台湾有事対応でミサイル配備をするなとロシアが脅す

ロシアが、変なことを言って日本を脅してきたな。

米国が日本にミサイルを配備すれば対応する＝ロシア外務省

2024年11月28日午前 12:33

ロシア外務省のザハロワ報道官は２７日、米国が日本にミサイルを配備した場合、モスクワは報復措置を取るだろうと述べた。ロシアの安全保障が脅かされるためとした。

ロイターより

ロシア発、日本向けのメッセージということなんだろうけれど、安心して欲しい。アメリカが日本にミサイルを配備するのではなく、日本が独自にミサイルを配備するから！

……独自でミサイル配備できたらいいなぁ。

ロシアが反応する台湾情勢

ミサイル部隊の配備

さておき、ロシアからの「警告」というか「脅し」の話からちょっと言及して行きたい。

それにしてもロシアさんよ、共同通信は誤報を垂れ流すから注意した方が良いよ！

共同通信は２４日、日本の自衛隊と米軍が１２月中に台湾有事を巡り初の共同作戦計画策定を目指していると報じた。計画では、鹿児島県から沖縄県に連なる南西諸島にミサイル部隊を配備するという。

ロイター「米国が日本にミサイルを配備すれば対応する」より

ええと、この話に関係する記事は……。

米、台湾有事の緊急計画を策定 共同通信

2024年11月25日 13:53

共同通信は24日、米軍が台湾有事に備え、日本およびフィリピンにおける展開の緊急計画を策定中だと報じた。

日米関係筋への取材に基づく情報として、12月に策定される自衛隊と米軍による初の共同作戦計画に盛り込まれると伝えた。

報道によると、鹿児島県から、台湾に近い沖縄県与那国島に至る南西諸島には、高機動ロケット砲システム「ハイマース」を運用する米海兵隊の「海兵沿岸連隊（MLR）」が展開する。

AFPより

共同通信の記事を直接引用しても仕方がないので、AFPの記事を引用した。これによると、南西諸島に高機動ロケット砲システム「ハイマース」を運用する米海兵隊を展開させるということらしい。うんうん、確かにそんな話は前にもあったね。

M142高機動ロケット砲システムHIMARSだが、運用するミサイル次第で射程距離は500km程度ということになる。

こんな感じの移動車両にミサイルポットを積んで、遠距離攻撃をするって事になっているんだけど、何故、ロシアが。

射程距離

南西諸島の中でも、宮古島や与那国島あたりはミサイル部隊が配備される可能性のある島なんだけれども、国内のパヨクは反対しているらしい。

【独自】台湾有事を巡りミサイル網構築　対中国、日米共同作戦策定へ

2024年11月24日 21時10分

台湾有事の際、米軍がミサイル部隊を南西諸島とフィリピンに展開させ、軍事拠点を設ける方針であることが２４日、分かった。自衛隊と米軍は１２月中に台湾有事を巡り初の共同作戦計画策定を目指しており、ミサイル部隊の展開方針を盛り込む。台湾の武力統一を排除しない中国に対抗する日米の基本構想が明らかになった。有事が起きれば広大なエリアが「戦域化」し、中国による部隊拠点への攻撃で周辺住民が巻き込まれ、犠牲となる恐れがある。日米関係筋への取材で判明した。

関係筋によると、鹿児島県から沖縄県の南西諸島に展開するのは、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などを保有する米海兵隊の「海兵沿岸連隊（ＭＬＲ）」。台湾有事の切迫度が高まった初期段階で、小規模部隊の分散展開を柱とする運用指針「遠征前方基地作戦（ＥＡＢＯ）」に基づき、有人島に臨時拠点を設ける。自衛隊は弾薬や燃料の提供など後方支援を担うとみられる。

東京新聞より

東京新聞は、相変わらず「周辺住民が巻き込まれ、犠牲となる恐れ」とかトンチンカンな事を書いている。大丈夫かな？

有事になったら巻き込まれるというより、完全に戦場になるのが南西諸島なのである。当事者なんだよね、地政学的には。

離島におけるミサイル防衛については、視覚的に見た方が分かり易いだろう。

濃い緑で円を描いた方が宮古島に配備した場合で、明るい緑で円を描いた方が奄美大島に配備した場合である。円の半径は500kmに設定しているので、複数の離島にミサイル拠点を置けば概ね九州から台湾までのラインをカバー出来るという事になる。

あれ？ロシア、関係ある？

台湾有事が差し迫った場合には、初期段階から米軍のガイドラインに基づき、米海兵隊が小規模編成で分散展開し、有人島に臨時基地を設置。自衛隊は弾薬や燃料の提供を含め、海兵隊の後方支援を担うとされる。

AFP「米、台湾有事の緊急計画を策定 共同通信」より

自衛のためにミサイル部隊を配備することの、何が問題なのだろうか。不思議だなぁ（棒）。

どくと……りん？

さて、ロシアの報道官の発言をもう少し詳しく読んでみよう。

ザハロワ報道官は、日本が米国との軍事協力拡大を正当化するために台湾周辺の情勢をエスカレートさせていると非難。「日本側に対し、ロシアは自国の防衛力強化に向けて必要かつ適切な措置を取らざるを得なくなると繰り返し警告してきた」とした上で、ロシアが１９日発表した核兵器使用に関するドクトリン（核抑止力の国家政策指針）の改定が意味するところを理解すべきだと述べた。

ロイター「米国が日本にミサイルを配備すれば対応する」より

うーん、支那のプロパガンダにのったロシアの発言という感じになっているんだけど、台湾有事はそもそも支那の言動が問題なんだが。

「日本側に対し、ロシアは自国の防衛力強化に向けて必要かつ適切な措置を取らざるを得なくなると繰り返し警告してきた」って言われても、本件にはロシア関係ないし、言い掛かりも甚だしい。

「ロシアが１９日発表した核兵器使用に関するドクトリン（核抑止力の国家政策指針）の改定が意味するところを理解すべき」といわれても、ハッキリ言ったらどうなの。

ロシア、核ドクトリンを改定　通常兵器攻撃に対する核使用を留保

2024.11.19 Tue posted at 20:45 JST

ロシアのプーチン大統領は１９日、核ドクトリンを改定した。この２日前にはバイデン米大統領がウクライナに対し米国製の兵器でロシア領内奥地を攻撃する許可を与えていた。

発表されたドクトリンの改定版では、ロシアは核保有国が参加する非核保有国からの侵略行為を同国への共同攻撃とみなすとしている。

ロシア大統領府は改定された核ドクトリンは理論上、核兵器の先制使用のハードルを下げるものだと述べ、新たな核による威嚇を開始した。

CNNより

「ロシアは核保有国が参加する非核保有国からの侵略行為を同国への共同攻撃とみなす」として、例えば「ベラルーシに対する通常兵器による攻撃があった場合、ロシアが核兵器を使用する権利を留保することを意味する」と説明している。

ロシアの同盟国って、「集団安全保障条約機構」（CSTO）に参加している国という風に理解できると思うんだけど、CSTOにはロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの6カ国が参加するのみ。

ただ、支那は戦略的連携パートナーという位置づけだとしていて、インドや北朝鮮とも準軍事同盟的な位置づけであるようだ。

ロシアのドクトリンが曖昧だというのに、「理解すべき」と言われてもねぇ。

支那に秋波を送る

というわけで、支那が何かを言う前に頑張っちゃったロシアの構図なんだと思う。いや、支那からロシアに対して「文句を言っておいてくれ」と言った可能性もあるけれど。

「米国、台湾有事の際、日本南西諸島とフィリピンにミサイル部隊配置」

2024.11.25 07:43

台湾有事の際、米軍が日本南西諸島とフィリピンにミサイル部隊を配置し、軍事拠点として活用する方針であることが伝えられた。日本の共同通信は外交筋を引用して２４日、このように報じた。

報道によると、有事の際、鹿児島県から沖縄県につながる南西諸島に高機動ロケット砲システム（ハイマース）などを保有する米海兵隊「海兵沿岸連隊」（ＭＬＲ）を展開する。

～～略～～

フィリピンには米軍多領域任務部隊（Ｍｕｌｔｉ－Ｄｏｍａｉｎ　Ｔａｓｋ　Ｆｏｒｃｅ＝ＭＤＴＦ）傘下のミサイル部隊を置く。多領域とは空中・地上・海上・宇宙・サイバーなど戦闘が行われる複数の領域を意味する。

中央日報より

ただ中央日報にあるように、フィリピンには既にもミサイル部隊を置く予定になっていて、日本の南西諸島にも配備されるとなるとなかなか台湾侵攻にはハードルが高くなる。

上の図に、フィリピンにミサイル部隊を配備した場合のモノも紹介しておこう。

どう考えても、困るのは支那だろうね。では、ロシアは何故そんなことを言い始めたのかと言えば、おそらく経済的な理由だ。

ロシアルーブル、侵略直後以来の安値　戦時インフレ直撃

2024年11月28日 3:57 (2024年11月28日 4:04更新)

ロシアの通貨ルーブルが27日の外国為替市場で下落し、2022年2月にロシアがウクライナ侵略を開始した直後（22年3月）以来の安値圏となった。11月の米国大統領選でトランプ前大統領が当選し原油の先安観が出ていることや米国による金融制裁などが響いているとみられる。ルーブル安でロシアのインフレが一段と加速する可能性がある。

日本経済新聞より

ロシア「前門のインフレ、後門の不況」　戦時経済の代償

2024年11月27日 5:00

ロシアがウクライナ侵略を開始して1000日が過ぎた。西側諸国による経済制裁にもかかわらず、ロシア経済は2024年に3%台の国内総生産（GDP）成長が見込まれるなど好調さを示している。しかし、長引く戦時経済体制のひずみが表面化し始めた。

日本経済新聞より

このブログでも以前に指摘したが、ロシア経済はいよいよ不味い段階に来ている。

「ロシア経済好調」と報じる日テレ

ふむ。日テレ、情弱だなぁと思って記事を読んでいたが、これ、多分、「案件」だね。経済制裁続くも“好景気”消費欲に沸くロシア　賃金アップで高級和食や高級車が人気2024年9月9日 19:43ウクライナ侵攻で欧米などの経済制裁が続くロシアですが、...

annex2.site

2024.09.11

分かっていた話だけに、「しょうがないよね」というのが僕の正直な感想なのだが、連邦予算案では国防費が予算全体の32.5％に達してしまっていて、更に来年は厳しい状況だろうと予想されている。

そんなわけで、口先介入をしてでも支那に「金をくれ」と。

追記

合同訓練か－。

中国とロシア 日本海上空で合同パトロール 米念頭に連携深める

2024年11月29日 18時25分

中国国防省はロシア軍との合同パトロールを日本海の上空で実施したと明らかにし、ともに対立するアメリカを念頭に軍事面での連携を深めています。

中国国防省によりますと29日、日本海の関連空域で中国軍とロシア軍が9度目となる合同パトロールを実施したと発表しました。

詳細は明らかにしていません。

NHKニュースより

こういうのは、事前に通告しておくモノじゃないのかな。

一方、韓国軍によりますと、29日午前9時35分から午後1時53分にかけて中国の軍用機5機とロシアの軍用機6機が韓国の防空識別圏に進入したことから、戦闘機を発進させて対応に当たったということです。

韓国の通信社、連合ニュースは進入した軍用機の中には、戦闘機や爆撃機が含まれていると伝えています。

韓国国防省は「このような行動は不必要に緊張を高める要因になりうる」などとして、中国とロシアに対し外交ルートを通じて厳重に抗議するとともに再発防止のため適切な措置を講じることを強く求めました。

NHKニュースより

どうやら、韓国に近い海域でやったらしいので、韓国に対して圧力を掛けていくスタイルだったらしい。同盟の一番弱い和だから、当然ここは攻撃したいのだろうね。