【未だ現役か!】老朽化が深刻な韓国軍の基礎飛行訓練用ヘリコプター

陸軍

あれ、この話って以前も……。

韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配

2020.12.07 11:54

導入から40年が経過した韓国陸・海軍の基礎飛行訓練用ヘリコプターを入れ替えるための後続機導入事業(TH-X)が再開される。

「中央日報」より

えーと、日本の自衛隊もちょっと笑えないのだけれども、それはさておき韓国軍の話題である。韓国のヘリもかなり気合いが入っている。

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老朽化が著しい韓国軍のヘリコプター

SA316「アルエットIII」

韓国陸軍のヘリコプターといえばスリオンだろう。

スリオンはこのブログでも何度も登場している優秀な機体で、ちょっと亀裂が入ったり、雨漏りが心配だったりはするのだけれども、基本的には優秀なヘリコプターだと報じられている。トラブルが解消したという報道は寡聞にして知らないが、多分解消されたのだろう。そんなわけで、機動ヘリコプターKUH-1「スリオン」は、汎用ヘリとして導入されたハズなんだが……。

今回の話は、汎用機と指定運用される予定のスリオン絡みの話ではなく、練習用ヘリコプターの話らしい。

複数の政府関係者によると、防衛事業庁は早ければ9日ごろTH-X導入事業の第3次入札公告を出す予定だ。総事業費は約1742億ウォン(約167億円)で、来年中に契約して2024年までに約40機を導入する計画だ。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

問題視されている基礎飛行訓練用ヘリコプターで、SA319アルエットIIIと呼ばれるフランス製の汎用ヘリコプターの事のようだ。このヘリコプターは、韓国陸軍と韓国海軍でそれぞれ訓練用に利用されている模様。

SA319はSA316が改良されたタイプのようで、シルエットはこんな感じのもののようだ。

何となく愛らしい印象を受けるが、初飛行は1959年と結構古い。日本でも消防庁のヘリとして導入された実績はある。また、それなりに優秀で世界中で広く利用され、そして退役させたところが多いようだ。日本でも退役済みである。

生産国では退役中

なお、製造国であるフランス軍では未だ運用されているものの、やっぱり順次退役しているようだ。Wikipedhiaによれば、2023年頃迄は飛行を続ける予定らしいが。

このように各国で退役が始まると、メンテナンス上の問題も顕在化する。1つは部品の供給問題で、採用数が減ると部品製造の採算が合わなくなるので、部品の供給が細る。特に消耗しやすい部品から足りなくなってしまう結果に。

また、いくら訓練用の機体とは言っても、古すぎると訓練に適さないケースも出てくる。計器の見方や機体のコントロールなど、新しい機体では随分と改善されており、様々な機能も追加される。そうした訓練には適さないというわけだ。

そんな理由もあって、結構前から機体の更新をしたいという話は出ていた模様。

ベトナム戦争を扱った『地獄の黙示録』(1979年作)のような古典映画に登場するような現機種は、事故の危険性や修理・付属品需給問題など老朽化が深刻だ。初任パイロットが乗る訓練機だが、老朽化が深刻で、不安な飛行が続いているということだ。

各軍の要請で防衛事業庁は2015年から国外購買で事業を推進したが、過去2回の入札では価格問題などで導入に失敗した。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

ただし、調達価格設定が低くて入札不調に終わってしまっているのもいつものパターンに陥って、未だに更新できていないという。なお、本記事では500MDの話はちょっと脇に置いておこう。

海軍は何故かUH-1H「イロコイ」を導入

そして、韓国海軍はアルエットIIIの更新が滞っている状況に待ちきれ、UH-1Hを導入したようだ。

特に海軍は修理・付属品確保にも苦労している。このために海軍は昨年末、訓練機をアルエット(ALT)3からUH-1Hに入れ替えた。UH-1Hの場合、陸軍が今年すべて退役させた機種だが、修理・付属品確保が容易と判断したのだ。軍情報筋は「付属品も回して使えるという理由で訓練機を入れ替えた」とし「それでも足りない付属品が多く、陸軍から4機を追加で導入する計画」と伝えた。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

しかし、イロコイも随分と古い機体で、1956年10月初飛行でバージョンアップを繰り返し、現在は第3世代が最新らしいということだが、それでも運用開始は1980年代後半、或いは1990年初頭くらいの話なのである。つまり30年程度の時間が経過している。

だから、韓国軍にとっては海外でしっかりメンテナンスされたものを購入する必要がある。その場合は、それ程デメリットにはならないと思うし、UH-1Hはベストセラーなので保守部品もそれなりに手に入るだろう。そのあたりは記事でも指摘されている。

しかし、消耗しやすい部品が手に入りにくくなるのも事実である。だから、「足りない付属品が多い」のは仕方が無いだろう。

また、UH-1Hもやはり退役が進んでいる機体だという事も理由としては大きい。実際に、韓国陸軍では全機退役させてしまったし、多分、韓国海軍としても繋ぎの積もりくらいで、止むに止まれず選んだということなのだろう。

今年も不調に?

そんな訳で、韓国軍では新たな基礎飛行訓練用ヘリコプターの機体を購入したいということらしい。

あまりにも老朽した機種で、計器盤・電子装備などがアナログであるため、パイロットの養成に適していないという指摘もある。匿名を求めた軍関係者は「陸軍の500MD訓練機ではデジタル時代に合った戦術飛行感覚に慣れるには限界が多い」とし「UH-1Hは淘汰された状況であり(小型機の500MDでは)訓練の空白を埋めるのが難しく、大きな負担になっている」と説明した。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

それは現状では訓練もままならない状況になりつつあり、軍の弱体化に繋がってしまう深刻な問題だからだ。だったら、予算をもっと付けろや、と思うのだが……。

このため防衛事業庁は第3次入札を控え、総事業費を約2022億ウォンに現実化してほしいと政府に要請した。従来の事業費ではシミュレーターと修理・付属品などを除けば1機あたり35億ウォン水準で購入しなければならず、第1、2次入札当時に企業が提示した導入価格は1機あたり40億ウォン台だったからだ。

しかし企画財政部は従来と同じく予算1742億ウォンを配分した。これをめぐり軍内外では「予算が足かせになってまた導入できなければ、事業方式自体を原点から見直す可能性がある。この場合、先行研究からまた始めることになり、後続機の導入時期が大幅に遅れる」という声が出ている。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

正直、できる見込みのない空母や潜水艦に予算を注ぎ込んで作っている場合では無いと思うんだが……。

ハードルを引き下げる

そんなわけで、アルエットIIIや500MDやら老朽化した機体の更新が急務で、ついに思い切った手段に。

こうした事情のため、軍は事業をこれ以上遅らせることはできないと判断し、第3次入札で作戦要求性能(ROC)評価基準を低めたという。すでに4人だった搭乗人員を3人に変更し、温度・滞空時間などの条件も下方修正したという。

「中央日報”韓国軍ヘリの老朽化が深刻…事故の心配”」より

作戦要求性能(ROC)評価基準を下げちゃったようなのだ。

韓国軍にとって適切なROCでなければ、引き下げる事は全く問題無いと思うのだけれど、それが適切なのかどうかは言及が無いし、客観的に判断することも難しいね。

ただ……、妥協して新しいヘリコプターを導入するというのは、根本的な部分で問題があるような気がしている。

高望みしていたのであれば、さっさと安い機体を導入した方が、安全性の面を考えてもメリットは高いと思うぞ。なんならスリオンを大量生産してコストを下げるというアイデアも。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    日本の陸自用の練習ヘリと同じ分類でいいのかなァ~。
    現在はTH-400B×30機が配備されていますが、数が訓練に適正なのかどうかは素人には判断できないし、調達コストは1機1億円程度の様ですね。
    とはいえ、実戦陸自用ヘリも多々問題を抱えていますから、お笑い軍を笑ってはいられません。

    >総事業費は約1742億ウォン(約167億円)で、来年中に契約して2024年までに約40機を導入する計画だ。

    よく判らないのが1機4億円弱と練習ヘリとしては高額な予算を組んでる事です。
    10年前に選定し調達開始したTH-400Bが1億円ちょっとなんで、4倍近い予算要求自体が意味不明な気がします。

    >軍は事業をこれ以上遅らせることはできないと判断し、第3次入札で作戦要求性能(ROC)評価基準を低めたという。すでに4人だった搭乗人員を3人に変更し、温度・滞空時間などの条件も下方修正したという。

    ROCも結局基準を下げるなら最初から見栄張らずに、陸自のTH-400Bなんかを素直に買ったほうがいいと思うけど。

    >開発中だとされているLAHと呼ばれる軽武装ヘリコプターを導入していく計画らしい。一応、2019年に導入できるハズだったのだが……、就役したという話は聞かない。

    いつもホルホルして自慢する南朝鮮にしては、稀に見る極秘のニュースな感じです。(冷笑)
    また、国産を自慢するつもりなのかなァ~、楽しみですね。(爆笑)

    • 陸上自衛隊用の練習用ヘリコプターって、気にしていなかったのですが、OH-6Dは退役してしまって、現在はTH-480Bなんですね。
      価格は¥195,000,000円となっていますので……、概ね2億円ですか。調達価格は調べていないのですが。
      OH-6Dは国産だっただけに、TH-480Bがアメリカ製というのはちょっと残念です。

      となると、韓国陸軍が1機4兆円弱の予算を組むというのはやや高額な感じがしますね。
      自国で開発するという話であれば、或いは仕方が無いのかも知れませんが。