韓国陸軍にとって、北朝鮮の戦車部隊はトラウマものだろう。何しろ、朝鮮戦争(1950年~1953年)では、ソウルを北朝鮮人民軍の戦車が蹂躙したのだから。
これが漢江人道橋爆破事件という痛ましい犯罪に繋がるのだが、それは調べて頂ければ分かるのでここでは説明を避けておこう。
とにかく、北朝鮮が多数保有する戦車部隊に対応する為には、対戦車兵器として有効な戦闘ヘリコプターが必要だという話になる。まあ、それは分かるんだが。
攻撃ヘリコプターAH-64E「アパッチ・ガーディアン」
最強の攻撃ヘリコプターを買うぜ!
で、いつもの事ではあるが、韓国軍が欲しがるのはいつでも最新式でさいきょーのオモチャである。
韓国軍、世界最強攻撃ヘリ「アパッチガーディアン」来年導入
2015.11.04 09:26
「タンクキラー」と呼ばれる大型攻撃ヘリコプター「アパッチガーディアン」(AH-64E)が韓半島(朝鮮半島)の番人を務める。
防衛事業庁は3日、米アリゾナ州にあるボーイング社で陸軍が導入する大型攻撃ヘリコプター「アパッチ・ガーディアン」の出庫式を行った、と明らかにした。出庫式には試製機が姿を現した。試験飛行をした後、来年上半期から順に韓国陸軍に引き渡される。
「中央日報」より
その気持ちは分かるし、韓国軍にとって「タンクキラー」を備えておきたいというのは朝鮮戦争勃発時の悲劇を考えると悲願に近いものであろうから、気持ちは分かるんだ。
格好いいしね!
韓国陸軍は、現状でAH-1F「コブラ」を52機運用している。
これも、AH-1「コブラ」の中では比較的新しく、最新のAH-1W「スーパーコブラ」AH-1Z「ヴァイパー」等と比べると少々見劣りはするものの、一線級の攻撃力を持っている。
そして、その他の回転翼機はUH-60P「ブラックホーク」(150機)やら、CH-47「チヌーク」(24機)など。
この他に「スリオン」を導入したり、LAHを導入したりという予定ではあるんだけど、どれだけヘリコプターを買う気なのかと。
軍は2016年から2018年まで1兆8000億ウォン(約2000億円)を投資し、アパッチガーディアン36機を導入する計画だ。
「中央日報」より
まあ、それでも北朝鮮と事を構える為には、必要経費ということなんだろう。
色々ダイエット!
ところが、ここで韓国軍の悪い癖が。
アパッチの1個大隊は「ヘルファイア」無し
2015-11-04 10:57:56掲載
「 naeil.com」より
来年から陸軍に配置される「タンクキラー」、アパッチガーディアン(AH-64E)の対戦車用、ヘルファイアミサイル(AGM-114)が不足していて、2個大隊のうちの1個大隊のみ武装が可能であることが判明した。さらに事業費を減らすために空対空ミサイルまで購買を減らす「ダイエット」購入をしたからである。
なんと、AH-64Eと一緒に買うはずの兵器が足りないというのである。無理なダイエットをさせてしまったらしい。
ヘルファイアは288発/ロングボウレーダーも予定の半分
攻撃ヘリに搭載するメジャーな兵器として知られる、空対地ミサイルAGM-114A「ヘルファイア」だが、AH-64Eに搭載されるのはAGM-114K/L「ヘルファイアII」というバージョンらしい。
アパッチ・ガーディアンの最大の強みは、 AN/APG-78ロングボウ・レーダーと呼ばれる、目標の発見や捕捉/照準に加えて低迎撃可能性(LPI)を有するレーダーを備えていることである。 AH-64Dでもロングボウレーダーは備えられていたが、この機能を拡張したのがAH-64Eなのだ!
……ところが、韓国は何故かロングボウ・レーダーを予定の半分の6機あたり1つ、つまり6つしか調達しなかった。リンク16戦術データリンクで連携するので、1機が備えていれば、周辺にいるAH-64Eも情報を共有できるハスではあるが、アメリカ軍は全機にロングボウレーダーを備える方針に転換したぞ。
で、AH-64Eには1機あたり最大16発のヘルファイアが搭載できる仕様になっているのだが、韓国軍は何故か288発しか購入しなかった。つまり、18機分しか調達しなかったわけだ。
スティンガーも半分だけ
更に、 AIM-92スティンガー 空対空ミサイルも、60発分しか買わなかったとか。1機あたり4発搭載できるのだが……、60発では1機あたり2発も搭載できない。
スティンガーくらい、十分に用意すればイイと思うのだが。
ヘルファイアは自国開発する噂あり
それどころか、ヘルファイアは自国で開発するなんて言う噂すら聞こえてくる始末。
韓国型ヘルファイアミサイル開発、2023年導入へ=韓国ネットは「軍の不正」を懸念
配信日時:2015年10月14日(水) 0時29分
2015年10月12日、韓国・世界日報によると、韓国国産小型武装ヘリコプター(LAH)に搭載される国産空対地ミサイルの開発が本格的に始まる。
「レコードチャイナ」より
だ、大丈夫なのか?
開発費1618億ウォン(約169億円)を含め、生産までに5000億ウォン(約522億円)が投入されるこの空対地ミサイルは、射程距離が8キロを超えるファイア・アンド・フォーゲット能力(ミサイル自体が標的を追尾する能力)を備える予定だ。韓国国防科学研究所(ADD)主管の下で研究開発が行われ、韓国企業が製造を担当する。2023〜31年の間に戦力化される予定だ。
「レコードチャイナ」より
ポッケナイナイの予感がするぞ!
実は演習場が確保出来ない
こうした事情とは別に、困った問題もある。
韓国軍最強のヘリ「アパッチ」が実弾を撃てない理由=韓国ネットは「情けない」とあきれる
配信日時:2016年10月16日(日) 6時50分
2016年10月12日、韓国・チャンネルAによると、韓国が購入した「アパッチ」が訓練もまともにできず、事実上放置状態にあることが明るみになった。
~~略~~
しかし、従来のヘリコプター訓練場の規模が小さく、8キロメートル先にいる敵のタンクを攻撃できるアパッチの核心的な戦力となる「ヘルファイアミサイル」の訓練を行える場所がないことが分かったという。さらに、30ミリ機関砲の標的も準備できていないことや、実弾が足りていないことも明らかとなった。
「レコードチャイナ」より
十分な数のミサイルを購入していないから、そもそも実弾訓練する積もりは無いのだろうけれど、訓練しないでどうやって実戦を戦うつもりなのか。
買いそろえて満足のパターンはアカンヤツだぞ?
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