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ヒグマ駆除、警察や自衛隊なぜできない

政治
この記事は約8分で読めます。

久しぶりにクマの話でも書こう。

ヒグマ駆除、警察や自衛隊なぜできない? ハンター高齢化 揺らぐ民間頼み

2025年1月4日 18:50(1月6日 14:47更新)

住宅地に現れたヒグマを警察や自衛隊が駆除できないのか―。北海道内でクマが増え続ける中、駆除を担う民間のハンターが危険にさらされる事例が相次ぎ、公的機関による直接の駆除を求める声が強まっている。北海道警察などは「駆除できる態勢がない」とするが、ハンターは高齢化などで人材不足に陥っており、民間頼みからの脱却が急務となっている。

北海道新聞より

もう、引用するのが北海道新聞の記事なので、内容的にはどうかと思うのだけれど、そこはさておこう。で、記事にあるように、ここのところ猟友会との関係悪化で更にクマ問題が深刻化している。

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法整備するしかない

誰が対応するんですか

以前の記事はこちら。

色々書いたけれども、そもそも民間組織に「クマを駆除してくれ」とお願いをして、お金は殆ど出さないという地方自治体のスタンスがおかしいと思うんだよね。

ただ、じゃあ警察に出動してくれと言うのも無理な話。この辺りは後述するけれども、対人戦を前提とする警察に、クマの駆除をお願いしてもねぇ。

だから、猟友会にお願いするのは仕方のない判断だ思うんだけど、しっかりとお手当は出そうよ

昨年10月上旬、北海道猟友会千歳支部の坂井憲一支部長(75)は、千歳市の要請を受け、市内の公園に入り込んだクマの対応に当たった。現場は市街地に隣接し、発砲できないエリアだった。

北海道新聞「ヒグマ駆除、警察や自衛隊なぜできない?」より

現場対応にあたった方は75歳と、高齢である。そして高齢化が激しいので、このクマ問題は今後一層問題となるんだろうとは思う。

猟友会に辛い判決

若手の少ない猟友会ではあるが、それでも銃が使える前提であれば、まだマシなのだ。

鳥獣保護管理法は、半径200メートルに建物が10軒以上ある市街地での発砲を禁じている。ゴルフ場のケースでは、署員が関係機関と連絡を取り、市街地ではないと確認した後、駆除に至った。

坂井支部長は「ハンターが負うリスクが大きすぎる。警察など公的機関が猟銃駆除できる態勢を整える時期にきている」と訴える。

政府が1月の通常国会で提出する鳥獣保護管理法改正案では、市町村が許可すれば市街地での発砲が可能となる。駆除に伴う建物被害も自治体側が補償する見通しだ。

北海道新聞「ヒグマ駆除、警察や自衛隊なぜできない?」より

だけど、鳥獣保護管理法の関係もあって、市街地での発砲はNG。そもそもクマが市街地に出てきてから連絡されても、対応するのは難しいという実情がある。

そして、この市街地での発砲で何が起きるかというと……。

クマ駆除協力の猟友会男性、逆転敗訴 “猟銃所持許可の取消”に広がる波紋「処分が怖くて駆除できない」

2024/12/10

自治体の要請を受けてヒグマを駆除した際、周辺の建物に銃弾が当たる恐れがあったとして、猟友会の男性の猟銃所持許可を取り消した北海道の処分を適法と認めた札幌高裁判決が波紋を広げている。道猟友会は11月、会員の懸念の高まりを受け、発砲する際の責任の所在などを明確化するため、事前に自治体や警察と協議するよう全ての支部に通知することを決めた。不安が払拭されない場合は、支部ごとの判断で要請に応じないことも可能としている。

訴訟は、道猟友会砂川支部長の男性(75)が原告となって提起。札幌地裁は道の処分を違法と判断したものの、札幌高裁は「現場は跳弾が起きやすい環境で、周辺にある5軒の建物に到達する危険性があった」として、男性の逆転敗訴を言い渡した。男性は「ハンター全体に影響を与える不当な判決」として上告した。

道猟友会には約5400人の会員が所属。高裁判決の影響は大きく、同会には多くの支部から「処分されるならやってられない」「処分が怖くて町中で駆除できない」など懸念の声が相次いで寄せられたという。

文春オンラインより

発砲する場所が悪いと、駆除依頼を出された状態であっても罪に問われる展開になる。

この判決に至った事件もかなり酷い話で、砂川市からの駆除要請を受けて、市職員1名と警察官1名と共に出動したハンター2名が、市職員の要請を受けて発砲してクマを駆除。ところが、発砲したハンターは銃刀法違反などの疑いで書類送検されてしまう流れに。

この書類送検の切っ掛けになったのは、発砲していない方のハンターからの訴えだったというから話がややこしいのだが、司法の判断は意味不明であったために、猟友会は依頼を出されても動かないと激怒。この話は全国に広まって、動揺が広がった。

公的機関は駆除できるのか

というわけで、「そもそも法整備出来ていない状態で、民間組織の善意に頼るクマの駆除は無理だ」という今更ながらの結論になっているのが上に紹介した記事なのだ。そして、それ以外にもハンターの高齢化という問題があって、今後一層、この問題は深刻化すると思われる。

更に加えて、ネットを中心に意味不明なお気持ち表明パヨクが活躍を広げていて、「クマを殺すな」とか「クマと共存しろ」とか、無理難題を叩き付けるのがブームになっていることも、問題である。

そうした背景もあって、公的機関がクマの駆除をすべきだという意見も根強くあり、その声は高まっている。

法改正の議論も含め、民間頼みの駆除が前提となるのはなぜなのか。銃器を扱う公的機関のうち、北海道警察は駆除を担うためには、クマの生態に関する知識や、通常の装備にはない猟銃の使用経験が必要とし、「知見のない警察が駆除を行うことは困難」とする。

北海道新聞「ヒグマ駆除、警察や自衛隊なぜできない?」より

だが、警察にお願いするのは無理だろう。そもそも対人装備しか持っていない警察に、「クマを駆除してくれ」というのはあまりにも酷い。豆鉄砲にポリカの盾で、何が出来るというのか。

現状では、警察や地方自治体職員が判断をして、ハンターに発砲して貰うという体制になっているらしい。が、これもまた問題である。

北海道帯広市では5年前、市街地にヒグマが出没し小学校にも侵入しましたが、警察官が発砲を命じていいかすぐに判断できず、駆除までに長い時間がかかりました。

~~略~~

最終的には帯広警察署の署長がみずから現場の状況を確認して周辺の住民を避難させたうえで発砲を命じ、ハンターが校舎の3階から木の上に登ったヒグマに向かって発砲して駆除したということです。

小学校にヒグマが侵入してから発砲が命令されるまで、およそ4時間がかかりました。

NHKニュースより

判断する側に鳥獣保護法などに関する知識や、クマの生態に関する知識がないために、適切な判断が出来ないのだ。

また、これから仕事を請け負ってくれるハンターが減る一方だというのも、問題だろう。猟友会自体が上に紹介した訴訟の関係もあって、「馬鹿らしくてやっていられない」と思っているのだから尚更である。

熊害ゆうがいで災害出動が可能か

では、自衛隊ならば?ということを仰る方も結構多いのだが、法律の想定が、「敵」に「野生生物」を含まない。そうすると、恐らくは鳥獣保護法などを援用することになると思う。でも、そうすると武器使用ができるのか?という疑問は出るよね。

「戦車が2両。部隊は完全武装し…」ベテラン猟師を殺した“凶悪ヒグマ”の駆除に自衛隊が立てた作戦とは

2023/02/24

イノシシ、シカ、クマ……。害獣被害の報道が絶えない近年であるが、先日こんな報道があった。千葉県議会の超党派でつくる「有害鳥獣対策推進議員連盟」が、防衛相に次のような陳情をしたという。

陳情書では、自衛隊の退職者について「社会貢献への意識が高く、野外活動経験が豊富で、高度な技術を持つ」として、鳥獣被害防止活動への参加を促す広報活動の充実を求めた。また、現役隊員による鳥獣対策への「組織的な支援」も検討するよう求めている。

~~略~~

1962年は、道東でヒグマ被害が相次いだ年だ。十勝岳が6月に噴火したことで道東の広範囲が降灰に見舞われ、夏の長雨もあって、クマの食料が不足していたと見られる。特に標津町では秋に入ってクマ被害が多発しており、酪農を主要産業とする標津町は熊害対策本部を設置し、根室支庁を通じて陸上自衛隊第5師団の災害派遣を要請した。

~~略~~

実際、自衛隊によるクマ狩りはこれが初めてではない。1961年9月5日には、北海道松前地方でのクマによる農業被害を受けて、海上自衛隊函館基地隊から隊員3名と猟銃5丁が出動して、5日間のクマ狩りが実施されたと1962年の自衛隊年鑑に記されている。60年代は自衛隊によるクマ狩りが度々行われており、現在とは異なる切迫した空気を感じさせる。

文春オンラインより

過去には、自衛隊に要請をして熊狩りをしてもらった実績はあったようだが、この時は自衛隊法94条で援用する警察官職務執行法第4条に基づく「必要な限度」に武器使用の根拠を求めたようだね。

ただ、随分と無理がある援用なので、市街地での対応は自衛隊には法的に不可能だろう。

自衛隊法94条は「警察官がその場にいない場合に限り」援用できるとしているので、市街地に警察官が出てこないシーンを想定できない以上は、他に法的根拠を求めるしかない。

また、警察官と同じく野生生物に関する知識がないということがネックになるだろうから、現実問題として最適解にはならないだろう。市街地での対人・対物を想定した自衛隊の装備をクマ退治に使うのも、現行法制では難しい。

専門機関の立ち上げが必要

というわけで、結論としては害獣処理をする為の専門機関を作る前提で法整備をしていくしか無いと思われる。それは警察の特別部署として設置しても良いし、自衛隊の特別部署として設置しても良い。

ただ、警察に設置ということとなるとFBI(連邦捜査局)的な組織が日本にはないため、県を跨いだ判断が難しい。逆に自衛隊に特別部署を設置ということにすると、地方自治体の長の判断を仰ぐ必要があるので、これもまたちょっと厄介ではある。

そうすると、県を跨いだ作戦遂行をできる専門組織を、内閣府の下部機関として運用するというのがベターではないのか。

でも、ヒグマだけってな話であれば、北海道マターなので、自衛隊でも警察でもどちらに設置しても問題はあるまい。ツキノワグマとヒグマとでは脅威度が全然違うしね。ただ、それにしても法整備は必須なので、市街地で発砲する前提で法整備をする必要があるだろう。

コメント

  1. 匿名 より:

    今まで後回しにして歪んだ状況が爆発した感じですよねぇ。
    猟銃持ちのハンターの高齢化プラス事態によっては命懸けの仕事を半ばボランティアに任せ、挙げ句の果てに場合に猟銃免許取上げの可能性も有りますからねぇ。
    現状法整備を急いで警察に専門部署を立ち上げて動くのが一番スマートに行きそう。
    自衛隊に頼むとしても其れこそアカい大地の北海道で自称市民の活動家が騒ぎ立ててマスゴミにトンデモ報道されて、本来の活動すら遂行出来なくなりそうですし。

    • 木霊 より:

      ずっと放置されてきた問題ですから、被害が拡大している今こそ手を付けなければ。
      一朝一夕で解決する話ではないんですけどね、残念ながら。

      で、個人的な見解を申し上げれば、やはり警察組織としておいた方が、警察職務執行法などの絡みからもスマートだとは思います。
      SATみたいなスペシャルチームを作る感じでしょうね。

  2. 山童 より:

    警察はムリでしょ。仮にSATを投入しても、
    H&KのMP5じゃ、命中精度が高くともヒグマの突進を止められない!
    ヒグマって追われると足跡をつけた後で、自分の踏み跡をバックして、藪へ飛んで隠れる。追跡者を自分から追い越させて、背後から襲ったり、道の曲がり角の藪に潜んで至近距離10mとかで襲ってくる。時速はウサイン・ボルトより速い。鋭い爪のフックが来るまで3秒足らず。それの250〜400Kgの自重で突進されるとSMGはもちろんアサルトライフルのフルオート連射でも止められない。
    ストップパワーならイサカのM37とかダブルO弾とかでスラムファイア(トリガー引いたままスライドを前後して、意図的に暴発させて連射する)なら、ほぼ1〜1.5秒間に
    32口径拳銃弾並みの粒が30発近く飛んてくる事になる。コレぐらいでないと咄嗟の「障壁・盾」にならない。
    また25〜30m以内で撃たねばならない(市街戦みれば解る)だろうから、その距離だとスコープ着けたARや20式は当てにならん。歩兵戦闘てのアサルトライフルは200mくらいを対象にしている高速小口径弾でしょ。ジュールは大きくとも至近でのストップパワーには役立たず! 
    ストップパワー論争はジュールで解決されてますが、それは質量とスピードに劣る対人戦闘の場合です。200キログラ超えのヒグマだのアムール虎には、ようは重たい弾頭でぶん殴る必要ある。
    つまり近代戦闘とは真逆な、射程距離が100mも無いが、弾頭が大きく重量のあるスラグ弾で撃つ。皆が勘違いしますが、至近での大物相手にするならライフルより大口径ショットガンのスラグですよ。
    ウエイトが同じならば、スナッピーで速いパンチより、遅くても重いパンチの方がKO率が高いのと同じ!!
    ハンターたちの言う「ヒグマ相手にするのは特殊部隊と戦うのと同じ」というのは事実で、しかし人間のチーム同士で戦うのとはまるで違う。武器のチョイスから偵察・追跡に至るまで。
    それ専門の部隊は必要だし、しかし、そこて養われたスカウト能力は、特殊部隊などの野戦には必ず応用てきるので、養成は悪くは無いとは想うす。警察を使うならば、
    SAT隊員とかに訓練しないとムリてはないかと想いますね。

    • 木霊 より:

      警察関係にするにせよ、自衛隊関係にするにせよ、専門チームを作って専用装備を持たせ、法整備しなければ、機能しないと思っています。
      耐クマ武器の有用性に関する知見は僕にはありませんから、そこいらの判断は専門家に委ねたいと思いますが、何にせよ市街地での戦闘を想定した運用を考えるべきでしょう。現状では全く対応できていませんからね。
      法執行という意味では、前のコメントにも書かせて頂いた通り、警察の組織とした方が良いのですが、予算面や訓練設備の話を考えると自衛隊のスペシャルチームにしておいた方が色々と都合が良さそうに思います。それでも立法措置は必要なんですが。

  3. 匿名 より:

    北海道だけ口径8mm以上の猟銃が認可されている、警察や自衛隊にその様な装備は無い。
    そして自治体としての北海道にヒグマ駆除の部署と装備を持つ予算が無い。

    • 山童 より:

      モスバーグやイサカの銃は米軍に狩りられるし、訓練そのものは米国ライフル協会に頼めばインストラクター派遣してくれると想うんですね。そして自衛隊で養成するということは、自衛官は国家公務員なので日本国として処理する事になる。
      あとドローンに銃器を積む装備が開発されてますから、それらの実戦訓練として役立てる事もてきるかと。
      巻狩りで特定地点へと追い込んで、そこに米軍から借りたクラスター爆弾とかぶち込めば一網打尽にてきるかと想うんてすが。
      面倒なのはヒグマどもが現状に頂点捕食者だと言う事です。ニホンオオカミやエゾオオカミを皆殺ししたのが、本土でも北海道でも獣害の始まりですからねぇ😮‍💨😮‍💨
      同じ轍を踏む事はてきませんから、一網打尽はダメっすね。

    • 木霊 より:

      部署と装備を持つ予算がないのは、国から補填して貰うより他ありませんね。
      除雪なんかと同じく、特別な予算編成は必須だと思っています。

  4. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    正味な話、実銃の所持許可を取りたいと常々思っていて、その理由付けに有害鳥獣駆除が乗っかってきた感じです(取得に対しての一番の障壁は、カミサンの同意だったりしますが)。

    駆除目的だと、自衛隊がトド相手に重機関銃やら戦闘機(F86だったかと)やら持ち出した記録はあるはずですが……そもそもフットワークが重すぎる。
    猟友会も、法的な縛りで、直前まで装填出来ないとか、移動中は銃をケースに入れるとか意味不明(ではないけれど)な縛りが多すぎます。
    ※なので、待機からの初弾は、散弾銃で、アドミンリロードが一番現実的なのかなとも思ってるところです。

    いや、本音を言うとですね、ダットサイト載せたスパスを撃ちたいだけなんですけどね。
    ※法規制的にメタルストックNGなので、そこは妥協します。
    ※実際、持ってる人、居るようですし……
    http://lilosolohunter.com/blog-entry-300.html

    • 木霊 より:

      こんにちは。

      実銃所持ですか。
      そういえば叔父さんが持っていて、スコープを覗かせて貰った事があったような。
      銃の管理はなかなか面倒なようで、それなりの覚悟をした上で所持に踏み切る感じになりそうですけれど。

    • 山童 より:

      ライフルは散弾銃所持10年のキャリアいるので、銃身の半ばまでライフリングを入れたハーフライフルをお勧めします。
      一発弾は値段が高いし、射程距離も80〜90mでエアライフル並みですが、威力は下手なアサルトライフルよりあります。拳銃で至近距離なら38口径よりガバメントの方が殺傷力たかいのと同じ。弾の質量がそもそもデカいのと、散弾は爆薬に類するので、推進火薬に比べて貫通力はなくても、弾のトルクが強いから。
      ただ……いきなり大物猟は正直に難しい。
      私は弾代が低予算で済むエアライフルで、里山や、カラス退治してから…と思います。
      鉄玉を弾くコンパン・ド・ボウがあって、あれカラス退治に良いと想うんてすが、日本は弓矢猟を禁止ているので、弾弓もダメてせうねぇ。なのに何故か改造スリングショットでダーツを発射するのは違法てはないんですねぇ。
      そうそう銃は金かかるのて、先ず最初に
      本式なスリングショットを入手して、鳥や小動物から入ったら如何ですか?
      鳴き声で鳥の止まる枝を見つけ出したり、
      藪に隠れる獣を見出す「目と耳」が狩猟には必要です。それは害獣駆除でも変わらない。標的も命がけになるわけですから、忍者のようなものなので。銃を持っても獲物に全く出会えないと嫌になってしまうものですから。

      • 山童 より:

        基本、猟で射手としての腕が問われるのは最終局面だけで、それまでは勢子とリーダーの差配てあるチームワークか、単独猟なら土地と生き物を知ることに尽きます。
        害鳥獣駆除を目的となさるなら、待ち伏せ猟が主体となるでしょうが、それでも土地と標的への知識は欠かせない。そして、それは鳥獣図鑑の知識てはダメで、山野を歩いてみるしか血肉にならないんですよ。
        だとすると農地などの周辺に小型の箱罠を仕掛ける罠猟(別な狩猟免許が必要)とか併願で取って置くべきで。
        罠猟師は罠猟で他に里山知識が深いし、銃を持つ者が彼らと付き合ってると、「しとめ」を頼まれる事も多く、
        経験も積めます。
        待ち伏せするにも、罠がけするにも、
        相手の営巣地、水場、餌場などと活動パターンを把握しておく事が必要です。駆除だから待っていれば良いというものてはなく、誘導する事も多い。
        それらには知識と体験が必要で、猟友会に入って、様々な猟師に聞くのが最短距離です。
        私の場合、小学生じぶんから密猟していた事や、農家に頼まれてドブネズミ退治していた事がアウトドア知識を増やしてくれましたが、それはこちらがガキで、かつ昭和だった事があります。今の時代、その世界で長い人たちのチームに加わる方がコアな情報アクセスは速い。それと猟友会に属していれば、自然と害鳥獣駆除のお仕事を頼まれて、リーダー的な人から口をきいてもらえるという事があります。
        特に山野での経験を積む為には、有能な猟犬を所有する先輩に就くのが有効です。銃はともかく「猟犬」まで考えると大変でないですか。そういう部分を他の猟師に代行してもらえる点でも猟友会だと想います。

        • 七面鳥 より:

          アドバイス、ありがとうございます。
          (既に鬼籍の)オヤジが散弾もライフルも持っていたので、ガキの頃からGun誌読みふけるような「おかしなガキ」でしたので。
          ※で、そのオヤジの葬式終わってから、雷管生きてる散弾実包が数発出てきて大騒ぎしたのは別の話。いろんな意味で違法なので。
          この歳になって今更、というのはありますが、趣味が少しでも人助けになれば、という気持ちももちろんあります。

          散弾(12番)の反動は、ライフル(30-06)の比じゃないですからね、スラッグだともっと凄いのだと思います……(何故実包の反動を知ってるかはヒミツです)

          エアライフルも欲しかったのですよね。居鳥撃ちなら充分でしょう。
          よしんば、カミサン説得に成功したら、猟友会にも足を運びましょう。

  5. 砂漠の男 より:

    こういう場合、速やかな住民の屋内退避と警察による避難誘導しかありませんね。
    熊を街中で確実に排除する手段がないなら、熊が森へ帰ってくれるまで待つことが最善です。
    大小色々いますが、野生の熊は地上生物でも頂点付近にいる強い動物ですから、
    人間は熊にケンカを売らないほうがいいです。
    砂漠の男の祖父は、生前猟銃免許を所持していて、高齢になるまで毎年個人猟に出掛けて
    いましたが、熊の痕跡を見つけたら、即座に引き返したと言っていました。お供の猟犬を
    熊にやられたことがあったという話も聞いていましたよ。

    • 木霊 より:

      そうですか。
      猟銃を持っている叔父からはクマに遭った話は聞きませんでしたが、イノシシでも正面に回ることは絶対に避けると言っていましたっけ。
      野生生物を相手にするというのは、人間にはなかなか荷が重いのかもしれませんね。なお、猟犬が猪にやられた話はききましたよ?(笑)

    • 山童 より:

      私は非殺傷型の積極策だと思います。熊の撤退を前提にすると、奴らは学習してしまうので、戻る・居着く可能性がある。
      殺さずとも嫌がらせは必須です。
      カレリア・ベア・ドッグでしたかね、その方面で大きな成果を出している猟犬います。
      熊狩犬種で、主に吠声と威嚇で噛みつきを行い、熊の優等と「来てはならぬ地」てある事を学習させる能力あり。注目した動物学者が米国内に繁殖&訓練センターを作り、各国へ派遣して成果を出してます。
      日本の軽井沢でも3頭を導入し、年間200件弱の人里侵入を4件に減らした実績あり!
      但し、ハンドラー以外に懐かず攻撃的な犬種でもあるので、プロによる管理は必須。
      ただ、こうした熊を人里から追い払い、嫌がらせして来ないよう学習させる犬種の導入が最も効果的かと。この犬とドローンを組み合わせた技術を開発すれば、射殺数……というより接触数そのものを減らせるし、
      これらの犬は誘導後にハンターが来るまで
      熊の留置がてきるので、射殺する場合も現場を市街地の外に誘導てきます!!
      確実なのは野戦的なスカウト能力ある者と、ハンドラーと自然における知識と、土地勘が要される事で、基本的に市街地の対人しか想定してない警察ではムリと思いますね。法改正は必須ても、殺るなら野戦を想定している「兵士」でないと。警官にはムリてすよ。彼らは泥地を這いずるような訓練や、ブッシュの中での戦闘は想定してませんでしょう??
      警官にはムリです。

      • 山童 より:

        次いで言うと熊はグリズリー、ブラウンベア(ヒグマ)、黒熊、月の輪……と
        種類を問わず犬族を怖れます。
        一つには小熊を狼が捕食する事と、彼らの吠声や、噛みつきを集団のヒットアンドアウェイで行う事を嫌うから。
        吠声に対して非常に怖がるのは、熊も日本猿の群れも同じです。
        私の書き方も悪いのですが、犬というようなローテクの導入を本気で考えるべきなんですね。現代人は全てテクノロジーで解決しようとする。でもテクノロジーよりテクニックの方が効果ある分野もある。その例だと思います。
        結局、この種のミッションは専門知識と技術と経験ある専門職が必須ですよね。それ最も人件費が係るので、想定から除外したがるんですよ官は!!
        官僚ってシステムの権化なので、彼らの存在価値となる社会システムの埒外な対象(動物など)は、頭から否定しようとする。
        熊害はロシア、北欧など始め世界各地で実害が出ている問題で、それら他国との情報共有も必要です。
        大事なのは積極策を練って、それまで埒外としてきた生物による侵略にどう対処するか考える事でしょうね。
        この中には言い難いけど、地方の過疎部は見捨てて、コンパクトシティに人口を移動させていくというような、
        人口縮小対応とも関係してます。
        里山荒廃は何年も前から木霊様ブログに投稿させて頂いてますが、それ結局は人口問題なんですよね。

        • 砂漠の男 より:

          有益な話をありがとうございます。山童様の博識には脱帽です。
          熊対策を本気でやるなら、かなりの時間と費用がかかりそうですが、
          今後野生熊の活動範囲が広がって、益々人間との接触が増えそうですから、
          なんらかの対策をしないことには、どうにもなりそうにありませんね。
          子どもに犠牲者でも出れば、行政の責任問題として追及されます。
          そんなことはあってはならないので、対策は必要ですね。