ、韓国軍の兵力の半数は徴兵制度による水増しをしているのである。

尤も、北朝鮮軍の実動兵力は20万人レベルだとも言われている為、韓国軍は腹を括って軍備再編すれば対抗は可能なのだとは思うのだが。それをやると国民不安を招き、北朝鮮へ誤ったメッセージを送りかねない。つまり、建前の為にも徴兵制度は止められないのである。

で、少子化が進んでいるので、女性も徴兵するしかないという結論になる。取り敢えず人数合わせだけ出来れば良いのだから。

女性を組み入れれば韓国軍は維持できるのか?

ジェンダー論で語るな

そんな状況で、与党議員がぶち上げた女性徴兵制度だが……。

パク議員は19日、CBSラジオ「キム・ヒョンジョンのニュースショー」のインタビューで、「大韓民国軍隊の戦闘兵科、あるいは前方部隊の女性幹部が指揮官を務めるケースがすでにある。女性だからといって(軍服務が)不可能だとは思わない」と述べた。パク議員は「40日から100日程度の軍服務で、男女とも十分予備軍としての役割を果たせる。現代化された武器体系を備えた精鋭軍15万、20万程度を持ち、有事の際には2000万人もの人が軍人となる、全国民が共に国防の義務を積極的に負う新たな兵役制度だ」と説明した。

男女平等服務制がジェンダー間の対立を煽りかねないという指摘に対し、パク議員は「論争を恐れて提案しないこと自体が無責任だ」とし、主務省庁の国防部が募兵制への転換を全く準備していないと批判した。

「ハンギョレ”韓国で女性の軍服務論が浮上…「公論化が必要」「男性票獲得のため」など意見分かれる”」より

朴氏の意見が全て荒唐無稽だとは思わない。

男性よりも優れた女性兵士は沢山いるだろうし、適性だって性差で判断できない分野はある。むしろ、議論せずにいることは無責任だという主張は正しいと思うのである。

ただ、一方で、大きな問題も抱えているのは事実である。

そもそも軍隊というのは独裁的な色の強い組織である。独裁というと聞こえは悪いかも知れないが、上官の命令は絶対のトップダウン構造である。その中に女性を組み入れることが果たして正しいのか?というと、適正のある女性なら、という条件付きの話となるだろう。

女性徴兵制をはじめ、女性の軍服務問題が本格的に議論され始めたのは、憲法裁判所が1999年、軍加算点制に対して違憲判決を下してからだ。それを受け、同年12月、「大韓民国国民の男性は兵役義務を誠実に遂行しなければならない。女性は志願すれば服務できる」とした兵役法第3条1項が平等権を侵害するという憲法訴願が初めて提起された。以降、同様の憲法訴願が数回あったが、憲法裁は合憲または却下決定を下した。

「ハンギョレ”韓国で女性の軍服務論が浮上…「公論化が必要」「男性票獲得のため」など意見分かれる”」より

そういう意味では、志願すれば服務できるという現在の制度の方が理に叶っていると言える。

男女平等などと言うアホな意見で括って判断すると、とんでもない事態を巻き起こす可能性が高いのだから。

装備の面でも改革が必要

さて、もうちょっと現実的な話をすると、韓国軍の運用する兵器の多くは、男性が使うことを前提に設計されている。

女性も利用できるというような思想では作られていないのである。これがどう言うことを意味するかというと、多くの兵器についてかなりの改修を必要とするのである。

過酷な潜水艦生活 女性起用がなかったのも仕方がない? 「トイレ逆流で自沈」処分も

2019.12.19

海上自衛隊における潜水艦への女性自衛官の起用は、ほかの艦艇に比べ10年以上遅れています。特有の艦内生活がその一因といわれますが、どのようなものなのでしょうか。いまでこそ改善されたといいますが、かつては過酷そのものでした。

~~略~~

2019年現在、海上自衛隊が所有する潜水艦は、冷暖房完備でシャワーなどの設備も充実しており、昔とは比べものならないほど快適になっています。前記した女性自衛官の体験乗船では、そのために仮設のドアなどをつける処置もしたそうです。近い将来、女性乗組員も誕生するかもしれませんね。しかし、依然として潜水艦乗りになるためには、心理適正検査でストレス耐性が強いと判定されなければいけないそうで、選ばれし者しか働けない現場であることは事実のようです。

「乗り物ニュース」より

これは自衛隊の潜水艦の事例を紹介した話だが、女性乗船のために仮設のドアを付けたというような話が紹介されている。

潜水艦の事情は苛酷だが、しかしそれは艦船や航空機でも似たような問題が出てくる。特にトイレ事情は実はかなり深刻である。専用のトイレを別に作る、などという事態になれば、それなりの改修工事が必要になるわけである。

特に軍用の装備品は快適性を犠牲にしている部分が大きく改修の余地が少ない場合が多い。韓国軍の兵器は更にその傾向が強いと考えられる。女性兵士が増えれば、それに対応するためにかなりお金を使う必要があると考えられる。

数を確保するために質を下げる?

さて、気になる話は他にもある。

韓国与党が20代男性にラブコール「女性も義務軍事訓練を」

記事入力 : 2021/04/19 07:54

共に民主党の朴用鎮(パク・ヨンジン)議員(50)が18日、男女問わず最大100日間の軍事訓練を義務付ける「男女平等服務制」の導入を提案した。兵役を巡る男女差別論争をなくし、社会的対立を和らげる狙いだ。

朴議員は19日に出版する本「朴用鎮の政治革命」で「全国民が男女問わず40-100日程度の基礎軍事訓練を義務的に受ける『男女平等服務制』の導入を提案する」と主張した。また、徴兵制を募兵制に転換することも提案した。朴議員は兵役の対象に女性を含める一方、兵役期間を減らすとした。朴議員は「社会的に兵役加算点制度を巡る不必要な男女差別論争を終息させられる」と提案理由を説明した。

「朝鮮日報」より

現在の韓国人男性の兵役義務は18ヶ月であるとされているが、朴氏は「40~100日程度の基礎軍事訓練を義務的に受ける」制度に変更することを提案している点である。

随分と短縮するんだな。

現状の18ヶ月程度でも兵士としてモノになるのか?というとかなり微妙であると思うのだが、それを思い切って短縮することで国民ウケを良くする。その狙いは分かるが、意味はあるのだろうか?

例えば、自衛隊であれば前期教育隊の期間が3ヶ月、後期教育隊の期間が3ヶ月で凡そ半年にわたって基礎的な訓練を受ける事になる。前期が基礎知識、後期がより専門的な分野に関する訓練という事のようだ。つまり、6ヶ月程度は訓練を必要とすると考えている訳だ。部隊配属はその先にある話なので、とても40日では基礎訓練すら覚束ないし、100日ではひよこの殻が採れたレベルだという事になる。

そうなると、それは徴兵制をやる意味があるのか?と、疑問に思うわけである。

予備役という位置づけか

ところで、韓国には民防衛隊や予備役と呼ばれる組織を抱えている。

民防は総数628万人が登録され、20歳から40歳までの男性が対象となっていて、非常時に動員されることになっている。これが機能しているかは知らないが、登録だけはしてあるようだ。

一方で、予備役の方は大韓民国予備軍と呼ばれる組織で、124万人の韓国人男性が登録されている。こちらは空襲からの避難民の誘導や防御、ゲリラの捜索・友軍救出任務、建設と道路修理等の後方支援が任務とされ、予備役の一部は軍事訓練を受けて実戦が可能とした態勢をとっているようである。

韓国軍の徴兵制度では、軍隊服務期間を「現役」または「補充役」、除隊後の8年間を「予備役(予備軍)」、それから満40歳までを「民防衛(民防衛隊)」としているのである。

徴兵制を巡る韓国国民の認識変化と「国防改革2.0」の行方 | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団
国際情報を北米、中国、欧州などの地域別と...

笹川平和財団の分析を紹介しておくが、韓国では徴兵制度を積極的に活用しようという流れも見られ、日本も見習うべき点があるとしている。

確かに、徴兵した韓国人達を予備役的な参加の仕方にしておけば、必要な時に招集をかけて訓練をするという方が合理的のようにも思う。兵士としての実働部隊は主に職業軍人達であり、徴兵制度は職業軍人達にとっても足枷となっている部分がある。不要な兵役であればその期間を圧縮すれば予算も圧縮できるというわけだ。それが不要かどうかの判断は難しいと思うが。

で、冒頭に紹介した大統領候補である朴氏が、こうした実情を踏まえているかは分からない。単に人気取りという側面もあるのだろう。

首都のソウル市内でさえ約9000人のホームレスがいるとされる韓国で、徴兵された兵隊にまともな宿舎が完備されているわけもなく、韓国紙「ヘラルド経済」(電子版)などによると、軍施設への上水道普及率は50%未満、くみ取り式便所は1400カ所に及ぶという。

そんな2等兵たちの給料は1カ月約13万ウォン(1万3千円)、除隊間際に兵長となって約17万ウォン(1万7千円)。日給ではなく、月給だ。韓国の物価は近年、日本と大差ない。衣食住が無料とはいえ、衣類は迷彩服2着に、すぐ底のはがれる軍靴などごくわずかで、新兵がまず手をつける仕事は水筒磨きだという。幾多の先輩兵が使い、白サビの出たアルミ製の水筒を支給された新兵は、そのサビを歯ブラシで磨き落とすのだ。毛布は30~40年使い続ける年代物。食にいたっては夜食のインスタントラーメン(自費)が唯一の楽しみという水準だ。

ケチりにケチって経済負担を最小限にした国防システムは、韓国の置かれた状況ではほかに選択肢がないとはいえ、経済的には絶望的な手法だ。

「産経新聞」より

しかしそうだとしても、そもそも徴兵制度そのものに欠陥を抱えている実情に一石を投じるという意味では、案外悪い話ではないのかも知れないね。

コメント

  1. 兵器が高度化すると徴兵では扱いきれなくなると言う意見を聞きます。
    未来の歩兵装備などネットワーク化するでしょうし。

    あと、戦争は正面装備と兵站の両輪が揃わないとダメですよね。

    • そうですねぇ、ただ、兵器が更に高度化すれば、新兵でも扱えるか、そもそも戦場肉事も無くなるのかも知れません。
      徴兵制度の問題点が「悪く出てしまった」というのが韓国の現状ではありますが、悪いことばかりでもないでしょう。まあ、日本で導入するかという話になるとまた、別の話になるんですが。