韓国軍では「要らない子」な斬首部隊

陸軍

このネタは前にもやったけど。

北の核に対応する斬首部隊、予算執行は5%のみ

記事入力 : 2019/08/21 09:58

 韓国国防部(省に相当)が、北朝鮮の核とミサイルに対応するための大量反撃報復(KMPR)関連予算について、低調な水準で執行していることが20日までに判明した。特に、有事の際に北朝鮮の指揮部を取り除くため創設した「斬首部隊」の予算は、執行率5%という水準にすぎなかった。

「朝鮮日報」より

えーっと、なんだろ、何回かやっているけどシルミドの話からすべきだろうか?

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現代版のシルミドは……

実尾島事件(1971年8月23日)

これが実際に起こった事件であるのが哀しいのだが、韓国の第5代~第9代大統領である朴正煕を暗殺しようと、北朝鮮の実行部隊が韓国国内に入り込んだ青瓦台襲撃未遂事件(1968年1月21日)を切っ掛けに、作ったのが684部隊である。

……部隊編成の年月が68年4月だったからという非常に単純な理由で決まったコードネームだが、ゲリラを使って金日成を殺害する計画によって作り上げられたと言うから、なかなか興味深い。何が興味深いかというと、これ、軍人を使うのでは無しに一般募集によって集められた人材を中心に構成された軍属で軍人で無い部隊だったということだろう。

その後に作られた映画シルミドでは、死刑囚や犯罪者上がりの人物を集めいたと脚色されているが、実尾島という仁川近くの島に隔離して過酷な訓練を課した31名は、「ゲリラ」でなければならなかった。だからこそ、彼らの運命は数奇なものとなる。

3年程度の過酷な訓練の末、この暗殺計画は撤回され、部隊は「無かった事」になった。更に、機密保持の観点から隊員が島から出ることが許可されず、訓練もそのまま継続されたというのである。ヤクザの鉄砲玉だってもっとマシな扱いだよ。

ただ、それをいつまでも続ける事はできず、31名集められた隊員は24名に人数を減らし(訓練期間に7名が死亡)、ついに反乱を起こすに至る。教育隊員を殺傷してバスジャックしてソウル市内に突入。銃撃戦の末、20名が殺害され、生き残った4名も軍法会議で死刑判決をうけて、1972年に刑が執行されたという。

そして、長い間この情報は秘匿されていたが、民主化を契機に資料が明らかになり2003年に「シルミド」というタイトルの映画によって世間に知られる事となる。

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映画の内容は知らないし、どこまで真実が含まれていたかも知るよしも無いのだが、斬首作戦は実際に画策されていたという実例なのである。

懲りずに立案される斬首作戦

しかし……、そもそもこの斬首作戦というのは決定的な問題があることは、以前にも言及したような……。

まずは、ソウルと平壌の位置関係だ。

ソウルは国境から50km足らずの位置にあるが、北朝鮮の首都平壌には120km以上の距離がある。その上、北朝鮮の地形情報は公にされていないので、陸路を進むにしても割と手探りで進まねばならない。空路の場合は見つかる可能性が高くなるだろうから夜陰に紛れて進むしかないのだが……。

韓国の斬首部隊用の潜入ヘリコプター事業、事実上の白紙化

2018年05月05日11時48分

韓半島(朝鮮半島)有事の際、北朝鮮指揮部を除去するための特殊任務旅団(斬首部隊)を平壌(ピョンヤン)など北朝鮮後方に侵入させる韓国の特殊作戦用ヘリコプター事業が、事実上、白紙に戻ったことが明らかになった。先月27日、南北首脳が板門店(パンムンジョム)宣言で軍事的緊張状態を緩和して戦争の危険を解消することに合意したことに伴う措置だとの見方がある。特殊作戦用ヘリコプターだけでなく、韓国軍の主要武器導入事業全般が縮小される可能性まで提起されている。

「中央日報」より

まあ、なんというか空路を使う積もりもないようだ。

特殊な特任旅団

そんな不遇な部隊なのだが、一応、想定されているのは1000人規模の部隊らしい。

特任旅団は昨年12月1日に創設された。陸軍特殊戦司令部にすでにあった部隊に人員と装備を補強して1000人規模で発足した。軍当局は北朝鮮を刺激するとして創設式を非公開で行い、マスコミに公開することもなかった。

「中央日報」より

しかしね、記事にも書いてあるのだが、そういった特殊な任務を負っているのであれば、そもそも公開せずにいれば良いのに。

だって、暗殺する対象に「暗殺部隊作ったぜ」と宣伝するのはアホのやることだぜ。

当局は、今年325億ウォンを投じ、特殊作戦用短機関銃や高速流弾機関銃、自爆型無人機、偵察用無人機、透視レーダー、遮音ヘッドホン、生体認識装置、防弾ヘルメットなどの武器と装備を補強している。しかし、特殊作戦用ヘリコプターなど潜入手段が不足していた。空軍の輸送機であるC-130を4機、潜入用に改良しているが充分ではない。特任旅団は武器と装備の大部分が実践配備されていないという理由で、先月の韓米合同軍事演習にも参加しなかった。韓国国防安保フォーラムのヤン・ウク首席研究委員は「現在の特任旅団の武器・装備水準を見ると、全く“特殊”ではない状態」と評価した。

「中央日報」より

記事にはC-130が改造されて4機ほど配備されている様だが、全幅40mの割とでかい航空機である。

これでパラシュートを使った空挺作戦をするには、そのための訓練が行われていないような感じだし、何より予算が無いというのは……。

その中でも、KMPRの中心概念だった特殊任務旅団(斬首部隊)関連予算の執行が特に低調だった。国防部は、斬首部隊の予算3億3700万ウォン(現在のレートで約2970万円。以下同じ)のうち1800万ウォン(約158万円)しか使わなかった。予算執行率は5.3%にすぎなかった。

~~略~~

最近では、斬首部隊に補給された消音装置や照準器、拡大鏡、夜間暗視装置などを南スーダン派遣部隊(ハンビッ部隊)の訓練用に転用した事実も判明した。

「朝鮮日報」より

なんだい、結局、シルミド同様に要らない子ってことなのかよ。

だったら、1000人も部隊員を用意しないで予算だって凍結すりゃ良いのに。だって、韓国には海兵隊があるんだぜ?27000人規模の組織なんだから、その一部の部隊を、特殊訓練する体で斬首作戦が出来るように育て上げれば良いのに。

確かに、「斬首部隊がある」というのは、相手にとって脅しになる可能性はあるけれども、存在を明らかにすることでスパイ行為を受ける対象にもなるわけで。

コメント

  1. え~っと、「軍属」という言葉の使い方がおかしいので突っ込み入れます。

    >軍人を使うのでは無しに一般募集によって集められた人材を中心に構成された
    >軍属で無い部隊

    「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」によると、「軍属」の定義は
    >軍隊に所属する軍人(武官・兵)以外の者の総称。基地や駐屯地等の軍施設において,
    >一般事務,建物の建設,車両や物資・備品等の補給・管理,売店・食堂の営業など,
    >戦闘に直接関与しない雑役に従事する。
    です。

    「軍属」とは「軍に所属しているけど「戦闘員」ではない人」ということです

    この記事の場合「一般募集や徴兵によって集められた人材を中心に構成された特殊部隊」が適当なのではないかと考えます。

    追伸
    「韓国慰安婦」ですが、朝日新聞がいうように「慰安所は軍の施設」だとしたら、慰安婦は「軍属」としての記録が存在するはずなんですよね。
    その情報が出てこないのは、なぜなんでしょう?

    • 突っ込みありがとうございます。
      完全にミスですね。
      修正しておきます。

  2. >映画の内容は知らないし、どこまで真実が含まれていたかも知るよしも無いのだが、斬首作戦は実際に画策されていたという実例なのである。

    「シルミド」、脚色は当然あるのは承知ですが、プロパガンダとは一線を画した興味深く当時の雰囲気は伝わってくる映画でしたよ。
    多分、教育隊員と殺し合ってまでやって反乱したのは事実に近いでしょうし、バスでソウルに接近し無残に鎮圧される描写や、複雑な心境に至っての指揮官の自害なんかは迫力ありましたね。

    余談ですがこれ以外にも、休戦協定後に上層部の身勝手により、無益な殺し合いに巻き込まれた兵士達の悲劇「高地戦」や、素朴に食を大事にし純朴に密かに生きる村を南北兵士が命懸けで守るファンタージータッチの「トンマッコルにようこそ」等々、日本人以前に人間として考えさせられる佳作映画もあります。

    >そんな不遇な部隊なのだが、一応、想定されているのは1000人規模の部隊らしい。
    >だって、暗殺する対象に「暗殺部隊作ったぜ」と宣伝するのはアホのやることだぜ。
    >だったら、1000人も部隊員を用意しないで予算だって凍結すりゃ良いのに。だって、韓国には海兵隊があるんだぜ?27000人規模の組織なんだから、その一部の部隊を、特殊訓練する体で斬首作戦が出来るように育て上げれば良いのに。

    究極のお莫迦に翻弄される兵士達に同情しますねェ~。

    >確かに、「斬首部隊がある」というのは、相手にとって脅しになる可能性はあるけれども、存在を明らかにすることでスパイ行為を受ける対象にもなるわけで。

    タイトル通り「いらない子」なのは間違いないでしょうね、特に今の文クン体制では。

    • 紹介しておきながら「シルミド」を見たことは無いのです(汗
      さておき、むしろ「創作であって欲しい」と思う程度には悲惨な事件でありまして、韓国で人権が如何に軽んぜられているかを感じさせる話でもあります。現在は流石にこんな話は無いでしょうが、クネクネの状況を見ても、人権尊重という感じでは無さそうであります。
      そして、ご指摘の様に兵士の命どころか尊厳まで軽視するような話でして。実は笑えない韓国軍の内情というヤツですね。