あー、前にもこの手の記事を書いたね。
韓国各地で発生するシンクホール、主犯は老朽化した上下水道管
記事入力 : 2022/04/10 18:12
3月9日午後、全羅北道完山区平和洞のある飲食店前の路上に深いところで最大3メートルに達する大きな穴が出現した。「シンクホール(陥没穴)」だ。飲食店の入り口からわずか数歩しか離れておらず、大きな事故が発生してもおかしくない状況だった。
「朝鮮日報」より
シンクホールだ。
韓国の道路・次々と陥没
なぜ陥没するのか
日本でも偶に見られる事があって、大規模なモノに関しては皆さんも御記憶があるのではないか。

なかなかこんな大規模な陥没もないとは思うが、時々は地下水の影響で陥没してしまうようなことはある。こうした事故は、しっかりした下調べをしても希に発生することがある。
で、韓国の話に戻ろう。
2つほど取り扱っているシンクホールの話題だが、小規模なものが頻繁に発生するお国柄である様だ。
今月3日には光州広域市西区のある交差点でも深さ2メートルのシンクホールが出現し、道路を走っていた乗用車のタイヤが穴に落ち込み車が大きく破損した。一歩間違えば大事故につながりかねない瞬間だった。今年1月末にはソウル市江西区麻谷洞のある工事現場周辺を歩いていた20代女性が突然できた深さ3メートルのシンクホールに落ちてしまった。
「朝鮮日報”韓国各地で発生するシンクホール、主犯は老朽化した上下水道管”」より
車が走行する道路でも、歩道でも関係なく発生するようだ。それも年間100~200箇所でシンクホールが発生すると言うから、オドロキである。
国土交通部(省に相当)によると、毎年全国の100-200カ所でこのようなシンクホールが発生するという。そのうち約50%は地下に埋められた水道管の損傷が原因だ。老朽化の影響で破損し、あるいはひびが入った水道管から水が漏れ出して周辺の地中に広がり、地面が陥没してしまうためだ。とりわけ最近のように寒さが和らぐ時期にはシンクホールが発生する危険性がさらに高い。冬の間ずっと地下で凍っていた地中が溶け、硬度が弱まり地面が陥没しやすくなるのだ。
「朝鮮日報”韓国各地で発生するシンクホール、主犯は老朽化した上下水道管”」より
春先になると、シンクホールが発生し易くなるらしい。
老朽化した水道管
さて、再び日本の話題に戻ろう。
老朽化する水道管、人工衛星を使って調査 市が電磁波から漏水を推定
2022年3月13日 12時04分
水道管の老朽化が全国的な課題となっているなか、岐阜市は人工衛星を利用して水道管の漏水場所を推定する事業を始める。新年度の一般会計当初予算案に4600万円を盛り込んだ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」を利用する。衛星から放射された電磁波は、地球で地下1~2メートルまで浸透し、反射して衛星に戻る。その際に、塩素を含む水道水とそれ以外の水では反射した電磁波の特性が異なるという。
「朝日新聞」より
日本国内でも全国津々浦々に張り巡らされた水道管があって、これが老朽化して問題となっている。特に、交換するための費用の捻出や、工事の受け手などの不足もあって、水道管の更新には非常に時間を要する。
なかなか大変な作業ではあるが、全国で民営化するなどの手法を使って更新加速をしている自治体もいると聞く。そして、朝日新聞が紹介するような新機軸の技術をトライするなど、なかなか意欲的な自治体もあって、こうした技術には是非とも期待したいところである。老朽化問題は日本の地方自治体も頭が痛い問題で、シンクホールみたいな事に繋がる可能性も高い。他人事ではないんだよね。
さて、韓国の話に戻そう。
当然ながら、韓国全土に老朽化した水道管施設が多数ある事実は、日本とそう大きくは変わらない。問題は、韓国にこの老朽化した水道管を見つける手段が殆ど無い。
以前の記事でも態々日本の技術者に依頼して調査したこともある。よって、シンクホールとして表面に出てくるまでは、修理することも難しいのが実情だ。
しかしいつ製造されたかさえ把握できていない地下水道管の長さは全国で6万キロに達する。国土交通部が管理する「地下空間統合地図」によると、全国の上下水道管は総延長が38万キロにもなるが、うち15%は管理が行われていない「闇の水道管」だという。
「朝鮮日報”韓国各地で発生するシンクホール、主犯は老朽化した上下水道管”」より
何しろ、この水道管が「いつ製造されたかさえ把握できていない」というのだから、オドロキである。総延長38万キロの水道管のウチ15%が管理すら行われていないそうだ。
管理不十分
こうした水道管の把握がしっかり出来ていない理由は、その資料が失われてしまったからだとされている。
ソウル市の関係者も「古い都心の中区や鍾路区にはいつ埋設されたか分からない配管があるが、そのほとんどは40年以上前の老朽化した水道管と推定している」と述べた。このような現状について国土交通部は「地方自治体が数十年前に水道管を埋設する際、しっかりと記録を残さなかったためだ」と説明している。
~~略~~
建設・土木業界などからは「工事を行う際、自治体が持っている図面に基づいて地面を掘り返すと、突拍子もない場所に水道管が埋められていることがある」などの話がよく聞かれる。延世大学土木工学科のチョ・ウォンチョル名誉教授によると、自治体の図面には何年度にどんな材料の水道管を埋めたか必ず記載しなければならないが、その記録が最初からないか、あっても間違っているケースが珍しくないという。
「朝鮮日報”韓国各地で発生するシンクホール、主犯は老朽化した上下水道管”」より
資料が間違っていて、そのまま管理されているあたり、驚きを隠せない。
そして……、こちらの記事に紹介しているのだが、地下水道の建築に関わったのは誰だったのか?それが明らかにされていないものの、日韓併合時期に作られていた地下水道も存在する。
そういう事情やら、朝鮮戦争時の動乱によって資料が失われてしまったことも考えられる。だから、管理が杜撰だからといって責められない部分はある。あるのだが……、いくらなんでも近年に埋めた水道管の図面はあるだろう。
そして、「間違っているケース」というのが怖い。こっちは間違い無くヤバい。管理する気が無かったと言うことなのではないか。何しろ、水道管を埋める為に道路を掘り返す必要があるわけで、それを「間違える」というのはちょっとマズイだろう。
大小さまざまなシンクホール関連の事故が数年前から起こり始めたことを受け、2018年には「地下安全管理に関する特別法」が施行された。この法律の規定によると、各自治体は水道管などの地下施設を年に1回以上点検しなければならない。ただその一方で「普段から地盤沈下への懸念がない場合は点検を省略できる」とする例外規定もあるため、どの自治体もたまに随時点検を行うだけで、予算や人材不足などを理由に定期点検は行っていないという。
「朝鮮日報”韓国各地で発生するシンクホール、主犯は老朽化した上下水道管”」より
2018年からはシンクホールの問題が深刻化したことで、年に1回以上点検しなければならないという恐ろしい規定が出来た模様。
これで図面が間違っていると見当違いなところを検査するというアホみたいな話になりそうだ。
そして、恐らくだが、韓国では今後もこのシンクホール対策を真剣にやられることは無いだろう。その理由は、三つ子の借金と呼ばれる借金が積み上がる状況で、地方行政機関にもお金がないのだ。老朽化水道管の更新をやりたくても出来ないという事情は韓国だけではない。
……でも、韓国は特に表に出ていない部分には手を付けないということが往々にしてあるので、問題が大きくなってどうにもならなくなるまではこのままなんじゃないかな。
コメント
あっちでは水道管もシンクホールも深刻な問題なんだよね。知らんけど。
日本に地中レーダーを使って、シンクホールを探す(探せる)会社があるんですが、
来日した某K国S市の役人たちに拝み倒されて、一度あっちでデモしたそうです。
そうしたら、そのレーダー技術が某K国にはないので無償協力してほしいとw。
探索作業1回で100万円のオファー出したら、二度と連絡してこなかったとか。
図々しいにもほどがありますなw
日本の民間企業に調査依頼して「無償協力してくれ」と迫った話は結構有名ですよね。
本当かどうかは知りませんけど、ありそうな話ですな。
こんにちは。
>そして、「間違っているケース」というのが怖い。こっちは間違い無くヤバい。管理する気が無かったと言うことなのではないか。
「ここに埋めた方が早くて安いニダ!ケンチョナヨ!」
「早く仕事終わらせて賃金浮かすニダ!パリパリ!」
ですね、わかります。
いや、実際、ありとあらゆる「現場の判断」が行われている事でしょう。
「記録を残す」「設計図には無駄に見えてキチンと意味がある」事が理解出来ない人たちですから。
……「防水」を「浸水」と読んで枕木カチ割った超特急もありましたっけ……
ケンチャナヨ精神・パリパリ文化ですな。
まあ、それで国が回っていくのであれば、それで良いのではないでしょうか。
ただし、日本には迷惑をかけないで欲しいです。