ヒドイ記事である。
「こんなもの3日あればすぐ作れるよ」激増する”中国人マイナンバーカード偽造団”を直撃取材!
2024年2月6日 8時0分
「これさえあれば、なんでも手に入る。本当に素晴らしい制度だよ」
1枚のマイナンバーカードを懐から取り出しながら、利便性について賛美する中国人の男。しかし、その手に握られているカードはホンモノではない。
livedoor NEWSより
まあ、所詮週刊誌の記事である。裏取りなどしていないんだろうね。
細部は間違っていないのだが
いい加減な週刊誌のヨタ記事
さて、これに関してXで怒りの声を挙げている方がいたので、ご紹介。
自民党議員の小野田氏である。
このフライデーデジタルソースの記事は、何にも裏取り取材しないで適当な内容をでっち上げたことが、少し調べれば直ぐに分かる。
マイナンバーカードに使われているICチップには、、「公的個人認証AP」「券面事項確認AP」「券面入力補助AP」「住基ネットAP」の4つのアプリケーションが入っている。この情報を使って、システムの照合を行うのが基本である。
ICチップの情報は各種サービスと照合されるので、齟齬があれば直ぐに分かる。身分証としてはそれなりのセキュリティになっていると言えるだろう。暗証番号がロックされる仕組みというのは、良い面と悪い面はあるんだけどね。
小野田氏が「ICチップ確認マスト」と言っているのは何故かと言えば、それは「偽造が困難」だからである。つまり、折角のセキュリティを利用すべきだとの指摘なのだ。
逮捕された
記事の中身には、偽造を行っている犯人の話が書かれている。
昨年12月、マイナンバーカードなどの偽造を行っていたとして、20代の中国籍の女が警視庁に逮捕された。女は’23年6月ごろから、中国国内の指示役に従い、日本の身分証の偽造品を作成し、指定された住所に郵送していたという。警視庁は、女が750枚のマイナンバーカードの他、在留カードなど約1万枚のカード偽造に関与していた可能性があるとみている。
livedoor NEWSより
これだけ大規模な偽造を行っていた集団がいるというのは、許されることではない。
……えーと、一応別の記事も紹介しておく。フライデーの内容を鵜呑みにするのは宜しくない。
偽マイナカード製造容疑 中国籍の女逮捕―警視庁
2023年12月04日12時38分配信
自宅でマイナンバーカードなどを偽造したとして、警視庁国際犯罪対策課は4日、有印公文書偽造容疑などで、中国籍の無職周桜※(※女ヘンに亭)容疑者(26)=大阪市大正区=を再逮捕した。容疑を認めているという。
~~略~~
情報を印字する前の無地のカードも約750枚見つかっており、同課は多数の偽造カードが流通したとみている。
再逮捕容疑は11月12日ごろ、自宅でマイナカード9枚などを偽造した疑い。
時事通信より
おっとぉ?ちょっと情報の正確性が怪しいようだが。「750枚のマイナンバーカード」が見つかったのではなく、「750枚の無地のカード(マイナンバーカードの素材)」が見つかったのだ。偽造されたのは9枚だけである。その偽造もお粗末なモノではあったようだが。
別の報道を見ると……
えーと、まずはこちら。
どうやら総務省でもそれなりの問題を把握しているようで、特に詐欺によりマイナンバーカードを手に入れる手口が問題視されているようだ。偽造よりも、詐欺に利用される方を問題視しているようだね。
で、報道されている事実なんだが……。
中国人によるマイナンバーカード大量偽造の衝撃 事件の背景に潜む犯罪集団【専門家解説】
2023年12月8日 金曜 午後7:00
12月4日、マイナンバーカードなどの偽造を行っていたとして、26歳の中国籍の周桜婷容疑者が逮捕された。
FNNプライムオンラインより
偽造されたのが9枚で、各偽造身分証や偽造在留カードなんかが結構出てきて、その材料がドッサリってことみたいだね。
今回の偽造では、券面のみの複製・偽造=いわゆる外見上の偽造をした形で、ICチップ内に含まれる情報は複製されておらず(複製するのは極めて困難)、このICチップを使った認証やサービスが悪用される心配はない。
FNNプライムオンラインより
なるほど。
責められるべきは杜撰な銀行での運用
で、冒頭の記事では、こんな風に書かれている。
たしかに押収された偽造カードの写真を見ると、ICチップの形が正規のカードと異っているなど、雑な点がある。ところが、筆者が接触した男は「すでに同種の偽造マイナンバーカードが大量に生産され、日本中で利用されている」と語る。主な利用方法は、偽名での銀行口座開設だ。
「かつては、偽造の在留カードで銀行口座を開設することができたが、ここ数年で、必ずICチップの読み取り確認をするようになった。ICチップまでは偽造できないが、マイナンバーカードを身分証として提示する場合には、内蔵されているICチップの読み取りはされない。目視で名前や住所を確認されるだけだ。偽造の運転免許証を使う方法もあるが、手触りなどで偽物だと気付かれることもある。その点、マイナンバーカードなら日本人もまだ見慣れていないから、そうそうバレることはない」
livedoor NEWSより
窓口でカードの表面だけ確認するようは阿呆な機関はさっさと潰れてしまえば良いのだ。
しかし、架空名義での口座が銀行で作られているのだという。
「確かに在留カードとは異なり、マイナンバーカードによる本人確認の際には、カードの目視と表面のコピーを取るのみでICチップの読み取り確認はしていません。利用者の大半が日本人であるマイナンバーカードで、外国人だけ読み取り確認をするとなると、外国人差別という批判を受ける可能性もありますから……」
livedoor NEWSより
この話がにわかに信用出来なくて思わず銀行に問い合わせをしたのだが……、どうやらオンライン登録の際には、マイナポータルなどと連携して確認する仕様になっているのだが、店舗に出向いての口座開設の場合には、ICチップでの照合を行わないケースがある模様。
運転免許証もICチップ入っているのに、顔写真だけで判断とは。
実際に大手銀行に問い合わせたところ、口座開設に際し、マイナンバーカードのICチップを読み取ることはしておらず、当カードに顔写真や住所、氏名などが記載されていれば可能であるとのことであった。
FNNプライムオンラインより
なるほど、この辺りはFNNプライムオンラインの記事の内容とも符合するね。
つまり、早急に銀行にも対策を迫る必要があるんだと思う。何なら、銀行口座を新たに新設する時には、マイナンバーカード提示義務を付けても良いくらいの話になっていると思う。
というか、マイナンバーの認証が取れた口座かどうかは、そうでない口座と区別する位のことはやっても良いと思う。
過渡期の運用だと信じたいけれども、当面はありうる話みたいだね。銀行側としても高齢者が増えているので、マイナンバーカードがない顧客を無下にはできないだろうから。
精度を増してもICチップの偽造は困難
そして、記事の問題の部分なのだが……。
これらの事実から浮かび上がるのは、大規模な犯罪組織が日本国内の偽造身分証を一元的に手掛けている可能性である。さらに男は、「現行品よりも精度を増した偽造マイナンバーカードの流通もまもなく始まる」と明かした。
livedoor NEWSより
精度を増した偽造マイナンバーカードでも、悪用をするのなら杜撰な運用をやっているところが狙われるという意味であり、つまり、マイナンバーカードの利用を促進すべきだという結論にすべきところ、マイナンバーカードの利用はキケンだ、というような誘導になっているところが問題なのである。
そして、何より大切なところは、こうした悪用に関しては運転免許証についても健康保険証についても随分前からあって、現在進行形で悪用されているという点だ。偽造品はマイナンバーカードよりも多いのだ。そして、その精度に関して言及はないが……、おそらく一見しただけでは分からない程度にはなっているのだろう。
記事にも、「在留カードなど約1万枚のカード偽造に関与」と書かれている。偽造されたマイナンバーカードは9枚で、750枚分の材料があったと。偽造品は何れも粗悪品であったと、そういう風に考えると、寧ろこれまでのカードの方がヤバイ。
それなりに考えられてマイナンバーカードは作られている。それも従来の身分確認にあった問題を踏まえた運用になっているので、セキュリティはもちろん従来のモノより高い。
新しいシステムの方がセキュリティが高いのは、ある意味当たり前なんだけどね。
使いたくない人との利益調整は必要だが
まあ、マイナンバーカードを使いたくない派の人がいることは理解するし、システムが万全かというと、幾つか穴があるようだ。だが、それはそれとして運用を広げて貰わないと、セキュリティを高める話に繋がらない。
何より、記事が悪質なのは、物事の本質をミスリードしている疑いがあることである。
こんな記事が出回っているんだよな、まだ。
流石にこのレベルのヒドイ記事は少なくなってきたようだけど。
とはいえ、首相が答弁したように、現段階におけるマイナンバーカードを強制取得させるということは難しいのが実情である。であれば、利便性を高めていくべきなんだけど……。
一番良いのは、病院での利用が簡単になるパターンだと思うな。マイナンバーカード持っていったら、医療費が紐付け口座から引き落としになる位の運用を思い切っても良いんじゃないだろうか。
コメント
保険証として使う場合はチェックされるだけ現状よりも前進している。
健康保険証の方は、かなりの損害も出ているようですから半歩前進くらいですね。
ただ、病院に行っても余り積極的にマイナンバーカードの提示を求められないのが実態なので、もう少し徹底出来るようになると良いように思います。
私も最初は、保険証は持ち歩くからなくすのが不安、だから一体化は嫌と思っていましたが、
長年身分証として使ってきた免許証は持ち歩いているけどなくしたことはないことに気づき、必要性は理解している(つもり)ので今は反対ではありません。
「やっているのはG7で日本だけ」と非難している人達って、
LGBTやら何やらで「G7でやっていないのは日本だけ」と言っていた人達と同じではありませんか?
それに健康保険証との一体化に関しては、
アメリカのように「国民皆保険でない国」はできませんよね。
保険証も運転免許証も、持ち歩けば無くすリスクはありますから、当然マイナンバーカードも同じなんですよね。
ただ、滅多なことでは紛失しませんから、便利になってくれれば嬉しいと思っています。
外国の話については、参考にするのは良いことだと思います。
ただ、色々な背景があってのことですから、日本でその事例が適用できるのか?と言うことをしっかり見極める必要がありますよね。
こんにちは。
>窓口でカードの表面だけ確認するようは阿呆な機関はさっさと潰れてしまえば良いのだ。
ほんこれ。
折角のセキュリティを、自らザルにしに行っている。
コンビニのコピー機以下の運用ですからね。
※コンビニのマルチコピーで住民票出す時、電子暗証の照合は当然必須。
マイナンバーは通名殺しというのはずいぶん前に「余命三年」で知りましたが、運用がこれでは……いや、その窓口担当がそもそも通名なのでは……むしろその上役が?
こんにちは。
折角のシステムが導入されたわけですから、しっかり使って欲しいものです。
使わないとブラッシュアップされませんしね。